ヒトネタにならない話~2011年の暮れのいろいろ~

 またまた2011年の年末の話ばかりで申し訳ないのだが、まだ続きます(笑)。そもそも新作ばかり追っているわけでもないので、書いている本人はまったく気にしてないんですけど。んで、それぞれの作品を1ネタとして書くにはあまりにもボリュームがなさすぎるので、まとめてみました。年末に暇にまかせていろいろな作品を見ていたので、ちょいと感想をまとめてみたいと思います。しかも懐かしい作品から去年の新作までと、手広くやっておりますので、よろしかったらどうぞ。
ドラマ「らんま1/2」
 事前に天童あかね役に新垣結衣を起用したことで話題になった、日本テレビ系列の単発スペシャルドラマ。面白いことに新垣さん以外についての情報が全くなくって、主役である乱馬役の男女すらまったく名前が伝わってこず、どうしたもんかと思っておりました。
 んで、ふたを開けてみれば、これがまた・・・・(笑) 乱馬役の二人についてはまったく名前の知らない役者さんではあるものの、無難に演じてくれており一安心。一方天童早雲と早乙女玄馬の2役には生瀬さんと古田さんと、実に芸達者な演技派を配置してくれたおかげで、コメディ作品にはなりおおせておりました。物語も原作漫画の最初数巻をとりこんで、あかねたちが通う高校の教頭先生が率いるオカマ軍団の暗躍が絡んでと、まあコメディ色だけは無難にまとめた感じ。
さて問題なのはあかね役の新垣結衣である。はっきり申し上げて新垣結衣という女優はちゃんとした女優さんであり、映画やドラマでは押しも押されぬ人気女優である。だがこういってはなんだが、元気が有り余っている感じの明るいおてんばな少女の役をやっているイメージはない。端正な顔立ちはたしかに女優としての器があるし、演技自体にも派手さはないものの堅実な演技ができる女優だとおもっている。それだけに「天童あかね」というどちらかというとハイテンションな役所に対しては、どう見ても似合いとは思えない。アニメ版を見てもそのテンションの高さは折り紙つきのあかねという役を考えれば、新垣の演じたあかねはテンションが低すぎるし、血圧が低い。怒った演技にもかわいらしさはあっても上昇した血圧が感じられない。そのためかコメディとしてはとてもテンションが低い。生瀬さんや古田さんのハイテンションの演技も、新垣のテンションで鎮静化させられてしまうのだ。こいつぁとんだ消火器である。これはもう新垣のキャスティングのミスだとしか思えない。しかも新垣の長い髪を切るという1点のみで物語が構成されているらしく、あかねがショートヘアになるエピソードが中盤の盛り上がりになっているのだが、このシーンのテンションだけは原作に一致していたと言えるかもしれない。
 今後SPドラマの枠で作られてもおかしくないが、「怪物くん」や「妖怪人間ベム」ほどは受け入れられないんじゃないだろうか。もしやるのであれば、新垣結衣だけはAKBあたりのテンション高めなヤツを連れてくればいい。

