2010年6月最終回アニメについて

 今期もやっとこの季節になりまして。
 しかしいつのまにやらもう7月。1年の半分を折り返して、私的にもいろいろとありました。総括的にはいい作品が目立ちはするものの、相対的になんか「地味」なイメージです。また「Angel Beats」のような前評判で期待をあおる作品もあり、4月のスタート時にはなかなか出だしが良かったわりには、ふたを開けてみたら、あら残念!といったものもあり、慣れるために助走を必要とする作品もありました。また今期は1クール以上の作品もスタートしており、中でも期待の「けいおん!!」は現在2クールを消化して、前期の余勢も手伝ってその勢いはとどまるところを知りません。また「HEROMAN」もいい感じの少年マンガ。アニメを見る楽しみは変わりません。とりえず今期終了したものの感想をupしておきます。ま、例によってあまり参考にはならないですけど。

<WORKING>
 開始当初、小鳥遊くんとぽぷらちゃんの物語になるかと思いきや、さすが変人博覧会の「ワグナリア」である。男性恐怖症の伊波まひるちゃんをメインに持ってくるんですね。伊波さん、かわいかったです。まあ、殴られてないからだろうけど(笑)。
 青田買いを読み返すと、「お仕事アニメ」的な見方をしていたのですが、間違ってました。変人博覧会(その1)だったんですね。まあ次にレビューする作品に比べればはるかにマシですが。最終的に伊波さんと小鳥遊くんにターゲットを絞って、伊波さんの社会復帰が物語のメインになるってのは、伊波さんのお父さんが出てきたときにフラグの存在を感じたんですが、こうやって考えてみると伊波さんは、一つも進展してないし、一つも改善されていない時点で、この特殊なエピソードすらレストラン「ワグナリア」の日常だと言わんばかり。しかも最後でみんな帰ってきて「ワグナリア」で「ただいま」というあたり、「ワグナリア」を疑似家庭、あるいは疑似家族にしてる。途中参加の山田葵なんか、まさにそう願ってたわけで。そうすると職場系コメディはすべからく疑似家族によるコメディになってしまうのですが(「下町」というキーワードや「吉本新喜劇」はまさにこれ)、小鳥遊くんの家族や伊波さんの家族という本当の家族(とはいえどれも変人ですが)が出てくることで「ワグナリア」がオアシスと化している。こうした舞台構造の多重性が、本作の面白さの一面だと思います。

<荒川アンダーザブリッジ>
 まさに「変人博覧会」(その2)。しかも突っ込みは無しの方向でってやつ。いやもう見ているこっちですら突っ込みたいのを、主人公リクがきっちり突っ込んでくれる。まさに同調の快感のようなものすら感じました。最終回手前で荒川河川敷の再開発の話、リクと父親の確執の話を持ちこみながら、やはりここでもそんな大きなエピソードも、いつもの日常ですよといわんばかりの最終回でした。ここにきてラストサムライとか出してくるとは。まあ原作漫画に準じているので、全然いいのですが、はっきりと2期を意識していると思っていた矢先、第2期決定の文字が! 返せよ!最終回で少しだけ沈んだ俺の心を返せよ!と声を大にして言いたい。リクの私設秘書のおじさん、荒川定住まであと少しか。
 なお本作の主題歌「ビーナスとジーザス」を歌うやくしまるえつこの歌唱は破壊力抜群であった。が、沢城みゆきの歌うたった1度OPを飾った曲が、あまりにインパクトが大きくて困る。しかもマリアのSっ気がどうにもたまりません。

<四畳半神話体系>
 それにしても「化物語」や本作のような、主人公の一人語りを主体とする作品って、アニメとしてどれだけ奇形かって、どれぐらいの人が気が付いているんだろう。しかもこの手法の恐ろしいことは素材を選ぶことであり、作品の質に大きく影響する。本作に関してはむしろ最高ランクの演出手法であるし、そのやり方が終始一貫しているのは、見ていてまったく異なるエピソードでも同じ作品としてまとまり感があることの認識に直結する。逆にまったく1話単位で関連付けない方法論だってあるのであるが、通常それを採択しないことの有利性を十分活用できている本作である。
 一般的に物語がどれだけ拡散しても、やがて収斂する時を迎えるので、その収束の時をひたすら耐えねばならない作品がある。だが本作に関しては、各所にキーワードをちりばめて、拡散させるだけ拡散したうえで、拡散したその先で収束せずに物語が着地するという、きわめてアニメ的な快感を得られづらい物語構造を有している。そしてそれを面白がるために、原作「森見登見彦」氏の作品が読む人を選ぶのに対して、本作は入り口となる間口の広さだけは十二分に広い。各話単位で物語はちゃっちゃと進むけど、1話でも見逃すと不安に駆られるのもまたしかり。これも「ノイタミナ」枠独特な冒険だといえばいえなくもない。だが原作含めて、私が個人的にも好きなこの作品が、どうやら多くの人に受け入れられているようである。DVDの予約は増えているようなので、ひとまず安心。

