ウルトラマンパワード~リメイクと語り直し~
「ウルトラマングレート」が、作品を語るにあたり口ごもってしまうのと対照的に、今回扱う「ウルトラマンパワード」に関しては、語りたい点がいくつかある。最初の「ウルトラマン」のリメイクであり、90年代の特撮技術によってかつての名作がどのように変化するのか、という点もさることながら、現代的にアレンジされた科学特捜隊の未来装備や衣装、新時代に合わせた組織構成や人材のあり方など、どういった切り口でも語るべき点がある作品だ。もちろんそれは初代「ウルトラマン」というひな形があってのことで、比較対象が明確化されているが故に、語りやすいという側面がある。これはパワードという作品を語る上で重要な点で、受け手がどのように見るかを、作り手自身が十分に意識しながら作っている証明でもある。何が違って何が同じかをあげつらうことは、「ウルトラマンパワード」を楽しむにあたっての準備段階を踏んだに過ぎないと思う。もう一歩踏み込んで、何ゆえにどういう視点を持ち込んで語り直したのか? はたまた全てを放り投げてリメイクしたのか? 今回は「語り直し」と「リメイク」という2つの切り口で見直してみたい。
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