2012年4月期スタートアニメ青田買い

 とりあえず見始めたのは以下の作品です。なんだか多いなあ(笑)。こんなに見続けられるわけがないので、たぶんいずれ何本かは切ります。とはいえ取り急ぎここで触れておきたい。すでに前々期から録りためている作品もあり、いまだ未消化のまま放置気味。なんとかせねばという焦りがつのるばかりの日々です。

聖闘士星矢Ω
めだかボックス
ルパン三世~峰不二子という女~
あっちこっち
さんかれあ
夏色キセキ
超ロボット生命体トランスフォーマープライム
アクセル・ワールド
黄昏乙女×アムネジア
謎の彼女X
這いよれ!ニャル子さん
非公認戦隊アキバレンジャー

「聖闘士星矢Ω」
 原作マンガ「聖闘士星矢」がスタートしたのが1986年。アニメがそのあとに続き、一度は完結したにも関わらず、外伝やら過去エピソードがマンガ化してそれもアニメ化、おもちゃはリニューアルされてさらに盛り上がりを見せている。「星矢」はほぼ間断なく継続されていたのである。さらにまったくの新規のエピソードとして制作。本家東映が注力して作られているのが本作だ。
 原作の魅力の一つである主人公の美少年たち5人というお約束は、若干の美少女を含めつつもほぼ継承されている。キャラデザインは「おジャ魔女ドレミ」の馬越さん。荒木さんが亡くなってしまった今となっては、こうしたデザインラインの変更がどうなるのかは、動いてみないとわからないところだったが、1,2話を見て安心感のあるデザインであることもわかると、俄然楽しくなってくる。聖衣のデザインがずいぶんと簡略化されていることに多少疑問がなくはない。とはいえ良く動くこと、キメ画のかっこよさを考えれば、決してマイナスポイントにはならないだろう。物語は星矢の時代のメンバーを残しつつも、世代が下がって第2世代となっているあたりがポイント。そして内紛から始まった原作ではなく、新たな敵として登場するキャラクターたちの謎も新しい魅力の一つだ。星矢はまだまだいけるコンテンツだと再確認できる。個人的には期待大。

「めだかボックス」
 西尾維新原作のマンガだとのことだが、あくまでそれはマンガの原作。上から目線の長髪美少女生徒会長が、学園内のもめごとを解決する物語。このめだかちゃん、あまりにスーパーすぎるのだが、だからといって人情のわからない人ではない。しかもお供の少年が幼馴染で、これまた腕っ節の強いキャラ。実在すればだれも近寄らないだろうキャラクターが、むしろ積極的に一般人に寄っていくあたりが、西尾維新原作らしいと言えるだろう。なんだかんだいいながら、結局は人が好き。特に台詞めいっぱいであるから、1話の内容が濃く感じるのだが、実はそうでもないあたりがミソ。中身は意外なほどカッスカスなのだが、台詞量が尋常ではないのでそうは感じないはず。つまりテストケースとしての「めだかボックス」とは、台詞量によって中身の濃度を濃くさせるテストにも思えるが、それってどうなんだろ? じつは西尾維新らしさはそれほど感じないあたりがちと引っ掛かるのだ。もう少し物語が二転三転する面白さがあってもいいのではないだろうか? 特筆すべきは凛々しい声表現が珍しい豊崎愛生だろうか。一声聞いただけではあれが豊崎さんだとは思えなかったので、最初はずいぶんとびっくりした。ま、なれましたけどね。

