「謎の彼女X」全話レビュー:9話「謎の『なんだかちょっと』」

<物語>
 その朝、卜部さんの髪はものすごい寝ぐせで。学校では丘さんが卜部さんの髪を整えて、普段と違う髪型にしてしまった。前髪を上げて目を出している卜部さんはクラスの注目の的に。女子にも男子にも好感度アップして、椿くんはなんとなく不機嫌な様子。帰り道、椿くんは独占欲から卜部さんに髪型を戻してほしいという。すると卜部さんは椿くんの両手を借りて髪をぐしゃぐしゃにしてしまう。「はい、元の髪型」そういった卜部さんはいつもの姿に戻っていて。卜部さんは髪をめちゃくちゃにされて、なんだかとっても気持ちが良かったようだ。
 翌日の昼、卜部さんは髪型を変えようという丘さんの申し出を拒否する。丘さんは卜部さんのよだれをなめると、またまた丘さんはめがねを曇らせる。そして卜部さんに髪をぐしゃぐしゃにされる。その放課後、丘さんは上野くんに髪をぐしゃぐしゃにしてもらうと、丘さんもやっぱり気持ちが良かったようで。
 ある日の休み時間、屋上で男子たちが騒いでいるのは、髪をあげた時に隠し撮りされた卜部さんの写真。椿くんは嫉妬の炎に身を焼きながら、それでも卜部さんが自分だけの恋人であることを言い出せないでいる。男子の内の一人が、卜部さんの顔がアイドルの「今井百夏」に似ていると言い出して、椿くんはその日の放課後に本屋で今井百夏の写真集を購入する。急いで自宅に帰った椿くんはじっくりと写真集を鑑賞。ついアイドルと卜部さんを見比べたりして。
 翌日の放課後、上野くん→丘さん経由で聞いた情報をもとに、卜部さんは椿くんの持っている今井百夏の写真集を見せてもらう。うれしげに写真集を見せる椿くんに、一番好きな写真のページを開かせた卜部さんはパンツハサミを発動させて、ついに写真集を切り刻んでしまう。卜部さん椿くんに負けず劣らず独占欲強かったのねっていうお話。

追記(2012.11.13)
同じように本作を1話ずつレビューしている方がいらっしゃいました。本作のイベントにも参加され、スタッフやキャストの裏話も読める、実にお得なブログです。ぜひ合わせてご覧いただけら幸いです。

KAGEブログ・光ある所に影がある(http://yaplog.jp/kage-dg/)



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●演出:山内重保 作画監督:羽山淳一

●出典は原作4巻第23話「謎の『なんだかちょっと』」、第24話「謎の偶像」より。ちょうどAパートとBパートに分かれています。

●カーテンのレースが透けて影を作る。影の映っている肌色は、なんと卜部さんの寝姿だ。レースとはいえカーテンが揺れているって事は、窓が開いていて風が入っている証拠。しかも卜部さんは裸で寝ているというなまめかしいスタート。椿くんがこれを見たら、卒倒しかねませんなあ。

●ちょっとエッチなフランス映画でも見ている感じに浸っていると、けたたましく目覚ましのベルの音が。目覚ましに伸ばした腕もまた素肌で。でも時計はビタっと止めるのね。このギャップこそが卜部美琴なんだろう。それにしてもベッドのパイプにくくりつけてつり下げてある目覚まし時計って、ちょっと珍しい。

●ほんとうに眠そうな卜部さん。髪の毛もぼっさぼさ。吉谷さんのアクビの演技も堂に入ってます。次の瞬間に1分動くところを見ると、この一連の映像はぴったり1分の出来事のように見える。

