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旅もの2題~旅をしたくなりました~

 陽気が暖かくなってくると、ふと、旅をしたくなったりしませんか? 行く先も決めず、なんとなく飛び乗った電車に揺られて、都会の喧噪から離れてうとうとしている間に、車窓からの景色はいつのまにか平原に変わる。平原にさく野の花が、目に優しい彩りで旅の者を出迎えてくれる。思いついたように駅で降りて、何もなさそうな古く老いた街並みを散策しながら、次の列車を待ちわびて、軽く腹ごしらえをしたりして。
 どうよ。常套句でこれだけ文章書ければ大したもんだ(自画自賛!)。こうやって文章で書いてしまえば、なんてことはないんであるが、これを実行するとなるとかなりの勇気がいる。もうね、やってごらん。かならず無人駅で悲しい思いをするだけだから(爆)。すれちがった農家のおばあさんが、おにぎりくれたりしないんだから(泣)。
 私の友人にも旅好きがおり、年に何度かきちんと計画をたてて切符をとり、行楽シーズンに出かける奴がいる。そんな彼でも、深夜バスが交通渋滞に引っかかったりする。バスの中からメールをくれたりするもんだから、余計に悲しい。いったいどんなサイコロの目を出して、こんな悲しい目にあっているのか、不思議でならない。
 ただ、旅そのものは大変楽しい。私は以前の仕事柄、日本国中さまざまな場所に行くことがあり、これが仕事でなかったら最高なのになと、思う事もしばしばであった。だから旅物の番組を見るのが今でも好きである。これからは春の行楽シーズンに、ゴールデンウイークを控えている。せっかくなので、アニメで旅をしてみませんか? 今回はそんなお題で、2本のアニメをご紹介しようと思う。

 まず最初にご紹介したいのが、「鉄子の旅」である。原作は小学館の月刊誌に掲載された菊地直恵嬢のマンガであり、著名なトラベルライターである横見浩彦氏を案内人とし、鉄道による(ある一面苦行のような)旅の楽しさを伝えるレポートマンガである。このマンガ、実は現在でも漫画家を変更して現在も連載中である。なおアニメは2007年6月よりCS(ファミリー劇場)にて放送され、現在でもリピート放送で視聴することができる。

 物語はあってないようなもの。横見氏が毎回決定する旅のプランに従い、菊地嬢と担当諸氏が同行し、その旅のすばらしさをマンガで伝えるのであるが、なにしろ鉄道の知識が皆無な菊地嬢にとって、横見氏の提案する旅のプランは横暴にして粗暴、なにより旅行に必要な「観光」「グルメ」「アトラクション」の要素がないため、横見氏と菊地嬢はまったくそりがあわない。しかしながら情熱あふれる鉄道に関する知識を披露する横見氏に煽られるように、次第に「鉄」の知識に目覚めていく菊地嬢は、徐々にではあるがその知識を我が物としていき、横見氏の提案する旅の中に、横見氏独特の視点や鉄道への熱い想い、うつろいゆく時の無情さを見いだしていくのである。

 横見氏は基本「乗り鉄」であり「降り鉄」であるので、JR・私鉄9843駅全てを乗下車したほど強者。40代独身でありながら、鉄道の話は常にハイテンション。しかも鉄ヲタをブランド化して女性にもてようとする、一般人には理解不能な性癖すら持ち合わせており、数回登場する女性ゲストには下心見え見えで接するのである。もちろんこれは菊地嬢の私見であるし、なによりマンガとしての面白さをとったタメであるのだが、それでもこのハイテンションな横見氏、ケチでタダが何よりも好きで、時間やお金で損をすることが嫌いという横見氏が、菊地嬢たちをふりまわすというのが、毎回の見所である。

 アニメに関して申し上げれば、駅舎や駅周辺の風景をきちんと取材して再現した背景美術の美麗さは、どれほどの賛辞をおくっても送り足りないだろう。また乗車する電車の乗車中の音やブレーキ音など、電車に関する音声についてはほとんどがきちんとサンプリングして再現していると言うから驚きである。はたして「ファミリー劇場」なんて見ている視聴者がそれをどれほど喜ぶかは、この際置いておこう。それほどの情熱で作られていることだけはたしかである。それだけに実に平坦なキャラクターの設定画が、残念で仕方がないのであるが、そうはいってもこれで原作通りであるのだから、仕方がない。むしろこのマッチングを面白さとして楽しもう。

 しかしこのアニメ、本当に日本中どこへでもいく。初回はあくまで関東近縁での見所のある旅をしておきながら、どんどん遠方に移動し初め、寝台特急で北海道にまで行ってしまう。しかも名物をくうでもなく、食べるのは駅弁となれば、いよいよもって筋金入りの「鉄」である。だが鉄の知識の中でも、ふと目にする車窓の景色、大自然の中の無人駅、列車の行き着く先での横見さんの準備したサプライズなど、旅の醍醐味はかかせない要素となっている。アニメでの再現であるが、やはり旅好きな人にとっては、そんなシーンに心惹かれるのに十分なものがある。ぜひご覧いただきたい。

