「宇宙戦艦ヤマト2199 第二章 太陽圏の死闘」~見せ場たっぷり!~

 4月に公開された第一章「遙かなる旅立ち」に続いて公開された第二章を、見て参りましたので、またいろいろ書いてみようかと思っている。今回はヤマトが地球圏を離脱して太陽系内での激闘を描いた、原作でも序盤に集中して登場する名エピソードが集中している章となっている。そのため見せ場はたっぷりあるし、さらに今後に向けての展開を予想させるキャラクターの配置などにも変化が見られる。しかも原点からの改変点については、実に興味深い事も多い。今回はこうした改変点についてつらつらと書いてみたい。とはいえ、すでにソフトも販売されているので、完全に遅くなってしまいましたけど・・・。
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(2012/07/27)
菅生隆之、小野大輔 他

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<とりあえず物語ね・・・>
 今回の4話では、旧作の5話から8話までの物語が反映されている。
 地球圏を脱し火星へ到達するヤマト。そこで冥王星を目指してワープ航法テストを行うものの、ワープアウトしたヤマトの眼前にあったのは、なんと木星。どうやら木星を道の障害物と判断され、ヤマトは危機回避行動を起こしたらしい。初めてのワープによってエンジントラブルを抱えたヤマトは、木星に浮かぶ巨大な浮遊大陸を発見し、そこで改修作業を行うために接近する。ところがこの浮遊大陸は、ガミラスが拠点設営のために持ち込んだ人工の大陸であり、前線の補給基地でもあったのだ。駐屯していた4隻の艦艇がヤマトへ攻撃の矛先を向ける。だが沖田艦長はヤマトに装備された秘密兵器・波動砲の使用によって、大陸の基地ごと殲滅することを決定する。だがその凄まじいまでの破壊力は,浮遊大陸そのものを吹っ飛ばしてしまう。ヤマトのクルーは波動砲の使用を改めて考えるようになる (3話)。

 ガミラスの前線基地が冥王星にある。攻撃か旅を急ぐか?会議の中で二択を迫られるクルー。古代と島はその先鋒として互いの意見をぶつけ合う。だが波動エンジンに故障が発生し、同時に土星の衛星エンケラドゥス付近からの救難信号を受信する。修理に必要な鉱物コスモナイトの調達と救難信号の確認のため、沖田はエンケラドゥスへ立ち寄ることを決定する。ヤマトの行動を監視していた冥王星基地の指令シュルツは、エンケラドゥスへ艦隊の派遣を決める。古代と雪は救難信号の発信元へと急ぐ中、ガミラスの戦車部隊と交戦になる。間一髪で古代たちを救ったのは、足下に落ちていたコスモガンと山本玲の駆るコスモゼロだった。そして救難信号の発信元は地球の沈没艦。古代を危機一髪で救ったコスモガンの銃床には兄・古代守の名前が。そして沈没艦の名前は「ゆきかぜ」。先の「メ号作戦」で果敢にガミラス艦隊と戦ったあの艦だったのだ。ヤマトに帰投した古代は、沖田に悲しい報告をすることになる(4話)。

 沖田はついに冥王星基地攻略を決定する。それは地球を無残な有様にしたガミラスへの反撃の狼煙である。作戦名「メ2号作戦」。その作戦は判別できない敵拠点の位置を確認し、そこへヤマトによる直接攻撃を加えるもの。そのために2隊に分かれた航空機隊によって敵拠点を探り出す必要がある。その作戦にはエンケラドゥスでの功績により主計課より転属となった山本玲の姿も見られた。敵の攻撃を退け拠点探索する航空機隊。だがヤマトは発射地点不明の巨大なエネルギーによる攻撃を受ける。それはシュルツ指令のアイデアによって、遊星爆弾の発射システムを転用した反射衛星砲の攻撃であった。ヤマトは度重なる攻撃によって冥王星の海に沈んでしまう(5話)。

