2012年7月期スタートアニメ最終回(その2)

 前回の続きです。今回取り上げるのはこの4作品。ええ、前回に比べて明らかに作品数少なめのテンション低めです(笑)。

ココロコネクト
織田信奈の野望
アクセルワールド
貧乏神が!

追記、
 先頃、アクセス数が5万を超えました。ありがとうございます。何もないテキストブログですが、今後もよろしくお願いいたします。

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「ココロコネクト」
 男子二人女子三人で構成される高校の部活動「文化研究部」。彼ら5人が巻き込まれた不思議な現象は、あるときは誰かの心をえぐり、あるときは誰かを傷つけるが、5人は結束力によって「ふうせんかずら」と呼ばれる謎の人物が引き起こす事態をクリアしていくという物語。ラノベ原作で現在既刊9巻。アニメ版ではとりあえず1巻の「人格入れ替わり」2巻の「欲望解放」、そして3巻の「時間退行」と3エピソードを消化して終了した。原作のファンであった筆者にとっては、今期最も期待して見ていた作品であり、事実楽しんで見ていたのである。
とはいえ残念だったのは1クールで3エピソードを消化するために、どうしても状況説明やドラマ運びが性急すぎた気がすることだ。正直もう少し間というかゆったりとした時間配分として1クール2エピソードで、時間をあけて2クール目というわけにはいかなかったのだろうか。そう思う事情の最大の理由は、作品を見ていて説明不足や状況の表現が不足している感じがしたし、それゆえに原作既読者のみを相手にしている感じが否めないからだ。具体的に示すと、重苦しい部分ではあるが第1エピソードの「人格入れ替わり」における、稲葉と永瀬が心配していた理由の見せ方や、第3エピソード「時間退行」における青木の唯への想いを確認する過程などは、時間がほしいところだった。第1エピソードについては、人格が入れ替わった状態で、他人の役の演技を要求されている声優陣の努力は実に涙ぐましいものがあったが、その努力は一応報われていると思いたい。
ふと、もし「ふうせんかずら」の登場がなかった場合、この5人はどうなっていたのか?と考えてみる。5人の強固な絆は、きっと卒業式ぐらいにそれとなく感じられて、ぎくしゃくしたまま太一と稲葉と伊織は三角関係を続け、唯は男性恐怖症を隠したまま空手を再開せず、青木はお気楽に見えながらも唯への想いをもてあましたままだたんじゃないだろうか。特に伊織は自分を見失ったまま、あやふやな自我をどうにかしたいと苦しんでいたかもしれない。だとしたら、「ふうせんかずら」の登場は5人にとって状況を加速させただけといえはしまいか? つまり「ふうせんかずら」というのは物語として圧縮された「思春期」の別名だといっていいのではないか。
 その一方で本作の宣伝活動に関する声優だまし事件については、たとえ声優本人が理解していたこととはいえ、二束三文のテレビバラエティの手法で声優を扱ってしまったプロデューサーによって、ずいぶんと非難にさらされた作品でもある。この事件をきっかけに本作の視聴を打ち切った方々も多いと聞く。だとすれば本作の真なる評価は、しばらくなされないであろうことがただ残念でならない。作品自体ではなくスタッフの不手際によって本作のアニメや原作までもおとしめられたのでは、心血を注いで本作を作り上げたアニメスタッフやここまでの作品に育て上げた原作者は耐えがたい思いをしているはずだ。本作のファンとしても、なんとも言いようがない。

