アニメ・特撮関連の本をご紹介(2012.03.07)

 ゴーカイジャーの総括もすんだところで、ちょっとだけ閑話休題的な話題提供をしてみたいと思う。アニメや特撮関係の本は、そうしょっちゅう発売されているわけではない。雑誌はけっこう数があるが、作品ごとのムックとなると1作品1冊が普通だし、同じ作品を異なる出版社が取り扱うような例は、「ガンダム」のようなビッグタイトルでないとみられなくなっている。アニメに限定すればどんな作品でもムック本が製作・販売されるわけではないが、それでもかなりの確率でムック本は発売されている。しかも過去のタイトルの設定資料などが発売されていることを考えれば、単純に作品数が少ない特撮関係は、いよいよ過去作品を掘り出してきたりすることになる。それでも本を買う、本を読む、新しい知見を得る喜びは何ものにも代えがたい。だからこそつい手が伸びてしまう。気がつけばこの手合の本が棚にあふれることになるのだが・・・・。

「最新検証!21世紀サンダーバード読本」(洋泉社)
 別冊映画秘宝として発刊されているムック本の1冊として発売。「サンダーバード」は言わずと知れたイギリスで製作された精巧なミニチュアとスーパーマリオネーションと呼ばれる人形劇で作られた特撮テレビシリーズ。最初の日本での放送は1966年で、筆者の生まれる前から放映されている作品だ。
面白いことに「サンダーバード」という作品は、5年から10年の周期でかならず注目される作品だ。たとえば現在はディアゴスティーニからDVDマガジンが発売されているし、2003~2004年ごろはデジタルリマスターされた映像によるDVD発売のタイミングで、NHKが放送したり、1993年にもテレビ東京系列で放送されている。さらにさかのぼると1988年にもフジテレビ系列の深夜枠で放送されていたり、1970~80年ごろには民放各局で放映されていた記憶がある。2004年にはジョナサン・フレイクス監督による実写版映画もあったりするし、こういっちゃなんだが、日本ではくり返し放送されている優良コンテンツの一つである。これだけ長いこと放映され続けているので、これはもう知らない人はほとんどいないってな状況だ。
そんな「サンダーバード」については「完全版サンダーバード全記録集」などの詳細なムックが発売されているし、これまでサンダーバードを扱った書籍は枚挙にいとまがない。にもかかわらず本書が発売されている理由は、作り手や製作秘話に焦点を絞った作りとなっている点だ。サンダーバードのムック本だと、どうしてもセットやミニチュアなどのスチールがメインとなってしまいがちで、メカニック好きには大変うれしい作りだが、本書はこれまで日本のサンダーバードの書籍では扱われてこなかったような、制作過程や撮影状況のスチールが多い。またメカニック解説などはよその本に任せているため、逆にメカニック解説は庵野秀明氏などの特別寄稿者によるページとしてまとめられている。これが趣味っぽくってかえって面白い。これまでの本では散漫になっている裏話や製作秘話を、まとめて読める事自体、この本の価値は大きい。イギリスにおける最新取材を含めて、現時点でのサンダーバードを扱った本として、お好きな方には必読の一冊となっている。ただし「サンダーバード」という作品のアウトラインを知りたい人にとっては、あまりお勧めできかねる。ややサンダーバード中級~上級者向けの本だといえる。

別冊映画秘宝 最新検証!21世紀サンダーバード読本 (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)別冊映画秘宝 最新検証!21世紀サンダーバード読本 (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)
(2012/02/27)
ステイーブン・ラリビエー