「ルパン三世~峰不二子という女~」
 原作のマンガ「ルパン三世」において、「峰不二子」という女性が、あくまで不特定多数の女性であり、マンガに登場する女性キャラクターの総称であることをご存知の方は、このブログに訪れる方の中のどのくらいいるだろうか? 「ルパン三世」の劇場用第1作である「ルパン対複製人間」を制作したスタッフの証言の中で、ルパン以外の人物はあくまで記号だといいきったものがある。こうして突き詰めていくと、「峰不二子」というキャラクターは、あくまで記号論的な意味での「女性」であって、キャラクターではない。なによりルパンの物語のオチでもなければ、きっかけですらない。最後の最後でルパンとちゃらけてみせ、「私が7であなたたちが3ね」と分け前を欲深く要求する存在だ。いまでこそセックスシンボル的な位置づけの女性キャラクターとして確立した感のある彼女だが、本質的に彼女にはキャラクターなんてないし、物語も必要ない。そんな彼女をフューチャーリングしたのが、この作品だ。
 前述の言いようなら、この作品の商品価値はまったくないだろう。だがこの作品を見れば、これまでのTV-SPとして作られてきたルパンがちゃんちゃらおかしく見えるほど、実に充実した楽しくアダルトな作品であることがわかうるだろう。1話でルパンと敵として出会い、2話で次元を貶める女として出会った。そのムーディーでアダルトな雰囲気は、気前よく放り出す不二子自身の裸身や、遠慮なく表現されているSEXシーンにもあるが、何より良く練り込まれた物語は、TV-SP3本分に匹敵する。不二子を狂言回しとして据え置きながら、不二子の視線で見たルパン一家という側面は、打算もうらぎりも当たり前の一触即発な関係であり、ルパン側からみた安心感とは完全に真逆のキャラ配置となる。本来ならルパンがお宝を狙うこと自体が物語の中心となり、不二子がチャチャを入れるのだろうが、本作は不二子がどうやってルパンたちを出し抜くかという視点がメインとなる。それだけにドキドキ感は嫌が上でも増すのである。その当たり前でいて視点の微妙さ加減ひとつで、この作品は完全に成立しているのである。
 黒を基調とした画面作りは、一見すると「まどかマギカ」にも似ているが、よりゴシック調が強調されており、無国籍感が漂う。原点がえり的なキャラデザインもまた素晴らしいが、それが動く感動はマンガが動くという率直な感激をもたらしてくれる。本作は意外なほど女性スタッフを押し出して作られているあたりが、不二子の裸身を恥ずかしく見せるよりも猛々しく見せる。筆者にとっては期待大の作品の一つ。

「あっちこっち」
 高校生のカップル(ちょいと手前か?)を中心としたラブコメディ。芳文社の4コマ漫画原作のアニメ化作品。つまり「Aチャンネル」や「けいおん!」の後続作品。イオとツミキの二人が物語の中心で、前述の2作では完全に避けられていた「ラブコメ」が話の中心にある。4コマ漫画アニメ化ではあるが、「日常系」とは異なるラインと解釈していいのかもしれない。しかしツミキのアホ毛にはまいる。「Another」の眼帯少女の長くしなだれたアホ毛にもまいったが、今回は鋭角的に巻いてきましたよ、アホ毛。
 ヤマとオチが繰り返される構成は、4コマ漫画原作であるからだが、前述2作よりも等身が下がったキャラクターは完全にコメディ寄りなので、それほど緊張感もなく、のんびりと見ていられる感じが心地いい。前作「キルミーベイベー」が完全にコメディだったので、ささやかなラブの部分のかわいらしさと微笑ましさも、じっと見ていたい気にさせる。と思っていたら、他の作品を見なければいけないのに、この作品だけ2回も見てしまった。OPのにぎにぎしさもいいが、EDの主役の女性声優によるささやき系の歌唱が気持ちいい。「恋愛サーキュレーション」や「スケッチブックを持ったまま」などの延長線上にある作品かもしれない。

「さんかれあ」
 ゾンビ好きな男子高校生とワケありお嬢様女子高生がふとしたきっかけで出会うが、古い文献にあったゾンビになる薬をつかったお嬢様は、ついにゾンビになってしまう。そこから始まる二人の物語。特殊な嗜好の男の子と、その嗜好に合致してしまう少女の組み合わせというのは、後述の「謎の彼女X」にも通じるものがあるが、存在が「ゾンビ」(正確にはかりそめの命で甦った死体)なんだというあたりが、どうなるか? お嬢様「さんかれあ」さんのなんとも可憐な感じが好感が持てるし、世間知らずのお嬢様なだけに保護欲をかきたてられるが、彼女の父親という人もまた異常な性癖といえばいいのか。最初の2話を見ているだけなら切ないし、男の子が死んだ猫に執着するあたりの物語もまた胸が締め付けられるのだが、どうやらここからはコメディ展開の予感。なにより少年誌連載のマンガなので、それほど重たくはならないだろうけど、特殊な嗜好を背景とした純粋な恋愛というのは、たぶん物語として面白い。とはいえお嬢様のお父上の存在が心配といえば心配かなあ・・・。まあ、面白くなることを期待。