TV-SP「ルパン三世 血の刻印」
 さて放送前に声優陣の交代で話題をふりまいた本作ですが、この声優人事に関しては個人的にまったく違和感なく耳に聞こえてきたので、まーったく問題を感じなかった。特に不二子の沢城みゆき嬢については、期待以上の出来だったと言っていいのではないか。ただしこれには事情がある。以前よりルパンシリーズに関しては何度も本ブログで取り上げたし、TV-SPについても1度書いた。そこで指摘したことを繰り返すが、あくまで「ルパン三世」のテレビシリーズは、「ルパン一家」のキャラクターの幅を広げる役目を担った折、なおかつ物語の幅まで際限なく広げてしまったおかげで、収拾がつかなくなるほどに幅だけはあるが奥行きのないキャラクターに育ってしまったのである。その現状は作り手にも大きく影響し、記号としてのルパンがそこにいるだけ。そしてまた誰にとってのルパンもそこにいるのである。「これこそがルパン」というものがないまま、「カリオストロ」の幻影に惑わされるようにキャラクターと物語の幅だけが広がっている状態なのだ。したがってTV-SPでは様々な監督が起用されており、門戸は広いが敷居だけは高い作品となってしまった。かつて「風魔一族の陰謀」の際の声優交代とはまったく違い、こうして広げられた事情があっての今回の声優交代は、受け入れられてしかるべきという状況なのだ。
 さてその一方で物語に注目したい。今回のルパンのターゲットは八百比丘尼の隠した財宝であるのだが、八百比丘尼が長命であったことからその秘密が「永遠の命」ということは割とわかりやすい謎だった気がする。比丘尼の話は手塚治虫の「火の鳥」でも扱われている。そしてそこに含まれた「人魚伝説」などをからめた話はかなり理解しやすい。かつて高橋留美子原作の漫画「人魚の森」シリーズを読んだことのある人なら、長生きすることの孤独、人魚に肉の秘密などは、それほど奇異に感じないだろう。また映画や小説「陰陽師」などにも登場したネタであるので、知っている人は知っているネタだ。ただし問題は、「マモー」の映画にて「永遠の命」を完璧に否定してみせたルパンが、どうしてこのネタに食いついたのか? こここそがこの物語のキモである。そこで製作陣が思いついたのが、「ルパンとは何か?」という命題だったわけだ。なぜ泥棒なのか? なぜルールに固執するのか? ゲストの少女の言葉をきっかけとしてルパン自身はその答えを探すべく、かつて祖父である1世が挑んだ八百比丘尼の財宝に、時を越えて孫が挑むことで答えを得ようとしたのである。この筋立て自体は誠に意欲的であるし、評価したい。そしてすべて裏で不二子の裏取引が動いていることを知りながら、すべてをクリアしながら自分の問題をも解決しようと企むルパンの姿は、十分に打算を含んだ大人の男の、食えない判断があり、すでに同じ年代になろうかとする40代おじさんの視聴者のハートをも納得させてくれる。
 が、その一方でそんなことに悩まないでスルーする大人のスキルを見せるルパンをこそ求めている自分を知っている。だから暗に本作を全肯定できないのも事実だ。とはいえ本作はなかなかの意欲作であるし、力作であるし、次回作にも期待が持てる作品となった。
 さて作画の問題でいえば、どうにも構図として単純なものが多く、やや平坦な印象がある。序盤の自転車とのカーチェイスのシーンなど、クラッシュシーンを描かずにすましているあたり、若干手抜き感がある。作画頭にベテラン「友永秀和」氏が名を連ねているから、「東京ムービー」色の強い作品ではあるが、アップのキャラ表情の色つやなどに統一感がないあたり、ほぼ完全に国産のアニメではあるものの、作画の統制には難があったようだ。作画崩壊とは言い難いレベルだが、若干の絵の崩れは許容範囲であるだけに、悪目立ちしてしまうかもしれない。ただこうした絵についても構図でカバーすることが出来る場合もあるが、その構図が平坦なので見え透いてしまうというのが今回の作画に関する難点だろうか。
 そして最大の問題は、「盗む」ことに関する銭形とルパンのやり取りが「カリオストロ」っぽすぎることだ。これも以前ブログで書いたのだが、「カリオストロ」以降の制作者は、ルパンを作る時にどうしても「カリオストロ」を目指してしまう。このオチをやりたいのをぐっとこらえて、別のオチを探してほしいものだ。またルパンが自作の小道具をあまり使わないのも気になる。ルパンはこういう小仕掛けが大好きな人で、この茶目っ気こそがルパンの持ち味なんだけど、その部分は今回どうやら置き忘れてしまったようだ。残念である。とはいえ、今回は久しぶりに話題も振りまいたし、面白いルパンだったと思います。ぜひDVDなどでご覧いただきたい。

劇場版「宇宙皇子」(うつのみこ)
 やはり去年の年末にCSにて放送になった劇場用アニメ。公開は1988年で、同時上映はあの「ファイブスター物語」である。作品としてはテレビ東京開局25周年作品として公開された。
 原作となる「宇宙皇子」は、アニメの脚本家であった藤川圭介の手によって1984年から刊行された歴史ファンタジー作品である。それ以前のジュブナイル小説やアニメ作品のノベライズ作品を別とすれば、現在の「ライトノベル」と言われたジャンルを確立した作品と言われ、その起点とする識者も多い作品である。アニメは第1シリーズである「地上編」を劇場用作品としてアニメ化したものだが、続編である「天上編」については1990~1992年にかけてOVA(および地上波放送)として制作されている。なお現時点で本作はDVD発売がされていないので、レンタルでも見ることがかなわない作品である。

