2011年10月期アニメ最終回

 さて年も改まったにもかかわらず、去年の話を振り返るのもどうかと思うが、とりあえずお約束的につれづれと書いてみようかと思う。40代のオタおじさんの話など、誰が聞いてくれるだろうかと思うのだが、まあ個人の発言の場としてのブログだからして、あくまでも個人の意見としてご承知置きいただいた上で、お読みいただければ幸いであります。なお今期視聴した作品は以下の通りです。

・侵略?!イカ娘
・WORKING’!!
・ベン・トー
・真剣で私に恋しなさい
・僕は友達が少ない
・UN-GO
・境界線上のホライゾン
・機動戦士ガンダム 戦場の絆 第07板倉小隊(バラエティ)

えと、某生存戦略はまた今度・・・・w

「侵略?!イカ娘」
 「ケロロ軍曹」という作品があれほどまでに広く受け入れられ、TV番組としても6年のロングランを続けた事情は、作品の上質さと宇宙人ギャグ、そして何より角川書店とサンライズの強い後押しがあってのことだろう。「イカ娘」という作品を見ていると、「ケロロ」と同質の作品の質を感じさせながら、深夜枠に収まりきってしまっている事情は、端的に秋田書店がコンテンツを育てる力量不足を感じてしまう。それはまた映像と出版の両輪で業界を牽引してきた角川との差異を最大限感じてしまうのだ。
 その一方で「ケロロ」のように使いまわされてしまうよりも、「イカ娘」というコンテンツを大事に育てている雰囲気を如実に感じる。それは作り手よりも視聴者側に感じてしまうというのが「イカ娘」という作品の特長ではないか。ツイッターで筆者は何度も「イカ娘は夕方にやるべき」とつぶやいて多くの同意を得ても、「なぜ夕方にやらないのか?」というつぶやきには明確な答えを返さない事情からも伺える。漫画・アニメ作品としてはケロロと同質でありながら、少なく手のイカ娘の関係者および視聴者は、ケロロと同じ状況にしたいとは誰も思っていない。1シーズン1クールを作ったら少し休んで、また1クール作る。これをコンスタントに製作し続けることで息の長いコンテンツを作ること。イカ娘にはそうしたビジネス展開がまっているのかもしれない。その証拠に、前期に比べて今期では商品展開やコラボレーション展開が活発であり、1クールのアニメにしてはずいぶんと行き過ぎている感じがあるのだが、息の長いコンテンツとして成長できる素地のある作品だからこそのチャレンジだろう。

「WORKING’!!」
 「イカ娘」で作品に全く触れなかったので、こちらで少し触れますが(笑)、実に期待通りであり、こちらの期待をまったく裏切らない作り。しかも新しいキャラクターの登場も抑えめにしながら、前期のクールのキャラクターが生き生きして見えてくる。完全に前期の種まきが花開いた形だと言える。一方の本作は、前期の種まきを刈り取ると同時に、新しいキャラクターを参入させておきながら、物語も恋もまったく進展しない。だがその関係性が若干動いていることと、お約束ギャグの連続に心地よく酔える作りになっている。普通大好きメガネ少女の麻耶ちゃんの登場&発言も最終回までお預けだし、桐生くんや真柴兄妹などの新規キャラが登場しても、ぽぷらはかわいがられ続けいじられ続け、身長の足りないことを気にし続けている。伊波と小鳥遊の恋も八千代と佐藤の恋もまったく進展しないけど、そのスタンスはまったくぶれない。このぶれない安心感とそのテンションの安定感こそが、本作の持ち味である。その一方でレストラン「ワグナリア」の背景美術に関しては新しく作り起こしており、前期に比べると明らかに明度が上がっているために、店の隅々まではっきりとわかる背景画を書き起こしている。部分的にはCGによる作画だろうが、こうした背景の書きこみを含めて前期とは異なる趣をかもしながら、展開される物語は別段かわりないというさりげなさも、実に心地よく感じられる。
 もう1点本作の特筆すべき点を挙げるなら、テンポよくハイテンションなOPとグルーブ感ありソウルな雰囲気のEDの統一感だろう。前期との関連を一番気にしているのは楽曲の部分ではないだろうか・特に今回のEDの曲は出来がすさまじくいい。70年代末のディスコソウルミュージックの流れ、アースウィンド&ファイヤーっぽいハイトーンで始まる歌の雰囲気など、こうした楽曲のセンスは劇中曲のごくありふれたサウンドと対比して実に面白く聞こえるはずだ。