<さらい屋五葉>
 この作品の本質は、別に物語の側面で語るものじゃないような気がしてます。何がいいって、この作品の一番のよさは、夜中に仕事から帰ってきて家族の寝静まった時間に、アニメ好きでもないような男が一人、ビールでも飲みながらしっとりとした時間をテレビに求めてる姿そのもののような作風とでも言えばよいのか。
 オノナツメという作家で見れば、「リストランテ・パラディーゾ」という前作があったにせよ、本作のもつしっとりとした「大人の時間の演出」という作品の質は、これからのアニメ業界に十分一石を投じたといって過言ではないと思うんです。
「ノイタミナ」という枠の前提が「アニメ好きじゃない人のためのアニメ枠」だとしたら、今期に放送されていた2本ともが、目指したアニメ枠の中で、方向性を模索し始めたと思えるつくりだと思えます。それまでが映像実験的であったり、いわゆるアニメよりな素材を探すというアプローチだったのに対して、アニメ的ではないものまでアニメという素材に引き寄せてきた感覚があり、「どうしてこんなものまで」というような作品すらアニメ化を試みるような状態に、拍車をかけている感じがします。それの善し悪しという判断は見た人に預けますが、アニメや特撮番組よりも荒唐無稽さを醸し出せるジャンルが、他にあるのだろうかという素朴な疑問もわいてきます。私たちが「見るセンス・オブ・ワンダー」を欲するのなら、「よくぞこんな作品を映像化したな」という驚きよりも、「こんなアニメ、見たことない!」という驚きがしたいと願うことは、時代に逆らう思いなのでしょうか?

<閃光のナイトレイド>
 う~ん、なんか消化不良と言おうか、はっきりと未消化と言おうか。こんなことなら「ソラノヲト」の2ndシーズンやっとけよと思ったりして。
 物語は第二次世界大戦以前の中国大陸で権勢をほこった満州における諜報戦。そしてその中で暗躍する若き超能力者たちの物語。1話で見せた「ミッションインポシブル」的な物語は、今後が楽しみな作品ではあったのですが、ふたを開けてみればなんとまあ、未成熟な物語で。このスタッフ、脚本家も含めてこの設定を消化するには、もう少し勉強不足なのかも知れません。A-1Pictuersは以前「かんなぎ」を制作したスタジオ。今期は「WORKING」も制作していたのですが、力の入れ加減を間違ったのか。
 物語のラストにきて、原爆による冷戦を示唆する物語を前提に、独立部隊の謀反という架空歴史を作り上げます。もちろん「満州」という舞台がすでにありながらないものである前提であり、この架空歴史もどうしても絵空事です。このあたり福井晴敏氏の書く架空戦記物にも同じ印象があります。架空すぎて実際の出来事に埋めきれてない感じ。「ローレライ」にしても本作にしても、最終的に原爆の処理を最期の落とし所に持ってきています。この思考回路は原爆を落とされて敗戦国となった我が国のやり直しというテーマに他ならず、引いては前年末に復活した「宇宙戦艦ヤマト」と同じ精神で作られたのかと思うわけです。
 この「敗戦国」や「原爆」といったタームに拘泥して語りすぎる傾向が、今若い人たちに歴史としての戦争を伝える行為として、問題となっているのをご存知でしょうか。「戦争」を敗戦側の悲劇という側面だけで語ることで、戦争を否定するための思考が停止してしまうことになりかねないことが、問題視されています。ドラマとしてこういう話を作るのは、いたしかたないとしても、語るために必要な手段を持たずに語るとこうなるという実例かもしれません。にしても、これは見る人を選ぶなあw。

