コードギアス 反逆のルルーシュ~STAGE20「キュウシュウ戦役」~

さあ、残り話数も6話となり、このあとは怒涛の展開が待っている。そして哀しみと驚愕の最終回へとなだれ込む! 最後までお付き合いいただければ幸いである。

<物語>
 かつて枢木政権下で官房長官を務めた澤崎という男を首魁とする武装グループが、キュウシュウブロック内のテロリスト組織と競合し、フクオカ基地を占拠。澤崎は主権国家「日本」の独立を宣言する。それは亡命先であった中華連邦の後ろ盾と、イレブン内部の政情不安に付け込んでの行動であった。
 スザクたちはキュウシュウに向かうが、その前にスザクはユフィへ騎士を辞退することを告げる。それは神根島でユフィを守れなかったことと、自分の出自がユフィを苦しめていることを知っての行動だった。
 暴風雨によりコーネリアの舞台は上陸すら出来ずに被害を増すばかり。一方文化祭の準備に追われている学園では、ギアスをかけられていたシャーリーが、ゼロの正体に気付き始めていた。
 ゼロたち黒の騎士団は、澤崎たちとは合流せず、彼らを中華連邦の傀儡政権として無視することにする。その上でゼロはトウキョウ租界に独立国を建設するビジョンを発表する。ユフィは彼女に礼を言おうと近寄ったニーナを助けることになる。そしてニーナの思いはユフィを勇気づける。
 フクオカでは天候が回復し上陸作戦が開始される。その先鋒を務めるのはスザクのランスロットであった。しかもその作戦は単騎で敵陣に突っ込み、澤崎の居城を強襲するものであった。澤崎は直接会話でスザクの気をそらす作戦に出る。追い詰められたスザクを、直接会話でユフィが勇気づける。だがすでにエネルギーは残り少ない。ユフィの叫びは再び彼に掛けられていたギアスを呼び覚ます。その時、C.C.とゼロの駆るガウェインが割って入る。ゼロとスザクは共闘し、澤崎を拿捕する。

2010.10.06 追記あります

<澤崎の独立宣言と闘争>
・独立宣言をする澤崎の背後に中華連邦製のKMF「ガン・ルゥ」が配置されている。澤崎が戦後亡命した先は中華連邦であるが、その亡命がサクラダイト採掘権と引き換えという代償を払ってのことだとわかるのはすぐ後のこと。この1点だけでも澤崎が政治はあくまで手駒だと思っているタイプの政治家であることがわかる。後半スザクを言論的に追いつめるシーンがあるが、それは後ろ盾あっての物言いであり、彼に大義はない。背後に武力を見せつけるこの1シーンだけでそのことがすぐに伝わるシーンといえる。

・黒の騎士団内部でもこのキュウシュウの状況に大きく左右される。澤崎の独立宣言は、黒の騎士団の目指す方向性と合致するし、なおかつ騎士団にはやりたくてもできない行動だからだ。だがゼロはカレンの問いかけに何も答えない。

・ブリタニア軍の情報によれば、澤崎が掌握しているエリアは、九州の北半分ほどと、四国。それぞれ本州とつないでいる交通網は寸断されているらしい。建設に携わっていた人間として、本四架橋や関門トンネルが破壊されたことを考えると、とっても恐ろしい。このトンネルや橋のためにどれほどの人間が従事したのかを考えると、それだけで澤崎の罪は重い。このとき、コーネリアがよく使う列車での兵装運搬が、まったく役に立たないのであるから、ブリタニア側の攻撃は海と空からの限られるということなのだ。後半で登場するスザクの正面突破ははっきり申し上げてやりすぎだが、コーネリアとしては空輸による増援は天気が邪魔しているため、他の選択肢はなかったように思う。

・序盤でロイドさんが悩んでいるのは、あくまでスザクの騎士階級の返上という事実が、シュナイゼルなどの後ろ盾をなくして装備の研究ができなくなることへの懸念と、本作戦の指揮への不安であるのだが、本心は研究のためのパトロンを失いたくないことだけが気になる様子。相変わらずセシルはスザクの身を案じている。

