今年はこんなマンガを読んでいた~よそで取り上げないマンガ評~

 ヤマト復活編の記事を書いて、そのまま体調を崩し、なし崩しに年末に突入した。しかも無職にも関わらず雑事に追われるまま、今年も残すところあと2日となりまして、今日、明日、明後日は今年を振り返る記事にしたいと思う。んで一発目はマンガの話。

 過日「このマンガがすごい」2010年版については取り上げたけど、自分が読んでいたマンガについては一切書いていなかったので、あらためてこの場をかりてご紹介。ただし過日の記事でも書いたように、私は基本的にマンガを選ぶ目を持っていないので、大した作品は読んでません。ご了承いただきたい。

 今年読み始めてはっきりと面白かったのは「神のみぞ知るセカイ」(若木民喜・小学館)である。物語はギャルゲーの世界で「落とし神」とあだ名されるギャルゲーマーの少年が、どじっこの地獄の使い魔エルシィの要請に従って、現実世界の女性を口説き落とすことで解放される「駆け魂」を捕まえる話であるが、主人公の桂木くんのギャルゲー知識による女性観が、圧倒的に面白い。しかも現実すらギャルゲーに見立て、ギャルゲーの法則のみで現実の女性を攻略することがベースの話でありながら、徐々に桂木君が現実に立ち戻るのかと思うと、まったくそんなことはなく、あくまでゲームの世界に固執するあたりの堂々巡りが、人間としての成長を否定しながら堂々としている姿は頼もしい限りである。彼がギャルゲーを捨てる日が来るのか、それともギャルゲーの世界に取り込まれるという展開があるのか。

神のみぞ知るセカイ 6 (少年サンデーコミックス)神のみぞ知るセカイ 6 (少年サンデーコミックス)
(2009/10/16)
若木 民喜

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「謎の彼女X」(植芝理一・講談社)は、著者の前2作(「ディスコミュニケーション」「夢使い」)が好きだったので、そのまま継続。この主人公の彼女・卜部美琴がひたすらかわいい。はさみ使いと泳ぎが得意。しかも主人公との絆が「よだれ」ってあたりのものすごさ。変態ちっくなんだけど、そこはかとないエロティシズムが漂う設定でありながら、基本の物語はボーイ・ミーツ・ガールってのがいい。そも、こんな不思議な女の子が好きなのである。
謎の彼女X 5 (アフタヌーンKC)謎の彼女X 5 (アフタヌーンKC)
(2009/08/21)
植芝 理一

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 「妄想少女オタク系」(紺條夏生・双葉社)は現在6巻目。メガネの腐女子が美人の腐女子と一緒に、腐女子ライフに花を咲かせながら、一方でノーマルな恋愛までこなしちゃう物語。でも主人公のメガネちゃんは、根っからの腐女子なので、男の子からアプローチされてもよくわからない。見ているこちらがやきもきする恋の展開というお話。「801ちゃん」などで一時期はやった「腐女子マンガ」の系列にあるマンガであるが、2組のカップルの行方、そして腐女子の2人の、ありがちなようでいてけっしてあり得ない恋の展開に、笑わせて貰った。次の7巻目で終幕とのこと。残念ではあるが、どのような結末を迎えるのか楽しみである。

妄想少女オタク系6(アクションコミックス)妄想少女オタク系6(アクションコミックス)
(2009/12/12)
紺條 夏生

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 「幻仔譚じゃのめ」(梅田阿比・秋田書店)は、妖怪退治物。おもしろいのは妖怪退治の力を持っている男の子は、血のつながらない女の子の姉弟の目玉をなめている間だけ強くなる点。しかも姉弟はおたがい連れ子の再婚同士。たがいにいがみ合いながらも、男の子の母親から受け継いだ力の源としての「目玉」をキーにして、土地に集う妖怪たちが起こす事件を解決していく物語。とにかく「目玉」をなめとるシーンがなんともなまめかしい。そうした直接的表現ではないエロティシズムが感じられ、なおのこと血のつながらない姉弟の「禁断の愛」がほの暗く見えてくるあたりの背徳観も面白い。これからが楽しみな1本。実に深夜アニメ向き。
幻仔譚じゃのめ (1) (少年チャンピオン・コミックス)幻仔譚じゃのめ (1) (少年チャンピオン・コミックス)
(2009/03/06)
梅田 阿比

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 「オクターブ」(秋山はる・講談社)は、今年の流行りであった「百合もの」の1本。実は「マリ見て」も知らないまま「青い花」のアニメを見始めたときに、ついでに読み始めた作品であり、こちらはより徹底的に女性同士の性愛を追求している作品。アイドル崩れの主人公が、ふとしたことで出会った男前の女性と恋におち、体を重ねあい想いを確かめ合いながらも、どうしても心と体がずれていく様子を、丁寧に描いている作品である。女性同士の何がよくてわるいのか。何が寂しくて何が楽しいのか。カップリングとしての女性同士の問題点をきちんと正面から描こうとしているため、繊細なタッチの割にかなりしんどい作品でもある。けど「百合もの」の理解を助けるのに、私にとっては今年必要な作品であった。これがあったればこそ、「青い花」の寸止め感が気持ちよかったし、「ささめきこと」も笑うことができたのである。
オクターヴ 3 (アフタヌーンKC)オクターヴ 3 (アフタヌーンKC)
(2009/08/21)
秋山 はる