「ベン・トー」
 ここからはラノベ原作の作品となるが、今期アニメとなった作品は、「このラノベがすごい!」の2011年版において上位にランキングされる作品となっている。以前にも指摘したように、ラノベ作品の旬と人気というのはどうやら別物であり、こうしたラノベ作品の「旬」をプロデューサーが判断して取り上げることによりアニメ化が決まるのであって、作品の人気ランキングとはあまり関係がないらしい。だがここにきてアニメ化される機会の増加に拍車がかかって、わかりのいい人気作がアニメ化される傾向になってくれば、読者の後押しがアニメ化になる流れができてくる。それがアニメ業界やラノベ業界にとっていいことなのかわからないのだが、民意が形になるということは購買意識を刺激する。これ以上の相乗効果はないだろう。その流れが端的に現れたのが今期だともいえる。ただし企画からアニメ化までの流れに1年以上の準備期間があり、やはり企画として取り上げるためには先読みする企画者が必要であることは変わりがないのだが。
 さて本作に関しては「WEBアニメスタイル」にて監督・板垣伸氏によるエッセイにて本作の裏話が公開されていた。これも楽しいのであるが、本作のミソは「半額弁当争奪戦」という肉弾戦を描きながら、その本質に重たいものがまったくないところだろう。「ハーフプライサー同好会」やら「狼」やら「猛牛」やらの特殊なターム、「湖の麗人」や「氷結の魔女」などの二つ名のかっこよさと裏腹な真実など、その手の内を次々とあかしていく太っ腹さとあけすけな感じは、本作を本当に身軽にしている。
 終盤に登場する「オルトロス」沢桔姉妹が物語の中心にくることで、若干重苦しい雰囲気になるのだが、それもほんの見せかけ。しかも空腹には決して抗えないという、本っ当に人間の生理にもとづく理由を示して肉弾戦を繰り広げるというのは、見ていて気持ちがいい。どこまでも脳みそを使わずに済む気楽さと、アニメとしての動きで見せ切る面白さが実に快楽に満ちている作品だと思えた。とにかく「半額弁当」という目的のために、手段を選ばないというその気楽さ加減は、本作を本当に余計な重力から解き放っている。それだけに主人公がらみのエロ描写はなくてもいいのになあ、と素朴に思ってしまうのだが、本作ではそれもライトめに抑えているあたりが感触を損なわずにすんでいる。

「境界線上のホライゾン」
 なんと申しましょうか、結局最後の最後まで世界設定やら能力に秘密やら、まったく理解できないまま、エロゲマニアのバカ主人公と彼の1クラスがどたばたしている印象しかない。原作もこんな感じなのだろうか? まったく読む予定がないことをいいことに好きかって書いてますが、面白くなかったら1クールだって見るわけがない。だが正直申し上げて、このアニメで感じた面白さがアニメ自身に由来する感じがしないのだ。こういう作品はやはり素材の良さも感じるしアニメとしての良さも感じていいと思うのだが、どうにも原作の素材によっかかっている感じが否めない。ビジュアルとしての空中学校や超能力合戦には、設定厨以上の感覚を感じられないし、その世界観をうまく物語に噛み砕いているとも思えないのだが、こういうちょっといっちゃった作品もアニメで消化できるということは、ラノベ原作のアニメ化には敵なしといった感じだろうか。これまで「電磁砲」や「バカテス」などのラノベ人気作のアニメ化作品を見てきている中で、ラノベのアニメ化の障害は単なる読者人気だけなんじゃないかって気がしてきた。