・スザクとユフィの会話より。スザクの逮捕はなかったことに。ここはあくまでどれほどスザクが自分を追いこんでいるのかということを示すシーンであり、それをどうにかしたいと願うユフィの動機づけになっているシーン。同時にユフィの思いはどうしても形にならないことに苛立ち、自分の立場上の傲慢さを確認するシーンである。思いがすれ違うことはよくあるのだが、実際これほどまでに、会話をしている二人が全く違うことに悩んでいることを示している。この二人が抱えている問題はあまりにも複雑で多様である。それをユフィは集約しようとするが、それはこの後のお話。

・日本では蒙古襲来の昔より、台風により戦況を打破できた事情から、いざという時に「神風」が吹くことを信じて疑わない。このキュウシュウ戦役そのものの序盤戦は、まさに天候が澤崎に味方する。備蓄に支えられた要塞にたてこもる澤崎を、海側から攻略するコーネリアには、まったく勝ちは薄い。それは海側のほうが天候に左右されるためだ。OVA「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ」の1巻目の上陸作戦がいかにひどいものだったかを考えれば、想像がつくかと思われる。

・前線はコーネリアに任せ、後方支援のシュナイゼルは自分独自のルートを使って、コーネリアを政治レベルで支援する。なるほどこういうコンビネーションに支えられれば、兄妹による統治政策はうまくいくのかと、うっかり信じそうになるシーンである。実際には皇位継承権という競争が存在するので、よりどちらかが有能なのかを問われれば、どうやってもシュナイゼルに軍配が上がる。それだけにこの時点でのユフィの存在価値は、実に薄い。

・後の物語の伏線として、アッシュフォード学園の状況。生徒会は文化祭の準備の真っ最中である。一方シャーリーはゼロの正体に気付き始めている。ルルーシュのギアスの能力は人間の記憶の書き換えであるのだが、その効力には限界があるらしい。それは脳科学の範疇か?

<ユフィの気づきが世界を揺るがす>
・スザク「自分が迷惑をかけると、ユフィが自分自身を嫌いになってしまいそうで」。それはそのまま君自身である。そしてそれに気付かないから、ユフィとも話がかみ合わない。他人のことを優先するが故に、自分を知ることを極端に拒否している。そんなスザクが垣間見えるシーン。

・ゼロは澤崎に加担せず、トウキョウ租界に独立国を作ることを発表する。「自らが動かない限り、そんないつかは絶対来ない!」ゼロの物言いは確かにもっともだが、どうも自分を鼓舞しているようにも見える。自分をコントロールする範疇の言葉だろう。

・ユフィへのあこがれの思いがニーナを走らせる。でもこの守衛さんたち、17歳の少女をこれほどまでに痛めつけるのって、どう考えても常軌を逸しているとしか。ユフィがこなかったら、ズタボロになるまで殴られてたな、ニーナ。

・天候が回復し、フクオカ基地への強襲作戦が開始される。コーネリアは指揮者のいないスザク達の能力に懐疑的であるのだが、そこをフォローするのがセシルの軍人としての能力なのかもしれない。

・コーネリア「扱いに困る男だ」。黒の騎士団や皇族救出などの手柄を立てながら、ユフィの騎士を辞退するなどの動きは、ブリタニア軍人なら奇行と呼ばれるだろう。だがコーネリアは可愛い妹のために、スザクに便宜をはかってやりたい。その想いがこの言葉を吐かせる。またスザクの能力を最大限評価しているコーネリアという図式も見える。それはコーネリアが極端な実力至上主義的な考え方によるものか(ご指摘、ありがとうございます!)。

・この作戦、シュナイゼルの発案だという。この作戦自体、スザクの活躍なくしては成立しないのであるが、それこそロイドたち特派への金銭的協力と引き換えの行動ということになる。これもシュナイゼルという男の交渉能力だろう。

