劇場版マクロスF 虚空歌姫~あたしのターン!~

 劇場版「マクロスF虚空歌姫」にいってまいりました! いやぁよかった。まずは観ておいてよかったと言っておきたい。まだ物語は半分であり、すでに後編の公開も決まっているので、続編も楽しみである。とりあえず、今回もネタバレになるといけないので、中途半端な感想になってしまう。ご容赦いただきたい。

 ただし今回の劇場版、テレビ版とは異なるアプローチで再構成してあるため、ちょっとしたことで、テレビ版とは異なる印象を持つだろう。また前半とは言え劇場用映画としてのオチの付け所も必要であるから、テレビ版第7話「ファーストアタック」の戦闘を大幅に改変し、前編のオチとすることで、異なる印象の物語となっている。この時点でランか・リーはまだ「ニンジンの歌」すら歌っていなかったのだが、映画ではもうちょっとデビューから時間が経過しており、さまざまなキャンペーンソングがお披露目されている。またラストバトルでは、マクロスらしく「歌」が流れるのであるが、早くも・・・・・が歌われている。ちなみにランカとシェリルのデュエットだ。この時点でシェリルはランカの実力を認めているし、もう一つはシェリルやグレイスたちマクロスギャラクシーからツアーできた連中には、スパイ容疑がかけられている。そのためラストシーンにむけて、シェリルとランカとアルトの3人の距離がぎくしゃくし始めるのだ。だがまだ物語は前半だから、「歌」でヴァジュラが攻撃の手をゆるめる訳ではない。ラストの歌はあくまでも、戦っているSMSのメンバーやアルトたちを勇気づけるための歌であることが、前半のポイントだろう。そうそうブレンはシェリルの護衛役ですが、最後の戦闘でおいしいとこ持って行きます。

 新作カットもかなり増えている。ランカが物語開始時点ですでにアルトたちと知り合いだったり、シェリルとアルトのデートシーンは、新作シーンの目白押しとなっている。そもそもランカやシェリルのデザインに疑問を持っていた私であるが、このデートシーンは、素直にシェリルがかわいかったと思う。またこうした新作の部分に引っ張られて、物語の交通整理に、ある化学反応が起きている。それはアルトとランカ、アルトとシェリルのシーンがきちんと差別化されたことだ。簡単にいうと、「今はランカのターン」とか、「今はシェリルのターン」というのが交通整理されて、わかりやすくなった気がする。これまでのテレビ版ではどうしてもカットバックを利用して、ランカもシェリルもどっちにもスポットを当ててしまうため、観ていると結構気疲れするし、特にランカとミシェル、アルトとシェリルの2組がゼントラーディーの居住区に出入りする話は特に込み入っていたのだが、これがかなり軽減されて、見やすくなっている。

 どちらかというと本作は「シェリル」寄りに作られている。それは初登場でグレイスと会話するシェリルの声音が、少しだけ悪意が混ざっていることにも現れる。しかもグレイスは一人の時の悪意たっぷりの声音を隠そうともしない。はじめっからやらかすつもり満載で登場する。なーんにも知らない人が観ても、頭っからグレイスは悪い人であることがわかる仕組みになっている。キャストのインタビューなんかを読んでいると、意識的に先を見越してのアフレコだったようで、意図的に演技の質を変えている。こういった観客への配慮は、十分すぎるほどしておくにしくはない。そう考えると本作はまさに、シェリルのターンであったと言える。ましてや前半の内容がツアー初日のコンサートと、ツアー最終日のコンサートであるのだから、その演出は巧緻を極めたものであった。

 序盤のコンサートではアニメならではの演出で、CGで作られた歯車ロボットがうさぎのような衣装に身を包んだシェリルと、魔女っぽい(設定画では黒ウサギ)の衣装で登場する。その二人がステージ上で絡むのであるが、こんな演出、アニメ以外でできようはずもない。しかも歯車ロボットの動きや白ウサギ衣装のシェリルのブリッブリなアクションを観ると、「不思議の国のアリス」を想起させるし、白ウサギと黒ウサギのなまめかしい絡みは、かなり際どいイメージで作られている。こうしたイメージの裏側に、「マクロスプラス」で登場するシャロン・アップルの映像技術が生かされていると感じられる。そうした時間続き上の物語であることが、はっきりと画面上でわからせる演出になっているのだ。つくづく時間の流れを感じさせる演出だ。しかも演出技術で言えば、CGの歯車ロボットの動きには、どことなく「バスカッシュ」の動きまで入っていそうな気がする。そうした現実上の時間軸の進みと、劇中の時間軸の進みが、どこまでも交差する瞬間を観ている気分にもさせてくれる。

 河森監督曰く、「マクロスてんこ盛り」の映画であるそうだ。だから前半とは言え、映画のラストバトルにおける歌とバトルの演出は、これでもかと詰め込まれている。むしろ少し長めにすら感じたぐらいであるが、とにかく見せ場が多い。テレビ版では初回の戦闘で、アルトは宇宙に放り出されそうになるランカを救っているが、本作では終盤でランカを救う。それはむしろテレビ版の最終回で観たくだりなのだが、いきなりここにくるか、やられたっと感じさせる。ケーニッヒモンスターの豪快な攻撃に背筋が震えたし、マクロスクォーターの強硬型の攻撃に、ダイタロスアタックの全力射撃、トドメはバトルフロンティアの主砲でトドメである。どうみてもやりすぎだ。ってことは、後編のラストバトルでは、テレビ版とは異なる演出のバトルが楽しめるに違いない。しかも物語もテレビ版とは異なる可能性も高い。はたしてどんな結末を迎えるのか、アルトとシェリルとランカの恋の行方は、今回は生き残った・・・・・の運命は? 本作が細かいところの変更で、かなり印象の異なる作品作りに成功している。そうなれば後編にも十分期待が持てそうだ。 見どころたっぷりの「マクロス大盛りどんぶり」は、さらなるおかわりを準備しているに違いない。そんなもん、いまからお腹すかせて待つしかないではないか。


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映画館の音響施設で聞くときちんと完成された音が出てくるのでアニメ中の歌姫の名に恥じない曲の完成度で圧巻されました。

ミサイルや銃声に振動が伴っているのでとても興奮したのを覚えています。

マクロスゼロの時も5.1ch再生にこだわっていたり、音響好きには嬉しい限りです。
しかし、ランカとシェリルの歌レベルが違いすぎて次回どう補正していくのかが気になります。

No title

とぴろさま
 ひきつづき、コメントありがとうございます。
 なるほど、音響効果もありましたか。もしかしたら劇場の音響設備に依存してしまう可能性がありますね。
わたし、右耳が聞こえないので、なんとも判断がつきませんが、私の耳にはあまり大きな差は感じませんでした。銃声や爆発音の再現度はすごかったですよね。スピーカーからの音圧が感じられました。まさに場内の空気が揺れた感じ。テレビでは手を入れられなかったところに力をいれる、それも劇場版の楽しいところでもありますね。
プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
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