2010年3月期アニメ最終回総括(その1)

 う~ん、今回は完全に出遅れた感じだな。今期もいろいろと最終回となりまして、毎度おなじみの総括をやっておこうかと。例によって本感想は、「波のまにまに☆」の個人的な感想であるからして、あんまりおきになさらぬよう。

 なお、今期は例年に比べて本数の少ない時期であり、地デジ化を控えて、やや落ち着いた雰囲気を漂わせている。あまりヒートアップしたような作品もないし、話題性は低いかも知れない。しかしそんな中でひっそりと始まり、ひっそりと終わっていく作品の中に、やけに輝きめいた物を感じる作品がある。業界全体が沈静化、停滞化しているこの時期こそ、意外な掘り出し物があるかと思える。今期はそんな時期であった。

 ちなみに、「青田買い」の時の記事を参考に見てみたら、おそろしいことにあの時期に見ていた物と、今回取り上げる作品は、全く異なっている。「デュラララ」、「聖痕のクエイサー」、「バカとテストの召還獣」、「おおかみかくし」については、視聴を途中でやめていることをお断りしておく。私が20歳代ぐらいなら見ていたかもしれないが、40代のおっさんには、脂っこすぎたです。またまだ見切れていない作品もあるため、今期は2回に分けて書くことにする。
<はなまる幼稚園>
 そもそもなんで幼稚園児の日常を、GAINAXが制作するのか、まったく理解できなかった。そんな作品なら別にいくらでもできるスタジオがあるだろうにと、半ば憤慨していたのである。だが1話から付き合ってみると、なるほどそういうことかと合点がいく。いわゆる「静と動」のメリハリなのである。ちなみに本作の脚本を担当した小黒祐一郎氏によれば、一昨年の夏に脚本作成に入り、去年の夏までかかったとのこと。1クール1ぽん作るのに、3年がかりかぁ。
 物語ははなまる幼稚園に通う3人の女の子を中心に、幼稚園の先生たちの人間模様や恋愛模様を織り交ぜたほんわかコメディである。主人公である幼稚園児あんずと、あんずが大好きな土田先生、そして土田先生が思いを寄せいている山本先生などのキャラクターが、寄り集まってこんがらがって話ができている。そこに土家先生のお兄ちゃん大好き!な妹の女子高生や、山本先生の妹、あんずの母で土田先生の先輩など、周辺キャラがかたまりだし、幼稚園児同士のやりとり以外で話がふくらみ始める。
 このような物語は、どうしても物語が弱くなるから、見ていて退屈になる事もあるのだが、面白いことに、本作では意外なところを積極的に動画で動かすところで、そうした中だるみから解放されている気がした。なにげない山本先生の動き、スカートのゆらめき、幼稚園児たちのコキコキっとしたぎこちなさが残る動き、そして不思議なくらい低い目線。幼稚園児たちのまるだしパンツを下から煽るようなアングルなど、微妙なとところが凝っていて、しかもそれがさりげないのである。
 また凝っているのは本編のさりげなさだけではない。エンディング曲とアニメが毎回変わる。そしてこのエンディングアニメがまた思いっきり動かしている。曲はその回の主人公となる人物が歌う場合が多いため、主要キャラクターが歌うだけでなく、土田先生の妹が歌うこともあるし、あんずが妙に大人っぽいジャズ調の曲を歌うこともあった。このエンディングの映像に、GAINAXを起用した意味があったのかと思えるほどである。
 ラストは幼稚園児が大好きな土田先生の恋を応援する。あんずは先生が好きだから、先生が幸せにならなくちゃイヤなので、山本先生との恋を応援するという、むちゃくちゃなことをいう始末。でもなんだかハートフル。幼稚園児にこんなことを言わせる土田先生がどうにも・・・・と思うが、ま、コメディなんで。とにかく、ほんわかしました。