●登校した卜部さんの髪型はやっぱりそのままのぼっさぼさ。普段の卜部さんの髪も、他のキャラクターよりも外側にはみ出している髪型が特徴で、卜部さんという人はあまり髪の毛に気を遣わない人のようだ。そもそも普段着で来ている服にしても、ワンピースが多いことは以前も指摘したとおり。しかもカラーリングからデザインまで、ものすごくあっさりしたものが多いから、卜部さんという人となりが現れている服装センスと言ってもいいかもしれない。逆に丘さんは装飾過剰気味。

●学校にドライヤーを持ってきている丘さん。このあたりやっぱり女の子らしさが出ている気がするのだが、むくつけき男性の目からすれば、教科書もってお弁当もった上に、ドライヤーなんてかさばるものを持って学校に来るなんてあり得ないと思ってしまう。でも女の子は教科書を学校においてでも(男子もだけど)ドライヤーの方が大切なんですね。

●さて丘さんが卜部さんにドライヤーをかけるシーンがややソフトフォーカス気味になっているのだが、この時ほや~んとした表情で卜部さんは若干恍惚とした表情を見せている。男性でもそうだが、理髪店や美容院などで他人に髪をいじられたり洗われたりするのは、人生の中でもかなり気持ちの良い事象だ。つまりこれって卜部さん主観のイメージ映像でもある。そしてまたこの「他人に髪をいじられる気持ちよさ」が、Aパート後半への伏線だったりする。

●髪をあげて目を出すととても可愛い。これって眼鏡を外すと美人っていうお約束となんら変わらないと思うのだけど。「Aチャンネル」という作品には父親の溺愛をよそに、わざと眼鏡をかけて髪を後ろで結んでいる「ナギ」という娘がメインキャラクターとして登場する。この子の口調はあきらかに作って荒い言葉を使っているが、それもこれも父親の溺愛を否定したいからだ。では卜部さんが前髪で目を隠す理由はなんの理由があったのだろうか? まあ、他人と目を合わせて接触するのを避けていたとみるのが普通かな。

●目を出して可愛いと言ってくれるのは、7話「謎の流行風邪」に登場する陸上部の矢島さんだ。だが「可愛い」と褒めてくれる言葉にまったくの無表情の卜部さん。今回はその卜部さん自身の容姿がテーマだが、卜部さん自身は自分の容姿にまったく無頓着のようだ。

●体育祭以降、再び卜部さんに注目が集まる中、椿くんは独占欲と嫉妬にかられているが、友人の上野くんは我関せず。さて女子の体操服ですが、アニメでは完全に短パンになっているが、原作ではブルマか短パンかどっちかはっきりしない。裾の長さが中途半端に短くなっており、見ようによってはブルマにも見えるような裾の長さになっている。

●放課後の帰り道。いつもの夕方の風景に見えますが、今回だけはなぜかやけに赤いんです。前回の次回予告では背景だけがやけに赤かったのだが、本編ではキャラクターまで赤くなっており、まるで最終の仕上げの時に赤いマスキングでもかけたかのように見える。これほど赤いのはこの回だけなので、もしかしたら技術的な手法をお試しでやってみた映像である可能性があるのかもしれない。

●椿くんに明日の髪型の話を聞かれて、「丘さんが~」と返している。このことからも卜部さんは自分の身なりにあまり執着しないことが見て取れる。

●椿くんは照れ隠しなのか、「その髪型をやめて、元の髪型に戻せ」という時に、卜部さんを見ていない。アップになったときすら椿くんの目はやや隠れがちだ。こうやって自分の本心である嫉妬や独占欲を見せたくないための表情なんだろう。しかも卜部さんも「なんで?」と聞き返しても答えを求めていない様子。

●それでもやおら鞄をおいて、椿くんの手を借りて髪をぐしゃぐしゃにしてもらう卜部さん。卜部さんには椿くんの隠した本心が言葉にできないまでもなんとなく見えているってわかるシーン。しかも卜部さんが鞄を持ち上げたときの腕の振りの大きさが、なんだか卜部さんのうれしそうな気持ちを代弁しているようにも見える。

