舞-HiME~その1・「萌え」アニメなのに「燃え」るんです~

 「宇宙をかける乙女」があ~んな出来だったので、このブログでもさんざんにこきおろしていた。というか、なにをかやりたかったんだろうけど、前半でまきちらした種を、苗にもならないうちに刈り取ったり、代わりに別の苗植えたりしてるので、やりたいこともやれないまま終わりを迎えちゃった印象が強かった。だから「こんなことがやりたかったんじゃないだろうか」という話だけをふくらませていたら、結局こきおろしちゃったのである。だからこの「舞-HiME」も「舞-乙HiME」も大好きな作品でありながら、これに続く3作目がこけちゃった上に、こきおろしちゃったもんだから、いかんともしがたかったのである。それでも今回初めてDVDで「舞-HiME」を見て、ああ、やっぱりこういうことがやりたかったんだろうって思えたし、それが完遂している作品だから、きちんと言葉に残しておきたかった。

 「舞-HiME」は地上波で放送されたのが2004年9月から翌年3月末まで。基本的にはサンライズが初めて作る「萌え」アニメとして告知され、マンガおよびゲームに展開。いわゆるメディアミックス作品である。全26話の2クールで放送。ご存知の通りまったく舞台を変えながら、主人公各以外の主要人物を再登場させる「スターシステム」で、続編「舞乙-HiME」が制作され、こちらはOVAなども制作され、いまだに人気を誇っている作品だ。なんでもこれら一連を「舞-HiMEプロジェクト」とかいうらしく、「アイドルマスター・ゼノグラシア」とかいう作品もこれに含まれるんだとか(まぢで?)。

 物語は主人公・鴇羽舞衣が弟の巧海と一緒に、凰華学園に転校してきたことから始まる。船でクルージングを楽しむ姉と弟。だが何者かの襲撃により船は轟沈する。その襲撃の中で、玖我なつきは学園のこないようにと舞衣に忠告をする。その時に知り合った美袋命、楯祐一、宗像詩帆、そして舞衣のクラスメイトらとともに、舞衣も巧海も楽しい学園生活を始める。だがとある夜、巧海がオーファンと呼ばれる怪物に襲われかけたとき、舞衣は自分の中に生まれた新しい「HiME」の力に気づき、その力で怪物を撃退しようとする。だがそれを炎凪が「チャイルド」を召還したほうが良いと忠告する。だがチャイルド召還のためには「自分の大切な何か」を賭けねばならないと言われる。巧海を助けたい一心でチャイルドを召還してしまう舞衣。オーファンを撃退した舞衣は、その力と共に凰華学園にまつわる「HiME」の戦いに巻き込まれることになる。そう、学園には舞衣意外にも多くの「HiME」がおり、国家機関「一番地」の暗躍により、数千年に一度の「蝕の祭」を行い、その結果によるHiMEの力を手に入れようとしていた。
 前半は学園にいる他のHiMEたちの様子を紹介しながら、舞衣や命たちの日常を楽しく描いている。だが楽しい学園生活の裏で、HiMEの悲しい真実を知る。突然力に目覚めたあかねは自分のチャイルドを何者かに倒されたことにより、最愛の人である和也を失ってしまう。またシアーズ財団はアリッサ・シアーズを人工のHiMEに仕立て上げ、財団主導で祭を行おうと企む。作戦進行のおり、学園はシアーズ財団に武力制圧されてしまうが、学園にいるHiMEたちが協力し、シアーズ財団の企みを阻止することに成功する。学園生活が戻り、彼女たちは日常を取り戻したかに見えた。だがそれは怒濤の後半の序章でしかなかったのである。

