放課後はゆる~いドラマ

 「けいおん!」が絶好調だ。主役の4人は間違いなくかわいらしいし、最近では後輩の「梓ちゃん」までかわいい。端的なことを言えば、主題歌とエンディング曲は、発売初日で店頭から姿を消していたし、挿入歌である「ふわふわ時間」もオリコンで上位に入ったと聞く。今期「ハルヒ」と二足のわらじである京都アニメーションもたいしたものだ。女性陣を中心に据えた製作体制も、ハルヒの「ライブ・アライブ」で力をつけたスタッフも、見ている側がそれを理解しているからこれだけ盛り上がれるんだろう。

 「オトナアニメ」誌の最新Vol.12で「咲 -Saki-」と一緒に、「JK 部活アニメ」というくくりをしているようだ。だが「けいおん!」がそもそも「4コマ漫画」を原作としているアニメであることを考慮すると、「JK部活アニメ」とは別のくくりが出来そうだ。

 4コマ漫画のアニメ化の「祖」というものを考えると、「サザエさん」とか、「フクちゃん」なんかに遡る。だがしかし、現在のアニメの文脈から考えると、いしいひさいちの「がんばれタブチくん」や「おじゃまんが山田くん」かなあと思う。
 これは方法論もへったくれもない。元のマンガのギャグの質が高かった故に、細切れの話をジングルでつなぐ手法であり、コマ漫画の体裁を崩したものではなかった。ジブリ作品である「ホーホケキョとなりの山田くん」も同じ形態であるのでいしいひさいち原作作品は、この体裁がもっとも似合っているのだろう。

 そしてもう一つの流れである「部活」という観点で見ると、「巨人の星」や「アタックNo.1」などの、いわゆる「スポ根もの」にたどり着く。いやまてよ、「けいおん!」の特徴には、「スポ根もの」のテイストはないし、「血の汗」も「涙」も無縁だ。そう考えると、私のような文化系クラブ出身者にとっては、金字塔のような漫画があることに思い至った。「究極超人R」である。「光画部」という名の写真部に集まる高校生と、それに紛れ込んだまぬけなアンドロイドによる、スラプスティック放課後コメディの傑作だ。汗も涙も必要ない、目標もなくだらだらと続くなんの変哲もない日常の中で、光画部のキャラクターだけで押し切ってしまう強引さと、ストーリーのゆるさは、「けいおん!」の祖にふさわしいと思われる。

 これら2つの流れを、「放課後だらだらアニメ」あるいは「放課後アニメ」とくくっていいんではないかと思われる。そしてこの「放課後アニメ」の礎を築いたのは、「あずまんが大王」だろう。

 もれはある日突然、降ってわいたようにあらわれた。「あずまんが大王」は、原作マンガが4こま漫画ではあるが、連作短編のようにおおむね連続した話で作られていた。アニメのほうも、多少の順序の入れ替えはあっても、学年があがるのと同じように、ほぼ原作の流れのままに制作され、放映されている。内容は学校での日常を、女の子たちの目線で描いたものだ。この日常感がとても重要なポイントだ。ギャグも「あるある」ものから、突飛なギャグまで様々であり、とても楽しめる1作であった。キャラクターの役割分担がはっきりしており、つっこみ担当、ぼけ担当が誰にでも把握できる。そしてなにより主役の女の子たちがかわいらしい。

 そしてここから急速に4コマ漫画のアニメ化が進んでいく。「らき☆すた」や「ドージンワーク」や「スケッチブック」や「ひだまりスケッチ」、今期の「けいおん」などが花開く土壌ができあがってきたわけだ。
 特に出色の出来であったのが、「スケッチブック」だ。元の原作が連作短編ですらない、小ネタの積み上げ漫画であるのだが、思いのほかエピソードの入れ替えを行うことにより、原作では味わえないストーリーが編み上げられていた。この構成力には本当に恐れ入った。

 4コマ漫画そのものはアニメ化に適した素材であることは、すでにこれまでの実績で明らかだ。 細かいギャグを積み重ね、誰もが共感できる日常を描き、その上でストーリーを編み上げ、13話の構成をきちんと決めれば、原作にはない感動すら味わえる。

 そしてさらに重要なのが「放課後」という時間設定だ。
 これらの物語はすべて放課後に話が進んでいる。学園物はすべからくそうかも知れないが、学生の本分である「授業中」に、話が進むことはほとんど無いのだ。それはきっと見ている側も作り手も同じ気持ちだろう。だれもが共感でき、その時間を懐かしむことが出来る。そしてその時間が現在進行形の人にとっても、楽しいと思える時間だ。作り手と受け手のある種、幸せな共通認識(あるいは共犯関係)が、放課後のドラマを楽しいものにさせているのだろう。

 そういうことだから、「ハルヒ」がこれに類するものであることも了解していただけるだろうし、学園物が中心となる「ラノベ」の世界も、これに該当する。すでに準備されている「生徒会の一存」や「文学少女」などのシリーズも同じ事だ。
 今後も「部活」の数だけ、このようなストーリーが展開される作品が生み出されるのは間違いないだろう。だれしもが飽きることなく、放課後の楽しい時間を見つめ続ける。それはノスタルジーでもあるだろうし、自嘲でもあるだろう。けれどつらかったり、しんどかったりする話をおいといて、ひたすら楽しい話に始終する物語は、今後もわれわれの目を楽しませてくれるに違いない。
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テーマ : けいおん!
ジャンル : アニメ・コミック

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