映画「デビルマン」~映画に関するあれこれ~

 2010年2月4日夕刻に、横綱朝青龍が自らの素行をわびて土俵を去る決意をした。翌日のニュースショーはほぼこの話題一色であり、小倉智昭さんでさえ朝の番組の長々としゃべるOPをやめて座った状態で番組がスタートした。ことの重大さを一番思い知ったのはおそらく朝青龍本人だろう。東京にいる限りどこのチャンネルに合わせても、自分の話ばかりだ。こういうとき、相撲や時事ネタに関心のない子供たちは、テレビ東京やNHK教育が頼みの綱となるが、それとて子供番組をやっている時間も少ない。こうなると俄然注目されるのはDVD。それもレンタルだろう。

 今夜(2/5)は日本テレビ系列において「崖の上のポニョ」が地上波初オンエアとなる。去年のラピュタや過日のもののけ姫ですら高い視聴率を維持したというから、今回もさぞかし高いだろう。映画という本来一過性の娯楽であったものが、ビデオ、LDという記録媒体の革命を経て、DVDやBDになって家庭で視聴が可能になったのは、こうしたソフトウェアを製作する会社にとっては大きな変革であったはずだ。過去の劇場用作品があらかたリリースを終えれば、刺激に飢えた人々は、新しい刺激を求めて新しい作品に手を伸ばす。それがVシネマや低予算映画でもだ。まさに粗製濫造。レンタル店にならぶ作品をすべて把握している人など、世界中どこにもいないだろう。

 でもそれでいいのだろう。数が多ければそれなりに拾いものもできる。また新しい価値観が生まれてくれば、意外な作品に多様な価値観が発生する。結構なことだ。価値観は画一的ではないからね。まあ大方の人間がダメだという作品がまっとうであった試しはないけどね。
 最近のニュースによれば、アメリカの映画誌「エンパイア」における読者投票で、「史上最低な映画」として上げられた作品は、「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」であったそうだ。まあわからないでもない。私は劇場までこの作品を見に行ったし、DVDも持っている。この頃のバットマンシリーズもすでに4作目。1作目の「バットマン」が奇才ティム・バートン監督による異形の化け物同士の戦いは、2作目の「~リターンズ」で極北にいたり、ティムが離れて以後はそうした陰鬱さとはかけ離れた明るいエンターテイメントになっていく。シュワちゃんをMr.フリーズに起用した4作目もそうしたシリーズものがたどるエンターテイメント性のはき違えによる劣化がはっきりと見て取れる映画であり、そうした意味において十分価値のある作品である。
 また例年のゴールデンラズベリー賞は、「トランスフォーマー・リベンジ」に贈られたらしい。本ブログでも問題点を指摘した上で、1作目よりも洗練化して見やすくなり、物語の交通整理も十分な本作を評価したつもりでいたが、蓋を開けてみればこういう結果になったらしい。受賞の理由は知らないけれど、高いギャラ払って高級娼婦のような女優を呼びつけて、いまさらのようなラブストーリーを見せられてもどうかと思う。こき下ろすべき作品は、他にもある気がするが、これがアメリカ人のユーモアとウイットとメンタリティーだと思うしかないのかもしれない。

 日本映画でも「バットマン」や「トランスフォーマー」よりもひどい出来の映画なんていくらでもある。かつて私が身銭を切って見た映画でも、「さよならジュピター」や「首都消失」、「ゴジラVSシリーズ」、「ヤマトタケル」など、今考えてもはらわた煮えくりかえり、金返せと激怒したくなる作品だ。だれしもこういう経験はあるだろう。今回タイトルだけで紹介した劇場映画「デビルマン」もまさにどうした映画である。しかも私は家内と二人でいったのだが、それはネット上ですでにひどいと噂が立ち、あまつさえこの映画の問題点をすべて示したSF
作家・山本弘氏のサイトhttp://homepage3.nifty.com/hirorin/devilmaneiga.htmを見てからいったのである。だからこれがどれほどひどい映画ということについては、このサイトがすべてを語っているので、そちらをご参照下さい。
 紹介するまでもなく「デビルマン」は永井豪氏による原作マンガをあの時点でのCG技術をもったいなくも惜しみなくつぎ込んで制作された作品である。配給元が東映である以上、それはテレビ版「デビルマン」という絡みがあってはじめて成立した作品だと言える。だが出来上がってきたこの映画に、美点を見つけることが難しく、欠点をあげつらえば果てしなく突っ込みまくれるという作品に仕上がっている。この作品を見たときに、私は感じた。山本氏のサイトにもあるように、この映画をけなしていいのは、この映画を見た人だけである。身銭を切って見たもののみがこれを罵倒することが許される。本作のみならず、映画とはすべからくそういうものである。だから私が上記に上げた映画を罵倒するのは、ごく自然の成り行きである。私はこれらの作品をダメだという権利を有しているからだ。
 そしてあろうことか我が家には本作のDVDがある。友人たちに身銭を切らずとも本作の問題性がわかるよう購入し、我が家でこれを見たものはすべからく本作の欠点をあげつらい、酒をあおったのである。そう、身銭を切らずとも、せめて上映時間を本作に費やした人間には、これに文句を言う資格があると言い換えよう。それほどにひどい。