●「椿くんに髪の毛めちゃくちゃにされるのって、なんだかちょっと、気持ちいいね」椿くんはこの台詞を「Hだ」と表現したが、卜部さんにとっては前回に引き続いて、また一つ新しい感覚を手に入れたエピソードなんじゃないだろうか? 前回からこのエピソードまでは原作通りの順序なので、よく練られている原作の構成に舌を巻く思いだ。

●翌日のクラス。ガヤの声を聞いていると、ちゃんと吉谷さんの声が聞き取れます。

●このエピソードの面白いのは、卜部・椿ペアだけではなく、同時進行で丘・上野ペアにも同じように新しい感覚が加わって、ステージが上がっていっていることがわかる点だ。実はこれまで「丘→卜部」ルートで展開してきた物語が、前話から「卜部→丘」ルートが登場し、二組のカップルが同時進行で互いの恋愛を進ませている状況ができあがる。これによって丘・上野ペアも物語の主要素であることがはっきりする。

●今回のベーコン巻きはパスタ。主食にもなるって、どんだけベーコン好きですか、丘さん。

●卜部さんの発言から椿くんの行動を推測してみせる丘さん。一方で丘さんのいう「椿くんの独占欲」に改めて気がついた卜部さんは、ここでやっと昨日の椿くんの言動に、言葉を見つけたことになる。

●卜部さんのよだれを舐めた丘さんの一挙手一投足は、全身で驚きを表現している演出。特にワンカットだけ足の演技を入れるあたりのインパクトは大きい。一方の卜部さんの台詞はなんとなく心ここにあらずな雰囲気で、ほわんとした柔らかい口調だ。

●そして卜部さんの言う「気持ちのいいこと」を実際にやってもらう丘さん。お弁当箱の中のパスタのベーコン巻きがほどけていく。これが丘さんのぼさぼさの髪の毛とシンクロしている。が、ここで丘さんの眼鏡はずれているものの、曇ったりしてはいないし顔も赤くない。

●ところが帰り道で上野くんに髪の毛をめちゃくちゃにしてもらうと、丘さんの眼鏡は途端に曇り、顔も赤らんでいる。ここで丘さんは卜部さんが椿くんにやってもらったことの真実を知ることになる。ここで初めて卜部→丘ルートが完成し、二組のペアはほぼ同じラインに立ったことになる。

●卜部さんは椿くんに「めちゃくちゃにして」という。丘さんは上野くんに「かき回して」という。このニュアンスの違いで比較すれば、やっぱり卜部さんのほうがややエロいw。

●アイキャッチは和室の障子の向こうに隠れて顔をだしている卜部さん。どうやら裸でしかも髪をあげていて、赤いリボンまでつけている。やっぱりちょっとエロい。

●卜部さんの隠し撮り写真を屋上で売ろうとしているのは、椿くんたちと同じクラスの写真部の中島くんだ。写真部とはいえ、たった1日の卜部さんをあれだけ隠し撮りしているってことは、それなりに機材もそろっていることになるし、隠し撮りの腕もあるってことだ。もちろん写真を撮られることを避けている卜部さんだから、直接お願いしたりはしていないはず。う~ん、これって立派な犯罪予備軍ではないだろうか?

●そして燃え上がる椿くんの嫉妬と独占欲の炎。まあ、公言していないのだからしかたない。上野くんと丘さんにしても、これだけ毎日のように二人でいて、どうして見つからないのだろうか、不思議でしようがない。普通はすぐバレます。

●上野くん、椿くんが嫉妬にかられていると、その様子をみて「トイレか?」と聞くのがどうやら本話でのルーティンになっているようだ。Aパートでランニングしている椿くんに声をかけたときも同じ事を言っている(Aパートのこのシーンは原作にない)。

●中島くんに写真を進められた椿くんと上野くんの思考が対照的だ。原作ではこのシーンを1コマで表現されている。まあ写真の対象がもし丘さんだったら、立場は逆になるに決まっているが。

