コードギアス 反逆のルルーシュ~STAGE 4「その名はゼロ」~

<物語>
 自分の出自を含めて、自白を強要されるスザク。状況はスザク一人により、多方面に影響を与える。
 新宿での事件でレジスタンスを勝利に導いた謎の人物と、カレンたちレジスタンスが接見する。謎の人物に携帯を使って誘導された後、環状線に現れた人物は、ゼロと名乗る黒い仮面の男であった。彼はレジスタンスが行ってきたテロリズムを子供の遊びと糾弾し、その上で自らの力の一端を誇示し始める。
 同じ日本人からも見放され、力となるブリタニア人からも庇護されず、スザクの公開処刑は刻一刻と迫る。公衆の面前に現れるゼロ。ゼロはカレンと扇のたった二人を従えて、公衆のすべてとスザクの安全の交換を要求する。クロヴィス暗殺の実行犯を名乗り、「オレンジ」という謎の言葉によってジェレミアの注視の中で、ゼロはギアスを使った。次の瞬間、「全力で見逃せ!」というジェレミアの言葉により、逃亡するゼロとスザクたち。
 ゼロの仮面をつけたまま、スザクと会見するルルーシュ。スザクを懐柔しようとするルルーシュだが、スザクの考え方はルルーシュと袂を分かつ。これが長い戦いの始まりとなることも知らず。

<偽りの自白>
・アバンタイトルが今回から変更。ルルーシュの行動の動機が語られる。ナレーションをC.C.役のゆかなが行っていることから、この語りをC.C.が語っていると考えると面白い。特にナレーション終盤の「少なくとも、それが当時のルルーシュの願いであった」のくだりは、最終的に別の意図が絡んでくることを示唆している。

・スザクの尋問シーン。ジェレミア辺境伯じきじきの尋問である。証拠として机に上げられている銃について、画面で確認すると、前回ルルーシュがクロヴィスを撃った拳銃と同じ型をしている。設定画を見る限りにおいてはブリタニア軍の正式採用拳銃であるから、これと同じものはいくらでもある。ジェレミアの言によれば「線状痕は確認した」といっていることから、クロヴィスから摘出された弾とこの銃の線状痕が一致したといっている。これが真実であればルルーシュは、クロヴィスの暗殺現場に証拠を残したことになる。ルルーシュともあろうものが、こんなバカな話があるだろうか。またジェレミアはスザクの指紋が検出されたとも言っている。

・事件の経緯から、スザクがこの銃に触れる可能性はまったくない。だとすればこの銃がでっち上げの産物であることがわかる。つまりこのシーンは、スザクの尋問ではなく、スザクの自白を強要するか、あるいはクロヴィス暗殺の実行犯であることを暗に承諾せよと、スザクを脅迫しているシーンとなる。純血派と名乗る貴族の特権を持つものたちの腐臭がはっきりと読み取れるシーンである。

・レジスタンスのアジトのシーン。玉城がどなって扇の部屋を出て行くシーンのみであるが、扇と玉城の意見の対立、扇がカレンの兄から受け継いだリーダーの重圧に耐えかねていることが伺える。彼が黒の騎士団に参加したこと自体が、彼にとっての選択であり、その選択は扇自身が統率者の立場から逃げる唯一の方法であったのかもしれない。その意味で、扇はたとえゼロに裏切られたとしても、彼を恨むことができる立場にないことになる。ゼロを疑問視する仲間たちの声の中で、扇自身はゼロを信じることで、自分があるべき立場から逃げ回っていた、結局扇はあらたな悩みを抱え込むことになる。

・もし、玉城の言うように、レジスタンスがクロヴィス暗殺の声明を発表していたとしたらどうなるか。いやその実はなにもかわらないだろう。結局スザクは暗殺の実行犯として処刑されることになり、レジスタンスは共犯としてさらなる弾圧を受けることになるだけだ。手柄もへったくれもないのである。玉城よ、よーく考えてみよう。

・はげたおじさんの独白のシーン。このおじさん、確か1話に出てきた貴族とチェスをして負けていたおじさんである。初めて見たときは何のことやらさっぱり理解できなかったが、ルルーシュはレジスタンスに接見する以前に、すべての準備を整えており、その気があれば一人でことを行うことができたということだ。ギアスを使えば、金銭を使うことなく、秘密裏に事態を運ぶことができる。組織ができるまではルルーシュ自らこういった細かい仕事をこなす必要があるのだ。ルル、お疲れさん。もうすこしで楽ができるからね(ほんとか?)。とはいえ金銭的にルルーシュは代打ちで生計を立てていたわけでもないだろう。学生が所有するには大きすぎる金額が動いていたともいえる。こうした賭けごとが横行するところにも、ブリタニア貴族の没落ぶりがよく見える。

