「ソウルイーター」~好き過ぎて! 少年漫画の血族~

 アニメ「ソウルイーター」が好き過ぎてしかたがない。あんまりにも好き過ぎて原作漫画に手を出し始め、レンタルDVDを借り、サントラCDも買った。実はほぼ同時に「WORKING」や「それでも町は廻っている」などにも手を出しているのだが、好きの度合いがあまりにも高いのは「ソウルイーター」なのだ。とはいいながら、原作漫画はまだ7巻、アニメも15話までしか見ていない。アニメに関しては現在再放送中の「リピートショー」を視聴しながらだからだし、漫画も古書店でゆっくり買っているためだ。
漫画については、以前より本ブログをお読みの方にはご存じのとおり、現在私の気持ちは「少女マンガ」あるいは「女子マンガ」に向いている。おかげで「君に届け」や「ちはやふる」などを読むようになり、友人に協力を仰いでさまざまな少女漫画を読みあさるようにはなってきたが、「このマンガがすごい」のランキングで上位にあるような作品とは、なかなか自力で出会えないでいる。だがそんな私の気持ちを、実に男らしく少年漫画に向けさせてくれたのがこの「ソウルイーター」であり、「鋼の錬金術師」であった。「ハガレン」に関しては第2シリーズをテレビで見切っただけであり、第1シリーズとマンガは未見であるから、今は私がしのごの言うタイミングではないだろう。なんといっても気持ち盛り上がっているので、「ソウルイーター」の登場となった。
先の先までご存知の方々には、たぶんじれったい記事になるとは思うが、「好き」過ぎる気持ちを記事にすると、わけもなく全肯定になってしまうという、悪例としてお読みください(笑)。
<概要および内容>
 「ソウルイーター」は月刊少年ガンガンに2004年6月号より連載しており、現在も絶賛連載中の作品である。テレビ版は2008年4月から翌年の3月まで1年にわたって放送された。なんでも制作会社ボンズの10周年記念作品だったそうだ。興味深いのは夕方の本放送に対し、同日の深夜枠に「ソウルイーターレイトショー」として一部新作カットを含めて再放送していたという。発売されているDVDにはレイトショーで追加されたシーンも収録されている。なお2010年9月より「ソウルイーターリピートショー」として夕方に再放送中であり、2クール(26話)分のみ再放送されるらしい。原作漫画つきのアニメ化作品らしく、36話までは原作に準拠した内容となっているが、それ以降はアニメオリジナルとして完結している。ついでに申し述べると、本作のブルーレイBOX1が現在発売中である。もし本稿をお読みになって興味がおありになるようなら、お買いになることをお勧めしておく。なにせ店頭からもほぼ消えている作品であり、あとはレンタルに頼るほかはない。

 物語は現代のアメリカにある「死神武器職人専門学校」(通称:死武専)を舞台に、悪人や魔女の「悪しき魂」(アニメ版では「鬼神の魂」)を集める、人の形になれる「武器」とそれを扱う「職人」の成長物語。主人公の職人「マカ」は、自分のパートナーである武器「ソウルイーター」を死神様のための「デスサイズ」にすることを目的に、日々研鑽している。授業を受けたり、課外授業で魂を集めたりと忙しい日々を送っている。同じくブラック☆スターと椿のコンビや、死神様の息子である転入生デス・ザ・キッドとその武器トンプソン姉妹とも仲良しのマカであるが、死神様のデスサイズである父を育てた職人である母を目標として努力するマカの日常は忙しい。そして死武専と敵対する魔女たちやアラクノフォビアなどと繰り広げる激しい戦いの中で、マカとソウルは人間としても武器と職人としても成長していく。

<職人と武器の関係性>
 かわいらしいキャラクターにポップな絵柄。死神や魔女といったおどろおどろしいモチーフを扱いつつ、さわり心地の良い絵と物語に集約し、激しいアクションシーンあり、ギャグもふんだんにある。それでいて少年少女たちの成長譚となっている王道の少年漫画。アニメとしてもマンガとしても美点の多い作品であるが、筆者がもっとも気に入っているのは職人と武器の関係性である。