 だがヤマトは沈んだわけではなかった(あったりめーだw)。ヤマトは沈没したと見せかけるために上下を転覆させ、潜水艦行動によって反撃の機会をうかがっていたのである。その間、古代と山本は遮蔽フィールドに隠されたガミラス基地を発見する。遮蔽装置を破壊し隠れ蓑をはがされた冥王星基地。修理を終えたヤマトは冥王星の海上へと浮上し、敵基地へ容赦なく攻撃をたたき込む。ヤマトは反射衛星を次々と破壊。時限信管付きの砲弾を使って反射衛星砲本体までも破壊することに成功する。ガミラス本星のデスラー総統に一度は直接勝利の報告をしながら、翻った結果を報告をしたシュルツは、打倒ヤマトを目的に再戦を誓う(6話)。

<改変点など・・・>
 まず最初に目に入ってきたのは、今回からお目見えしたOPの映像だ。ささきいさお氏の声によるバラード調から入る旧原作でも使用されたOPのヴァージョンで、映像の前半は往時の映像をほぼ完全にトレースしている。しかも今回の追加要素となっている女子乗組員の映像も含められている。ここにリメイクシリーズは完全に安定して再出発したのだと思えば感慨深い。

いろいろと改変点はあるのだが、主計科にいた山本の妹・玲が戦闘科航空機隊に転属となったエピソードというのは、今後どう展開するんだろうか?原作での山本といえば、ワープテスト前の戦闘で被弾したブラックタイガーが、ぎりぎりのところでヤマトに帰投する中で古代や加藤たちと絆を深めるエピソードが有名。続く「さらば宇宙戦艦ヤマト」では彗星帝国攻略戦で戦死する(このときキャノピーから肘が出るというトンデモ映像アリ)ことになるのだが、彼女にはどういったエピソードが用意されているのだろうか? ツイッターなどでは雪と玲のどちらかが「サーシャ」であるという憶測があるようだが、兄である山本との関係性が気になるところ。このあたりの謎が、「サーシャは誰?」への憶測の根拠になっているのだろう。今後注目したい点だ。

 ガミラス側でいけば、原作当初より肌の色によっていろいろいわれていた冥王星前線基地指令のシュルツたち一党が、ガミラス人に滅ぼされて併呑された一族だったという設定が面白い。彼らは祖国の存亡をかけてガミラスと戦ったが、その圧倒的な戦力によってガミラスに組み込まれた結果、シュルツたちの民族は軍人としても民間人としてもガミラス人のヒエラルキーの底辺に組み込まれることになったようだ。つまり現段階での地球人の未来の姿となる可能性もあるわけだ。またすでにシュルツの台詞から「ドメル」という名前が出てきているあたりも興味深い。おそらくは別の戦線でドメルの指揮下に入ったシュルツの部隊が作戦行動を共にし、そのときの記憶からガミラス人の中でもシュルツにとっては尊敬できる指揮官だったのかもしれない。デスラーの腰巾着であるヒスやシュルツらの直属の上司であるゲールなどのように、シュルツたち併呑民族を卑しいものとして扱う軍人たちとは異なるドメルの、軍人としての威風堂々とした立ち振る舞いは、今後の期待としていいはずだ。

<見所、見所・・・>
 さて本作では原作の前半にある見所が集中した作品である。初めてのワープ、木星での浮遊大陸との遭遇と波動砲の初発射、そして冥王星基地攻略戦だ。
 最初の盛り上がりであるワープシーン。ここは本作のSF設定が垣間見えるシーンとなっている。これまでのヤマトのワープシーンは「異次元に消えるイメージ」と「とんでもないスピード」の印象が強い。最初のTVシリーズの説明でもあるように、ワープ航法そのものは空間跳躍という説明なのに対し、上記の二つの印象も絵で証明しているとはどうしても言いづらいものだった。本作ではヤマト前方にワームホールを作り、現在位置と目標地点を物理的に接続するという説明が、それなりの説得力を持って映像化されていると言っていい。物体がスピードを上げることで空間跳躍するような印象のワープよりも、幾分か理解しやすい映像だろう。しかも冥王星までワープするつもりが、木星を障害物として危機回避によってワープが失敗するというアクシデント付き。つまり沖田をはじめとする乗組員にとっては、まだ本来意図したワープは成功を見ていない状態なのだ。これもまた次の展開を産む可能性を秘めている。先の山本のエピソードは、再度のワープの際に実現されることがあるかもしれない。

