コードギアス 反逆のルルーシュ~STAGE 5「皇女と魔女」~

<物語>
 生きたC.C.と再会するルルーシュ。彼女に振り回されぎみであるが、秘密をわかちあった者として共同生活を始める。そのころゼロの活動を目の当たりにした地方のレジスタンスが活動を活発化し、イレブン駐在のブリタニア軍を疲弊させていた。折りしもジェレミアの権威失墜から、純潔派の勢力が落ちかけている状況下で、クロヴィスの敵討ちのため、第一皇女コーネリアがイレブンにやってくることになる。
 開放されたスザクは、突然助けを求めてきたユフィと名乗る少女とのやすらかなひと時を過ごす。壊滅した新宿でスザクとユフィは日本人とブリタニア人そして名誉ブリタニア人のありようを垣間見る。ささいな争いを収めたのは、ユフィであった。時を同じくして、キューエルによるジェレミアの粛清が開始される。ヴィレッタとスザクにより助けられるジェレミア。そしてこの場を収めたのはユフィことユーフェミア皇女殿下であった。
ギアスの能力でブリタニアの打倒を決意するルルーシュと、目的をルルーシュと同じくしながら異なる立場からブリタニアの変革を志すスザク。後日スザクはアッシュフォード学園に編入し、コーネリアがイレブンの総督に着任する。

<C.C.という女>
・アバンタイトルの砂漠戦で活躍するコーネリアの騎士団のKMF。自ら止めを刺してエリア18を制定するコーネリア。次の目標はクロヴィスの敵討ちだ。砂漠戦闘でも特に何の兵装も取り替えずに活躍するグロースター。映像的には湾岸戦争を意識しているか?それにしてもKMFにマントをつけることに、何の意味が・・・?

・コーネリア皇女の登場、そしてその腹心であるギルフォードとダールトンの登場で、エリア11はさらなる熱波に見舞われることになる。砂漠戦はその前哨戦である。統率のとれた部隊は見ていて気持ちがいい。「姫様のいるところが国です」など、上下関係が良好なことを示す言葉も飛び出す。が、こういうことが軍閥化をもたらし、反乱のタネにもなりかねない。

・平然とナナリーと一緒に楽しげに折り紙を折るC.C.。C.C.の衣装は研究所にあった拘束服である。全体にわらわらとベルトがついた服は、決して着やすいものではないだろう。彼女の着る拘束服は、デザイン上、本当に拘束することができるのか怪しい部分もあるが、手足の裾を広げたデザインが、余人との違いを想起させる。

・「将来を約束した関係だ」とのたまうC.C.。事実、ここまでルルーシュを手玉に取った物言いをする人物は、他に見当たらない。時には対立しながらも、ルルーシュとともに歩むと決めた、ルルにとっては得がたいパートナーである。ただしこの時点ではすべては謎のままだ。先の言葉だって嘘ではない。正しくは「将来、私との契約を果たすと約束した関係」であるのだが。その含みがもたらす効果を知っていて話しているC.C.である。

・カップを割って、その場を離れるルルーシュ。ルルーシュはナナリーを守ることをちかいながら、こうした嘘を重ねている。ナナリーを大事に思う反面、ナナリーの目が見えないことを最大限利用することができる男なのである。一方のナナリーは、カップが割れた音そのものに、鋭敏に反応している。その音に兄が語る言葉ほどの優しさが感じられないことを、「音」だけで感じ取っているのである。実利一辺倒の兄と違い、ナナリーにはこうした情緒的な部分が多い。そしてまた情緒的な部分を理解しないルルーシュなのである。