・そしてランスロット発艦。フロートシステムにより空を飛ぶKMFとなる。オプションパーツとはいえ、空を飛ぶKMFはガウェインに続いて2機目である。資料をひっくり返すとこのフロートシステム、ジェット推進装置に「質量封じ込め装置」なるものの組み合わせでできているらしい。この「質量封じ込め装置」がロイドの発明らしい。映像と文字から想像するに、両翼に展開された光の翼の力場によって、特定範囲の質量を封じ込めて理論上質量を感じさせないようにする装置ということだろうか。一端ジェット推進で加速したそのスピードで、ランスロットの機体の重量を気にせず、移動できるということになる。問題は稼働時間らしいから、質量を封じ込められる時間が短いから、航続距離には限界があるということだ。なんか雲海に突っ込んで行きましたけど、スザク。

・ロイドの言う通り、首魁を抑えれば組織は瓦解するのは当然のこと。ここからは戦闘シーン、男のアニメですっ! ランスロットの胸部にあるファクトスフィアが展開する。一見するとジャマーをかけてミサイル群をよけているように見えるのだが、さにあらず。これはスフィアのセンサーで探知したミサイル群を、すべてスザクの能力ゆえに回避している図なのである。ランスロットがワンオフの優秀な機体であることは納得できるが、それ以上に優秀なパイロットであるスザクには、驚くよりもあきれる。お願いだから統合軍に入って、バルキリーのテストパイロットになっていただきたい。
しかし、ハーケンが伸びる様を、ハーケン側から見ている図というのは、実にランスロットがかっこよく見えるシーンであり、迫力がある。

・ユフィはニーナのあこがれゆえに、ユフィを勇気づけることになる。ユフィは気付かないが、ニーナの想いはあこがれよりも強いことを。このシーンが何より悲しいのは、会話をしているように見えて、ユフィは精いっぱいユフィへの想いを一方的に語っているだけだし、ユフィの視野にニーナは映っていない。会話をしながらすれ違っているのだ。そしてこのニーナとの会話が物語に新たな展開と悲劇の幕を上げる伏線となる。

・個別に認識で来るほど特徴的な機体に、優秀なパイロットが乗る。これはロボットアニメがこの世界に登場してからの不文律ではないだろうか。だが情報は悲しい。こうした登場者が特定できるシステムは、本作で示すように、敵との通信が可能になることが考えられる(って、普通はやらないだろう)。そう考えると、アムロもシャアも、カミーユもジュドーもこうした敵の甘言に惑わされる危険をはらんでいるといえるかもしれない。えっ? ニュータイプは通信機器を使わずに交信してしまうって? もっとだめじゃん(笑)。

<スザクの正義、ユフィの想い>
・スザクと澤崎の会話より。スザクの示す「理念なき正義」は、ある意味で立派に「純粋な正義」と受け取ることができる。そう考えると、澤崎の「大人のタテマエ」とスザクの「稚気な正義」という現実が見えてくる。またスザクの言う「正しい手段でかなえる正義」とはどういうものなのかが、おのずと見えてくる。「正しい」とは「時流に乗る」ことであって、その正しさを証明できるものは自分だけだ。それでは自己満足でしかない。だが父親の政治を、「死」によって否定したスザクの正義は、実はこの世界にはどこにもないのではないか。彼は理想を追い求めるあまり、その正義が自分の独りよがりになっていることに、果たして気が付いているのだろうか?

・中華連邦製KMFである「ガン・ルゥ」。そのフォルムはずんぐりむっくりした機体であり、特徴的なのは後方にのびる尻尾のようなものでバランスを保っている。両足にも車輪が付いているが、不整地には対応できそうもない。どう考えてもブリタニア製のKMFよりもオートバランサーは出来が悪そうに見える。しかもアームがなく、武器が取り付けられているところを見る限り、格闘戦は考慮していない。とにかく数と火力で敵を圧倒すること、それがガン・ルゥの設計コンセプトのようだ。だが1対1で紅蓮やグラスゴーと向き合ったことを考えれば、ガン・ルゥは単なる棺桶となる確率が高い。これに乗るぐらいならガザCのほうがはるかにましである。