<のだめカンタービレフィナーレ>
 すでに以前一度「アニメと音楽の親和性」については書いているので、いまさら特筆することはないのだが、実は原作マンガを一気読みしようとして、何度か挫折した。どうしてこんな物語が面白いのか、わからなくなるタイミングが確かにあったのだ。特に主人公「のだめ」というキャラクターが、あまりにもむらっけがありすぎて、どうにもならんかったのである。
 物事に対する情熱は人それぞれだし、その情熱の熱量も、表現方法も、人それぞれだろう。だからのだめだってそうなのだ・・・・・と理解できるまで、時間がかかった。私はオクレール先生か! のだめは音楽と向き合うことに、縛られたくない人物であり、そのくせピアノは天才級の腕前を持っているとされている。好きこそ物の上手なれとはよくいったもんだが、途中「好きなピアノを好きなように自由に弾くのはいけないことなのか?」という問いかけには、本作ではまったく解答を出していない。そのあたり原作の二ノ宮知子のズルさなのかしらんが、千秋の愛情でごまかしながら、ヨーロッパに渡るのである。だからのだめは見失う。見失いながら必死でもがきながら千秋の影を追いかけたり逃げ回ったりしながら。そして千秋にとってのだめのピアノがいつも自分を見失わないような灯台役であるように、のだめにとっても千秋との絆と音楽は、切っても切れない関係であると。そこまで理解して、やっとこの作品が少女マンガのジャンルの枠に当てはまることに納得し、そして少女マンガとしてヒットしたことに合点がいった。動く千秋とのだめは、実に楽しそうに動いており、その動きの楽しさはドラマ版とはまた異なる味わいを残す。これほどドラマとアニメの垣根の低い関係性もそうないだろう。最後の最後で千秋がのだめを取り戻すために、出会いとなったピアノ曲を二人で弾く展開は、まさにド少女マンガであり、物語のオチとしての最高に機能している。
 やはり見事なのは楽器の演奏シーンの指使い。そしてオーケストラのシーンだろう。たんなるモブシーンにしない動かし方は、徐々に手抜きが気になるようにもなるが、それでも音楽とアニメーションの親和性を信じられる。終盤のルイと千秋の演奏シーンや打ち合わせのシーンにおけるやりとりなどを見ると、キャラクター個々人の音楽性をきちんと設定として消化している気分にさせてくれるところがすばらしい。「音」の魔力をいやというほど味わえる逸品、それが「のだめ」という作品の一側面でもある。

<ソ・ラ・ノ・ヲ・ト>
 もうすでに、早い者勝ち的にあちこちで感想や解釈が並んでおり、いまさらこんなことを書くのはかなり恥ずかしいのであるが、あまりみなさんが指摘しなかったことを思いついたので、書いてみることにする。
 この物語、テレビオリジナル作品としてスタートし、戦争か日常かのどちらかに振れるのか方向性が見えないとして、切り捨てないまでも、いろいろと言われてきた作品である。だがこの作品のいわんとしたことは、最終3話分ですべてだしきったと思える。それは皆さんが書いた最終回の感想を見ればすぐにきちんと理解されていたとわかる。それだけ必要十分な出来であり、この春からの新番組までのつなぎ企画だったとは思えないテーマ性を持っていた。そして事前に予見した方向性を模索した皆さんは、自分の予見した方向性が間違っていなかったことにも、胸をなでおろしたり納得したりした人もいただろう。それほどまでに予想したり議論したりする余地のある作品であったことは、この作品がそういう「余白」を持って生まれた作品であるという証明でもある。この作品の理解の仕方によって、アニメの見方の教科書とするのは間違っているのかもしれないが、多層的で複雑さをはらむ多様な見方ができる、味わい深い文学作品のような側面を持つ作品であることは間違いない。みなさんの感想を見る限り、あまりにテーマを見抜くことに主眼をおかれた人も多いように見受けられたのであるが、きっとどれも正解なんだろう。そしてこの文学のようなアニメはまだ、確固たる評価が固まっていない。文学作品のようにこれから数十年たってから評価が固定する作品かも知れないし、そうじゃないかもしれない。でもそんなことを夢想しちゃうぐらい、すてきな作品であったことだけは、たぶんみなさんに納得していただけると思うのだ。こんな掘り出し物、そうはない。

