「覇王体系リューナイト」~その1・日本のファンタジーの形~

 以前「聖戦士ダンバイン」と「機甲界ガリアン」を題材に、日本のアニメ、特に「ロボットもの」というジャンルにおいては、その出自を外界に求めてしまうがゆえに、物語のたたみ方をキャラクターに押しつけるように、人間のエゴで押し込んでしまったため、1983年時点でのロボットアニメとファンタジーは親和性が低いと結論づけた。このときに「しかしサンライズは、後にファンタジーとロボットものを融合した新しいロボットものを作る。」と書き、その作品については改めて取り上げるとまで書いてある。去年の8/25のことである。いや、忘れてたわけじゃないんです。単にタイミングの問題です。んで、今回ようやっと取り上げることにします。

 実はこの答えに関しては2つあると私は考えている。一つは「魔神英雄伝ワタル」と「魔動王グランゾート」の流れ、そしてもう一つは今回のお題である「覇王体系リューナイト」である。ワタルーグランゾートのラインは、主人公が異世界から召還され、各階層に別れた異世界を旅し、一つずつアイテムやステージをクリアしながら、最上階に昇り、ラスボスを倒すという物語である。これはそのまま、日本におけるファンタジーの始祖の一つ「ドラゴンクエスト」に材を求められるRPGの要素が強く、ドラゴンクエストの影響が強い作品である。だが一方のリューナイトは、舞台となる異世界アースティアの住人であり、異世界人の力を借りずに世界を守ろうとする点においては、起源を同じくするものの、やや「指輪物語」に近いイメージがある分だけ、よりファンタジーと親和していると考える。


 「覇王体系リューナイト」がテレビ東京系列で放送されたのは1994年。ダンバイン、ガリアンが1983年であり、ワタルとグランゾートが1988~1991年であるから、リューナイトはこれらの作品の影響下で製作されている。ちなみにドラゴンクエストシリーズは、「III」「IV」がちょうどワタルとグランゾートの時期であり、現在DSで再発売されている「VI」はリューナイトの1年後に発売されている。
 「リューナイト」は当初OVAシリーズとして企画されていたが、そのうちにテレビ企画が先に進行し、テレビシリーズが先行放送。テレビシリーズ3話とOVA1話をパッキングしてビデオやLDが販売される変則的な販売であった。一般にテレビシリーズよりもOVAのほうがシリアスな作りであるといわれているが、テレビ版の内容が整理され、アースティアの覇権を目論むギルツというキャラクターと、ギルツを師と仰ぐ主人公アデューに焦点が絞られたため、ややシリアスよりに展開したという印象が強い。なおOVA13話については、後日改めてとりあげることとするので、今回はテレビシリーズだけを取り扱う。

 物語は騎士になることを目指して修行の旅を続ける主人公・アデュー・ウォルサムが、パッフィー、イズミ、サルトビなどのリュー使いと仲間になり、剣つき立つ大地・アースティアを旅しながら、彼らが立ち寄った土地で悪を懲らしめて回る股旅ものとしてスタート。徐々に仲間を増やしながらアデューは成長し、仲間と共にやがてくる邪竜族との熾烈な戦いに身を投じ、アースティアを救ったアデューは名実共に英雄となるという話である。全52話を俯瞰すれば、1~23話までが初期の修行の旅編、24~45話までが邪竜一族との戦いの日々であり、その中で各リュー使いがクラスチェンジしていく。そして46~52話が邪竜族とのラストバトル編となるだろうか。

 舞台となるアースティアは、遥か遠くに巨大な剣が突き立つ国であり、剣は世界の中心に立っているという。最終的にアデューたちはこの巨大な剣・アースブレードを目指して旅をし、邪竜族との因縁の対決をすることになる。なおこの世界、見た目は荒れた岩肌を見せる荒野、西部劇調の街並み、中世のお城、そして魔物が跋扈する森が渾然一体となっている世界である。しかもそこに住むのは人間だけではなく、ハーフエルフが人間と親和的に暮らし、ゴブリンやドワーフが居住エリアわけて暮らしている。また森や渓谷には魔物や獣が住んでおり、夜盗などと共に人々の生活を脅かしている。どうよ、このごった煮具合! 私も正しくは「指輪物語」を見て知ったのだが、ドワーフやエルフなどのファンタジー世界の住人が世界をわけて暮らし、しかも魔法があたりまえに存在する世界である。ワタルに出てきた星界山の世界が、なんでもありの異世界であれば、アースティアの世界はたしかにファンタジーのごった煮ではあるが、その出自ははっきりとファンタジーであることがわかる世界なのである。
 世界の象徴が巨大なアースブレードであるということは、暗に「力が支配する世界」であることを印象づけながら、その一方で人間に使役されているドワーフたちの姿や、人間にいたずらするしか生活の方法がないゴブリンなどを見ていれば、それほど厳しい世界ではないようにも思える。それはこの世界で普通に暮らす人々が折に触れて登場し、生活感を演出しているからだろう。それは同時に旅する仲間の職業の多彩さにも通じる。