「夏色キセキ」
 ・・・・・戸松、うるせーな(笑)。まあ、そういうキャラだからしょうがないけど。
 女性声優ユニット「スフィア」の4人をフューチャーした作品。4人の女子中学生の夏模様。幼いころからずっと一緒に育ってきた彼女たち4人は、ケンカしたり泣いたり笑ったり。海が見える町の頂にある神社に隠された秘密が、彼女たちの心をつないでいく、といった物語だろうか。
 何がおかしいってこうした作品を、なぜか「サンライズ」が制作しているあたりが、まずもっておかしい。サンライズだっていつまでもガンダム1枚看板ではやってはいけないだろうから、模索する別ジャンルの1作品だとは思うのだが、主役4人をそのままスフィアのプロモーションとなっているあたりが何か痛々しい。豊崎はぬぼーっとしたキャラだし、寿と高垣は最初からずっと高めのテンションでケンカしてるし、戸松はうるさい。とはいえこの4人のキャラ配置自体は、これまでの彼女たちのキャラクターを無視する方向でもなし、安心感のある配置。だとすればすでに中堅の域に達しようとする4人の演技の、一つの到達点とも言える作品となるかもしれない。作品よりもスフィアに注目が集まるとしたら、作品自体もスフィアの新しいステージの礎となる作品として、記憶に残る作品となる可能性もある。

「超ロボット生命体トランスフォーマープライム」
 CGで制作されたトランスフォーマーは、先行作である劇場版3部作、それと日本語版は声優さんの暴走があまりにも楽しすぎた「ビーストウォーズ」シリーズがある。筆者はアフリカ出張時に現地で見た原語版「ビーストウォーズ」がわけもわからず好きになり、後日日本語版ではあまりの声優さんの暴走っぷりにさらに好きになった記憶がある。そんな筆者にとってはCGで作られたトランスフォーマーの、新しいラインによる物語展開は、またもや楽しさを予感させる作品として映った。1,2話は非常にストイックにできており、剣劇ではない銃撃による戦闘よりも、アクション性の高いバトルシーンは、劇場版同様に見どころがある。人間のキャラクターが登場するのも致し方ないが、劇場版からスライドした変形機構のこまやかさや、武器も変形する面白さもいい。なにより藤原啓二だとか福山潤だとか伊藤静だとか、暴走しそうな声優陣にも期待大である。先行するアニメ作品があまりにもカートゥーンな感じがなじめなかったが、こちらはじっくり楽しめそうだ。「ビーストウォーズ」ばりにエネルゴン争奪戦となるようだが、旧シリーズにつながる秘密でもあるのなら、なおのこと旧シリーズからお好きな人にも楽しめるだろう。

「アクセル・ワールド」
 ラノベ原作のアニメ化作品。仮想世界で別の姿と高速で動ける能力を授けられた少年と、少年をその世界へいざなった少女、そして仲間たちの物語。仮想世界、電脳のシステム、アバターによる電脳世界の生活、「ブレインバースト」と呼ばれる高速移動能力など、先行となる「攻殻機動隊」や「サマーウォーズ」「デジモン」などにも通じる世界観に、「仮面ライダーカブト」にあった高速移動など、作品世界に組み込まれたガジェットの数々は、借りものとしてありながらもきちんと世界を構築している感じは、とても心地がいい。ちゃんとSFしてるじゃないかという感じ。ジャンルでいけばサイバーパンクなのだろうし、仮想世界のとらえかたが現実世界と隣接しているあたりも「マトリックス」や「仮面ライダー龍騎」のミラーワールドなどにも近しいじゃないの。
 物語としてはいじめられっ子のハルキが、どうやって電脳世界を通じて自分を改変してけるのか、といった点に尽きる。よしんばハルキの成長があくまで電脳世界の中のみだったとしても、現実世界を否定しない少年として再生するなら、それもよし。あとはそれを導く黒髪の少女の存在が、ハルキといっしょに変わっていけるのか?それとも彼女には秘密があるのか? 今回もラノベ原作を見ずにアニメだけに集中しようかと。

