映画「ターミネーター4」を見に行った

 昨日「エヴァンゲリオン新劇場版・破」のついでに見てきました。あまり映画評を書いた事はないのだけれど、せっかくだから書いておきます。ただし現在公開中のため、オチの部分については伏せざるを得ませんので、ご了承ください。

 本作が「T-3」の続編ではなく、テレビ版の「サラ・コナー・クロニクルズ」の続編であると言われているが、その実調べてみると、核戦争により人間と機械の戦争が始まる日である「審判の日」の正確な日時については、本作できちんと触れられていない。そういう意味では「T-3」の続編でもいいように、物語が作られている。このあたりのフレキシブルさは、日本人にはないメンタリティかも知れない(あるいは商売だろうか)。私自身は本編を見ながら、開巻当初よりこのことばかりが気になってしまっていたから、何をもって整合させればいいのか、判断に苦しむシーンが続出している感覚となってしまった。それを前作へのオマージュだとか、パロディだとか言っていられるうちはいいのだけれど、物語が進んでくると、小さな疑問が大きくなり始め、気になってしょうがなくなる。シリーズや前々作「T-2」が好きな方には、なおのことだ。

 物語はジョン・コナーという人間が、いかにして時代のヒーローになっていったかを描く物語である。核戦争が勃発し、スカイネット率いる機械軍団が、核戦争後に生き残った人間を蹂躙し始める。それに抵抗したレジスタンスのなかに、ジョン・コナーがいた。どんな大規模の作戦でも生還してきた彼は、レジスタンスの上層部が発見した音波により、機械軍団の命令系統を混乱させる作戦を指揮することになる。だが作戦決行のそのとき、自分の父親になるはずの男・カイルが、少年のまま機械軍団の中枢に囚われていることを知り、単身かれらの救出に向かうという物語だ。

 この物語のもう一つの軸となるのは、2003年に死刑に処された一人の男・マーカスである。彼は物語序盤で見られる、ジョンが参加していた作戦で蘇生し、囚われていた基地を脱出し、放浪する。なんの記憶も持たない彼が、なぜか戦闘経験だけは覚えており、機械に襲われたカイルとスターを助ける。一見人間とおぼしき様子を見せながら、マーカスは、サイバーダイン社のセレーナ・コーガン女医により、心臓と脳以外をすべて機械となってしまった(この心臓と脳というのがミソ)。自分が人間だと言い張るマーカスは、カイル達を助けることに協力的であり、ジョンが機械達の基地へ潜入することをサポートすることで、ジョンと合意する。そしてジョンを助けて、ターミネーターと戦うマーカスは、大立ち回りを演じることになる。はたしてジョンとマーカスは、カイルを助ける事が出来るのか? そしてジョンは自分の過去と未来を守ることが出来るのか?

 ジョンは、この物語の開巻当初では、まだ人類の英雄ではない。しかし彼が約束された人間であることは誰でもしっており、大勢の人間の押し上げもあって、彼の地位が確保されている状態である。レジスタンスの上層部は、そんな彼を快く思っていない。「マトリックス」でネオが大勢の好意に見守られている状況とは明らかに違う。

 だが結果的にはレジスタンスは上層部ではなくジョンに従う。それは上層部は機械どもの襲撃を逃れるように、潜水艦で暮らしているからだ。しかも味方からの接触も出来るだけ避けようとする狡猾さだ。すぐにわかるが、アメリカ空軍はスカイネットに押さえられている。おそらくレジスタンスは空軍の生き残りと陸軍を主体としていると思われる。しかし核戦争で空陸軍は事実上機能を無くしている。残るのは海軍だ。彼らは戦わずしてレジスタンスの上位組織になったというわけだ。
 そういう見方をしていると、地球規模の核戦争だとか、機械との戦争だとか言っているわりに、舞台がアメリカだと思うと、それだけで映画の規模が知れようというものだ。あいかわらずアメリカ至上主義的な考え方に支配され続けているアメリカ映画界である。