 今回は前半に注目してみたい。私は本作を今回初めてDVDで見たのであるが、なんでこうも見やすいんだろう? 実にふしぎなぐらいたやすく見られたのである。だいたいにして序盤の謎の不明点などが気になり出すと、一向に物語の消化が進まず、イライラ廃り途中で視聴を辞めてしまうことが多いの私であるが、本作については実に見やすかったのである。
 理由の一つは1話完結で作られていながら、きちんと後の話が前の話を承っている構造が気持ちがいいこと。また基本構成が舞衣と何者かがあやつるオーフェンと戦い、舞衣や命が勝利するというバトル物らしいパターンで構成されていること。そして何よりキャラクターの見栄えだろうか。舞衣たちは非常にかわいらしく、そしてりりしく書けている。多少のバランスの悪さなんかは気にもならない。また面白いのは舞衣たちが戦闘時に操るチャイルドのデザインの秀逸である。生身の生物と機械が融合したデザインは、気持ち悪さではなくかっこよさを感じさせるデザインである。ただ正直に申し上げれば、これを見る前に「舞乙-HiME」を視聴していることもある。結果的に私はスターシステムを逆順で見てしまっているわけだ。逆説で受け取れば、このスターシステムの利点に乗っかっているとわかる。戦闘シーンの盛り上がりも燃える展開である。「萌え」アニメで「燃え」るのであるから、一粒で二度おいしいとはまさにこのことである。

 一話完結の物語でありながら、微妙に後続の物語の重要な伏線になってくるよう、センテンスがちりばめられた物語の作りは、やはり見ていて気持ちがいい。アルバイトで日々を過ごし、巧海の手術費用を稼ぐために働く舞衣がけなげではあるが、そのがんばりが周囲にどう見えて、それを本人がどう見ているか、そして巧海がどう受け止めているかなど、後半の悲しい物語を受け取るための下準備をしている段階が、前半の白眉である。
 特に、友人たちから「がんばれ」と言われる人間は、その時点ですでにがんばっているわけで、「がんばって」などと気楽に声をかけていいものではないという祐一の言葉は重い。舞衣と祐一、詩帆の関係性が広範囲なってじわじわと効いてくる。またシスター紫子と石上先生の関係なども、前半から登場している点は、見逃せないだろう。

 個人的に好きなのはなつきと静留、そして雪乃と遥の関係性である。ともにいわゆる「百合」ものである。特になつきと静留に関しては、後半にものすごい展開が控えているのがふしぎに思うぐらいである。前半がどれだけなつきが苦境にあろうとも、それを静留がサポートすることをいとわないという、関係性であったのが、根本に「百合」発想があったとは、思いもしなかった。ああ、だから「舞乙-HiME」では、あんなに憑きものが取れたように、シズルは活躍できたんだと、妙に納得した次第。また雪乃と遥の関係は、なつきと静留と異なる、幼少期に起因する信頼関係である。しかも遥の強気の奥にある雪乃への信頼が、また切ない。それだけに雪乃の心の弱さにつけ込む悪意に、まじめに腹を立ててしまうのである。しかも遥さんったら、基本的にギャグ要因だし。

 どうして私がこの作品を避けていたのか、それは「舞乙-HiME」を進めてくれた友人が、本作を見なくてもいいと言ってくれたからなのだ。だが友人よ、私はあなたをいまお恨み申し上げる。私は本作を楽しんだよ。
 次回、友人が否定した後半に関して言及する。確かに友人の言うような問題点はあるのだが、それ以上に私の心を捉えて話さない魅力がそこにあることがわかったからだ。そこにある悲劇とどんでん返しは、実にあの作品の裏テーマのようなものだったからである。友人よ、俺の話を聞いてくれ。

舞-HiME COMPLETE [Blu-ray]舞-HiME COMPLETE [Blu-ray]
(2010/01/27)
中原麻衣千葉紗子

商品詳細を見る

舞-HIMEアニメブック1学期 (少年チャンピオン・コミックス)舞-HIMEアニメブック1学期 (少年チャンピオン・コミックス)
(2005/03/08)
不明

商品詳細を見る

さがしてます!
スポンサーサイト

テーマ : アニメ
ジャンル : アニメ・コミック

コメント

非公開コメント

プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
43歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
愛する、男オタ。
特撮は主食、
アニメは副菜。
後期必殺を好み、
スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
Twitter再開しました!

カレンダー
01 | 2017/03 | 06
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
namima2のつぶやき
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

FC2カウンター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
リンク(リンクフリーです)
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
FC2 Blog Ranking
フリーエリア
blogram投票ボタン
ブロとも一覧

あにめにゅ~す の あににゅ

分水嶺@53.8

素足のアイドル達

有名人の珍言・名言集

宮廷アリス

TOY BOX
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

[FC2 Analyzer] http://analyzer.fc2.com/ -->