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 「海の御崎」(文月晃・白泉社)は、とある島における信仰を背景としたハーレムマンガ。東京から引っ越してきた主人公の少年は、「龍神」と呼ばれるその島の生き神様であり、同時にその島には同い年の3人の娘が、龍神の寵愛を得るために、龍神の巫女として選ばれていた。3人の巫女と龍神となってしまった少年の恋物語。前作「藍より青し」という激烈な寸止めマンガの後作品として期待していたが、期待に違わぬ寸止めぶりに、鼻血がたまるのを感じる作品である。3人の巫女のキャラクター設定がやはり秀逸であり、誰がどう見ても最終的なカップリングが透けて見える話ではあるのだが、他の二人もかわいらしいので、なんともはや。ただし島の信仰という部分については、きちんと取材しているのがわかるし、その設定がどこまで足かせになるのかが、今後の展開上の見所でもあるだろう。「かんなぎ」や「かみちゅ」など、宗教や信仰などのタームを上手く扱う難しい展開も控えている。たんなる寸止めマンガでは終わらない可能性が高い。期待するや大である。
海の御先 6 (ジェッツコミックス)海の御先 6 (ジェッツコミックス)
(2009/11/27)
文月 晃

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 「健全ロボ ダイミダラー」(なかま亜咲・エンターブレイン)は、ロボットものまんが。やっていることは大道のロボットアニメでありながら、主人公がとんでもなくスケベで変態。しかも男女ペアで乗り込むあたりに、その変態性も理解できる。昨今の作品では「鉄のラインバレル」なんかも、かなり寸止め感があったが、こちらははっきり揉んでます。そしてバカ。おまけに主人公ロボ・ダイミダラーのデザインセンスが、ようわからん。エンターブレインというか、ビームコミックスという発売元のジャンル設定のセンスがよくわかる逸品である。普通の人間の感覚なら、これを読むならラインバレルを読むだろう。うん、僕もそうする。
健全ロボ ダイミダラー 1巻 (BEAM COMIX)健全ロボ ダイミダラー 1巻 (BEAM COMIX)
(2009/11/16)
なかま 亜咲

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 さて最後にご紹介するのは、単発の作品ながら、私の今年イチオシの作品である。「さいたまチェーンソー少女」(桜坂洋・鶯神楽・電撃コミックス)である。原作者は「よくわかる現代魔法」の作家であり、本作はSFマガジンにて読者賞を受賞した作品をコミカライズした作品である。おとなしいメガネの少女がある日想いを寄せていた男の子に振られてしまう。そこからふさぎ込んだ毎日を送っていた彼女であったが、彼は宇宙人に狙われていると妄想し、チェーンソーを持って大暴れするという物語である。チェーンソーといえば、「ネガティブハッピーチェーンソーエッジ」という映画(と原作小説)があったが、そちらのチェーンソー男の正体も寂しさの実体化した悪魔であった。まことにチェーンソーは妄想と切っても切り離せないアイテムであるらしい。こちらの物語でも、少女がチェーンソーを持ち出し、この世界を壊そうとするかに見える物語であるが、その落としどころが秀逸であり、ほうと思わせるいいオチなのである。埋もれさせるにはおしい1冊である。書店で見かけたら、手にとっていただきたい1冊である。
さいたまチェーンソー少女 (電撃コミックス)さいたまチェーンソー少女 (電撃コミックス)
(2009/04/27)
桜坂 洋

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 明日は今年の特撮、そして劇盤についてまとめてみたい。よろしくお付き合いいただければ幸いである。
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テーマ : 漫画の感想
ジャンル : アニメ・コミック

コメント

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No title

最近更新していないなと思っていたら、体調を崩していたのですね。大丈夫でしょうか?

最近自分もマンガの知識が付いてきたなーと思っていたら、
「神のみぞ知るセカイ」しか知っている作品が無かったです…orz

まだまだ修行が足りないなぁと改めて思いました。

No title

のりすけさま
 ご心配いただき、ありがとうございます。
 私も長いことマンガ読みしてますので、それなりかと思っていたのですが、BS-NHKの「マンガ夜話」を見るにつけ、毎度唸らされます。この方面ばかりは、お金の制約もあるので、簡単にはいかないと思っています。ましてや少女マンガはほぼ手つかずだし、レディースコミックなども体系的に見ると面白いのではと思っています。「青い花」がレディースへの道しるべだと思ってたのですが、そんな簡単なものでもなさそうで、うなだれてしまいます。
プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
43歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
愛する、男オタ。
特撮は主食、
アニメは副菜。
後期必殺を好み、
スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
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