 次は木星と浮遊大陸だ。ここでヤマトは波動砲の試射を行うのだが、完膚なきまでに大陸を破壊する点は原作と同じだ。原作では破壊したときに、真田さんが波動砲の使用を考慮する必然を問うシーンがあるのだが、木星の浮遊大陸がオリジナルではなくガミラスから持ち込まれた不自然なものという説明によって破壊の罪から逃れようとしている。ところが今回も真田さんは全く同じお小言をいうのであるが、これはもうお約束とみるべきだろうか。その後の冥王星基地攻略の作戦会議において、南部が波動砲の使用を推奨する旨を述べるシーンがあり、南部の軽率さがうかがわれるシーンとなっている。だがその分、古代がしかつめらしいことをいって、沖田が波動砲の使用制限に同調するあたり、元の古代の性格設定の粗雑さの一部は、南部に移行していると感じる。また冥王星攻略戦で、古代が航空機隊と一緒に外に出ている間に、作戦指揮の一部を任せられているシーンを見ていると、南部と古代の指揮官としての度量の差がはっきりと出ている。本作での島と古代は実に互いを理解し合っているから、島と古代が職務上で対立してもプライベートには持ち込まないドライさがある反面、雪の腰巾着っぽい南部は、いずれ雪を挟んで古代と衝突する可能性もあるのではないだろうか?

 そして冥王星攻略戦は2話連続として描かれている。原作では潜水艦行動によって沈没を見せかけるヤマトという状況は同じだが、陸戦部隊によって反射衛星砲を攻略する原作に対して、本作では航空機部隊によって敵拠点をあぶり出す作戦に変更となっている。しかも最終的にヤマトの兵装によってトドメを刺すシーンは、ヤマトの運用概念がよく見える心躍るシーンが連続する。作戦指揮のための第2艦橋の運用、潜水艦行動時に潜望鏡を覗く沖田の行動、時限信管のついた砲弾による攻撃と爆発のタイムラグなど、軍事・ミリタリー系やSF系のヲタクの方々にとっては、どうしたって興味を引かれるに違いない。またコスモゼロやコスモファルコンの発進シーンには、あの名曲「コスモタイガーのテーマ」のリアレンジされた曲が惜しげもなく使用されている。カタパルトによるコスモゼロの射出や、後部ハッチより射出されるコスモファルコン出撃シーンの心躍るシーン。特にファルコンが射出台両面に固定され、クルっと回って射出するシーンでは、あの狭いヤマト内部構造による説得力として、膝を打って納得してしまう。

 さて古代と雪もらぶらぶしてきていい感じになってきたし、今後も楽しみではあるのだが、次回はあまり心躍る物語ではなく、どうしてもテンション低めになるのかなという懸念がある。この後のエピソードといえば、地球と最後の通信をするヤマト乗組員の切ない交信の様子、それによって身寄りのいない沖田と古代の交流、オリオン座の恒星と金属腐食ガスに挟撃されるヤマトの話、ビーメラ星やバラノドン、磁力要塞島攻略作戦など、地味な話が続く。しかも劇場版「ヤマト」ではカットされたエピソードばかりなのだ。もちろんシュルツら先遣艦隊との最終決戦があるだろうが、艦隊決戦はドメルとの七色星団での戦闘までほぼお預けとなるだろう。となれば次回はヤマトクルー同様に観客も堪え忍ぶ時期に入るのかもしれない。松本零士の手によるマンガには「永遠のジュラ」というガミラス側のエピソードもある。こうしたエピソードも含めて、かつての「ヤマト」が打ち切りによってこなしきれなかったエピソードを掘り起こしてくる可能性もあるのだろうか?