・そして澤崎に罵倒されるスザクの正義は、もう一つの善意の正義に救われることになる。それがユフィの思考であった。「私を好きになりなさい、私があなたを好きになる」という、誰が聞いても赤面必至のこの言葉が、ユフィのたどり着いた正義なのである。そしてその傲慢なほどの想いは、スザクの気持ちを救うのである。まあセシルさんも目をそらすわけだw

・ユフィの「生きていて!」がスザクにかけられたギアスが起動する。だがそれは同時にゼロの到来を告げる合図となった。あいかわらずのガウェインのハドロン砲の威力である。ハドロン砲のビーム収束に成功している図に顔をゆがませるロイド、そしてフロートシステムの開発成功に、気を悪くするラクシャータ。どっちもどっちの科学者である。何気に今回の作戦の発案者を当てているルルーシュもおかしくね? ここで解ります、プリン伯爵。

・「機体の性能差は絶対的な戦力差ではない」これはロボットアニメを見ている者にとってもはや常識の範疇である。だがこれに相反するもう一つのテーゼがある。「主役機の性能は圧倒的な戦力差をひっくり返す力を秘めている」ということだ。今回の物語でシュナイゼルが考えてコーネリアが実行した電撃作戦の内容とは、ランスロット1体に中央突破をさせて首魁を落とすと同時に、敵戦力を分断するためにコーネリアの直属はあくまで上陸作戦に拘泥することだった。陽動作戦をとる場合、敵の本隊をおびき出して戦闘し、別働隊を用いて本陣を強襲する。この作戦は本陣の戦力をどれだけ薄くできるかが成功のカギを握る。ところがこの話の電撃作戦は、ランスロットの性能のみを当てにして作戦を立てている。通常の戦争では、戦争している両者にとってあっと驚く新兵器などはめったに登場しない。もしも新兵器が開発されたとすれば、それはほぼ同時に似たような兵器が敵陣にもあってしかるべきと考えるのが常道なのである。ランスロットがそれほどまでに優秀であると考えるよりも、ブリタニア帝国がどれほど優秀な人材を集めて、技術力を向上させているか、さらにその技術を秘匿しているかが問題だ。この世界にはブリタニカからの技術供与など、ほとんどないのではなだろうか。

・いつも思うんですが、KMFのレバーにあるトラッキングボールって、何する装置なんでしょ? コーネリアもよくもてあそんでいましたけど。

・オープンチャンネルで澤崎をたたくことを宣言するゼロ。この共闘はユフィやファンが見たかった映像である。挿入歌の「Callin’」が緊迫した戦闘を一気に収束へと導く。

・コーネリアにはゼロの行動が測りかねている。このことはコーネリアとルルーシュの思考の違いであるし、コーネリアには政治向きの仕事が不向きであることを端的に示している。またカレンがガウェインに同行したがっているのを、ディートハルトがたしなめるシーンにしても、ディートハルトが戦況を把握できる人物であることに対して、カレンが目の前の戦闘にしか目がいかないという対比を表わしている。カレンにしてみれば、ゼロ番隊として、ゼロのそばにいたかったってこともあるだろうけど。

・亡命による立て直し、そしてカゴシマでの防衛など、澤崎のやり方はどこまでも「大人の事情」でできている。まさに厚顔無恥といえよう。だが少年たちの心意気は、それを許さない。ランスロットのハーケンが、澤崎を追い詰める。そして澤崎を拿捕して戦闘は終了する。

・ラストシーンのスザクとユフィの心温まるシーン。そしてユフィの決意は「大好きな人たちの笑顔を見ること」だという。それは政治家としては及第点すらやれないだろう政策であるが、それを忘れている政治家がその一方で圧倒的に多いことも、我々は知っている。だからこそこのシーンがまぶしく感じられるのだろう。

コードギアス 反逆のルルーシュ―STAGE‐0‐ENTRANCE (角川スニーカー文庫)コードギアス 反逆のルルーシュ―STAGE‐0‐ENTRANCE (角川スニーカー文庫)
(2007/04/28)
岩佐 まもる

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テーマ : コードギアス 反逆のルルーシュ
ジャンル : アニメ・コミック

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