 追記
 能登半島で大地震が発生した際に、現地調査に行ったのであるが、その時このアニメで紹介された、日本でもっとも海に近い駅に遭遇した。だが地震の爪痕は大きく、駅の一部は背後の山からの崩壊土砂におおわれていたのを思い出した。痛ましい思い出である(現在は完全復旧)。

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 次にご紹介したいのがOVA「究極超人あ~る」である。原作は1980年代に週刊少年サンデーで連載されていた、文化部マンガの草分けでありながら金字塔と、私が勝手に思っている作品である。いや、実質的に文化部が話題の中心になったマンガって、たぶんこれが初めて何じゃないだろうか。しかも原作者ゆうきまさみ氏の出世作である。ではなぜこれが旅ものなのか? 主人公にしてアンドロイドのR田中一郎の所属する「光画部」(いわゆる写真部)は、夏に合宿を行うのであるが、その合宿先は決まって山田さん温泉と呼ばれる温泉宿である。この温泉宿が静岡から長野県に向かうJR飯田線の途中駅に存在する。これを逆手にとって、彼らの宿敵・西園寺まりいが、財力にものをいわせて、飯田線スタンプラリーを決行し、これに光画部の面々が挑むという話が、この唯一無二のOVA「あ~る」の基本物語なのである。

 当然光画部のみなさんのすることである。鳥坂センパイはあ~るをいじり倒すし、強権発動させて飯田線魔のループを電車と人間に競争させる。そして電車内で暴れに暴れて、放り出されるしまつ。そんな中、徐々にスタンプラリーの時間制限が迫る。どこをどう歩いても、長野県の山の中。どうにか町まで向かって、最後のスタンプを押すためにとった最後の行動は、かの名車あ~るの自転車「轟天号」に全員を乗っけて町までつっぱしるというもの。その問答無用の走りは是非ともじっさいにご覧いただくこととして、結局鳥坂の悪運が味方し、西園寺の策略を見事粉砕するというお話である。

 この作品の見所はなんといってもJR飯田線の精緻な書き込みと、そこに流れるそこはかとない旅情である。山本正之氏の歌う「飯田線のバラード」が旅情を誘い、ふと夏の高原である長野の山中に行ってみたくなるのである。
 また「あ~る」らしく、まぬけでばかなシーンも満載である。特に中盤に登場する車中のうずまきのらくがきを見つめるあ~るのシーンは、本当にあきれかえるほどばかばかしいシーンであり、脳みそをからっぽにしたい方にはおすすめのシーンである。

 物語はなんといっても主要メンバーが春風高校を卒業してからの夏合宿という点が秀逸であり、いわゆる懐かしい先輩方が後輩と一緒になってひたすら、間延びした自身の青春を楽しんでいる雰囲気が、存分に楽しめる。モラトリアムの象徴のようなOVAであるが、それを否定する言葉をもたない。こんな青春の延長なら、どれほどの延滞料金をはらっても、体験してみたい。文化部マンガの金字塔は、OVAという意外な形でその後の楽しい顛末を示してくれている。しかも旅情という、何かに追われて暮らす私たちが忘れがちなものを残して。

 さあ、旅に出ませんか。いろいろ忘れて、あたたかな陽光の下へ。

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テーマ : アニメ
ジャンル : アニメ・コミック

コメント

非公開コメント

毎年馬鹿な旅してます

いや、ちゃんと計画を立てても上手くいかないから旅って楽しいんですよ(半分負け惜しみで)
ちなみに今年のGW、高速道路の渋滞予測を調べたらちょうど私の乗るバスの時間に中央道で
高井戸インターから相模湖インターの手前まで40Kmの渋滞が発生するらしいです。
でもやられませんよ、2時間くらいの遅れは織り込み済みですから(かなり涙目で)

そんな、あなた・・・・

mineさま
 コメントありがとうございます。
 って、あなたねえ、旅の話題だけど、そこまでまじめに旅の話題で返すなよ(笑)。うちは、アニメ・特撮のブログだっつの。まあ、コメントくれてうれしいんですけどね。どんなキラーパスやねん!

 ちなみに、新宿からでる高速バスに関しては、とりあえず早朝のバスに乗る方が、時間の揺らぎに悩まされなくてすみます。下手したらあのバス、巻くよ。時間より早く着いて平気な顔してるんだから。飯田まで30数回乗った男が言うんだから、間違いないです。ちなみに帰りは立川モノレールがつかえる「日野」で下車すると便利だよ。

って、なんのブログだっつの!

No title

旅もの…

「木枯し紋次郎」はどうでしょうか?
「子連れ狼」もそうですよね?

うううっ・・・・

うめさん
 コメントありがとうございます。
 って、なんでそんなに殺伐方面にいっちゃうのよ(笑)!
 せめて弥次喜多とか社長漫遊記とか、他にいくらでもあるでしょうに。
しかも時代劇って、そりゃ「必殺」扱ってるからって。アニメ・特撮ブログですってば。

 いじめか?

