劇場版「仮面ライダーオーズWONDERFUL&ゴーカイジャー THE MOVIE」

 さて東映ヒーローの夏の映画であるが、夏の映画興業もほぼ収束を見せるこのタイミングで見てまいりました。このところ年末から年明け、あるいはGW、そして夏と戦隊あるいはライダーの映画が続けられている上、「~Wリターンズ」などのVシネマ作品まで登場し、ファンとしてはフォローを続けるのも大変な嬉しい状況となっており、特撮界隈もそれなりに活況を呈しているように見えます。とはいえそれは東映ヒーローとウルトラ作品のみでありゴジラなどの怪獣映画は見る影もない状況ではあります。そんな中でも継続的に作品が作られている東映ヒーローは、確実に時代のフラッグと言えるでしょう。
 さて毎年夏のライダー&戦隊映画は、やや重たいテーマのライダーとお味噌的な戦隊という対象的な作りになっておりましたが、今回の映画はどちらもエンターテイメントに寄っており、大変痛快な娯楽作品となっています。

<海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船>
 まずゴーカイジャーからご紹介。物語はザンギャックとの戦いを置いておいて、空飛ぶ巨大な幽霊船に隠された、手にした者の願いをたった一つだけ叶える「ゴッドアイ」を巡って、宇宙の支配を目論むロスダークと戦うゴーカイジャーという趣向。それも幽霊船から異空間に放り出されたゴーカイジャーを待ち受けているのは、レジェンド戦隊に倒された敵の怨念であり、異空間での戦いはまさにゴーカイジャーらしいゴーカイチェンジによる派手なバトル。また仲間の期待を背に受けて一人異空間を離脱したマーベラスは、「ゴッドアイ」を奪うために、ロスダークと激しくぶつかり合います。マーベラスの戦いは常に我流であるため、その動きのトリッキーさが最大の魅力。今回のロスダークとの肉弾戦は高さのある舞台を用意して、ワイヤーを使ったアクションでロスダークを追い詰めます。お約束の巨大戦では、ゴーカイオーの偽物との対決で締めくくられます。

 今回やはり目を引くのは、野球仮面との戦いや歴代戦闘員とのバトル、そしてエージェント・アアブレラ率いる宇宙犯罪組織とのバトルシーンでしょうか。特に野球仮面の件に関しては、事前にCSで野球仮面の話を予習していったため、その再限度の高さには目を張ります。確かに楽屋オチといえば聞こえは悪いですが、投げる順番や球種、キャッチャーがイエロー、なにより野球仮面の声をあの永井一郎氏が演じており、ただの再現ではすまされないオマージュっぷりです。この機会にぜひレンタルでゴレンジャーを借りて見ていただきたい。

 テレビ本編ではすでにマーベラスと他の4人との絆の一端が開示されており、その強さも意味も理解した上で、宇宙最大のお宝探しに明け暮れているという構成。ゆえに本映画でのマーベラスによせる4人の信頼はわかりやすいし、異空間に閉じ込められた4人の脱出方法なんかわからなくたって、マーベラスが何とかすると思ってる信頼が気持ちよくこちらに見えてくるわけで。しかもそうしたテーマに直結するシーンをサラっとやっておきながら、あまり執着せずにエンターテイメントに徹底するあたり、上手い作りといえると思います。とはいえ幽霊船の中にいる3人の幽霊の声優さんとか、ハカセのヘタれっぷりとか変身後のおかしなポージング、アイムのスカートめくりとか、合体戦闘員の見事なデザインとか、ジョーのあまりにもかっこよすぎる反撃アクションとか、見るべきところや楽しい発見はいくらでもあります。どうしても上映時間の短さがもったいない感じがしてしまいますが、出来ればDVDで見直してみたいです。

<仮面ライダーオーズWONDERFUL 将軍と21のコアメダル>
 こちらも実に娯楽作。物語はメダルを作りだした800年前の錬金術師の一人ガラが現代によみがえり、オーズやグリードたちのコアメダルを奪い始める。そしてまたガラは大量のセルメダルを使って居城を築き、新宿副都心には時間も空間もでたらめな円環状の空間がメダルのようにひっくり返る。その場所が3か所に及んだ時、ガラの使い魔ベルが行動を起こして、人間の欲望を大量のセルメダルに変えていく。ガラはその大量のセルメダルを使ってフラスコを満たすことで、人の欲望によって世界を崩壊させようとする。映司たちは迷い込んだ江戸時代の街中で、残りのコアメダルを奪うためにガラが送り込んだヌエヤミーによって、オーズに変身できない状態で戦うはめになる。しかも江戸の町の人たちは、未来の世界から迷い込んだ人々を排除しようと動き出す。映司が人々を護って戦う姿を見て、対立する人々の間に現れて仲を取り持ったのは、貧乏旗本の三男坊・徳田新之助である。戦いの中で映司たちと知り合った少年・駿は、事件の直前に言い争った母親がガラの素体になっていることを明かす。そして映司は駿の母親を救い、世界を崩壊の危機から救うためにヌエヤミーと戦うことになる。アンクは自身に残された最後のコアメダルをつかって映司をオーズに変身させる。多勢に無勢の不利な戦いの中、オーズの加勢に現れたのはなんと時の将軍・徳川吉宗その人であった! ヤミーを倒されたガラは、オーズに世界崩壊を促進させよとの鴻上会長の進言を受け入れ、映司に一つの選択を強いる。世界崩壊の危機を前にして、映司はどんな選択をするのか? そして世界は崩壊から免れるのか?

