「覇王体系リューナイト」~その2・熱き絆と友情の物語~

 東京都のアホ条例のおかげで、2回も更新し損なったが、今日より本業再開である。

 その1からの引き継ぎ事項であるリューとアースティア世界の関係について、まず簡単にまとめておくことにする。それには、初期修行の旅編のラストからの物語の流れに沿ってご説明したい。

 17話でアデューたち一行が訪れたパフリシア王国はパッフィーの故国である。17~18話は戦乱に巻き込まれ、隣国からの襲撃を受けたパフリシア王国を、アデューたちが助ける話である。その隣国は11話から登場するアデューのライバルとなるガルデンが、自らアースティアを掌中にせんとするために、ガルデンに乗っ取られることになる。18話は12話で行われたアデューとガルデンの再戦でもあった。これに競り勝ったアデューは、遠方に逃げ延びたパフリシアの王夫妻であるパッフィーの両親を捜す旅に出ることになる(19話)。

 20~23話はガルデンの差し向けた追っ手や旅先でのバトルとなり、その中でアデューたちはリューを持たないけれども彼らを支えてくれる頼もしい仲間たちを得ることになる。そして迎えた24話において、洋上の巻貝島に非難していた両親とパッフィーは再会する。だがその時、はるか上空から巻貝島に落下する物体が。その物体から出てきたのは邪竜兵であった。邪竜兵はすぐさま暴れだし、人間たちをなぎ倒していく。その最中、パッフィーは母である女王から、精霊石をさずかる。そして以下のことを話を聞くのである。

・アースティアの上空にはミスティックシールドという結界が張られている。
・それはアースティアを追われた邪竜族が、アースティアに侵入するのを防いでくれる。
・だがミスティックシールドは1000年に1回効力が衰える。
・そのため、そのタイミングをみはからって、邪竜族がアースティアに侵入しようとする。
・リューはその邪竜族と戦うために作られたロボットであり、リュー使いはそのために選ばれた戦士である。
・だがそのままのリューでは邪竜兵にすら勝てない。
・だから精霊石を授かって、リューごとクラスチェンジをしなければならない。

 リュー使いの使命を受け入れるアデューたちであったが、邪竜兵には歯が立たない。しかもそこに精霊石を手に入れようとするガルデンが割ってはいり、邪竜兵の力を取り込んだガルデンと混戦となったまま、アデューは海中に消えてしまう。なんとか逃げ延びたアデューを助けたのは、アデューにリューナイトを授けた張本人である大賢者・ナジーである。ナジーはアデューと共に海中にある「時の神殿」に侵入し、そこでの試練を受けることで、精霊石を持った剣を授かり、見事「リューパラディン」にクラスチェンジを果たし、ガルデンに襲われている仲間の元に駆けつけ、再度ガルデンと対決する(25、26話)。だが邪竜兵を取り込んだガルデンにどうしても勝てないアデュー。突如として光となって飛び去ったリューパラディンとともに、アデューはミストロットの世界で父の記憶と再開し、新技「メテオザッパー」を習得し、ガルデンを撃退することに成功する(27話)。

 そして28話以降は、アースティアを旅しながら、旅の仲間となった他のリュー使いである月心、グラチェス、ヒュッテとカッツェやイズミ、サルトビが精霊石を手にする旅となる。それは各人に課せられた心の試練ともいうべき試練の数々であった。精霊石を手にせんと故郷へ向かうサルトビであったが、そこには邪竜兵が精霊石のついた剣で封印されていた。手をこまねいているサルトビであったが、隙を突かれて精霊石をガルデンの乳母であるイドロに奪われてしまう(32話)。
 アデューとの戦いの傷も癒えたガルデンであったが、アデューたちと戦っている時に邪竜兵が到来する。ガルデンは邪竜兵に牙をむくも、イドロに邪竜兵をともにリュー使いを倒せという。そしてイドロはガルデンに語った。ガルデンは邪竜族と人間のハーフであること、そしてイドロはそのガルデンの力を利用して邪竜族のために働こうとしていたことを。ガルデンの働きは邪竜族の為の露払いでしかない(36話)。その後、人間のような姿をした上位の邪竜兵が登場し、リューのような形状をもつ「ドゥーム」に乗ってリューたちを圧倒し始める。またアデューはガルデンとの対決を深めながらも、ガルデンもリュー使いとしてともに戦えないかと思い悩む。そんな中でグラチェスの精霊石が機械の国エルドギアにあると聞きつけ旅を続ける一行は、邪竜族との戦いの最中に現れたホワイトドラゴンによって、結界内に隠されているエルドギアに到着することができた(39話)。