<対極の日常、偽りの安穏>
・ルルーシュ、シャーリー、ロイドとセシルによる状況説明。ブリタニア皇族崩御による休校だそうで。ロイドとセシルの会話は、かみ合っていないようでかみ合っている。ともにスザクの存在を惜しみながら、ロイドはあくまでスザクをランスロットのパーツ扱いである。変態ですねえ。

・ランスロットの稼動効率が94%ってのは、素晴らしい一語に尽きる。単純に最高速度160km/hの車を、常時40km/hで稼動させているとすれば、稼動効率は40÷160×100=25%となるから、94%だと約150km/hで走り回っていることになる。いまどき田舎の珍走団だってこんなスピードで走らない。

・破壊された東京タワー。その中で展示されているブリタニア支配の歴史展。バックに流れるナレーションは、日本の敗戦後、ともに手を取り合って復興しようとする内容となっておらず、ブリタニアの支配を明確化する内容となっている。また新宿ゲットーで迫害されている日本人の立場に触れていない、ブリタニア側の一方的な展示内容となってることがわかる。たぶん蝋人形館もめちゃくちゃだし、切絵職人の三毛蘭次郎さんもこの世の人ではないだろう。

・会話の中にもあるように、日本人はある意味で、レジスタンスなどの小競り合いをしながら、ブリタニア(つまりはクロヴィス)とうまく付き合っていたことになる。それを無益にもバランスを崩したのは、ルルーシュのほうなのだ。しかもルルの目的はブリタニアの鼻をあかすことである。ルルよ、どんだけ悪人か。

・それしても日本人はこの格好の東京タワーが好きである。1954年のゴジラ出現以降、幾度となく巨大な怪獣たちに蹂躙されてきた東京は、1961年にモスラの羽化する場所となり、1997年にはギャオスに卵を産み付けられた。いったい何度作り直されたんだろうか。それでも日本人の心の拠りどころとして東京タワーはそこにあり続けるのでありました。

・ジェレミアとディートハルトの会見のシーン。ジェレミアがおおやけに活動するにあたり、人材を欲していることが分かる。その上で、ジェレミアは権力を欲し、あわよくば成り上がりたいという思いが見え隠れする。ディートハルトもそのコマと考えているようだが、当のディートハルトもそれは百も承知。しかも興味のないブリタニア軍人とは手を結ばない気満々である。

<環状5号線の決意>
・カレンが感じている環状5号線の左右の情景。それは侵略者の論理と、踏みにじられたものの論理の交錯する境界である。環状5号線はそのままトウキョウ租界の外周を回っているとするならば、5号線から見える情景はほぼ同じものだろう。しかし自分の街にすら手厳しい評価のカレンである。負け犬を良しとしない、牙を持つ戦士。それがカレンのありたい姿かもしれない。

・環状5号線の場面、租界のビル郡の上に、太陽光発電ミラーのようなものがある。画面向かって右下が南側ということだろうか。そもそも太陽光発電は2009年段階で実用化に近いものの、発電効率の面では現状のエネルギー資産よりも低く見られがちである。ブリタニアが世界侵略を進めるにあたり、各国の技術力を貪欲に集めてきた結果、コードギアスの物語世界においては、こうしたエネルギー問題にも、なんらかの決着が付いている可能性がある。その一つは日本における「サクラダイト」と呼ばれる鉱物資源にも関連する。ゼロがカレンに見せた東京の現状、よく見ると、ゲットー側の建物よりも租界側の建物が大きく作られている。この事実一つとっても、ブリタニアが日本より大きな建造物が立てられるほど国力が充実していることと、その建設技術が優れていることがわかる。

・地味に乗客にギアスをかけているルルーシュ。カレンたちの移動中にも散見される。カレンが移動する車両が立っている人がいるほどなぜ混んでいるか。それは1両目の乗客をすべて移動させたからだろう。なお車内放送はまたしても新井里美(笑)。ここまで便利に使われると、現在放送中の「おおかみさんと七人の仲間たち」が普通に聞こえる。

・「テロではブリタニアは倒せない」というゼロ。この時点でゼロは論点をすりかえている。扇たちの目的はあくまでブリタニアへの抵抗そのものであり、その答えがレジスタンス運動なのだが、その対象をブリタニア人とブリタニア帝国とをすりかえることで、レジスタンス運動に効果がないことを提示する。その上で戦争の必然を説いて、帝国打倒を目的とさせたのだ。己の目的のために詭弁を弄する。だが事実、ギアスを扇たちに使わないでも、目標のすり替えをおこなってなお、彼らを説得できるのだ。ルルーシュという男の真価がここにある。