 本作の基本設定である職人と武器というのは、ともに人間の姿をしている。だがひとたび戦いの場に訪れれば、職人は武器の形をなす相棒を使って、悪人や魔女の魂を狩る。狩った魂は武器が食べるのだが、悪人の魂99個と魔女の魂1個を武器に食べさせることにより、その武器は死武専の創設者である「死神さま」の使う武器の総称として「デスザイズ」と呼ばれる武器となる栄誉を得る。現時点ではデズサイズと呼称される武器は8つ(8人と呼ぶべきか)存在するが、若き職人たちは自らの相棒とした武器を「デスサイズ」とすることを目的として死武専に通い、そこで支給される悪人狩りの仕事を行うことになる。

 どうやら職人と武器の出会いは死武専に通ってからのことであり、また武器は死武専で作られたりしているわけではなく、この作品世界では武器になる人間の一族がいるようだ。職人となる人間は、それこそ父母や先祖が職人だった可能性もあるが、死武専側の取捨選択を行っている可能性もある。「専門学校」としており門戸を下げているように見えて、学生側の能力をはかった上で入学を認めているとすれば、「専門学校」という設定はいいえて妙である。ともあれ武器と職人は同じ学生の立場として学校で出会うわけだ。これは私たちが学校に行って友達と出会うこととなんら変わらない。しかも職人と武器の関係性は多様である。主役級であるマカ&ソウル、ブラック☆スター&椿、キッド&トンプソン姉妹の3組を見ても明らかだ。彼らの関係性は職人と武器でありながら完全に対等である。それはそのまま人間の関係性の縮図と言い換えてもいい。

劇中のマカ&ソウルを例に見てみても、ソウルがマカを助けるために傷ついた時を境に、マカとソウルの関係はぎくしゃくし始める(アニメ版8話)。そんな時に無理やりマカがソウルを使おうとすれば、小さなマカに巨大な鎌であるソウルは使いこなせない。だがひとたび心を通い合わせれば、魂の波長を最大限に高めることにより、鎌職人伝統の大技「魔女狩り」を発動させ、敵を仕留めるのである。彼らの持つ最大の技を発揮させるときには、互いの魂の波長を共鳴させる必要がある。この「魂の波長」を同調させることは容易ではなく、物語中でもシュタイン博士による修行や戦いの中で互いに思いあう心の成長が、魂の波長のシンクロ率を上げることで、必殺技の強さを最大限に高めることができる。またマカの成長は同時にソウルの成長を促すばかりでなく、魔女に育てられたクロナの頑なな心まで開いて見せようとする。またアニメ版10、11話では、椿の兄が妖刀マサムネとなり、鬼神の魂と化した際には、椿はマサムネの中に取り込まれてまでマサムネの魂を救ってみせる。そしてそれは椿を信頼するブラック☆スターの想いがあってこそ成し遂げられたのだ。ブラック☆スター&椿もこうして互いの絆を強めて成長していく。

<舞台が学校である意味>
このようにソウルイーターという作品は、表面上少年少女たちのアクションを描きながら、その本質は悪を標榜する魂とそれを救おうとする優しい魂の、目に見えない戦いを描いていることだ。特にクロナを救おうとするマカの思考は、完全にこれに準じている。
 逆説的にそうした職人と武器の関係性が解るのは、伝説の武器と呼ばれる「エクスカリバー」が、人型をなさない真っ白で不思議な生き物として登場し、一方的にまくしたて、職人候補の人間を見下す態度をとるために、だれもエクスカリバーを所持することができないというエピソードに集約される。設定としてはエクスカリバーは優秀な武器であるが故に、どんな職人にも魂の波長を合わせることができるのだが、人間としては決して解りあえないという設定になっている。しかもうざい(笑)。つまり武器としても生物としても完結したエクスカリバーには、互いに成長するという部分が垣間見えない。武器と職人という人間関係は、まさに成長過程の魂のぶつかり合いなのだ。そして互いに魂の波長を通い合わせることで、その信頼はより強固になっていく。その意味では舞台が死武専という「学校」であることに、意義が見出せるだろう。互いにぶつかり合い成長する場、それが学校である。