 40~45話まではついに精霊石を手に入れたリュー使いたちが、その能力を発揮してクラスチェンジする展開となる。40話は特にアデューがパラディンで空を飛べるようになる話であり、そのための特訓の時間を稼ぐために、他のリュー使いが盾になるも、彼らを助けたいという思いがアデューを空に飛ばせる物語となる。
 こうしたリュー使い同士の思い、あるいはアデューの博愛主義的な思いと猪突猛進的な行動力が、だれよりも先に
クラスチェンジを果たすのである。このあたりの設定はきちんと貫かれており、パッフィーがクラスチェンジしたのもほぼ同じ理由である。またガルデンすら助けて仲間にしようとしたアデューを信じ切れなかった仲間は、ガルデンの死(とりあえず)を見届けた後にアデューの真意をくみとり、その心に答えようとして月心、ヒュッテ、イズミ、グラチェスの4人は一気にクラスチェンジする。これもまた同じ同期なのである。

 実は似たような話が他にもある。27話でメテオザッパーという必殺技を会得したアデューであるのだが、本編中でメテオザッパーを放つ瞬間はそれほど多くない。メテオザッパーは「スーパーロボット大戦」でもリューパラディンの大技に指定されているほどの決め技である。「マジンガーZ」なら間違いなく「ブレストファイヤー」並の大技であるから、これを決めることで、ロボットものにありがちな、爽快感を得ることができるのである。だが本作ではそれをしない。むしろアデューを痛めつけ、痛ましい状況下を作ることに腐心しているようにも見える。ここまで作為的であれば、これは事情があるのだろう。それはアデューがメテオザッパーで邪竜兵を倒さないのは、ぎりぎりの状況を作り出して、アデュー以外のリュー使いのクラスチェンジを促そうとしていた可能性である。それを音速のバカ・アデューが考えていたかどうかは計り知れぬ。だがメテオザッパーという大技が、劇中でアデューを過剰に疲れさせる設定に指定されているわけでもない。ただ技の大きさに絶えかねて息を荒げているアデューのシーンがあるだけである。そう考えると、アデューの窮地よりもガルデンの死に反応した4人のリュー使いは、案外薄情者か(笑)? 

 46話以降は、クラスチェンジを果たし、飛行能力を得たリュー使いたちが、邪竜族との最後の戦いに挑む物語である。それは邪竜族が用意したミスティックシールド破壊のための最終兵器を巡る攻防であり、最後の最後でガルデンすら仲間としたアデューが、リュー使いたちの力を結集した一撃で、邪竜一族の王を倒して、戦いは終結する。そして彼らはそれぞれの日々に戻り、また旅を続けるのである。

 たった数行で書いてしまったが、この46~52話の間には、これまで以上に苦悩するアデューの姿が見られることになる。47話以降、月心、グラチェス、ヒッテルを次々と戦いで失い、アデューはどんどん追い込まれていくのである。結果的にみな助かっており、最終決戦ではガルデンと共にアデューに加勢し形成は逆転するのであるが、ここで描かれるアデューの苦悩は、一見すると「将」としての悩みに見える。つまり仲間を失いながらも、邪竜族を追い払うという目的のために、仲間の犠牲を良しとし、その死を受け入れながら戦う事ができるかという、「将の器」を試されているようにみえる。だが真実はどうだろうか? アデューは設定年齢14歳の少年である。シンジくんとどっこいの少年に、世界を託せるだろうか。外界的にアデューに託したのは「将の器」であるが、アデュー自身はただ仲間の死に耐えかねて、戦う事から逃げようとしていただけなのである。そしてまたそんな哀しみのアデューに戦う力を与えてくれたのは、旅の仲間と旅で出会ったリューを持たない仲間だったのである。このときアデューは守るべき人を形として認識し、自分の本道である「騎士道大原則」という言葉に、初めて意味を持たせることになったのだ。そして一番最初にクラスチェンジしたアデューは、心の成長が追いつかなかったから、最後の最後で心ごとクラスチェンジをし、やっと真のリュー使いになれたのである。彼の悩みはアデューを真のリュー使いにするために、最後の試練だったのである。この話がアデューの騎士としての成長物語として、完結できたことを意味している。