 パンフレットには本作の脚本を執筆した小林靖子の言葉が掲載されている。それによれば本作は震災を経験した今の日本をかえりみて、心から楽しめるエンターテイメントを提供したいという願いから作られた作品とのこと。しかも複数のイベントをこなす必要上、物語がおざなりになっていることを認めながら、それを監督の手腕によって説明無用の娯楽作になっていると書かれている。本作は確かにその通りになっていると言っていい。実に楽しい娯楽作品だ。
 とはいえ、TV-CMでも述べているようにコアメダル誕生の秘密に関しても軽く触れられているし、映司とアンクと比奈の3人の絆、そして映司の持つ大きすぎる欲望の器についても語られており、語られている内容はTVで語られている内容を十分に補完する内容となっているから、TV版のファンにとっても見どころは多い。ガラ役の酒井美紀もよくぞというほどの演技を見せてくれるし、かつてのライダーシリーズに登場した俳優さんがカメオ出演しているのも楽しい。またガタキリバの分身技から全コンボの登場という映像もまた見ていて本当に驚きだ。そのために一時的にグリードの皆さんがオーズに手を貸す件は、なんだかむずがゆい。だがタトバコンボをはじめラトラータからプトテラに至る全コンボ形態の総登場による総攻撃には、いかな巨大ガラでも勝てないだろうと思わせる説得力がある。

 さて本作の一番の目玉はなんといっても「暴れん坊将軍」こと徳川吉宗登場によるオーズとの共闘だろう。「成敗!」の声も凛々しい殿様のお声とその活躍に、不思議と感動している自分がいることに気づかされる。あの菊池俊輔作曲のテーマ曲が普通にかかる中でのオーズとの共闘、そして将軍の往年の剣の冴え。でもせっかくならみね打ちじゃなくて切っても良かったとは思いますけどね。そしてライドベンダーと並走する将軍の馬! できれば海辺で走ってほしかった気もするが、それはまあ望みが高いか。

 酒井美紀の名演もさることながら、今回は比奈ちゃんの衣装にも注目したい。パンフレットのインタビューによれば、今回はTVではあまり着ない衣装を選んだとのこと。町娘っぽい着物姿も可愛いが、黒のショートパンツに白のニーハイソックスといういで立ちで登場するシーンがある。カメラアングルによっては彼女の太ももあたりが画面半分を支配するシーンがあり、これは誰得なんだろうかと首をかしげるシーンもあるが、これがまた実に魅力的なのである。「絶対領域」なんて言葉を思い出しながら、そういうのがお好きな方はどうぞご覧いただきたい。そしてまたお局様の衣装でクスクシエを切り盛りする知世子さんがまた異常に美しい。こちらも誰得なのかよくわかりませんが。

 テーマ的にはTV版をさらにわかりやすくしたような「絆」がポイント。小林インタビューにも「手」の表現にこだわったとのこと。特に中盤の江戸の町を舞台にしたシーンからラストシーンに至る、アンク、比奈、映司の絆もさることながら、江戸に住む人々と未来から来た人々が手をつないで、映司の言葉に触発されるように「家族」と主張する件は、小林靖子が込めた震災からの復興への祈りと、日本人が手をつなぎ未来に向かって前に進もうという強いメッセージに聞こえました。それはまた震災後の日本という国において作られた作品として、「今」を切り取る重要な情報として残しておくべきエピソードなんじゃないでしょうか。本作もこれまでの作品同様にソフト化されてさらに多くの人々の目にさらされることでしょう。その時、時代を振り返る資料の一つとして後世に伝えられ、そして語り継がれることだと思います。

 他にもバースに変身する映司や途中参戦するフォーゼを見て、「若いっていいな」と語る映司のシーンなど、楽しいシーンは枚挙にいとまがありません。こちらもまたソフト化されるのが待ち遠しい作品となりました。個人的には「電王」が絡まないだけでもポイントが高く、映画の最後にあった年末の「オーズ&フォーゼ」の劇場版もまた楽しみとなっています。今回見逃した方は、レンタルに並ぶまで期待してお待ちくださいネ!
スポンサーサイト

テーマ : 特撮・SF・ファンタジー映画
ジャンル : 映画

コメント

非公開コメント

プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
43歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
愛する、男オタ。
特撮は主食、
アニメは副菜。
後期必殺を好み、
スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
Twitter再開しました!

カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
namima2のつぶやき
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

FC2カウンター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
リンク(リンクフリーです)
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
FC2 Blog Ranking
フリーエリア
blogram投票ボタン
ブロとも一覧

あにめにゅ~す の あににゅ

分水嶺☆アルゲリッチ

素足のアイドル達

有名人の珍言・名言集

宮廷アリス

TOY BOX
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

[FC2 Analyzer] http://analyzer.fc2.com/ -->