・ルルの部屋でのC.C.との会話。「予定の前倒し」、「ギアスがなくてもやるつもり」という言葉。これが最大限の強がりでなくてなんだろうか? 1話でルルーシュが見せた退廃的な態度は、このセリフが嘘であり、C.C.への恫喝であると思える。ところが当のC.C.はルルーシュを値踏みするようにすべての会話をはぐらかす。しかもベッドの上でだ。終いには着ているものを脱ぎだしてルルーシュを無視して寝てしまおうとする。このシーン、C.C.は明らかに誘っているのである。この誘い方でC.C.はルルーシュが童貞であることを知る、重要なシークエンスになっているのである。誘って寝てしまえば共犯になるところを、襲ってこない。C.C.にとってもこのルルーシュが厄介な相手である認識を始めて持った瞬間でもある。C.C.の脱いだ服を、かいがいしく寄せているところなんか、実に童貞くさいではないか。この世界でルルーシュがどうやっても意のままにならない人物、それがC.C.である。

<テロリズムの散発化と精神的支柱>
・ロイドの口から状況説明。日本各地でのレジスタンス運動の活発化と、軍内部で台頭していた純血派が、「オレンジ疑惑」をきっかけに静かになっているとのこと。ジェレミアに対するロイドの評は辛らつを極めるが、実際ゼロの事件がなくても、純血派などという狭い了見での後ろ盾しかない人間は、代理執政官としてやっていけるものの、多くの人の上に立つ器ではないのかもしれない。まあロイドにしてみれば、純血派が引っ込むことで、自分たちの仕事まで奪われかねない状況に業を煮やしているため、嫌味の一つも言いたくなるのだろう。

・パソコン画面に映る地方のレジスタンス活動の写真であるが、福岡や高知が公的機関の建築物であるのに対して、広島が厳島神社ってのが面白い。日本人の精神的支柱の破壊をほのめかす、いい写真である。ただし、ダイナマイトを腹に巻いて仁王立ちしているのは、あまりに残念な男だ。世界に冠する文化遺産を道連れにしないでいただきたい。ただでさえ、富士山がひどいことになっているんだから。地味に「BIGLOBE」の文字が。

・「攻殻機動隊S.A.C.2nd GIG」に登場する「個別の十一人」なども参考にしていただきたいが、「テロリズム」には意外に多くの模倣が存在する。日本でも「二二六事件」などの軍部クーデターは、昭和初期には散見される。国の将来を憂えてのことであるのだが、その精神的支柱にあるものは「個人への忠誠」や「天皇制」だったりする。劇中で広島の事件現場を厳島神社にしているのも、似たような理由かもしれない。原爆ドームやはりまや橋ではダメなのである。

・日本解放戦線の挙兵に異を唱える藤堂。解放戦線の後ろ盾である「キョウト」はここで初登場。OPの映像で出てくる皇神楽耶にたどり着くまでには、今しばらくかかる。

・「キョウトが紅蓮弐式をゼロに渡そうとしている」という噂。その真相は別として、この時点でゼロは「キョウト」と接触していない。それでもKMFをゼロに渡そうとしているのは、この「キョウト」が扇チームの後ろ盾でもあるからだ。扇チームが、日本解放戦線に先駆けてKMFを受領することは、日本解放戦線が見込んでいた戦力が横流しされることであり、「キョウト」に対する解放戦線の権威の失墜、そして現在活動が活発化している地方のレジスタンス活動に乗り遅れることを意味する。活動が散発的であることは、レジスタンス同士、スポンサーは同じでも、横の連携が取れていないことを示す。これって、明治維新のころの攘夷側の状況によく似ている。「攘夷」と唱えても、実質的な活動の本格化は、坂本龍馬による「薩長同盟」が成立して以後のことだからだ。解放戦線が藤堂に助力を依頼しているのは、藤堂のブリタニア側への影響力と身内への鼓舞の意味がある。しかし藤堂は動かない。それはそうだ。連携の取れていない、散発的な抵抗運動など、鉄壁のブリタニア軍の前では無に等しいことを、藤堂が理解しているからだ。藤堂という男、ジェレミアと違って人の上に立つ器であることがよくわかる。