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「いまだから語れる80年代アニメ秘話~スーパーロボットの時代~」(洋泉社)
 筆者はロボットアニメが大好きだ。筆者が子供時代を過ごした70年代はロボットアニメが花盛りであり、おもちゃを持っている友人がうらやましかったし、親に買ってもらったおもちゃが誇らしかったものだ。一方マーチャンダイズの関係でおもちゃを売るためのアニメという位置づけは相変わらずであったはずだが、79年の「機動戦士ガンダム」以降、80年代になるとおもちゃ売らんかなよりも作品自体に注目が集まるようになる。80年代のロボットアニメはガンダム登場以降「リアルロボット」と「スーパーロボット」というカテゴリーに分類されていく。またOVAという新たなメディアの参入によって、おもちゃの売り上げとはかけ離れた立ち位置でさまざまな展開をすることになる。
 こうした80年代のロボットアニメの舞台裏を垣間見せてくれるのが、本書に登場する関係者の対談や証言である。編集を務めた新井淳氏自身もアニメーターであるが、そこに秘められているインタビュー記事の内容の濃さはどうだ。また記事の合間に挟まれている原画やセル画など、テレビ画面の写しなどの、往時の迫力を伝える資料に事欠かない。「ゴッドマーズ」「マシンロボ」「ダンクーガ」「ダンガイオー」「ゼオライマー」「忍者戦士 飛影」「太陽の使者 鉄人28号」「ゴーショーグン」「バルディオス」など、なんとまあ懐かしく、それでいて語るのにこそばゆい感じのするタイトルばかりではないか。そこには「神作画」も「作画崩壊」もごったがえしているし、それらの言葉だけが作品の良しあしを決める手掛かりですらない。「ヤマト」「ガンダム」「エヴァ」など、時代のキーワードとなるべくしてなった作品がある一方で、こうしたキーワードの中に埋没しながらあまり触れられない作品群が必ずあるし、こうした触れられにくい作品のほうが圧倒的に多いことは、もはや当たり前のことすぎて忘れられがちだ。本ブログもこうした作品群を掘り返すことを目的の一部にしているものの、筆者がそのすべてを見ているわけではない。こうした資料が世に出ることで、こうした陽のあたりにくい作品群が注目されるようになるといいなあと、素直に思っております、はい。

オトナアニメCOLLECTION いまだから語れる80年代アニメ秘話~スーパーロボットの時代~オトナアニメCOLLECTION いまだから語れる80年代アニメ秘話~スーパーロボットの時代~
(2012/02/25)
新井 淳、オトナアニメ編集部 他

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「月刊アニメスタイル6号」
 期間限定のアニメスタイルも今号でとりあえず最終刊となった。それにしても最新のアニメからちょい古いアニメまで取り上げて、当時のスタッフが語ったり、別視点で眺めまわしたりと、いろいろ楽しめる雑誌であり、「作り手」サイドにこだわった作りは実に玄人ごのみの本だった。今号ではさまざまな作品を送り出して、テレビアニメの可能性を模索するフジテレビの深夜枠「ノイタミナ」の一連の作品を取り上げており、ノイタミナ作品の現在と未来を問うている。何よりヒット作「あの日見た花の名前を僕たちは知らない。」を取り上げているのだが、キャラクターのアーリーデザインや背景の初期設定などが紹介されているページや原画、スタッフインタビューなどの充実ぶりは目を見張る。こういう比較は大変失礼だが、「オトナアニメ」誌ではどうしても紙面の狭さがネックとなっている部分が、大幅に解消されている気がする。大枚はたいて買うことに軽く満足を覚えさせてくれることは、この「アニメスタイル」の重要な価値だと思える。
 この本を読んでいると、アニメが十年に1本の傑作の出現によって生きながらえた文化だとしても、多くのアニメの存在と作り手の試行錯誤、その背景にある多様な楽しみ方など、アニメとその周辺のすべてを支える人があり、1本1本の作品が現在のアニメの隆盛を形作った礎となっていることが感じられる。そしてこうした雑誌を買う最底辺の我々が、金銭的には支えている部分だと思うのだが、それはまた別のお話か。
 それにしても、1号を買い損ねたことが本当に悔やまれる。某密林では偉い値段で取引されているのを見ていると、後悔の念しかない。ま、どうにか中古で手に入れておきたい1冊としておこうか。

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まとめteみた【アニメ・特撮関連の本をご紹介(2012.03.07)】

 ゴーカイジャーの総括もすんだところで、ちょっとだけ閑話休題的な話題提供をしてみたいと思う。アニメや特撮関係の本は、そうしょっちゅう発売されているわけではない。

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波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
43歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
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特撮は主食、
アニメは副菜。
後期必殺を好み、
スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
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