「仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦」~2番手男祭り!~

 行ってきました!今年のGWお祭りムービーに。
 これまで作品の垣根を越えてしまった仮面ライダーとスーパー戦隊が、満を持してシリーズの壁を越えて見せるというお祭りぶり! TVのCMなどではすでに御覧の通り、画面にめいっぱい現れるヒーローの姿に、唖然とした方も多いのではないでしょうか。「開いた口がふさがらない」って言い回しがありますが、今回見てきて一番最初に思いついたのがまさにこの言葉。唖然とし、あっけに取られ、観客側の気持ちまでおいてけぼりにしてしまいそうなほどの暴走っぷりに、いやはや参りました。劇場で見た時に、後ろに座っていた子どもが映画スタート前にうるさかったのですが、あまりの圧倒的多数に恐れをなしたのか、映画スタート直後から一言もしゃべらずに黙って観劇していたのが、とても印象的でした。つまりそれほどまでにオクチポカーンな作品でしたってこと。
えっ?どんな意味かって? それはこのあとをお読みいただければわかります・・・。
<作品解説>
 映画「仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦」は4月21日に公開スタートした作品。まずはこれまでの関連作品群をきちんと年表に残しておきたい。

2009年1月:仮面ライダーディケイド(TV)
2009年2月:侍戦隊シンケンジャー(TV)
2009年8月:仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー
2009年9月:仮面ライダーW(TV)
2009年12月:仮面ライダー×仮面ライダーW&ディケイドMOVIE大戦2010
2010年2月:天装戦隊ゴセイジャー(TV)
2010年9月:仮面ライダーオーズ(TV)
2011年2月:海賊戦隊ゴーカイジャー(TV)
2011年4月:オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー
2011年9月:仮面ライダーフォーゼ(TV)
2011年6月:ゴーカイジャーゴセイジャースーパー戦隊199ヒーロー大決戦
2011年12月:仮面ライダー×仮面ライダーフォーゼ&オーズMOVIE大戦
2012年2月:特命戦隊ゴーバスターズ(TV)
2012年4月:仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦



上記の年表はあくまでTV版「ディケイド」のスタートから本作までの流れとして抜粋している。ディケイドにて全ライダーが結集したのが2009年の「オールライダー対大ショッカー」であり、「ゴーカイジャー」にて戦隊ヒーローが勢揃いしたのが2011年の「199ヒーロー大決戦」であるから、この2年の間にこれだけの作品が制作されている。ゲーム機との連動はあるのかもしれないが、東映が誇る2大ヒーローが顔をそろえることになった。まさに「ついに」という言葉がふさわしいだろう。

 ここは地球。それはかつて仮面ライダーが守り、スーパー戦隊が守っていた世界。そこで戦い合う2つの陣営。それは「仮面ライダーディケイド」門矢士が率いる「大ショッカー」と、「ゴーカイレッド」キャプテン・マーベラス率いる「大ザッギャック」。それぞれの陣営は幹部や怪人を復活させて、互いの陣営の消滅を目論んでいる。2つのヒーローは並び立たない。士とマーベラスはそう言ってはばからない。「仮面ライダーフォーゼ」と「特命戦隊ゴーバスターズ」に対しても2大陣営は猛攻をかける。
 だがそんな二人の言葉に偽りを感じている者がいた。「仮面ライダーディエンド」海東と「ゴーカイブルー」ジョーである。海東は「仮面ライダーオーズ」火野映司を失った比奈と合流し、ルカ、アイム、鎧を失ったジョーとハカセと行動を共にする。マーベラスを信じるジョーは、彼の言葉を信じて海東と対立を深める。「なぜ戦隊とライダーが戦うことになったのか?」その疑問に対する回答を得るために、マーベラスの言葉に従い1976年に向かうジョーと海東たち。その方法はデンライナーを使って過去に戻るのだ。そこで出会った「秘密戦隊ゴレンジャー」のアカレンジャーの言葉は、いかなる悪を目の前にしてどんなヒーローも並び立つという力強い言葉だった。
 そんなアカレンジャーを元の時代に連れて行ったジョーと海東たち。アカレンジャーの元に集まってくる生き残りの戦隊ヒーロー、そしてそこに現れたライダー1号と生き残りのライダーたち。そこで和解するかと思いきや、いきなり戦い始める2大陣営。はたして生き残るのはライダーか戦隊か? 2大ヒーローはやはり並び立たないのか? 2大ヒーローの激しいバトルを冷やかに見つめる二つの怪しい目が光る・・・。