<神聖ブリタニア帝国>
・ルルーシュの部屋でのC.C.との会話。会話とは別に「スザク」について検索しているルルーシュが見ている検索サイトもメインスポンサーである「BIGLOBE」である。しかも画面に現れた文字は英語である。ブリタニア帝国の公用語は英語であるようだが、そうすると欧州方式の貴族様式に、なんだか疑問を感じる。

・そもそもブリタニア帝国の成り立ちが疑問であるが、「電撃データコレクション コードギアス 反逆のルルーシュ」によれば、私たちが歴史の授業で習っていたようなヨーロッパの歴史は存在しつつ、ヨーロッパの島国であるブリタニアはイギリスの歴史に倣い、アメリカ大陸の発見とともにアメリカに殖民し、アメリカを中心に勢力を拡大させていったとある。このとき、アメリカは独立をうたい精力的な活動を続けていたが、結果的にはアメリカ大陸を新領土として併吞し、劇中のようなブリタニア帝国が誕生した歴史が示されている。なおDVDマガジンではルルーシュがブリタニアの歴史について解説してくれている。ご参考まで。

・「オレンジ」という単語にまったく意味がないことを説明するルルとC.C.のシーン。この混乱と注目がルルーシュの目的ではなく、これから先の世界の変転にこそ、ターゲットがあると語るルルーシュ。

<ささやかな出会い>
・うってかわって、釈放されたスザクがユフィを助けるシーン。まあ小さなきっかけ作りだから許すけど、これ普通だったら、スザクはユフィの声を聞いて逃げ出したって文句を言われることはない。彼女を受け止めてしまうのだって、彼の自身の肉体への信頼あってこそだとは思うが。いまでこそ思うのだが、「化物語」での戦場ヶ原ひたぎと阿良々木くんとの出会いは、王道中の王道、典型的なお姫様と王子様の出会いである。そのぶん、二人に隠された秘密や性格が、より大きなフックとなっているからこそ、斬新なのである。素敵な出会いを夢見る女性諸君には、ぜひとも3階の窓から飛び降りることをお勧めする(怪我をしても当方は一切関知しないから、そのつもりで)。ユフィも大したものである。真っすぐ落ちているにも関わらず、「どいてくださ~い」って。

・スザクの顔を見て、「あら?」の時点で、彼女はスザクの素性を認識しているのだろう。この後、すべて打算の上でつき合わせるところは、このお姫様、なかなかにやり手である。「はい、どうかしたんです」って、どうかしているのは君だ! ブリタニアが歴史を改ざんされたアメリカだとしても、映画「ローマの休日」くらいはごらんになっておるのだろう。ってことは、すべてこれ打算の産物だと思うのだが。

・ジェレミア以外の純血派内部で、ジェレミアの粛清の話が進む。「オレンジ疑惑」は、ジェレミアがレジスタンスとの収賄関係により、ゼロとスザクを見逃したという疑惑であるが、この疑惑の根幹は、あくまで現場でのジェレミアの行動だけなのだ。ということは収賄の部分が噂に過ぎないことを、ブリタニア内部の人間はだれよりも理解しているはずだ。にもかかわらず、ジェレミアはこの噂の真偽によらず粛清されようとしているわけだ。当然ジェレミアへの嫉妬などが含まれていることを考えると、この噂そのものの発信源がキューエルである可能性もある。いや純血派はそれを信じたかったのかも知れない。

・猫のアーサー初登場。ユフィのかわいらしい「にゃあ、にゃあ」が聴けるのこのシーンである。猫の名前にしても、「アーサー王伝説」からとられていることからも、この世界にも欧州の神話伝承などが生きている世界だと考えられる。ちなみにアーサーの声は自称17歳のあのお方である。

・スザクとユフィの会話より。スザクが猫(アーサー)にかまれるのは設定上の仕様だとしても、ユフィの「片想いって優しい人がするんですよ」という言葉は重い。これは後にユフィがスザクに投げかけるSTAGE20の言葉「私を好きになりなさい!私があなたを好きになります」に直結する言葉なのである。

