「機動戦士ガンダムUC・1 ユニコーンの日」~とりあえずレビュー~

 ついに発売されましたDVD&BD「機動戦士ガンダム・ユニコーン」エピソード1「ユニコーンの日」。こうしたはやりもんは、なんだかここでは扱いづらいのですが、せっかく見れたので、とりあえずレビューしておこうかと思う。なんにせよ、見て一発で興奮しちゃったもんだから、書かずにはいられなくなっちゃって。うちのブログらしくないですが、お付き合い下さい。

とりあえず、なんだかこう久しぶりにロボットアニメらしいというか、ガンダムらしいものを見せてもらったことに、興奮を覚えます。細かいつっこみどころはあるけれど、それ以上に素直に体が震えるような体感をさせてもらった。これがうれしくないわけがない。とりあえず思いついたところから書いておきたい。

<MS,戦闘シーンについて>
 この話に登場するモビルスーツ(以下、MS)については、以下の通り。

 1.ネオジオン残党「袖付き」(クシャトリヤ、ギラ・ズール)
 2.連邦のパトロール(序盤に登場するジェガン、スターク・ジェガン)
 3.ロンド・ベル(後半に登場するリ・ゼル)
 4.ガンダムユニコーン

 しかも今回はビスト財団と袖付き一党の話が中心であるため、連邦がなんだか悪役に見えて仕方がない。いまに始まったことではないが、今も昔も連邦は小汚いようで、これでは連邦軍大好きのミズグチ画伯も萎えようってもんだ。しかも後半の戦闘に登場するリ・ゼルの、まあなんともいやらしい動き。あいかわらず数にものをいわして押し込もうって考えがあからさまで、見ていてむかつくのである。
 一方のクシャトリヤであるが、「ZZ」時代のニュータイプ専用MSの名機・クインマンサの後継機の雰囲気と後続の「ラフレシア」に通じるデザインラインが見て伺える。しかもピットが使い捨てじゃなくて、番号までついて管理されている戦闘後のシーンを見ると、少し心温まる。
 序盤のジェガンとクシャトリヤとの戦闘シーンが、いきなりいかしている。能力を最大限に生かせれば、ニュータイプ専用機とも互角に戦えることを証明する戦闘シーンでありながら、それでもピットによるオールレンジ攻撃には、どうにも対抗できない様子がかいまみえる。だいたいジム系MSがエース機と一騎打ちを演じること自体、すごいことじゃないのだろうか? なんかおれ、悪い夢でも見ている気がしてきたぞ。あとでもう一回見直そうっと。
 後半に登場するリ・ゼルは完全に悪者の目ですね、あれは。今回ロンド・ベル、あまりいい印象がないのは、戦艦が写っても、艦内のやりとりや、MS同士の会話もないため、何が目的でインダストリアル・7を襲っているのかわからないのが、不気味なんだよね。だからクシャトリヤにピットのビームで切り刻まれているのを見ると、ちょっと気持ちがよかったりして。
 そうでもいいけど、中盤でギラ・ズールに乗っているやつ、どうしてあんなにとりみだしちゃうんだろ? あいつがもう少し冷静に対処していたら、連邦だってもう少しスマートに活動して活動してたんじゃないかな? よく「無闇に戦端を開くな」っていうけどさ、あれこそ無闇に開いた戦端な気がする。ジンネマン船長のもとにいる兵士の割に、肝の据わってない人にみえる。
 さて最後の最後ですべてかっさらっていったガンダムユニコーン。その変形はすばらしい。顔の変形も左右に開くだけかと思っていたら、あんなに複雑な変形してたんだね。気になったのは、通常時におけるコンソールやレバー類がやけに旧式に見えるんだけど、あれ、なんでだろ? アナハイムのお膝元にいながら、最新のレバー類じゃないってのは、アナハイムとは無関係に作られた証なのかな? 現時点では最強のMSですが、モードチェンジしてガンダムになるってことは、チェンジ前はどうあつかえばいいのかしら?チェンジ前の戦闘シーンも、今後あるんだろうかね?

<物語背景について>
 アバンタイトルの映像で、なにやら宇宙世紀の頭に、なにやら画策されていたことだけはわかったし、その時の負の遺産が、今回の物語の引き金であり、「ラプラスの箱」というお宝争奪線が、ユニコーンの話の主軸であることはわかる。その箱の存在がビスト財団をして、有力者にまでなりあがった事情であることもわかる。
 でもさ、この「ラプラスの箱」の存在を声高に叫ぶほどに、きっとそのオチはたいしたことないんだろうなと思いませんか? 原作読んでいるかたなら知っていることだろうけど、これから読もうかと思っている私なぞにとっては、どうにもこの箱については、どうでもよさげな臭いがプンプンしてくる。
 もう一つ、シャアの反乱と呼ばれる第2次ネオジオン抗争が終わっても、ネオジオンの人々は、まだ連邦との戦いを止めないのでしょうか? ここまでくるとはっきりと気の毒である。立っても立っても連邦につぶされる。このジオンの人々の切なさは、なんなんだろうか? これもハマーンがうっかり地球圏を掌握した事実が、一度ならずあるからかもね。その時の栄光を再び、なんちゃって。この話では「ミネバ」というザビ家の忘れ形見が登場して、狂言廻し的に登場するけど、ミネバ自身はザビ家の血であり、ジオンではない。どうにもここがひっかっかる。ジオンの血統であるシャアをして、自分の我に固執して連邦に負けたにもかかわらず、求心力の低いザビ家の血筋で、何ができるんだろう? こういうあたり、今後の物語で回収してもらえるんだろうか?