「僕は友達が少ない」
 今期のアニメの中で筆者が個人的に一番楽しんだのはこの作品だった。一見すると今期のエロ枠作品だし、スタートはハルヒのデジャヴだったし、「友達作り」とかいうお題目もなんだか気持が悪かったのだが、始まってみれば実に残念な少年少女の物語でありながら、微妙にドキドキさせる物語であった。そのドキドキの原因は夜空と小鷹の小学生時代の思い出だったりして、他のメンバーが「隣人部」立ち上げからの関係であるのに対し、この二人だけは過去にすでに出会っている。その緊張感はなぜか二人には感じられず、いつ二人が過去の出会いに気がつくのかという命題だけで1クール引っ張ったと言っていい。その命題が最終回で回収されるのであるが、それ自体が物語になんの意味もないことを最後の最後で思い知らされる。つまり「友達」というものの概念自体を、だれも知らないのである。たぶん作り手も視聴者も、原作を読んだ人間や原作者ですら知らないまま、「友達」というわけのわからない概念をきっかけにして、テレビの前で視聴するという後ろめたさ、その共犯関係こそがこの作品のキモな気がする。
 それにしても、今期「残念系」あるいは「がっかり系」という言葉を広めたこの作品の重要度は高い。作りとしてはあきらかに2期を期待してのラストになっているあたりが心憎いが、こうなると小鷹ははたして夜空か星奈のどちらとくっつくかという話に集約されていくのだとしたら、やはり「友達」という概念、それも「お友達からはじめよう」の意味する「友達」までをフォローすることになる。そしてまたこの「友達」こそ、完全にだれにも概念化できない「友達」なのだ。つまりこの物語、「隣人部」という活動にも「友達をつくる」ことの方法論や「友達」の概念も、まったく教えてくれることは永遠にない。しかもそれを知ることなく、なんとな~く彼らはゆる~いつながりを続けたまま、ある日突然友達であったり「恋人」になったりする結末を迎えたところで、その言葉の概念をおぼろげに理解するのだろう。だからこそ「友達」に縛られない彼らの行動の普通さと、そこにある楽しさの表現こそがこの作品の最大の楽しみであり、それゆえにハルヒの地平からは一歩も外に出られない作品だとも言える。

「真剣で私に恋しなさい」
 「マケン姫」と同時に見はじめた、今期のエロ枠であした。が、結局「マケン姫」は掘り出しました(笑)。そこで残ったのがこの作品。まあいっちゃあなんですが、1話で魅せたクラス対抗の大合戦がいちばんの見どころであり、こうしたクラス対抗を数話に1回ぐらい見せられていき、最後には背後にいる仕掛け人と戦って終わりなのかと思っていたら、群の技術を転用して悪事を働く小悪党とのバトルに落ち着くあたり、原作がゲームである自由度が作品に与えた影響の大きさははかりしれない。とにかくハーレムものの恋愛シュミレーションでありながら、アニメ演出上はバトルを中心においている差異があるからか、このあたりの分別のなさが持ち味とも思えるし、どっちつかずな感触は原作愛好者にとってどうだったのだろうか?
 エロ枠としては必要十分に機能していたとはいえ、特殊な武道の能力を持つ少女たちという発想に、軍事技術を悪用する敵というあっけないほどありがちな設定にもずいぶんとあきれたのであるが、それでもにぎにぎしい女性陣のあけすけなトーク展開があきさせない。1月の新番組「傷物語」を見ていて気がついたのだが、動いているよりも台詞の量が圧倒的だと、ものすごく密度が濃いものを見た気になる。これは耳からの情報量に、つい重きを置いてしまうとそんな気になるのだが、本作もまたたたみかける台詞によってそう感じさせる作品ではあるが、その情報量はおそらく恐ろしく薄い(笑)。ま、こういう作品もあるってことで。

「UN-GO」
 坂口安吾原作の「安吾捕物帳」をベースとして制作されたオリジナルアニメ。こうした推理サスペンスものは正直私好みで、まとめてみるととても面白かった。1話ごとに見ている時よりもまとめて見る方がスピィーディーで歯切れがよく、一つ一つが見えてくる。
 坂口安吾の様々な小説や随筆などを織り込みながら、推理ものとしてまとめた會川昇氏の手腕が冴える。會川氏はもうひとつ注目している作品があるが、DVDで見直してからそちらについてもいつか触れてみたい。會川氏が「言葉」や劇中に登場する「言霊(ことたま)」という言葉に重みを感じているようで、そうした言葉に対する重みづけも筆者をうならせる。言葉の使い方に乱暴さがなく、だからといって丁寧なわけではない。だけれどもその「言葉」の一つ一つが何かを動かすエネルギーがあり、本作を動かしている気がするのだ。あ、わかりづらいですね、すいません。
 さてアニメに触れると細面のキャラデザインにはあまり感心できなかったが、戦争とその爪痕が残り、ネットなどの生活技術が妙に高いという不可思議な世界観の中で、敗戦探偵と呼ばれる結城新十郎が事件を解決していくのであるが、この謎を解く理由はあくまで真実をさらしたい新十郎の欲求だけであり、世間に対して必要とされる事実は、真実を隠蔽したまま海勝麟六というメディア王によって支配されているという。7話で登場する劇中劇のような不思議な舞台まで持ち出して、この作品が暴きたかったのは何かを悠然と問いかけてくる。しかもこの問いかけに対して視聴者側が感じる問題提起は、人によってさまざまだろう。政治を感じる人もいれば戦争やテロを感じる人もいれば、もっと差し迫った日常を感じる人がいるかもしれない。実は世界の真実とは多層的でありながら、その多層はすべて見る人間にとって根幹となる問題点は同じでありながら、十人十色の多様性が見せているにすぎない問題提起の世界なんじゃないか? あ、なんか狂わされているなあ(笑)。
 ええ、小難しいことは置いといて、先頃発売された「オトナアニメVol.23」に掲載されている本作の記事や會川氏のインタビューら各話レビューなどは、少ないページ数でありながら非常に濃い記事となっている。見る人にとってさまざまな感触が味わえるこの作品は、ぜひとも多くの人に見てもらうべき作品だし、様々なことが語れる土壌となってくれる作品だろう。
 