 さて本編ではこのあとに2つの大どんでん返しが待っている。そのどんでん返しの驚きについては、ぜひとも劇場に駆けつけてご自身の目でみて驚いてほしい。
 一つだけネタばらしをしておくと、物語のキーとなる「1976年」という年号。前年となる1975年に「腸ねん転」が解消されてネットチェンジとなった。それまで「仮面ライダー」シリーズを放映していた時間枠が、このネットチェンジによって空いてしまった。これに対応するように企画・制作された作品が「秘密戦隊ゴレンジャー」だった。劇中で語られる「ライダーがいなければ戦隊は生まれなかった」という言葉の本当の意味は、このことである。1976年という年とは、ゴレンジャーがこの世界に誕生し、1977年に番組が終了するおよそ1年前、ゴレンジャーの人気絶頂期ということになる。

<いっそすがすがしい・・・>
 さてここからは本作を見た人に対してお送りしていきたい。もしご覧になっていない状態でここからの記事をお読みになるのであれば、十分留意しておいてほしい。
 はっきり申し上げるがこの映画、「全ライダーと戦隊ヒーローが戦う」という1点にのみ重点をおいて作られている。そのため迫力のバトルシーンやヒーロー勢ぞろいの光景は圧巻の一語に尽きる。なんでも1映画におけるキャラクターの数では、「199ヒーロー大決戦」がギネスに登録されたとのことだが、今作もみごとに記録更新のことだろう。その一方で犠牲にした部分は多く、特に物語における「動機」や「理由」はおろか、怪人たちや幹部たちが復活した事情もまったく不明。士は劇中で「おまえらの価値は死んでも生き返る執念だ」と言っているが、そういった理由の部分は完全におき去られてしまっている。「レッツゴー仮面ライダー」にあった泣かせどころもないし、「オールライダー対大ショッカー」にあった「ディケイド」という物語のエンドとしての必然もないのだ。

 もっとも画面上の必然としてのマーベラスと門矢士という、ヒーローにあるまじきヒール役を買って出てくれた二人にはかなり説得力がある。世界の破壊者とうそぶくディケイド=門矢士に、宇宙海賊としての汚名を自ら名乗るキャプテン・マーベラスという組み合わせ、そしてどちらもかつてのシリーズを承り、昇華させたという点において、シリーズの作用点として十分に機能するキャラクターになったのである。そしてこの二人を手に入れた東映が、こうした映画を作らないわけがない。そういう意味での必然は、十分理解できる。むしろその必然だけを理解していただければ、この物語は受け入れられるだろう。もちろん、監督である金田治氏という、アクションやバトルを演出する上で東映に欠かせない監督を起用している時点で、設定部分よりもアクションが最優先なのは、いたしかたない。

<セカンドポジションの愛>
 ここで本作に魅力がないかといえば、そんなことはない。この話、ちょっとおもしろいと思うのは、士に対する海東、マーベラスに対するジョーという、番組構成上の事実上のナンバー2の実力者の葛藤の物語でもある部分だ。特に物語を動かすキーとなるのは、ジョーの持つマーベラスへの信頼と友情なのであり、マーベラスの行動は完全にジョーの想いを踏みにじるもの。しかもジョー自身はマーベラスの言葉を信じ、一度ならず海東の寝首を欠こうとしている。それをしてジョーやハカセがどうなるということでもないにも関わらず、自分の行動の証を示してマーベラスに恭順を示すかのような行動をとるジョーなのだ。また海東にしても、士が持っていた二眼カメラを持ち歩き、士と旅をした思い出を大事にしているようでもあるし、士との友情をどこかで信じてもいる。だからこそジョーよりも先んじて動くことで、物語が展開する。