 ちなみに私が本作で見つけたテーマは、「巡る」である。順番が自分に巡る、人の手を離れた物が自分に巡る。気になる人の話が巡り来る、自分の過去の行いが巡り来る、逃げたツケが巡りくる、人の幸福が巡り来る、不幸も巡る、そして音が巡り、人に伝わり、巡る音が人を引き寄せ、時間は巡り、季節は巡り、また人が巡る。ここまで書けば、わかっていただけると思う。すべては巡っていたのだと。

 ただねえ、EDの曲がやっぱり勘違いの現況だったんじゃないかと、今更ながら思うのですよ。曲自体は問題ないのに、作品とそりがあわないっていうのも、いかんともしがたいなあと。

さて、明日は「ヴァンパイヤ・バンド」「ひまわりスケッチ」「君に届け」についてです。

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コメント

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No title

ぐだぐだ言わずに早く結婚しろよw
キモヲタ

No title

名無し様
 コメントありがとうございました。
 せめてプロフィールをご覧いただければ、「妻一人」と書いてあったのですが・・・・。
 あ、そうか。漢字も読めなかったのですね。にもかかわらず、漢字の多い長文を最後までお読みいただきまして、ご苦労様でした。二度と本ブログに足を運ばれませんことを、切に願っております。

かんじよめないんだwww

名無し様

「妻一人」というのは、けっこんして、おくさんがひとりいるとゆうことです。
わかりましたか?

「ぐだぐだ言わずに早く結婚しろよw キモヲタ」
一般人の私は、上の「w」の意味が分からなかったので調べちゃいました。
「名無し様」ありがとう!勉強になったよ!

でも君も立派なキモオタだね!wwwwww



今期のアニメはあまり見ていませんでしたが、何作品かだけ見ていました。
一捻りある演出がある作品好きです。

演出といえば、最近はOPやEDが凝っている作品が本当に増えた気がします。
過去ブログを読んで夏のあらしを今さら見ましたが、絵柄で見ていなかったのを後悔しました。(感謝(^人^))

毎回新番組を見てる気持ちになるというかなんというか、OP変化が主流になって行ってくれると嬉しいです。(制作大変そうですが)

ついに荒らしが現れましたね(*ToT)

No title

おか~さん
 フォローありがとう。

とぴろ様
 コメントありがとうございます。
 OPは番組の顔ですから、力の入った力作を見せて貰うだけで、平伏しますよね。一昔前は、OPですでに息切れしてしまった作品もありましたし、本編重視で適当に作られたOPもありましたから。
 どうせ荒らしが来るなら、議論する方向性のご意見がいただきたいですね。当ブログもまだまだですねえ。がんばらないと!

No title

(゚∀。)  ←とりあえず何か書きたかったらしい

・・・それはさておき。
「嫁」スラングの勘違いでこんなコメントになったんだろうなと思いつつwwww
あの「長門は俺の嫁」っていう使い方ですね。

「巡る」について考えてて、最初の電車のシーンがまさに・・・・なんて。
ソラノヲト、面白い作品でしたね。

No title

がたがたさま
 コメントありがとうございます。
 「巡る」については、私個人の感じ方ですので、あんまり気にしないで下さい。
「巡る」でなければ、外に開く「螺旋」といったほうがいいかもしれません。ぐるっと一周してるけど、ちょっとだけ前よりも一歩進んでる。そんな螺旋の数々が折り重なっているかんじです。

 「ヨメ」の読み違えだとしても語彙力が低すぎですよ。荒らすにしても、叩くにしても、蔑むにしても、残念ながら中途半端すぎます。
プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
43歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
愛する、男オタ。
特撮は主食、
アニメは副菜。
後期必殺を好み、
スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
Twitter再開しました!

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