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「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」~特攻賛美の批判を越えて~

この夏、すでに77回目を迎えた終戦記念日を越えて、この話題をするのは本当にためらいがある。この作品が筆者にとって本当に好きな作品かと問われれば、口ごもるしかない。かつて、日露戦争における旅順攻囲戦を描いた戦争映画「二百三高地」(1980)の主題歌「防人の詩」を歌ったさだまさし氏が、「右翼」といういわれなき非難にさらされた。映画自体ではなく歌詞内容を読めば、彼が反戦を歌ったことは明白であり、戦争を賛美したり、勝利に酔いしれる歌ではない。むしろ時代の要請の中で戦争によって引き起こされる様々な出来事に、慟哭と憤りをもって歌った歌曲が、戦争勝利という映画の結末によって曲解されたのだ。筆者はまだ11歳であったが、この事態を傍目で見ていて、当時まだ彼のファンですらなかった筆者でも、言いがかりにも程があると憤慨した記憶がある。そこで幼い筆者が理解したことは、「出る杭は打たれる」であり、ヒットしたものを引きずり下ろしたいマスコミの、嫉妬とやっかみの下衆な道理であった。

だが本作は違う。本作のプロデューサーである故・西崎義展氏が、狙って作ったシチュエーションであり、自らが生み出したキャラクターを、観客の涙と引き換えに殺していく。その上、明らかに勝敗が決しているにも関わらず、最後はヤマトと主人公の死をもって強大な敵に抗っていくラストシーンは、誰もが太平洋戦争における「特攻」を思い起こさせる。こんな時期であればこそ、本当に口ごもるしかない内容の作品で、後刻「完結編」が公開された1983年から80年代後半までは地上波でも放送があったが、90年代以降はほとんど顧みられない作品となっている。この作品の「特攻賛美」という評価を覆すことは、まずもって無理であることは、製作側が意図的にそのように作ってあるのだから、無理である。だからといってこの作品を、アニメ史として無視するわけにも行かない作品なのは、本作は興行的に大成功をおさめたわけで、先行する第1作があってのことではあるが、アニメブームを牽引する1作であることは間違いない。そんなアニメ史の上で無視できない作品を、いまさらのように扱ってみたい。

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プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
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戦隊シリーズをこよなく
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ピカード艦長が大好物。
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