 おまけにこの海東の想いがとっても屈折している。この屈折具合もまた興味深い。士はそもそものテレビシリーズの時から一貫して海東を怪盗呼ばわりであり、常に漁夫の利を狙う海東を快く思ってはいない。逆に海東にとって士の行動原理は利用価値のあるものでしかない。そもそも打算しかない関係であったのにも関わらず、いつのまにやら海東は士と比肩するヒーローの道を歩み、「オールライダー対大ショッカー」や「ディケイド完結編」でも士の身を案じているし、そのラストシーンではともに時空を超えて旅を続けることを誓っているではないか。それを友情と呼ぶことは簡単かもしれない。けれど海東にとっての本心がどこにあるのかを秘匿している以上、士も海東に心を開くことはできない。このある種緊張感のある関係がなければ、この映画は存在できなかっただろう。特に上記で書かなかった本当のこの映画のラストシーンについては、士と海東の微妙すぎる友情と、ただひたすらにマーベラスを信じているジョーの対比こそが、本作のドラマの一番の見どころだ。

 例によって時間遡行はデンライナー頼みなのだが、モモタロスはじめとするあの賑やかな連中が出てくるだけで、急激に物語が展開するあたりは、これまでの映画の通り。まるで「保険」とでもいうかのように扱われているのが面白い。
 ちょっとだけ残念なのは、本来主役であってもいいはずの「フォーゼ」と「ゴーバスター」が完全におミソ扱いであるにも関わらず、最後のラストバトルは彼らが持って行くあたりの脈絡のなさが、本作のまとまりのなさの最大の原因ではないだろうか。

 さて本作自体はかなりまとまりに欠けるし、理由や事情を説明する部分がほとんどなく、脈絡のなさがだいぶひどい。その意味でこの映画をほめることはできないが、この映画のメインターゲットである子どもたちに、にぎやかさいっぱいのお祭り的な映画を見せること自体を否定する映画ではない。劇場のスクリーンに登場する圧倒的なヒーローたちの姿、その圧巻な映像をただひたすら楽しめばいい。

 んで、ちょっと最後に気がついたことを。ヒーローに倒された幹部や怪人たちの怨念が、彼ら自身を復活させている。倒せば倒すほど復活してくるのである。いっそ倒さないという選択肢もあるのではないだろうか。つまり生殺し状態。まあどんな時空間にいたって悪さする連中ですので、どこかで生きながらえさせておくこと自体、無理なわけですが。
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テーマ : 特撮・SF・ファンタジー映画
ジャンル : 映画

コメント

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No title

前半までの展開は観ていて、
「なんだ、いろんなところで酷評されてたけど、全然そんな事無いじゃないか!」
と思っていましたが、後半がアレでアレしてアレでした……。
取り敢えずアレですかね。
「おのれディエンド!」

ヒーロー全員集合の時に一人だけポーズをキメているシンさんや、ジェットマンに混じってスカイライダーが飛んでいたり、どさくさに紛れてシャドームーンを「信彦ォ!」と呼んでいたブラック等が妙に記憶に残った、そんな映画でした。

No title

飛翔掘削さま

 コメントありがとうございます。

 たぶんあのシャドームーンはあの信彦じゃあないと思いますけどね。
「くくり」の問題が、いろいろなコラボを実現させるわけですが、199ヒーローの時にあった「色縛り」もよかったんで、
個人的には期待どおりでしたが。

 ま、映画としてはおいといて、楽しかったんで!
プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
43歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
愛する、男オタ。
特撮は主食、
アニメは副菜。
後期必殺を好み、
スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
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