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ドラマ「深夜食堂」~心の小腹、すいてませんか?~

 10月12日更新の本ブログにて、漫画版の「深夜食堂」については、少なからず書かせてもらっている。気になる方は右の「全記事表示リンク」から覗いていただければ幸いです。
 今回このブログでとりあげるには、形態があくまでドラマであり、特別特撮を使っているわけでもなく、せいぜい夜中の月の画像をCGで作り込んでいるぐらいなんだけど、なにかこう40歳にもなったおっさんの心をほっこりさせるなにかに気がついたせいなのだ。毎度わがままで申し訳ない。

 原作にかなり忠実に再現された深夜食堂「めしや」という、新宿ゴールデン街にある小さな食堂が舞台。ここのなにか分けありげなマスター役を小林薫さんが渋く演じていらっしゃる。そして毎夜さまざまな人々が出入りする。そのお客が織りなす人間模様と、マスターが出すささやかなメニューが魅力のドラマである。今年の10月からスタートしたドラマではあるが、アニメと同様年内いっぱいの1クールで終了らしい。漫画は安倍夜郎氏の手による作品で、既刊5巻となっている。連載はビッグコミックオリジナル。放送は毎週金曜の深夜である。

 1話で登場したおかまの小寿々さんとヤクザの竜ちゃんの、成就しようがない恋物語、別れた父親の面影を追うアイドル崩れの女優と、それを静かに支える浮浪者となった父の話である8話。女の友情に恋、そして自分がなぜ男縁がないかを悟りようもない滑稽な、それでいて純愛を口にする3人のOLの物語である3話など、どれも日本の生活に根付いたようなユーモアとペーソスがあり、現実の壁を越えられない人たちが肩を寄せ合う新宿の街、そして彼らを現実からささやかな非現実に誘うささやかなメニューとマスターの人柄。そんなものがないまぜになっているドラマである。どこか懐かしいイメージがあるのは、このドラマの作りがあまりにベタであり、それとわかってそのような演出がなされている「昭和」テイストのドラマだからであるのだが、このドラマにあるほっこりとした感覚はなぜだろうか?

 このドラマ、実は原作を忠実に再現しているかと言えば、実はそうではない。各話の脚本家は3,4人のローテーションで行われているようだが、各話脚本家の裁量に任されているようで、キャラクターの造詣や物語の構成などは大筋で原作と同じになっているものの、最終的なエンドについては微妙に異なる点が散見される。
 はっきりと異なるエンディングを迎えているのは7話の「タマゴサンド」の回である。この話、苦学生の青年とタレントの卵の女性が「めしや」で知り合う。二人は引かれあっているのだが、彼女の告白も「自分とは住む世界が違う」と言って断ってしまうのだ。だが彼女が売れ始めた頃、事務所の社長との恋愛が派手に報道され、ついに結婚までしてしまう。苦学生は未練たらたらなのだが、互いが出会う時間さえ持てない。やっと「めしや」で再会できた二人は、互いの幸せを願いながらも別れてしまうのである。と、ここでドラマは終幕してしまう。だが漫画ではここから離婚した彼女が苦学生とやり直すというエンディングを設けている。この時の学生はスーツ姿であるから、それからしばらくたってのことだろう。まるで漫画のエンディングが蛇足だとでも言わんばかりに、ばっさりと切り落としているのだ。またそのためなのか判断つかないが、エンディングまでの時間稼ぎか、途中なぜ彼女が事務所の社長と付き合うようになったのかという件についても、彼女に告白させるシーンまで追加している。
 また6話「カツ丼」の回についても、大まかの流れは同じであるにもかかわらず、カッちゃんの人のいいわかりやすさが全体に前に出すぎているし、最後にカッちゃんが一緒になった母親と娘の3人で「めしや」に来た際、自分から「親子丼」をオーダーする件が、マスターが気を利かせて「親子丼」を出す演出となっている。このあたり、マスターの気の利いたところであるし、カッちゃんがより一層人の良さがにじみ出る結果となる(蛇足だが、カッちゃん役の音尾琢磨氏の顔は、ヒゲをのぞけば、原作の顔の再現率が異常に高い)。

 なんでこんなことをあげつらっているのかというと、別に原作と違うことに文句を言っているのではない。6話にしてみれば、ボクサーであるカッちゃんの人の良さをクローズアップしているし、7話の物語のエンディングの変更などは、むしろ苦学生の側にもタレントの女性の側にもドラマをふくらませてあり、その上で「人生ってなかなかうまくいかないよね」っという、実に当たり前のことを、当たり前にドラマに落とし込んでいることだ。そこには物語の着眼点があるし、その着眼点に目をつける部分のセンスを、脚本家がきちんと持ち合わせている証拠だと思える演出になっているからだ。ましてや「めしや」という一つの舞台でのドラマを要求されているわけだから、毎回10ページ程度の漫画を薄めずに引き延ばしている点は高く評価したい。1話でも竜ちゃんが刺されるシーンは、漫画とは異なり完全に作り出しているし、その罠が二重であればなおのこと、竜ちゃんでも回避できなかったろうと思わせる。2話から登場し始める「お茶漬けシスターズ」も、ゲスト回は本当にばか姉ちゃんぶりを発揮して笑わせてくれるのだが、メインの回で見せた女の友情物語と愛憎の行方は、2時間ドラマを見たほどの充実ぶりである。漫画と見比べながら、原作に負けず劣らず深い脚本だなあと思いをはせるのは、いい経験である。

 さて本作に出てくる料理の数々は、決して手の込んだメニューではない。むしろ手数のかからないメニューばかりであるのだが、そこにマスターが一手間加えておいしくしてくれるところに、本作の妙味が隠されていると思うのだ。それがまさにドラマにも言えることである。原作と異なるとは書いていた物の、実態としてはむしろディティールの突っ込みであり、それはキャラクターや物語をふくらませた結果なのである。それを改悪ととるか改善ととるかは好みの分かれるところだろうが、原作と補完し合うような立ち位置のドラマであると考えると、原作漫画がわりとあっさりとした演出スタイルで物語が進むのに対して、手応えとしてはややごつごつしながらも、受け止めたときに受けた側にきちんと重さの残る付け加えをしていると感じられて、心地いいのである。まさに、すいた小腹を満たしてくれるようにほっこりした感じなのだ。それはマスターが料理に加える一手間と同じ効用を持つのである。

 本作の放送は年内いっぱい。すでに残すところ2回となっている。料理とは季節に合わせた食材を用いることが大事である。旬とはまさに食べ時である。本作の旬はまさに今と言いたいところだが、実に原作にはまだまだストックがある。焼きなすやスイカのエピソードなど、どう見ても季節が現在と合わないので、遠ざけられたネタであろうが、すでにメインキャラクターの顔見せはすんでいるし、どう考えてもこの豪華なキャストを1回こっきりで終わりにしてしまうのは惜しい。マスター役の小林薫氏を中心に、メインキャラクターが怪談話を繰り広げる話なんか、実に楽しそうではないか。できることなら、第2期があることを切に願う作品だ。

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