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音を楽しむと書いて音楽~けいおん!~

 過日の放送で、「けいおん!」が最終回を迎えた。特別何があったわけでもないこの作品に、楽しませてもらったことだけは間違いない。何が楽しかったのか、まとめておこうと思う。

1.これといって何もない日常

 「けいおん!」で描かれている唯達の日常は、実にみごとなまでに、これといった事件もない「日常」だ。この日常が、見ているこちらにはとても心地がいいステージになる。だれもが経験した高校入学という場面からスタートし、その後の2年間を足早に13話でかけていく物語には、些細な起伏はあっても、劇的な変化に乏しい。しかしその変化に乏しい日常こそが、視聴者の最大公約数的な日常なんだと思う。だれもがドラマティックな展開を期待するけど、そんなことなんて滅多にないだろう。ロボット物のアニメでこれをやられたら、活躍せずに格納庫にふんぞり返っているロボットを見て、腹を立てるところであるが、「けいおん!」はそういうドラマではない。

 もう一つ、原作もそうであるように、もともとは4コマ漫画である。だから一ネタごとにオチがあるだけで、おおまかな起承転結がない構成だ。そこにはキャラクターの内面を描こうとする努力も省かれている。さまざまな場面で、個々のキャラクターはいろいろな感情を抱いているのだが、それをいちいちコマに入れ込まない。意外にもクールな視線で日常が描かれている。そんなクールな視線で書かれているから、物語で感動させる意図がない故に、誰もがすんなり物語に入ってゆける。おおむね4コマ漫画は同じ構成になっているので、「らき☆すた」や「あずまんが大王」なども見比べてみるのも面白いだろう。

 これが最終回や、原作にはないオリジナルのエピソードになると、制作側の意図が入り込むことで、少しばかり趣が異なる展開になることも、よくわかるだろう。だからこそ原作にある展開については、余計な感情をはさまずに、ただひたすらドラマやキャラクターに沿って、物語を楽しむことが出来るのだ。

2.かわいらしい女子高生の姿

 本作は放送当初から驚くほど大ヒットした。最近では珍しく、OP曲およびED曲がオリコンにチャートインし、関連するCDもよく売れた。視聴率が良かったとは寡聞にして聞かないので、「けいおん!」のヒットは、そのまま主題歌CDなどの売り上げを指している。

 さてヒットの要因の1つは、間違いなくキャラクターのかわいさによる。主役の4人もさることながら、唯の幼なじみや妹、顧問の沢ちゃん、後輩の梓など、画面に出やすいパーソナリティを有する女性キャラクターが登場する。特徴的なのは、主要キャラクターに、男性キャラクターが存在しないということがあげられる。「時代は百合です!」と言ったのは、「メイドガイ強制ご奉仕ラジオ」にゲスト出演した柚木涼香さんの言葉であるが、まさにこの状態である。メインキャラクターでありながら百合好きな紬すら存在するので、ここは明らかにねらっているのだろう。

 このキャラクターの百合構成は、今期の特徴の1つでもあり、「クイーンズブレイド」や「シャングリラ」、「宇宙を駆ける乙女」などでも見られる。なぜこれが選択されたか。1つは当然メインターゲットである男性視聴者の獲得があげられる。そして個人的には、同性である女性の共感も得ているのではないかと疑っている。女性は女性同士が一番落ち着くらしいし、女の子達の日常は、同性の女性もターゲットになっている可能性もある。

 また一番重要なのは、「恋愛」の排除である。最終回の「冬の日」では、律の勘違いで、恋愛が絡んだ話が出てくるが、あくまでこれはアクシデントであることを考えると、原作通りとはいえ、これも制作側の狙いなのだと思える。「けいおん!」の物語では、恋愛までも日常から除外してしまっているのだが、それだけに最終回での律の勘違いが、オリジナルの話として浮いて見えるのである。

 一見変化しない日常が描かれている「けいおん!」ではあるが、音楽だけでなく彼女達の距離感も少しづつ変化している。この距離感こそが、「けいおん!」という物語の、最大のウリである。メガミマガジン2009年8月号の付録によれば、山田尚子監督がもっとも気を遣ったのは、彼女たちの距離感であったそうだ。
 1話で初めて4人がそろい、徐々に親交を深めて仲良くなり、文化祭の舞台で演奏をするまでの4人の距離感の縮まりかた、唯が律になついていったり、澪に見習うようになったりする展開や、わりと外側から見ていながら、百合な想像をふくらませる紬の立ち位置とか。合宿では、しっかりものであるところを見せるが、結局流されてしまう澪。けれどこの4人がそろって過ごす時間は、なにものにも変えがたい時間であることが提示されている。
 
