サウンドトラック雑感

 CDが普及し、レコードが日常から駆逐され始めると、レコードの音源をどうデジタル化するか、本当の迷った。だがこの悩みはあっという間に解決する。大概CDで再販されるからだ。それでもどうしようもなくレコード音源をターンテーブルに載せ、MDに録音した思い出がある。たとえば「里見八犬伝サウンドトラック」や「必殺シリーズBGM集」、「影の軍団BGM集」などだ。それ以外は大概CDで再発されたし、「必殺シリーズ」や「影の軍団」は、全く別の仕様でCDとなって販売されている。おかげで以前は収録時間の関係で収録を見送られた曲なんかも入っており、ほくほく顔でCDを買い直している。まんまとレコード会社の奸計にはまっていると思われる。

 「好きな作品はできるだけ周辺素材も収拾したい」というのは、ファンの、コレクターの、オタクのどうしようもない性癖だと言える。私自身はキャラクターグッズなどはあまり買うことはないのだが、それでも好きなロボットアニメなんかだと、どうしてもロボットの稼働フィギュアが欲しくなる。買ったとて床の間に飾るなどはしないのであるが、それでも買ってしまう。またBGM集、あるいはサントラアルバムはどうしても買いたくなる。この性癖もお小遣いを貰うようになって、LPレコードを買えるようになってからだから、小学5年生ぐらいからだろうか。

 はじめて意識してサントラ盤を買ったのは、「機動戦士ガンダム? めぐりあい宇宙」のサントラだ。物語序盤にホワイトベースと、ドレン率いるキャメルパトロール艦隊との激戦の時にかかる曲が欲しくて、買ってもらった。何度となく聞いたし、テープに録音してすり切れるまで聞いた。テレビ版よりも大人びた音楽、目を閉じればそのシーンや、台詞が聞こえるまで聞いたものだ。ようするにビデオやDVDなどのソフトが無かった時代だから、映画そのものを追体験する方法が限られていた。テレビで放映された映画を、テープに録音したりして、その音声も寝る前によく聞いていた。眠れない夜の友達だった。

 もちろん映画音楽もそうだし、特撮番組なんかも同じだ、当時は少しづつ特撮番組にもスポットが当てられ、「宇宙刑事シリーズ」なんかはきちんとBGM集が発売された。BGMと挿入歌がすべて入っていた「宇宙刑事シャリバン」のサントラ盤は、当時の名盤である。同時にスターチャイルドレーベルでは、過去作品のBGM集のLPが発売され始めた頃だ。「ゴジラ」や「ウルトラシリーズ」などはこのころの作品である。特にウルトラシリーズのパッケージ絵を描いていたのは、開田裕治氏である。これも1枚の絵としての出来が素晴らしいシリーズであった。それまでは特撮関係のLPといえば、主題歌や挿入歌、キャラクターソングなどが主流であり、いったい本編のどこにかかるのかというような曲を、それしかないので仕方なく聴いていたのだ。それがこれらのアルバムで状況が一変する。ガンダム劇場版のBGMが売れ、富野作品のBGMはだいたい1作品2枚ほどは発売されるし、マクロスやゴッドマーズなど、注目にあたいする作品は、のきなみBGM集が出ていた。これが私が中学生ぐらいの頃。1980年代初頭の頃だ。また「ルパン三世」のアルバムは、普通のイージーリスニングアルバムとしても聞ける作品だったし、お亡くなりになった羽田健太郎氏の手による「マクロス」のBGM集は、この時期の出色のアルバムだった。

 ところが悲しいかな、レコードには録音時間の制限が短く、CDが約80分に対して非常に短い。したがって2枚組になるとそれだけで単価が高くなるし、1枚ではすべての曲を収録することは不可能である。そこで大概は「BGM選集」という形式となる。つまり全曲収録は夢のまた夢である状況であった。これがなんともサントラマニアにはつらいのである。
 「このシーンのこの曲がない」というのは、当時はまだ当たり前の話だったのだ。あきらめもつこうってもんだが、これがなかなかどうして、心にとげが引っかかったような感じがして、引きずるのだ。しかもこの悩みは、以外にCD全盛となった現在でも、解消されることは滅多にない。キングレコードが「総音楽集」シリーズや、コロンビアレコードから「エターナルシリーズ」などが発売されても、なかなかファンの心をフォローしきれず、人生何度目かの落胆を味わうことになる。