「黄昏乙女×アムネジア」
 マンガ読みとしては、アニメ化決定以前に原作を読んでいたことに、自分の選択眼を誇れそうで心から満足している。この作品は筆者にとってそんな数少ない一つである。
 学校に巣食う幽霊の少女と、なぜか彼女が見える上に触れることができる少年の日常を描く作品。しかもコメディ。「学校の怪談」系の作品は前期の「Another」もあるし、珍しいジャンルではない。ただし本当に心霊現象なのか、「六番目の小夜子」のような仕組まれたものなのかは、作品によるしジャンルの幅でもある。竜騎士07あたりが書いていそうな因果関係のないそこにある恐怖を描く系列の作品をのぞけば、学校を舞台にしたホラー自体は幅広いと思わせてくれる事情は、コメディよりのこの作品があるからだろう。
 幽霊である夕子さんがとってもアケスケでありながら、最後の一線はきっちり守る少女なんだけど、彼女自身の死の真相が物語の中核をなしている。とはいえご本人がどこまで真相に迫ろうとしているかはとっても怪しい(笑)。なにせ学校の怪談の事情のほとんどが彼女のいたずらから端を発しているだけに、こうなるともういろいろ考えている方がちゃんちゃらおかしくもなってくる。

「謎の彼女X」
 植芝理一原作のアニメ化作品。さて植芝原作の漫画は、前作「夢使い」もアニメ化されているが、ここまできたらいっそメジャーデビュー作である「ディスコミュニケーション」もアニメ化してほしいと思うのだがどうだろうか?
 物語は高校生の椿と、彼のクラスに転校してきた卜部美琴の、ちょっとおかしなラブストーリーだ。この作品もアニメ化が決まる以前から愛読していたマンガ作品なだけに、思い入れがある。ところがだ。主人公・卜部の声を最初にTVのCMで聞いた時、かなり違和感を覚えた。たしかに卜部というキャラクターは難しいだけに、わかりのいい明るい声を当てるわけにはいかないだろうが、それでもこのキャスティングにはなかなか感じることのできない違和感が付きまとう。
 実のところ、今期のアニメの主役級の女性声優については、ほぼ新人かそれに準ずるほどの知名度の低い女性声優があてがわれている。アニメの本数の供給に対して、声優人件費の高騰はこういう形であがなわれている状況が見て取れる。だがそれが場合によっては裏目に出ることもしばしばであるが、いいかげん同じような声ばかりでは、耳には安心感があっても業界全体が閉じてしまえば、後の祭りである。こうした後進の参入は業界全体の刺激であるので大歓迎ではあるが、いつぞやの「屍姫」のようなことがなければいいのだが。

「這いよれ!ニャル子さん」
 クトゥルー神話をモチーフとしたラノベ原作のコメディ作品。クトゥルー神話をモチーフとした作品は、それこそゲームなどにも多くあるし、小説にも多い。ただしどういうわけかこうしたクトゥルーモチーフの作品がアニメ化されたりドラマ化されたりすることはものすごく稀で、露骨に登場させたのは「ウルトラマンティガ」の最終回ぐらいではなかろうか(これは脚本家・小中千昭が好きだから)が。もっとも日本という風土にはクトゥルー神話ってあまり馴染みがないのかもしれない。筆者も正直言ってまったく理解できていないので、さまざまな文献を読んでもあまり理解できていない。私にとってはラヴ・クラフトという人の妄想だと思っている、我ながらひどいヤツだ。
とはいうものの、本作では「ニャルラトホテプ」こと「ニャル子さん」が地球を保護するためにやってきて、主人公の少年の身の回りで起こるバカげた事件を処理する話のようであるが、なんといってもニャル子さんのオタク設定がすさまじいので、すべてが霞んでしまう。いうことやることすべてネタで固められているため、モチーフのクトゥルー神話に、はっきりいって申し訳ない気持ちがいっぱいだが、クトゥルーへの入り口としては、これはこれでアリ判定なんじゃないだろうか。とはいえ、まひろ少年になんの事情があって宇宙人に狙われているのやら。それにしてもニャル子さん役の阿澄佳奈のテンションがすごすぎる。ある意味でそれだけでお変わりできそうな。

「非公認戦隊アキバレンジャー」(特撮)
 東映が自らのドル箱シリーズをパロディとした作品。どう考えてもお蔵入りしそうなネタの数々をぜんぶ詰め込んだような作品なのだが、アキバレンジャーのスーツ自体が、本家戦隊よりも作りこみがスゴいのだ。本家が薄い生地を主体とし、あまりゴテゴテした装飾品がないにも関わらず、アキバレンジャーのほうはマスクと同じようなプロテクターまでついているあたりの力の入れようがバカおかしい。しかもマフラー付いてるし。
 ネタの数々は戦隊からきちんと取られているだけに、「ゴーカイジャー」のかわりにこれだったんじゃないかと思わせるネタのオンパレードは、戦隊好きとしては大変居心地の悪さも感じるが、なにせ本家東映が作っているので、これもアリだろう。
 あくまで物語上は彼らの「妄想」の力がバトルを演出していることになっているのだが、その妄想がどこまで広がりを見せるのか、あくまでパロディですますのか。とりあえず公認を目指して戦うらしいのであるが、日曜日の放送枠をもらえるわけがないので、どうやったら公認となれるのか?