 筆者個人としてはものすごく盛り上がってこの記事をノリノリで書いているのだが、新世代のヤマトに批判的な意見を寄せる方々もいるのは承知している。確かに本作において原作を斟酌した形でリビルドされた物語や設定の数々は、監督・出渕裕氏をはじめとする制作スタッフの「俺ヤマト」であることが鼻につくという意見もあるし、そもそもヤマトがイスカンダルへ向けて旅立つ必然性を感じられないという批判も目にした。ここではたと気がついたのだが、筆者がノリノリで書いている記事のほとんどは、当然のように原作を元にして脳内補完された形で内容を理解しているということだ。逆に原作を見ずに本作だけで作品を真っ当に評価すれば、先の意見の方が圧倒的に正しいのかもしれない。んで、古参のファンとしてはちょっとだけ拗ねてしまうのである。いいじゃんよ、別に。楽しく見てるんだからさ、と。でもこうした私見を排除せねばならないことも (大人ですから)、知っているわけですよ。大人げなくよそ様のブログのコメント欄に役にも立たない反論を書き込んでお目汚しにならないように、自重せねばと思う日々です。

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テーマ : 宇宙戦艦ヤマト
ジャンル : アニメ・コミック

コメント

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No title

今回気になったのは、やはりシュルツらの掘り下げですね。「こう来るのか!」と。
旧作のままならアステロイドベルトで特攻、爆死という運びですが、『2199』では一族揃ってガミラスに反旗を翻してヤマトと共闘、という運びもアリかも知れないなと思います。
何にせよ、次が楽しみでしょうがありません(笑)。

・・・シリーズ通して唯一の「第三艦橋大活躍」が削られてしまいましたね。
『2199』では第三艦橋が活躍する場は無いんでしょうか……。

No title

飛翔掘削さま

 コメントありがとうございます。

 第三艦橋のの大活躍シーン・・・・
 1.冥王星での作戦指揮
 2.七色星団会戦でのドメル艦隊旗艦との自爆
 3.ガミラス本土決戦での融解、落下

 ・・・・2と3は今後の楽しみですが、1がすでにないということは、第三艦橋の「正」の活躍は、もう望めないかもしれませんね。あとは「負」の活躍だけですし。

 シュルツ艦隊との決戦は、おそらく第三章以降の目玉になる可能性があります。そこでガミラスに与するということの意味を、問いただすエピソードになるのかなあと期待しております。

乗組員の人数の話

この作品、波のまにまにさんと見に行ったときに乗組員の人数の話をしましたが
ウィキペディアによると今作では999名の乗組員て設定になっているそうです。
確かに旧作の119名だとブラックタイガー隊で40機程度あってそこに40名取られて
空間騎兵隊が多分20名前後いたはずですから、60名程度でヤマトを運用していた
計算になってしまうので。
そりゃ24時間古代たちが艦橋にいるわけですね。
交代要員がいないんですから。
それで1年どうやって持ちこたえたかは謎ですけどw

それはともかく今回見せ場たっぷりだっただけに第3章でどうやって盛り上げるのか
それが楽しみでもあり不安でもあります

No title

mineさま
 コメントありがとうございます。

 昔の本を引っ張り出すと、乗組員数については「114名」や「144名」と書かれている物もあり、いずれにしても少ないのですよ。しかもほら、最初の航海の時には、途中で戦死した人数や、イスカンダルに亡命しようとしてしんだやつらなどもおり、帰還者は100名を切っていたというわけですな。

 そりゃ、古代は第1艦橋から抜けられないし、雪は無理矢理コスモクリーナーを動かし出すし、レーダーまで面倒見にゃならんわけで。絶対的に人数不足感ですね、ヤマトは。

 実際の海自のイージス艦なんかだと、2~3交代制だそうで、結構な人数が乗艦しているんでしょうけど、兵装も戦闘機もないわけですから、そんなもんかなと。

 「ヤマトIII」では、2度目のダゴン艦隊とヤマトの戦闘で負けたダゴン将軍は、その敗北の理由を「ヤマトの航空戦力」と指摘してます。そこで3度目の戦闘では二連三段空母を持ち出してくるという流れなんですが、ヤマトの空母性能が飛び抜けているというよりも、無茶な設定なんだと、あらためて感じます。
プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
43歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
愛する、男オタ。
特撮は主食、
アニメは副菜。
後期必殺を好み、
スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
Twitter再開しました!

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