No title

うわ。鉄子の旅って全く知りませんでした。
鉄分のない私ですが、これちょっと見てみたくなりました。

わーい

がたがたさま
 わーい、やっとまともなコメントが来た!(上の二人、すまん)ありがとうございます。

 「鉄子の旅」ですが、できればレンタルDVDでアニメ版から入った方がいいかと思います。お近くにツタヤがあれば、レンタルで見ることができると思います。なおマンガ版はわりと煩雑で読みにくく、しかも現在書店ではとんと見かけなくなってますので。まあ、それはそれで面白いんですけどね。

No title

行き着く当ても無く、とどまる事も許されない主人公が
たださすらうだけの旅を続け、四季の風景は美しくとも
そこに住む人々は排他的で極貧のためか心はすさみ
半ば公然とした醜聞と悪行がまかり通り、そこから暴力と惨劇が起こる。
そんな土地にやってきた旅人は

「あっしには関わり合いのねえことで…ごめんなすって」
「我ら親子、冥府魔道を歩むもの。先を急がせていただく…」

其れでも最後の最後にとった彼の行動は…

良くないですか?
「観光」「グルメ」「アトラクション」の要素もありますよ、一応。

遊ぶなあ(笑)

うめさん
 アトラクションが凄惨すぎるって。不許可!
 しかも「グルメ」は?
 「3分間待つのだぞ」で「ボ○カレー」だったら、怒るよ、ほんとに。

 もう、本編に触れてもくれてないじゃないか(泣)。荒らしよりこたえるわ・・・・。

燃料投下!

もしかして、ズバットて旅もの?

なして?

おか~さん
 コメントありがとうございます。
 って、ズバットは股旅ものですよ、たしかに。
 身内でキラーパス出し合って、せつないってば(笑)。
 もうちょっとましな記事でリアクションして欲しいなあ。
 このゆるさったらもう・・・・。
 まあ、私らしいけどね(微笑)。

No title

もしかして、ガンダム(ry

ならいっそ宇宙旅行は?

松本零士さんの作品は、どうでしょう?
旅するのは宇宙ですが。
グルメは999号の食堂車で、メニューはビフテキとラーメンしかないですがw
後はアニメで旅ものだとSF西遊記と銘打たれた「スタージンガー」や
SF版水戸黄門の「最強ロボダイオージャ」なんかはマイナーすぎる上に古すぎますかね。

どこまでいく気か?

がたがたさま、ならびにmineさま
 どこまで広げるおつもりか。それを指摘して私にどうしろと(笑)。
 なんでこんな緩い記事に、みんなしてひっかかるかな。
 しかも相手方ゴールポストに入れんばかりのキラーパス。
 だれが取りにいくっちゅうねん。

微妙な二作ですね……。

どちらも昔ファミ劇およびレンタルで見ましたが、うーん微妙……というところですね。

鉄子の旅は、こだわりにこだわった美術と、厳選された声優が、菊池先生の原作の、「妙に投げやりなところ」をスポイルしてしまった側面があるような気がします。鉄をイヤがることに存在意義があるようなキクチさんが鉄のよさを理解するというのは違うだろう、な感じで。

「あ~る」のほうは、「夏合宿」を主軸に持ってきたところが観客のニーズとズレているのではないか、と。あくまでも、「あ~る」は、春風高校という子宮のような磐石なベースがあるからこそ、そこから外へ出て行くのが「冒険」として機能しているのであり、その春風高校をほとんど描かないような形で「旅」に行ってしまったために、この作品の「あ~る」たちにどこか根無し草のような雰囲気がついてしまい、それは作品の作戦として失敗だったのでは、と。

うーん。

コメントありがとうございます!(るん)

ポールプリッツさま
 やっと本気のコメントが来た。うれしい限りです。ありがとうございます。

 仰るとおり、微妙な作品たちだと思います。「旅」というくくりでなかったら、本ブログで紹介しなかった作品でしょうね。
 「鉄子の旅」ですが、菊地先生が「鉄」を理解するというよりも、横見さんの感じ方を理解するというのが、もっとも近い感じかもしれません。
 「あ~る」に関しても仰るとおりで、学校を離れての物語に、たいした意味は無いでしょう。スタッフが飯田線に乗りたかったとか、そのあたりが製作の理由な気がします。バブル期のOVA特有の緩さかなと思うのです。今見ても、万人にとって面白いかどうかは保証できませんしね。

 ただ両作とも、原作をベースまたはガイドとして、受け手を「旅」に誘う要素に満ちている作品です。他のコメントにもありますが、木枯らし紋次郎や快傑ズバットには「旅情」がありません。受け手を旅にいざなうアニメ作品なんて、なかなか無いと思うんですよ(聖地巡礼とは違う意味で)。普段忘れられているこんな作品でも、こんな側面があるよ、それを見つけて楽しむのが、本ブログの遊び方です。
 よろしければ今後ともお付き合い下されば幸いです。
プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
43歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
愛する、男オタ。
特撮は主食、
アニメは副菜。
後期必殺を好み、
スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
Twitter再開しました!

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