 もう一つ、これは特撮作品のBGM集で多いのだが、アルバムタイトルとして1曲となっている曲でも、実際には3~4曲が編集により繋げられていることが多い。切ないのは、ある1曲が聴きたいのに、その曲を聴くためには、その前後に別の曲を聴かなければならないことな多かった。これもMDが普及してくると、MDの編集技術により気にならないことも出てくるのだが、あいかわらず特定の1曲を聴きたいという願いは、なかなか叶えられないまま、こういう構成はあいかわらずのさばっているのである。

 こういう悩みってのは、相当コアなマニアでないと共有できない悩みである。日常学校などでは滅多にそんなお友達に会うことはかなわない。ところが探せばどこにでもいるのだ。

 「腹巻猫」さんという方をご存じだろうか? アニメや映画音楽など幅広く収拾しているらしいお方で、趣味が高じて、現在ではアニメ誌のCD評やCDの解説を担当、またHP(http://www3.airnet.ne.jp/haramaki/gekiban/)などでサントラマニアの高鳴るハートを諫めている方なのだ。NHKのBS2では、「熱中時間」なので、「アニメソングナイト」などを放映すると、必ず呼ばれているおじさんだ。この方が主催するHPでのBBSなどを見ると、BGMに関する疑問質問に、あっという間に答えてくれる、たのもしいお兄さんお姉さんが大勢いらっしゃる。長年の謎をこのサイトで解いてもっらたのは、1度や2度の事じゃない。

 この腹巻猫さん主催の催しで、「サウンドトラック・パブ」というのが行われたことがある。このHPに参加するBGMのつわものの方々が、自分で決めたテーマに従い、サントラやBGMをかけまくる催しだ。5年以上も前であるが、1回だけこの催しに参加したことがある。その内容のマニアぶりには、本当に目のくらむ思いだった。「格闘」をテーマにセッションした男性は、DJブースから、アントニオ猪木の「炎のファイター」のあと、その原曲となった「モハメド・アリのテーマ」をかけ、その後カンフーアクション関係の曲をかけた後、おもむろに流れてきたのは「闘将ダイモス」のダイモス変形の時の曲であった。今風に言えば、コーラ吹いたわ。コーラ返せよってところか。
 複数の人間のセッションを聞いた後、最後には氷川竜介さんのお話まできけて、本当にお得な催しであった。このあと、二次会とか言ってらしたので、おそらくカラオケに行かれたものと思われるが、さすがに翌日に仕事を考えて、そそくさと退散したことが、今もって残念でならない。

 最近でも好きな作品のBGMをCDで買うのが当然となっている。同時に旧作についてもある程度、自分の収集欲は収まってきている状況ではあるが、時折思い出したように出ることがある。「銀河旋風ブライガー」の再発売なども最近のトピックであるし、キングレコードからは8月末に「伝説巨神イデオン」のBGM集が発売されるとのこと。またブックオフや中野ブロードウェイなどの中古屋さんも危険である。先日もキングゲイナーのBGMを探し当ててしまった。昔は出張で地方のブックオフに入ることも多く、意外な掘り出し物に出会ったりしていたのだが、最近では車で行ける範囲に限られている。
 
 気になるのは、最近はわざわざCDとして発売せず、DVDやブルーレイのおまけとしてBGM集をつけて発売されることがある。好きな作品の場合には、なんの思考もなく購買を考えるところだが、微妙な作品の場合には、どうにも悩ましい。こういうとき、友達が少ない自分自身を恨めしく思う瞬間である。
 悩みは多いのだが、毎日が楽しいサントラマニアの日常である。
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テーマ : 映像・アニメーション
ジャンル : 学問・文化・芸術

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波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
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