「織田信奈の野望」
 織田信長が女性だった・・・という設定のドラマが、天海祐希主演でこの年末に放送されるそうですが、本作とどれほどちがうのだろうか?
 本作は主だった武将が全て女体化している世界に、突如として放り込まれた高校生男子が、織田信奈を助けて天下を取らせようと奮闘する物語だ。この物語の要諦は、現代からタイムスリップしてやってきた高校生男子が、「信長の野望」をはじめとする戦国シミュレーションゲームをやり込んでおり、その知識を持って歴史的事実をイベントとしてこなしていくことところにある。ここに「if」としての歴史シミュレーションの要素が成立する。また織田信奈をはじめとする武将たちが女体化していることにより、「もし戦国武将が美少女だったら」という「if」をもうけて見た目でも興味を引く仕掛けが施されている。歴史的事実をいじることなく武将たちのタイマン勝負に執着した「戦国BASARA」と比較して本作を見た場合、歴史的な事実を違えないでどうやって「if」を成立させるかということに主眼をおいていることがわかる。それはいわゆる「歴女」と呼ばれる戦国マニアの人にとっては、本作は「if」の部分が強すぎに写ってしまうのではないだろうか? 結論さえあっていればその過程はどうでもいいか、過程の熱さに主眼を置くあまり結論に微妙な解釈を加えるのか、二つの手法が混在しているのは本作の特徴だ。また信長ではなく信奈という少女の一生を、あの高校生男子が導いていくというのは、ある意味で光源氏が葵上を育てるのと同じ感覚があるのかもしれない。そして信奈は天下を統一する一方で、この時代の矛盾としての秀吉がすでに死亡している世界は、やはり問題があるだろう。そもそもこの物語では、高校生男子がタイムスリップしてくることをまったく問題にしていない。「戦国自衛隊」にもよく似ているが、元の時代に戻ることを目的として歴史に介入するというのでもない。
 筆者がかつて見ていたマンガやドラマなどによる「織田信長像」というのは、世界を見据える先見の明を持ちながら冷徹な武将でもある「魔人」という側面がクローズアップされる事が多い中で、本作ではむしろ「開明的な人物」を女性というキャラクターに反映させている。それを支えているのは高校生男子という事になるのだが、戦国の魔人・織田信長に未来を熟知している何者かが傍らにいて信長を導いたとして、果たしてこのような物語が紡げるだろうか? この答えが武将の女体化であり、本作が戦国ラブコメである故なのだろう。物語中盤では明智光秀の心の内がクローズアップされたり、信奈自身が真だと思われた男子高校生の仇討ちのために魔人となりそうなエピソードにふれることで、信長の悲劇的な晩年を回避しているようにも見える。物語終盤には金ヶ崎の撤退戦や比叡山の焼き討ちが最大イベントとして取り上げられている。どうやら原作とは異なるエピソードになっているそうだ。現実には織田家の中でも孤立を深めて、誰にも理解されないまま魔神と化して壊れていくだけの信長というのが鉄板だが、ラストで示されている武田信玄も顔を出し、第2期ではこうした部分をどう描くのか? 意外にも楽しみだったりする。

「アクセルワールド」
 架空世界がこれだけ凄惨ならば、現実世界はできれば救いや癒しであってほしい。その願いはこうしたアニメや漫画やゲームを知っている者にとっては絶対にあり得ない。どれだけ架空世界が凄惨だろうと、現実の方がはるかに無残だからだ。その無残さは何も命のやり取りをする凄絶なものではないかもしれないが、生きているだけでつらいことなど、この現実世界ではいくらでもあるではないか。それなのになぜ人はアニメや漫画,ゲームにこれほどのめり込んでしまえるのだろう? ましてや現実と架空世界がこれほど隣接し、接触し、入り込んでしまっている設定の「アクセル・ワールド」や同じ作者の「ソード・アート・オンライン」がこれほどまでに魅力を放ち、あまつさえ人気を博してしまえる事情を、筆者は正直図りかねている。
 例えば本作で言えば、「黒雪姫」を含めた少女たちのビジュアルや、メインキャラクターのデュエルアバターのデザインセンス、「ブレインバースト」と呼ばれるネットゲームの、細部にわたるまで構築された世界観とその歴史など、ぱっと見でもいくつもの美点が見られる作品であることは、いうまでもない。そして架空世界における人間関係が現実に影響を及ぼし始め、やんわりとした黒雪姫と主人公・春雪のささやかなラブストーリーも、確かに魅力的なのはわかる。架空世界の苛烈なバトルゲームと現実のやわらかさがメリハリとなっているし、何よりバトル一辺倒の架空世界に対して、現実世界が問題解決の場であったり、その逆のパターンもある機能的な面も良くできていると思うのだ。もっとも現実世界でハンデを背負うとネットの中でも不利に働く。そのために卑怯な人間はどこまでも卑怯になれる。それはまた匿名性に隠れて他人を誹謗中傷する人間となんら変わりがない。そうした気持ちの悪さもある、ちゃんとした清濁併せ持つ世界は、ネットの中の出来事が現実世界のニュースとなる日常と同じだろう。
 「ソード・アート・オンライン」では、現実世界を断ち切った架空世界に現実世界の「死」を引き込んだ。それはゲームの結末としての人の死に意味を持たせる重たい枷となるが、一方の「アクセル・ワールド」では継続することが前提でありながらも、プレイヤーがレベル10に到達するという、この架空世界の終わりをほのめかして物語を進めている。この「ほのめかす」がおそらく重要で、実質的に「終わらない」ゲームなのだ。「バーストリンカー」と呼ばれるプレイヤーが、このゲームの中でレベル10を目指し、それがなしえたときに何が起こるのか? そこにあるのは、プレイヤーの思考を超えたゲーム制作者の思惑とは? そうやって思考が進むって事は、この作品のファンはやっぱりゲームのエンドが見たいのだ。その意味でこの作品は視聴者がプレイヤーを疑似体験しているゲームをなんら変わらないではないか。なるほど、優れたゲームは優れたアニメになり得るのということか。ゲーム制作者の手のひらで、現実世界の人間が踊らされるという物語設定自体は、実はそれほど新味のあるものではない。レイバーのOSに仕掛けられた暴走因子が主題となる劇場版の「パトレイバー」1作目や、古くは敵の御大将にたどり着いてみれば、それは自分の所の大将だったというような自作自演的な時代劇などは、この系譜に連なるものといっていい。優れた作り手である「サンライズ」が本作を制作している意図も、この辺りにありそうだ。