 本作が持つ「学園物」というファクターで見れば、「恋愛」という要素があったっていい。だがまだ成長途上の少年少女たちにはちと早いようだ。マカはソウルにやきもちを焼いたりする程度だが、ソウルにとってはまだマカはそういう対象でもないようだし、体の成長著しい椿にしたところで、ブラック☆スターが覗きたりするくせに、パートナーシップは守っているようで、恋愛関係には発展しそうもない。しかしソウルが必死になって敵の攻撃からマカをかばってみたり、ブラック☆スターが椿に「自分を頼れ」と言ってみたりと、恋愛よりも信頼に重きを置いている演出になっている。このあたり、あえて恋愛要素を描かないことは、むしろ王道を感じさせる、少年漫画の血族である。

<悪い大人ばかりの世界で>
 この作品世界には、正直申し上げてろくな大人がいない。大別すれば悪い大人と少年少女たちを導こうとする大人がいるが、後者をいい大人と呼ぶには、この世界は大人の都合で出来過ぎている。死武専に通う少年少女たちは、先述の通り「デスザイズ」を作ったり「デスサイズ」となったりすることを目的としているが、この目的自体が、本作の登場する大人である「死神様」の都合である。少年少女たちはこの目的のために邁進するが、その目的が達せられた後のことについて、この子たちは考える余裕もないだろう。わき目もふらず目的に向かう少年少女たちを利用しているように見える死神様であるが、なにせひょうひょうとしたあの物言いでは、その真意まではつかみかねる。死武専の先生たちにしたって、ただの先生たちではない。一癖もふた癖もある連中であるし、シュタイン博士のように心に狂気を宿しながら、必死で封じ込めているという心の闇を抱えている人物もいる。もちろん魔女をはじめとする敵側の大人はいうに及ばず。ましてや途中から登場する阿修羅が抱えている秘密にしたって、隠された大人の都合があるようだ。

 こうした大人たちとマカをはじめとする少年少女たちとの戦いは、この世界の修正を子供たちに託しているように見えるし、子供たちを使って世界を崩壊させようとしているようにも見える。だが主人公が少年少女に規定されていることを考慮すれば、少年少女たちに理があるということは自明の理である。逆説で考えてみれば、本作に登場する大人たちはみな「子供」でありながら、自分たちがしでかした事の重大さを、必死に子供たちの目からそらせようとしているし、できればその責任を取りたいと願っている。それは裏も表も大人の論理で作られている世界に、大人を演じようとしている大人たちがいるだけである。まさに現実世界の写し身といえよう。さて子供たちはそんな大人たちの背中を見ながら、大人たちが作り上げたエゴイズムが支配するこの世界どうするのか? これも立派な少年漫画の筋立てといえる。

 アニメの場合、36話以降でオリジナルの物語となるにしても、ボンズの力の入った演出、ギャグとシリアスのコントラスト(無駄に面白いエクスカリバー回)、楽屋落ちにしか見えないレイトショーの追加映像、そして岩崎琢の手による画面にマッチして最高に盛り上げる音楽など、同じスタジオの作品である「鋼の錬金術師」にまったく引けをとらない高いクオリティは、夕方放送の作品であるとして意に介さなかった私自身の不明をわびるしかないほどに面白く楽しい作品である。原作はまだ連載中であるし、リピートショーも絶賛放映中である。こうした再放送による再評価は、これまでの長いテレビ史の中でも繰り返されたことである。深夜枠のアニメも夕方で再放送されたりしている現状もある。また東京MXでの再放送なども、なかなかレンタルでも振り返ることができない作品もある。どんな形でもこうした再放送は決して無意味ではない。出来ることなら再放送枠が増えることを心から願う。

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ブルーレイも出ますです。欲しいなあ。お金ないけど(泣)
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