・ゼロの言葉が扇たちを揺さぶる。この時点でのゼロの目的はブリタニア帝国を相手に戦争を行うことだ。しかしそれですらルルーシュにとっては手段でしかない。ゼロとしては問題ないが、ルルーシュとしてはこの時点ですでに彼らを欺いている。この真実を打ち明けられない部分こそが、ルルーシュと他人とを、最後まで交わらせない点である。たとえその状況を自ら望んでいたとしても、どこまでもルルーシュは孤独である。

・日本解放戦線、初登場。スザクが本家である枢木家と断絶していることがわかる。またこのシーンに登場する「奇跡の藤堂」という男、ブリタニア側にも一目置かれている男。どんな男かは今後のお楽しみである。

・収監されているスザクと会話するロイド。間違った世界には生きる価値がないとして、「そんな世界に未練はない」と言い切るスザク。これ逆説なんだよね。未練たらたらなのよ、スザク君は。そしてスザクの未練の元は、死んだ父親の存在。その実体はこの後のお楽しみ。

<公開処刑、助けるものと助けられるもの>
・スザクの公開処刑。ワンシーンだけ入る皇神楽耶の影が入る。またロイドとセシルの会話から、彼らの直轄がまだ登場していないシュナイゼルであることが伺える。彼はこの時点でどこぞのサミットに出席中であり、スザク公開処刑のことなど知る由もない。こういったことから、スザクの公開処刑が、日本(イレブン)内でおおっぴらに行われていることから推定すると、ブリタニア帝国の駐留軍は、属国相手にかなり好き放題やっていると思われる。GHQによる日本占領政策と異なるそれは強者の理論であり、被支配層には決して受け入れることができない。少なくてもこの時点でのブリタニア帝国のイメージは、そういったものである。こういう風に第二次大戦後の日本を劇中の「イレブン」と比較すると、本作が敗戦国ならではの作りが見えてくる。同時にそれは戦勝国である大国アメリカの強者の論理の否定であり、物語は大国を打倒する一個人という筋書きになる。さらに「テロリズム」という言葉があまりにも日常化したゆえに成立している物語であることを知らされる。それをして「ゼロ年代」的であると言える。

・ジェレミアが自ら処刑の護衛に立っている時点で、すでにゼロの手中にはまっており、ジェレミアの自己顕示欲がゼロに読まれている証拠である。

・ゼロ登場。ケレン味たっぷりである。毒ガスカプセルを見せるゼロであるが、それが別物であることを知っているのは、この場においてはスザクだけ。そのスザクは発言を抑制されている。そしてクロヴィス暗殺の真犯人であると名乗りでるゼロ。しかもカメラ目線!そして謎のことば「オレンジ」。すべてにおいて優先されるのはギアスのタイミングである。そしてジェレミアの「全力でやつらを見逃せ!」。この事件一つでゼロは世界に打って出た上に、レジスタンスをほぼ掌握することに成功する。

・「ゼロ」の名前の意味を「無」と表現したディートハルト。この名前の出典は、村上龍の小説「愛と幻想のファシズム」に登場する相田剣介のあだ名である。相田剣介自信はむしろディートハルトのような人物として描かれているため、名前だけを借りたものである。だがこの「ゼロ」という意味、ルルーシュの目的を考えれば、「無」ではなく「ゼロリセット」なのではないだろうか。また「海底二万マイル」の「ネモ」という名前と同様、「だれでもない」という意味かもしれない。

・ディートハルトが評したように、こうしたギャラリーを意識した犯罪を「劇場型犯罪」という。そしてこの手の犯罪は報道されればされるほど、その意味を民衆に訴えかけるのだが、同時にその意味なんかどこにもない。ゼロはあくまで劇場的な「場」を作り上げ、そこに登場する役者であるジェレミアの自己顕示欲や役者たちの資質を、最大限に利用したのである。

・ゼロとスザクの会話で、二人の考え方の違い、立場の違いを明確にするシーン。どうしてここまでスザクは自分の命を投げ出せるのだろう。まるで自殺者である。こうなるとスザクの存在価値は常にゼロのアンチテーゼになるのだが、見ているこちら側としては、アンチテーゼとしてのスザク自身にまったく説得力がない。だがスザクにとって「生」に対する執着がまったくないわけではなさそうだ。「間違った方法で手に入れた結果に価値はない」。それはスザクの信じるものである。

・そしてC.C.が生きて再登場! さあ物語が加速する。

コードギアスアーカイブス2006~2008inANIMAGE (ロマンアルバム)コードギアスアーカイブス2006~2008inANIMAGE (ロマンアルバム)
(2009/06)
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