「機動戦士ガンダム 戦場の絆 第07板倉小隊」
 これのみ深夜枠のバラエティ番組ですが、あえてここに。アーケードゲーム「戦場の絆」をプレイし、芸人チームと素人のチームで対戦する番組であり、芸人チームの勝敗を見続ける番組でしかないのだが、こういう番組、ありだと思う。どうして三国志大戦の時にこういう番組できなかったのか? 在野ではネトラジやDVDなどはあったけどね。
 あまり顧みられないけれど、板倉小隊が最終回に向けて少しずつ練度を上げていき、最終回あたりで素人チームに勝利を上げていく感触は、ゲームを触ったことのある人間にとっては実に楽しく見られるもので、彼らの勝利は冗談ではなく本当にうれしかった。ゲームというのはだれでもお金を払えば触れるものでありながら、昔から熟練度に応じて専用の「技」が存在する。それを開発する側が予想もしない「技」として昇華するあたりから、ゲームは本当の意味で人々に楽しまれたものだと言えるのではないか。インベーダーゲームの昔からシューティング全盛の時代を経て、現在のモンハンをぎこちなくプレイしているロートルゲーマーにとって、この番組の面白さはゲームを楽しむ楽しみ方の一端をつかみきっていると思える。見ているよりもやった方が面白いに決まっている。が、見てれば面白さも倍増する。本作はまた今後のイベントなどでも継続していくらしいので、今後の展開も楽しみだ。

 さて、2012年も楽しみですなあ(笑)
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テーマ : アニメ
ジャンル : アニメ・コミック

コメント

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No title

『境界線上のホライゾン』は、原作を既読である事が前提のアニメ化だったんですよね。
ファンの友人曰く、「アニメ化するのは正気とは思えない」との事で、映像化すると必然的に圧倒的説明不足になる作品なんだそうです。

しかしそれだけに、原作既読者からすれば「これ以上ない、素晴らしい再現(映像化)だ!」という感想を持ったようです。

No title

飛翔掘削様
 コメントありがとうございます。マンガ、拝見しましたよ。感想は御ブログにて。

 さて「ホライゾン」に関しては、知らずに見ていて説明不足がストレスを感じさせるものでした。ってことは既読者をターゲットにした作品であることはすぐにわかりました。とはいえ、私はそれを悪いとは思えなかったんですよね。むしろ既読者ターゲットの作品であり、コアユーザー向けの作品だとすれば、ラノベ原作アニメの作り方も変化が生じていることに他なりません。

 本文にもあるように、氷川さんの指摘するアニメ業界における激震は、これからもさまざまなタイプの作品を送り出してくれるものと思います。

 今期、放送時間の短い作品も増えました。氷川さんの本によれば、1クール13本(30分)と同じお金で2クール26本(15分)というパターンができたこと、15分という時間枠の手軽さ、そして容量の少ない動画配信など、それまでのデメリットをメリットに変えていく動きが活発化しているようです。
 つまり送り手の考え方が多様な作品制作と作品の質を作り出していくことで多様化していくということ。ただしこの多様化がいいことづくめではないことは、生物多様性の問題からも明らかなわけで、見応えのある作品が生まれにくくなっている可能性も秘めていることでしょう。このアニメ業界の変化は、これからも面白いと思いますよ。
プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
43歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
愛する、男オタ。
特撮は主食、
アニメは副菜。
後期必殺を好み、
スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
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