・なにげないユフィの「ローマの休日」。何気にマネキンよりも体の線が細いユフィ。内臓とかちゃんと詰まっているのか、気になるところ。地味にスザクの後をつけるロイドたち。ロイドも人の子か。だがあの優しげなまなざしははたしてどちらを見ているのだろう? おどけて「お姫さま」とかいって。本当にお姫様だったりするのは、王道である。

<日常に潜む悪意>
・学園でのカレンとルルーシュのやりとり。まあ、C.C.を見せたくなかったのはわかるけど。その視線のとめ方が幼稚すぎる。ルルに経験がないことがよくわかる。しかしルルが苦しい立場にいることも理解できる。C.C.の衣装はルルの持ち物だし、それだけで疑われる可能性が大きい。きっとカレンに詰問されるだろう。逆に電話の話題で視線をそらせない方法もとれるが、この話題を長引かせるほうがよほど危ない。またもやカレンに質問攻めだ。逆にルルーシュがおちついて、C.C.の移動方向と逆方向に立ち上がることで、カレンの視線をずらすこともできるだろうに。ルルよ、修行が足らんぞ。しかもシャーリーに見つかるとは。「うん、なんだろう」って、あほかw

・バトレーさんが、拘束服に首輪までつけて、前回のスザクと同じ格好で本国に送還されるシーン。「関わらないほうがよかった」は、次につながるルルーシュへの戒めの言葉となる。うまいつなぎである。

・「私はどこでも部外者だ」C.C.の言葉の意味がわかるのはまだ先になる。彼女のさびしい生い立ちが、この台詞をさらっと言わせるのだが、彼女の記憶にどれだけの悲しみをたたえているのだろうか。「共犯者」というのも、彼女が本当にほしい言葉ではないだろう。

・ルルーシュがギアスの継続時間のテストをしていることが判明する。また同時にC.C.にはギアスが通じないことも判明。それだけではない。有効射程距離やギアスをかけた直後の記憶の欠落の理由まで、その後のシーンで明らかになる。

<新宿ゲットー内ゲバ事件>
・壊滅した新宿でのいざこざ。スザクの立場がどこにもない「境界人」であることがどこまでもしみてくるシーンだ。日本人でありながら日本人に受け入れられない、ブリタニア人でも同じこと。だから次回の学園でスザクを受け入れたことが、なによりもスザクにとって大事なものになっていく。そしてユフィ自身も。

・ルルーシュとスザクの言葉が重なっていく。同じ状況、同じ情景をその目で見ながら、わずかずつ考えの異なる二人が、世界を変転させる方法論を模索する。そして一人が出した答えは「なりかわる」こと。もう一人はまだ「戦いをやめさせる」ことであるが、そのための地ならしをしはじめている。

・そして新宿でのキューエルの策略による純血派内ゲバ事件。ヴィレッタもジェレミアの後退で旗色が悪いながらも、ジェレミアをよく支えている。ここでもスザクの立場はどこにもない。いっそう哀れだ。この時点でブリタニア軍が新宿あたりに人間が出入りしているところを見ると、新宿事変やオレンジ疑惑により統治のタガが緩んでいることが伺える。

・MVSとはメーサー・ヴァイブレーション・ソード(高周波振動剣)の略だそうで。

・ユーフェミアが語る「もう大切な人を失わずにすむよう・・・」という言葉。実はユーフェミアとスザクでは、まったく意味が異なるのである。スザクの父の死の真の意味は、スザクをただひたすら追い詰めるのだが、それはまた後のお話。

・着任するコーネリア。ゼロに対する対応を求める苛烈さを見せる。そしてスザク、学園へ。

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(2007/02/23)
福山潤櫻井孝宏

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テーマ : コードギアス 反逆のルルーシュ
ジャンル : アニメ・コミック

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波のまにまに☆

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