 「デビルマン」というこの映画、公開後監督が亡くなっていることも話題になった。はっきり言ってたたりのようなものじゃないか。自主製作映画を撮る人間にとって、「ドラキュラ」映画を撮るときには、かならず不思議なことが起こるので、撮影前にはお祓いすることが慣例になっている。デビルマンはもはやその域に達しているといって言い。

 だが先ほど述べたように、価値観は様々だ。「バカ映画」という言葉をご存知だろうか? いわずと知れたバカな映画であるが、こうしたバカ映画の愛好者は、コアな映画好きに多い。「キル・ビル」なんかは間違いなくバカ映画だろうし、「逆境ナイン」や最近作では「レッドクリフ」などはまさに大作のふりしたバカ映画だ。こうしたバカ映画認定は、映画の出来不出来以上に、不思議とファンがつく傾向にある。それも一つの価値観である。鳴り物入りで名映画館「新宿プラザ」で上映しながら、その特殊車両や物語の不出来に、帰り道の中学生(私)を絶句させた「メガフォーズ」なんていう作品も、今でいうバカ映画であろう(DVDを探しています)。私はこんなものまで観に行っていたのである。そんなバカ映画をつかんでしまうクセのある私でさえ一度は見るのをためらった作品である「デビルマン」。それがどれほどなのかは、やはり見ていただくしかない。でも見たらあなたはきっと後悔する。それは本来のこのブログの趣旨と異なるのであるが。

 映画とは劇場でもレンタルでもいいから、身銭を切って初めてどうこういえるものである。そしてそこで費やした時間が払った金額や自分の感動と釣り合うかどうか、自分の中の判断基準をどこにあわせるかという、一種異様なスノビズムの遊びでもある。人の意見を聞きながら、自分の意見と戦わせながら、あれこれ会話を楽しむのは、映画というアイテムの特権的な遊びなのである。

 実は功罪の多い「デビルマン」であるが、たった一つだけほめられる点がある。それはこれまで影に隠れていた未完のOVA「デビルマン」の評価が、いやが上にも高まったことである。来週はこのOVA「デビルマン」からスタートする。

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特撮(映像)伊崎央登

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No title

>買ったらアカン!

無茶苦茶ワロタwwwwwwお腹痛いwwwww


No title

波のまにまにさん宅でこの作品を見た時間は、間違いなく自分の人生で一番無駄にした時間でした。
その後見たOVA版デビルマンが物凄い傑作に感じましたもの。

No title

がたがたさま
 これほどひどい映画を見たことがないので、おもしろ半分にあおってみたけど、買ったら負けかなって気がしてて。笑えてもらえて、ようござんした。

mineさま
 無理矢理見せたもんね。悪かったよ。
 でも反省はしてない。

これは遠回しに見てみろと言っているように感じました。
他の批評家が2点をつけていて笑いました。

そんな作品のDVD買っちゃうなんてさすがです。

No title

とぴろさま
 記事を見て、どれだけひどいのか見てみたくなるようなら、止めません(笑)。
 買ったのはあくまで思う存分文句を言うためです。ここまでやっとけば文句もないだろうってことで。
でもバカ映画というのは、つっこみながらわいわいと大勢で見るのに適した映画だと思います。見終わった後で、「金返せ、ちくしょー」と思ったときに「バカ映画」認定してしまえば、ストレスなく気持ちが落ち着きます。おお、人にやさしい(お財布にきびしい・・・)。
プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
43歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
愛する、男オタ。
特撮は主食、
アニメは副菜。
後期必殺を好み、
スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
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