●ここで初めて「今井百夏」の名前が登場する。イマドキのアイドルだそうだが、椿くんは知らなかったようだ。現在のようなグロス売りのアイドルが乱立している状態だと、個人を特定するのはかなり難しいだろうが、ピンで売り出しているアイドルがたくさんいた時代(80年代など)だとすれば、椿くんは朴念仁なのか? 映画を見る人なら、女優さんにもこだわりがあっていいと思うのだが。それとも恋は盲目?w

●その放課後の帰り道、夕焼けまでにはまだ間がありそうな時間に、いつもの日課を済ませる卜部さんと椿くん。電柱が写っているカットに、よだれの授受の音が入るのだが、見慣れたとは言え、あいかわらず不思議な光景だ。んで、椿くんは本屋へGO!

●「今井百夏」は卜部さんと同じくつり目ではあるが、胸の大きさと髪の色が茶色なのが最大の違い。このアイドルが原作6巻から7巻前半までの台風の目となる人物なのだが、これまで椿くんが卜部さんに試されていた絆を、今井百夏の登場によって卜部さんが椿くんとの絆を試されるというエピソードになっている、重要なエピソードだ。

●上野くんが丘さんに写真のことを話している。上野くんが卜部さんの写真を買わなかったと聞いて、満足げな表情の丘さん。でも上野くん、丘さんにはなんでもしゃべっちゃうのね。それはそれで友達なくすゾ!

●翌日のお昼休み。いつものように丘さんが卜部さんに近寄ってくる。丘さんの手に持っているのは今井百夏の写真集・・・ですが、パッケージ版では次回アバンタイトルで椿くんが書店で購入するTV情報誌に変更になっています。まあ、丘さんがいきなり三千円もする高額な写真集を買うよりも、雑誌の方が自然でしょう。こんな修正もあったのね。筆者が気づかない細かい修正が、きっとあるんだろうなあ。DVD買って良かったなあ(ほくほく)。

●その日の放課後、二人の帰り道。いつもの日課。卜部さんからの足下から入るのだけど、この卜部さんのつま先立ちが、よもやキスか?と思わせるようでいて、やっぱりいつもの日課というのがたまらなくイイのである。

●このシーンの夕焼けの赤はまた他の回とも違う赤だが、先刻の赤とはだいぶ違う。で、卜部さんはちょっとご立腹のようで。右手で髪をはらう仕草は、椿くんの言い訳なんかどうでもよいと言いたげだ。口調は普段通りなのに、やけに引っかかる。

●そして「どれ?」と聞く卜部さん。椿くんも焦っているのだけど、卜部さんが怒っている理由が皆目見当が付かないので対応に苦慮している様子。そして夕暮れを超えて街灯に灯がともる頃、今井百夏の写真集に対してついにパンツハサミが発動する!

●今回は全身で切る動作ではなく、ハサミ自体をフィーチャーして絵が作られているパンツハサミのシーンです。まるで「峰打ちじゃ、安心せい」とでも言い出しかねない、パンツハサミ終了後の卜部さんのポーズが面白い。

●せっかく目が見えるのに、卜部さんはえらくご立腹で。でも卜部さんにも椿くんと同じように独占欲や嫉妬の思いがあることがはっきりと解るエピソード。こういってはなんだが、「私がいるのに、なんでエロ本が必要なの?」と言ってくる女子みたいだ。そんな卜部さんには、「それはそれ、これはこれ」とかいう言い訳は通用しなさそうだ。

●次回予告。よだれでも甘いと太るのか? 椿くんの話だけなら、単なるノロケ話なんだけど。それとも卜部さん、よだれの味の調整って、気持ちの問題以外でできるのかしら?なお5巻のコメンタリーによれば、次回予告やCMの脚本は、すべて赤尾でこさんによるものらしい。

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