「貧乏神が!」
 生まれの不幸ゆえかどうかはわからないが、幸福エナジーを独り占めしている女子高生から、幸福エナジーを抜き出そうとする貧乏神。この二人の繰り出すスラプスティックコメディだ。ジャンプ系のギャグ漫画の系譜を一歩も出ていない作品なんだけど、これがまた存外面白い作品に仕上がっている。この作品、タイミングがものすごくいいのだ。ボケのタイミング、突っ込みのタイミングが長くもなく短くもなく、上品すぎず下品すぎもしない(いや、むしろ乳がらみはしつこいぐらいだが)。原作を読んでいないのでなんとも言いがたい所だが、アニメ化に辺り細かいコマや台詞(書き文字含む)まで拾っているようで、そんな感じも気持ちがいい。また時折出てくるどうでもよさげなゲストキャラの扱いがたまらない。特にパロディ満載の9話のデタラメさ加減は筆舌に尽くしがたい。 それを支えているのはメリハリの効いた演出だし、テンションの高い演出を支えているメリハリの効き過ぎた出演陣の演技だろう。「青田買い」の時にも書いたのだが、主演・花澤香菜の超絶ハイテンションの演技が聞けるのはこの作品だけだろう。撫子があれば十分とか思っている方には是非とも見てほしい。また最終2話には貧乏神・紅葉の裏が登場するが、こちらも声優・内山夕実の振れ幅のある演技を拝むことができる。
 全体的にはM-1グランプリで十分楽しめたコンビなのに、優勝は逃しちゃって残念ね!ってな感じ。ではどうして残念か?といえば、この作品がプライムタイムに放送されないことだろう。先ほどジャンプ作品の系譜を一歩も出ていないと書いたが、それゆえに良コンテンツである作品にもかかわらず、この程度の「乳」がらみでプライムタイムでの放送が見送られるような、放送局自体の野心のなさ、あるいはテレビ根性のなさが残念でならない。この作品がもし夕方6時台や7時台に放送されたとしよう。それは間違いなくやり玉に挙げられて、テレビ局ごと叩かれるかもしれない。ただ、送り手が明らかに視聴者に遠慮している姿しか見えないのだ。この程度の毒もあおれないようでは、正常な判断が下せる人間にはなれないだろう。今のテレビというのは逆説的に害毒なのかもしれない。
あ、主題歌の歌手・ピコの出演するCMがこの上なく気持ちが悪いことを付け加えておく。どれほど歌が上手かろうが、あれは筆者には無理です。
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