「第07板倉小隊REV.2」(バラエティ)
 去年の秋から冬にかけて放送されていた「機動戦士ガンダム 戦場の絆」を扱ったバラエティ番組の第2シーズン。スペシャル番組として先行で放送された番組にて、小隊の要であったカバパンさんが大将に昇格、タンク上手な上村さんと一緒に司令部付になったことにより、板倉小隊は戦力激減。どうなることかと思っていたら、豊崎愛生と4人のつわものを参入させての再スタートとなった。これによりやはり板倉小隊はまたも窮地に立たされている。なにせ豊崎は完全に足手まとい状態だ。もっとも日常的に豊崎を見られるのは、なんだか嬉しいのでよしとする。しかし足ほっそいなー、豊崎さん。
現時点でいまだ勝利のない板倉小隊。前シーズンでも徐々に腕を上げていき、連係プレイやチームプレイの面白さを伝えてくれたすばらしい番組であっただけに、今期も徐々にスキルを上げて勝利をもぎ取りに行く板倉小隊の成長を、見届けたいと切に願う。

追記
「Another」感想
 綾辻行人原作のホラー小説のアニメ化作品。角川書店は押したいらしく、実写映画も公開予定。とある田舎の中学校に転入してきた主人公の病弱の少年。彼が転入した3年3組にはなにか秘密があるらしい。そしてクラスメイトから「いない人」扱いされている眼帯少女と出会い、主人公は徐々に3年3組に隠された秘密にたどり着くが、その時すでに秘密にまつわる惨劇は始まっていた。少年はクラスの協力者と一緒に毎月発生する人の死の謎を暴くべく行動を開始する。少しずつ謎にたどり着きそうになるものの、惨劇は止められない。そして惨劇を止めるべく行われた8月の合宿において、クラスメイトを巻き込んだ惨劇は加速する、といった物語。
 以前に「空の境界」シリーズについて書いた時のように後味の悪さしか感じられないかというと、意外にもそうではなかった。何より一つ一つの人の死は、まったくの偶然の産物であり、それはそれで不幸だと思うのだが、3年3組の秘密と現在進行形の惨劇には、そもそも因果関係がない。それを劇中では「現象」という言葉を使って表現されており、その現象は起こるものであり、止めることができるものでありながら、起こること自体に因果関係がない。つまりそれぞれに描かれている人の死すら因果律が存在せず、理不尽極まりないのである。死んだ人間にとっては理由なく殺されているようなものであり、殺される理由すらない。これによりどうしようもなく理不尽で原因のない死が量産されることにより、話数が進むにつれて悲惨極まりない展開となっていく。そして最終回手前で繰り広げられるバトルロイヤルにも似た殺し合いもまた、生徒たちの生きんがためであり、あるいは責任感のなせる業であるから、悲劇の度合いがいやます結果となる。見ていて本当にしんどかったのだが、あくまで「現象」としている点が、理不尽に人の死を求めて繰り返される殺人がモチーフとなる「空の境界」よりも、ミステリーとしての上質さが目立つため、見づらいという印象から解放されたのでアニメとしてとても楽しめた。それこそ「六番目の小夜子」のような一部仕組まれたものではなく、まったくの「現象」という側面に、納得できるかどうかがこの作品の評価の分かれ目になるのではないだろうか。
 知名度の低い声優の配置、謎を覆い隠すキャストのトリックなどはよくよく考えられているし、画質や映像としてのクオリティも高い。とはいえ、人を選ぶタイプのアニメであることには違いない。ホラー好きにはお勧めするが、ジャンルに耐性のない人にはけっしてお薦めできない作品である。
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テーマ : アニメ
ジャンル : アニメ・コミック

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プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
43歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
愛する、男オタ。
特撮は主食、
アニメは副菜。
後期必殺を好み、
スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
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