 こうなると、はたしてこの「リューナイト」という物語は、ファンタジーだたろうかという疑問がわいてくる。ファンタジーのように見える世界でファンタジーのように始まりながら、結局アデューという少年の成長物語で終わるというのは、ファンタジーとしてどうなのか?
 あらためて「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの映画を見れば、その答えは自明の理であった。ホビットの少年がさまざまな困難な旅に出て、帰ってみればその旅を記した本を親友に渡し、自分はエルフとともに旅立つラストシーンを考えれば、彼の戦いがリューという名のロボットに託されていたとしても、ファンタジーの文脈として成長を遂げて旅立っていく少年の姿で終わるこの物語は、まさしく王道のファンタジーであったと言える。「リュー」はあくまでファンタジー世界で言う「魔法」や「魔術」などの一変種でしかない。その意味において、かなり頭身は下がってしまい、ギャグとシリアスの境界上にありながら、リューのデザインは秀逸なデザインだと思える。

 またこのリューナイトの世界を牽引したアデュー・ウォルサムを熱演した結城比呂(現・優希比呂)氏には、本当に頭が下がる。声をからさんほどに声をはった演技は、変声期を迎えようとする少年アデューであり、その独特の声に哀しみの声が重なったとき、14歳の少年の哀しみにたたきのめされるような思いがした。この人無くしてアデューはなしと思える存在感である。
 さらに初期の主題歌を歌った高橋由美子嬢ののびやかでさわやかな歌声に、いまさらのように惚れてしまう。昭和最後のアイドル歌手の異名も伊達ではない。現在では女優さんとしての活動が主体となってしまわれたが、一つの出会いと恋の終わりをきっかけに、変わりつつある少女の機微を、清らかな歌声に乗せた「Good-bye Tears」はアニソンの至宝である。彼女の歌うOVA版の曲も素晴らしい。

 こうしてサンライズという会社は、ファンタジー作品の本質を違えることなく、魔法と剣の世界に、ロボットを持ち込むことに成功したのである。2~3頭身のロボットによるこうしたファンタジーっぽい作品は、それこそ「ワタル」や「ラムネ」などにも通じるものがある。そしてこの春からスタートする三國志を模した「SDガンダム」やアニメ版「トランスフォーマー」も、これに類するものである。現在ロボットものが商売になるアニメ会社は少ないのであるから、こうした作品群が子供たちに伝える影響の大きさを考えれば、決して無視できない作品群である。ぜひとも子供たちにダイレクトに訴える作品が出てきて欲しいと切に願う。

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ジャンル : アニメ・コミック

コメント

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リューナイトやワタルはとても馴染み易くて好きです。

ちょうど小学生位の時にやっていたのですが、やはりSDガンダムなどが流行っていて(子供の時はこっちのほうが分かりやすかった為)ガン消しやプラモと同じ等身の機体がかっこよく思えたのを覚えています。
各回に必ず戦闘シーンがあった頃が懐かしいです。

No title

とぴろさま
 コメントありがとうございます。
 最近「エルガイム」を見ていたときに、なんで毎回戦闘シーンがあるんだろうって、不思議なぐらい思ってみてたんです。それくらいなんだか物語にそぐわない戦闘が多くって、それがエルガイムを楽しめない一因にもなってました。リューナイトの場合、前半の股旅ものは別として、後半は無理無用に邪竜兵が落ちてくるので、こちらも戦闘シーンが毎回あるわけですけど、エルガイムより遙かにましに思えましたよ。
「ターンエーガンダム」では、絵コンテを作る段階で、戦闘シーンよりも日常芝居を多く入れるよう、スタッフから富野監督へ提言があったそうです。日常をしっかり書けば、戦闘シーンが無くても充実した物語を作れることに、スタッフが開眼した結果だそうです。特撮ものには当てはまりませんけどね。
プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
43歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
愛する、男オタ。
特撮は主食、
アニメは副菜。
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スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
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