 なんといっても面白いのは主役アデューたちが駆る「リュー」と呼ばれるロボットたちの存在である。まず2頭身から3頭身の体、手や足を形成するワイヤー状の物質、口を持たぬ代わりにものをいう目、そして何らかの意志の存在を感じるのである。通常はミストロットと呼ばれるカードの中に封印され、搭乗者の呼び出しに応え派手に登場し、搭乗者と一体になることで力を発揮するのである。搭乗者の職業に準じ、騎士、忍者、魔法使い、僧侶などの機体が存在し、各人の能力が最大限に引き出されることになる。
 このリューのデザインが、そもそもどうよと、私も最初は思っていた。先行して「ワタル」の龍神丸などを見ていたが、それでもまだ間接部が書かれており、ロボットらしいフォルムがあったのだが、このリューの腕や足にあるフレキシブルワイヤーのようなものが、まず納得いかないのである。サルトビの駆る爆裂丸などは、一度このワイヤー部を切られて瀕死の重傷を負っているのである。このように搭乗者はリューと一心同体になる事で戦う事になるのだが、そのわりに弱そうに感じるのだ。
 だがここではっきりと申し上げれば、この素朴さがリューの魅力であり、ファンタジー世界とロボットの融合の妨げにならないデザインだったのだ。先ほども述べたが、ファンタジー世界ではありがちな人類と動物種、そしてごった煮世界である。ここにガリアンやダンバインなどの高い投身のロボットを投入しても、画面がしまらない。むしろ少し「ゆるキャラ」入ってるくらいでちょうどいいのである。ギャグとシリアスのぎりぎりのラインにあるデザイン。それがごった煮世界のようなファンタジーにはちょうど良いロボットのあり方だったのだ。

 このアースティアの世界にはリューと、このリューを模して機械で作られた「ソリッド」と呼ばれる乗り物があり、ソリッドには足がなく、ホバーのようなもので浮いている。また邪竜族にも人間たちのリューに相当する「ドゥーム」が存在する。リュー使いはそれだけで英雄であり、人民を助け導く存在であるかのように思われている。アースティア世界のどこに行っても、アデューたちがリュー使いを悪くいわないのは、その昔、アースティア世界を救ったリュー使いの話が、口伝伝承として伝わっている世界だからだ。物語によってはこの物語の語り部が悪者だったりすることもあるけれど、リューとリュー使いの存在はこの世界に広く知られているようである。

 ダンバインもガリアンも、それぞれの世界に対しては外来の技術によるロボットであったが、リューはあの世界において、どのような技術の元で作られているのだろうか?
 その秘密が明らかになるのは41話であり、アデューたちが到着した機械の国エルドギアでのこと。どうやらこのエルドギアこそがリューたちの生まれ故郷であり、失われた過去の技術で作られた存在がリューであるらしい。しかしエルドギアの人工は激減し、3人のロボットですべてをまかなっているという状態で、いずれ滅び行く国であるとわかる。あの世界では「ソリッド」を直すことはできても、リューを直すことはできないのである。だがリューはミストロットに収容されている状態で、おおむね修理ができるように、自己修復が可能な機体である。エルドギアに修理を依頼するなんてのは、かなりの一大事と考えた方がいいだろう。いずれにしてもリューとは失われた技術により作り出されたロボットであったが、同時にいつか失われゆく存在でもある。そのはかなさがまた、アースティアというファンタジー世界には合致するのかも知れない。

 さて今回はアースティアの世界設定とリューについて中心に語ってみた。次回はキャラクターと物語によって、お話を進めていきたい。サンライズが到達したファンタジーとロボットアニメの融和は成功したのだろうか? ファンタジーとロボットアニメの整合と不整合とはどんなものだろうか?

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