 時代は西暦660年代の飛鳥地方。藤原不比等(ふひと)の権勢によって支配された世界で、役小角(えんのおづぬ)を頂点にいただく修験者たちの中に、頭に角を持つ少年・宇宙皇子(うつのみこ)がいた。彼は不比等の支配によって苦しめられている人々を知り、その力を世の中の人のために役立てたいと願いながら、仲間とともに修業に明け暮れていた。ある日、朝廷の命によって盗賊狩りにでた皇子たちは、そこで流浪の民を率いて不比等を打倒しようとする魚養(うおかい)と出会い、民の苦しみの現実を知る。皇子は不比等暗殺のために一人で行動を起こすが、不比等の言葉に気圧されてしまい、ついには暗殺者を刺しむけられて殺されかけるが、不思議な笛の音に助けられ、魚養の妹である多々良女(たたらめ)によって一命を取り留める。だが不比等暗殺の容疑により金剛山は朝廷に対する敵対を疑われ、小角は捕らえられてしまう。皇子は小角によってより大局を見るよう諭される。小角の刑期を短くするため、皇子たちは妖魔退治を命ぜられる。ところが妖魔を捕らえてみればその正体は子供の妖魔・キジムナーであった。仲間と妖魔の国を作るつもりが一人ぼっちになってしまったという。そして皇子は流浪の民の国を作ることを決意する。しかしその時、不比等を打倒しようと魚養は行動を起こしていたが、多々良女とともに殺されてしまう。だが皇子は彼らの死を無駄にしないために民のための国を作ることに奔走する。だが不比等はこれを認めない。
 ある時、竹林の奥に住む姫・なよ竹と出会う各務(かがみ)。なよ竹は前世の罪によって天上界から地上に落とされた。その美しさに幾人もの男たちから言い寄られたが、見向きもしなかったという。それは皇子にめぐり会い結ばれ、天上界へと戻るためであった。だが各務の皇子への想いは、そのことを皇子に伝えられず、ただ一人泣くしかなった。
 そして不比等の命によって大軍を持って皇子たちの国に攻め込んできた。不比等に連なる広足(ひろたり)は、不比等の命によって皇子と対峙する。否応なく戦いに巻き込まれ、死んでいく人々。その姿を目に当たりにし、皇子は迷いの中で戦いながら、理想の国を作るための想いを胸に、人々を撤退させる。その想いを各地に広げ、より大きな力へと昇華させるために、皇子は人々を走らせる。燃える国の中、傷つき失いそうになる意識に中で、皇子はなよ竹の笛の音を聞き、それを契機として己の本当の力を発現させる。蒼き炎を身にまとい、赤い肌に冷めた瞳。その姿は不動明王の姿であり、朝廷群を敗走させる。そして戦いののち、各務と小角に促されてなよ竹と会う。それはなよ竹が天上に帰るギリギリのタイミングでなよ竹は想いを遂げたのである。両腕を光り輝く翼に変えて天上に帰るなよ竹と別れを惜しむ皇子。皇子は天上界でなよ竹と再会することを誓い、笛を吹き続ける。

 とまあ、続く「天上編」につながるような作品となってはいる。さてこの作品を原作既読者が見た場合、いったいどう思っただろうか? 筆者は公開時に劇場でこれを見ているのだが、まったく見た記憶がない(笑)。同時上映の「ファイブスター物語」の派手さで目がくらんだとしか思えないのだけど。単純に比較の話でいけば、本作は「ファイブスター」の遠く及ばない。絵ヅラが地味すぎるのである。またキャラデザインの「いのまたむつみ」の絵が動くことに対しては「ブレンパワード」同様の感慨があっても良さそうなものだが、別段絵がよく動くほどでもなく、劇場用アニメとしては迫力に欠ける。調べてもはっきりしないのであるが、もしたかしたらこの作品、「ルパン三世 風魔一族の陰謀」などと同じく、OVAとして制作されたものを劇場で公開した作品だったのだろうか? 劇場の大きなスクリーンで上映する割には絵が荒く、皇子と3人の坊主による超能力アクションシーンなどにも迫力不足を感じるし、むしろ皇子の1枚絵のほうがよっぽど注力されている感じもする。

 物語的には宇宙皇子が飛鳥時代に登場し、藤原家の実効支配の歴史の中で役小角の指導により、皇子が悩みの中にありながらも人々のリーダーとして成長する物語である。それはわかるのであるが、物語の中心にあるはずの「時代背景」と「民衆の悩み」、その軋轢に悩み苦しむ皇子、そして皇子の成長となよ竹との運命的な出会いという多大な要素を、1時間半程度の尺の中で収めるという離れ技。そうはいっても映画はアウトラインをなめた程度で咀嚼されておらず、原作を読んでいる人間にとってはまったくもって物足りない作品だったのではないだろうか。あるいは原作既読者にとっては補完しながら見る作品だったかもしれない。だが未読者にとっては、原作の面白さはほとんど伝わってこない。本質的に平安時代以前の歴史については、学校で習った程度の人が多く、その歴史的背景を存分に説明する必要があるのだが、そうした部分はきれいさっぱり省かれている。それはラノベの原典らしくもあるのだが。そうした部分にはあまり意を砕かれていない。この原作は映画という媒体として作品化するには、あまりにもボリュームが大きすぎたのだろう。実際2時間半でも足りないと思われる作品が、併映のために1.5時間程度に収めるという無理が、この作品の面白さを完全にそぎ落としてしまっている感じだ。
 とはいえ、小説→アニメ化というメディアミックス的な展開で、続くOVA作品もあることなので、1989年という年回りを考えれば実に80年代末らしい作品と言えるかもしれない。時代の証言として、気になるかたはどうぞ。
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