 見ているこちら側は、懐かしいと感じたり、まさにその時期だったりと、自分を投影できる存在として唯達を見ている。それはキャラクターだけでなく、時間だったり背景だったりして、視聴者自身がが過ごしてきた日常の時間と重なる部分があるから感じられる事が出来るのだろう。

3.唯が見つけたもの、梓が見つけたもの

 まだ完結していない漫画が原作であるので、アニメオリジナルの落としどころが必要になる。その落としどころは、「けいおん!」という名にふさわしく、「音楽」の存在である。それは、ヒットのもう一つの理由だろう。

 先に本編の主題歌等がとても売れたことは前述の通りである。途中9話にて中途加入する「梓」というキャラクターをもって、2年目の話に突入するのだが、これにより唯達メインメンバー4人のキャラクターが、より明確になる。同時に普段は二の次になっている「音楽」という存在が明確化している。この9話で一度は部ではなく、外でバンドを組んでみたいと願う梓だが、他のバンドのライブを見ても、なぜ新入生歓迎会での軽音部のライブに、自分が心惹かれたのか、理由がわからない。結局軽音部に戻る梓は、澪から「この4人でバンドするから楽しいからだ」と告げられる。梓が見つけたのは、まさに楽しそうに輝いた唯達の姿だったのである。

 そして12話で、唯も同じ答えにたどり着く。高校に入学した当初、なんの指針もなく、何をしたらいいのかわからなかった唯は、なんとなく入部した軽音部で、「音楽」に出会い、そこから唯の日常が変わっていった。文化祭のステージに走る唯が、モノローグの中で、入学したての不安を抱えていた自分に、大丈夫だよと語りかけるところまで成長したのだ。
 本当に自分たちが楽しいと思えることを見つける。それをしてのけた唯は、まさに人生勝ったも同然だ。そんな些細なことを見せてくれた「けいおん!」という物語を、彼女たちが楽しむ音楽ごと、視聴者も楽しんだのだ。主題歌CDが売れた事情は、おそらくそこらへんいあると思う。

4.「唯」というキャラクターの透明さ

 「唯」というキャラクターは、ちょっと面白い娘だ。本人は何も持っていない。だが周りにキャラクターは、唯を中心にしてつながっている。最終回を見ているとそれがよくわかる。それぞれが別々の日常にいながら、結局は唯とのつながりで、全員が集合するあたりを見ていると、何かに思い当たった。以前書いた「セーラームーン」の月野うさぎだ。ここまで書いてやっと合点がいった。唯はうさぎと同じなんだね。

 本人は自覚的にしろ無自覚的にしろ、周囲に対しては何の偏見も持たずに世間と付き合っているから、どんな人間でも受け入れられるし、向かい合える。その透明感こそが、唯のキャラクターの魅力かも知れない。12話で、幼なじみの「和」が、風邪をひいてまだ顔を見せない唯を、それでも信頼して昔のエピソードを披露するくだりは、そんな和と唯の暖かい関係をかいま見せるシーンだ。どれだけだめな子でも、みんながそれぞれなりに唯を大事にしているか、それは同じ12話のラストフレーズを繰り返すメンバーのシーンにもあふれていた。うさぎがそうであったように、唯はみんなの「花」であった。

5.追記

 こっからは妄想話だけど。
 OPの曲は、高校を卒業してすぐにデビューした彼女たちの姿だと思うのね。逆にEDは、デビューから3作目ぐらいで、バンドの構成が最終的に固まったあとの曲だと思うんだ。梓はギターのテクニックで、別のバンドに引き抜かれたけど、残りの4人でがんばって、やっぱり武道館をめざして歌っているんじゃないかと思う。唯がメインボーカルを外れたのは、もしかしたら喉が弱いから? でも彼女たちがアルバム作ったら、4人それぞれがボーカルをやっている曲がてんこもりで入ってたりする、楽しいアルバムになっているかも知れない。いや、妄想ですけどね。
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テーマ : けいおん!
ジャンル : アニメ・コミック

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