<B型H系>
 よくも悪くもガールミーツボーイ&H(笑)。深夜枠、しかも徹底した自主規制の嵐と、DVDでの規制解除で引っ張りまくりながら、「高校生で初体験」という現実に即した内容を、ここまでギャグにして高いテンションを維持したまま12話までたどり着くとわ。
 どうにも理解できないのは、山田さんがどうしてここまで「H」にこだわるのか。理由云々は別として、何より妄想と現実を破綻させてなお、ギャグにこだわる作り方が実に面白い。会話をものすごく早口にしている事情は、本作がどちらかというと「話芸」に属するアニメであることを雄弁に語っているが、一つ一つのシチュエーションに丁寧にくすぐりが入ったり、状況説明が的確に入るあたり、構成が実に「落語」的である。内容はともかく、そのまとめ方は実に落語的であるのは、本作が4コマ漫画で1エピソードにいくつもの4コマのオチがあるせいだろう。だが山田および小須田のモノローグを適度に入れ込んでいるため、他の4コマ漫画のアニメ化作品と違う味わいを持つ作品になっている。山田役の田村ゆかりにその相方の竹田さん役に堀江由衣という、長年のコンビ芸も楽しめる。堀江由衣の突っ込み役は、「GA芸術科アートデザインクラス」以降の定番になりつつあり、彼女の演技の妙味も味わえる。

<化物語(ネット配信)>
 ひたすら堀江由衣という声優の力量に感服したラスト。であるが一応テレビシリーズの「化物語」の最終エピソードですから、少しだけ。
 「化物語」は男性諸氏の持つ「フェチ」を、それぞれ出てくる女性キャラクターに置き換えることができる点で、彼女たちはキャラクターとしていびつなのである。であるが、その人間としていびつなキャラクターに、これほどまでに人気が集中すること自体、やはり人間は多かれ少なかれいびつであることの証拠であると思わざるを得ない。物語上は彼女たちのいびつさの原因を「怪異」に求めているのだが、完璧超人と思われた「羽川翼」ですら「猫」に脅かされていたふりをしながら、実は理解して共生し、自分のいびつな感情を抑制しようとしていたのである。しかしその一方で他人から強制される私のイメージや期待を裏切らないように生きている日常の人間は、誰しも自分に「嘘」をつきながら暮らしているともいえる。阿良々木くんを好きだ、けど彼には戦場ヶ原さんが・・・の想いは、結局エナジードレインされてなお強がった台詞をはく羽川のセリフに現れている。その強がりこそ羽川にとっても、他人が認証する羽川像とも合致する。そして重ねる「嘘」の分だけ個人はゆがんでいく。「フェチ」というのは他人が個人を認証するよりも深い意味で、自分を認証するときに使われやすい言葉である。そして人間ひとりが抱えた心の闇は、個人をいびつにし、そのいびつさはフェチを呼ぶ。そしてそのフェチを愛でる位置にいながらそのフェチを許容したり認められる人間は、より大きな心でより深く彼女たちを愛していくことができる気がする。彼女たちが持つ「フェチ」は、自分を映す鏡であり、彼女たちとの秘密の共犯関係にある。その背徳性が彼女たちの最大の魅力なのではないだろうか? 「嘘」と「フェチ」そして「背徳感」。これが「化物語」を読み解くキーワードではないかと思っている。この話、登場する女性キャラ単位で突っ込んで語ってみたいので、詳細はいずれまた。

<鋼の錬金術師>

エドおおおお、アルううううう・・・・

・・・・うわああああああ~ん・・・・っぐすっ。


終わっちゃいましたね。しかも連載とほぼ同時に。なんというか、今はこのなんとも言えない満足感にしばらく浸っていたい感じです。
実は私、前作シリーズをほとんど見ておらず、頭っからじっくり見ていたのですが、錬金術と対術のあらん限りを尽くして戦いぬくエドとアルの活躍に、大人たちが巻き込まれていく展開といい、少年たちを見守りながらも事態に急速に対処したりズルしたりする大人たち、誰よりも社会人的な正義を徹底してヒロイズムを見せたロイ・マスタングやリザ・ホークアイたち大人が、逃げることなく大人であることをまっとうし、アルやエドたちの見本として常に前にいるという立ち位置が、なによりも心地よかったです。またエドたちが「少年」であり、その成長譚である物語がそうであるためには、大人が大人らしく、その善し悪しを含めてすべてをさらけ出せたこと、その前提でエドとアルが少年でいられたからこそ、「少年漫画」としての王道、そして錬金術の肝となる「等価交換」のさまざまな解釈の展開がじっくりと行えたのではないでしょうか。
 いままで物語が展開するたびに、書きたくて書きたくてうずうずしていた作品だったのですが、今はただアルの体が元に戻り、エドがなしてきた行為にふさわしい選択をして錬金術を失っても、二人が新たな旅立ちをはじめたこと、そしていつのまにかウィンリィよりも背が伸びたエドが彼女を抱きしめられるほどの大人の男に成長したことを、ひたすら喜びたいと思います。

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