 ジョン役のクリスチャン・ベイルは、「バットマン・ビギンズ」や「ダークナイト」で、ブルース・ウエインを演じた俳優だ。私見だが、「バットマン」シリーズが好きなもので、ついその演技の質が異なることに、違和感を感じてしまったし、最期まで「ジョン・コナー」であるという納得はできかねた。だが最終的に彼の硬質な演技が、だれも見たことがない「ジョン・コナー」を作り込んだことだけは評価できるだろう。「T-2」のころとは、だいぶ違う印象があるので、引っ張られてましたね。

 物語の最終決戦は、上層部が発見した音波により、レジスタンスが機械に総攻撃をかけるのだが、ジョンの必死の呼びかけで、丘にあがったレジスタンスは、誰も上層部の言うことを訊かず、攻撃を始めない。そのころレジスタンス上層部は機械どもに蹂躙されて、潜水艦と一緒にいなくなる。結局人間の傍らにいて、人間と共にあった人間を、人間の手でリーダーとしてジョンを選んだということになる。なにかこう、「人民の、人民による人民のための」的な、意外とありがちな展開ではある。
 なお、ジョンは「T-3」のときに一緒にいたケイトと結ばれている。これは意識的に「T-3」との連続を考慮しての話だろう。

 物語の終盤、ロスに本拠地が置かれた機械どもの城で、本作の最終決戦が始まる。それはジョンとマーカスの二人だけの抵抗である。マーカスは自分を探しに、ジョンは自分の父を捜して。
 ここで生産されるターミネーターであるが、とうとうわれわれおなじみのT-800が登場する。その1号機がジョン達におそいかかる。そのターミネーターの顔に注目して欲しい。あの人だ。しかも若い頃の(笑)。この戦いでジョンはT-800の生産プラントの破壊をするのだが、それでも過去に遡るターミネーターは変わらないのだろうか?

 機械の城で、マーカスがなぜ作られたのかという秘密が明かされる。これがまたスカイネットの恐ろしさにつながるネタになる。このとき登場するセレーナ・コーガンというサイバネティック医師は、マーカスの手術を行った人であるが、本作でもスカイネットの側にあり、非常に重要な人物である。マーカスの手術をする上で、人類の科学の進歩を説き、涙を流しながら説得し、情に訴えるくせに、スカイネットの側にあろうとする人間だ。この女には、どうもきな臭い臭いを感じる。そのくせパンフレットには1枚の写真も残されていない人物だ。キャスト紹介にも顔を出していない。私の印象では、頭のねじのすり切れたマドンナというイメージなのだが。今後、おそらくシリーズに影響を及ぼす人物であると考えているのだが。

 ジョンに迫る上半身だけのターミネーターや、派手なカーアクション、最終シークエンスのターミネーター生産工場での攻防など、シリーズとして完璧に仕組まれている感じがする作品であり、シリーズが好きなら見ておいて問題ない1本だ。しかし、この作品をみていてわいてくる疑問は、本作の中で解消するまでには至っていない、そういう作りになっている。これは「T-5」も見ろよって事だろう。「サラ・コナー・クロニクルズ」がどういう着地をするかが見えない状態では、過度の期待は禁物だ。とりあえず最期まで疑問に思ったことを以下に列挙して、あとはこれをご覧になった皆さんの判断にゆだねよう。

1.「審判の日」は結局いつよ?
2.なぜスカイネットは、カイルの存在を知りえていたのか?
3.パラレルワールド扱いになってる「T-3」との関連づけは?
 (むしろ「T-3」の続きと言ったほうがまだまし)
4.なぜジョンがT-800(T-850)にこだわるのか?
5.T-1000やT-Xの液体金属の技術はどうして導入されるのか? あるいはT-800で使用されている人工蛋白の皮膚の使用を止めた理由はなぜか?
6.「T-2」で出てきたサーバーダインの技術者・ダイソンは無駄死にだったのか?
7.セレーナ・コーガン女医の存在(なぜスカイネット側についたのか?)
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テーマ : ターミネーター4
ジャンル : 映画

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波のまにまに☆

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