<ニュータイプ、その他>
 バナージやミネバにその能力があるように見せているニュータイプ能力であるが、あまりに敏感すぎる。特にバナージの感じ方はむしろカミーユのそれによく似ている気がする。感じすぎてヴィヴィットで。けれど受け入れるバナージの男の子としての度量は認めてあげたい。これについては後述する。
 本作では故意に人の生き死にを見せている。これも高評価。子供たちを守ってシェルターのドアを閉めて、ビームで蒸発する歴史の先生は、唖然とさせられた。あの生徒に人気のない先生が、あの生徒に文句を垂れていた先生が、生徒たちの前で先生である役目として生を全うする。あれは故意に入れられた画面だろう。悲しいのはその英雄的行為を生徒たちが見ていないし、バナージ自身も見ていない。生徒たちも「死んだな」と感じるだけだ。ああいう大人が大人を逃げない行為から、子供たちが何をか感じて欲しいと思うのは、40歳のおっさんのはかない望みだろうか? 至近に同時に攻撃を受けた子供たちが、唖然としたり取り乱している様子は、ガンダムではおなじみの後継であるが、こうしたことを忘れず、戦争の側面を描き続けたガンダムならではの部分を忘れず織り込まれていることが、見る者に、「ああ、ガンダムをいまおれは見ているんだ」と感じさせる重要なファクターになっている。宇宙世紀がどうとか、MSデザインがどうとかいう前に、そうした戦争観が如実に描けてこそ、ガンダムである。ロボットものとして逃げちゃ行けない表現を求められ、それを表現しきる。その意味で、「00」も「SEED」もガンダムだったと思える。

<物語のテンション>
 最終的にインダストリアル・7を連邦に蹂躙された中で、オードリー(ミネバ)に必要とされるため、自分の居場所を自分で作ろうとするために、バナージはガンダムユニコーンを駆り、宇宙へと飛び出していく。中盤で「自分はどこにいるんだろう」という疑念にとりつかれた中二病の少年は、記憶の底に埋めていた父との不幸な再会により、自分のあり方を、自分の力で模索することを選択する。ユニコーンのコックピットでつぶやくシーン、「俺が!」といった瞬間の声のトーンが下がり、決意を言葉ににじませる。あの瞬間、バナージは16歳の悩める少年から、一歩だけ外に飛び出したのだ。そして同時に歩を進めるユニコーンにこそ、殻をやぶったバナージの最初の一歩を示し、取り巻く炎がその行く先の困難を暗示する。ここでもバナージを導く父親の存在があり、大人としての役割を演じきった大人の姿が、子供を成長させるシークエンスに重なってくるのである。

 原点である「ガンダム」では、アムロの父テム・レイは、母親との間柄や子供との接し方に目を背けて暮らす人間であった。技術者としては立派かも知れないが、人間としては未成熟。ブライトが必死に戦っている時に、連邦の上層部は何もせず、ただ指令を与えるだけであった。これこそ、少年たちが大人を信じ切れない証拠であり、そんな世の中で大人が大人らしく大人を演じることができない世界を見せる。それは富野監督自身が、自分の親や年長者を信じていないせいだろう(自著でははっきりと親の存在について否定する見解を述べている)。富野作品ではおおよそ大人の存在が不在であり、大人の理論を振り回す人物は、敵として認識される。それゆえに少年少女たちが自分たちの生きる道を模索して、自分の足で自立する姿があるからこそ、あのキャラクターたちが魅力的に見えるのである。

 だが本作では、あえて大人が大人の役割を演じようとしているかに見える。それこそが後続に何かを伝えるという血のつながりや、意識の伝達であることを、折り込んで作劇してあるように見える。ガンダムの世界のアムロたちは、キャラクターとして見事だし、物語を形成する要素としての力強さはあるが、本質的には大人が大人らしくあり、それを子供たちに見せていき、伝えていくのが本当だろう。ガンダムという素材を前にして、臆せず正論をはくこの物語には、ガンダムとしてのジャンル以上の魅力すら感じられる。
 いいんじゃない、これ。視聴継続、決定。あとは私のお金が続くかどうかだね(泣)。

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コメント

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No title

私も見ました。
記事ではちょっと違う方向から叩いたUCですが。

やたらめっぽう面白いんですよね。
ジェガンのシーン、先生のシーンと、やはり注目するところは似てますねwwww

Z以降やたらめっぽう投げっぱなした宇宙世紀に物語として収拾をつけようとする気合が感じられます。

あとは昨今のジブリみたいな説教臭い方向に行ってくれないといいな、なんて勝手なことを。

No title

がたがたさま
 コメントありがとございます。
 最初、とりあえず文句付けようかと思ったんですが、なんかふるえましたもので。
書いている内になにか文句の一つも出るだろうと思って書き始めたら、以上のような結果に。
たしかに、説教方面に向かいそうな布石はありますが、そうならないことを切に望みます。
がたがたさんの記事も、拝見いたしますね。

No title

>がたがたさんの記事も、拝見いたしますね。

あ、えっと、すみません。前にコメントいただいたガンダムの記事の話です。
わかりにくくて申し訳ありません。

No title

いえいえ、あらためて再見しました。
こちらこそ誤解させてしまいました。すいません。

たしかに、「ガンダムUC」って、福井さんの二次創作物であるかぎり、
どうやっても、がたがたさんの指摘する誤解をはらんだまま、作られちゃっているんだなと。
私は「ガンダム」を喜んでいたんじゃなくて、「ロボットアニメ」を喜んでいたことが判明。

「アキカン」同様、脱帽です!
プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
43歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
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後期必殺を好み、
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ピカード艦長が大好物。
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