2013年1月期スタートアニメ最終回

 さて、今回もこの季節がやってきましたので、粛々と書いてみようかと思います。今期最終回を迎えた作品で、筆者が視聴していたのは以下の作品です。

ジョジョの奇妙な冒険
さくら荘のペットな彼女
ガールズ&パンツアー
ビビッドレッドオペレーション
俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる
たまこまーけっと
GJ部
ささみさん@がんばらない
僕たちは友達が少ないNEXT
大人女子のためのアニメタイム

 その他に「ダンボール戦機W」とか「トランスフォーマープライム」「しろくまカフェ」「ロボティクスノーツ」「サイコパス」なども見ておりましたが、今回は触れません。もしかしたらどこかで触れるかもしれませんが、そう書いておいてほったらかしている作品の多いこと・・・ええ、お約束はできませんので(T-T)

「ガールズ&パンツアー」
 引っ張りに引っ張った10.5話の総集編からインターバルをおいて、先頃11,12話が放送されてエンドとなった。前期ではヒットというにはあまりにもささやかな感じのヒットだった気がしていたけど、結果的には今更のように作品評価が高まった感じだ。登場戦車のプラスチックモデルも発売され、今まさに盛り上がりを見せ始めたこの作品は、しばしのインターバルを経ていつか再び第2期が放送されることになるだろうと思われる。今はまだ大洗女子が廃校を免れただけであり、戦車部の本格的な活動はまだまだこれからなのだから。
 本作のなにが面白いって、やはり丁寧に見せてくれる戦車による地上戦闘の作戦行動と、その推移そのものの面白さで、それは戦記物の面白さに等しい。しかもどちらの軍勢もほぼ等しく描いてみせる丁寧さ、CGで描かれた戦車や砲塔下部からのぞく風景、戦車の動きのリアルさは、これまで密閉空間として描かれていた戦車戦の中と外が演出的にきちんとリンクしているあたりまえの情景を、見事に楽しませてくれるのだ。そしてそれぞれの戦車の長所が勝利につながり、短所が敗北につながる理にかなった作戦行動の全てに、見るものが一喜一憂させられるテンションは、アニメや映像作品を見ている楽しさにあふれている。
 残念なことが一つあるとすれば、登場人物が多すぎて主役クラスのメンバー以外は区別が付きにくいことだ。戦車一両に必要となる人員が複数いるのだから、こうなることは当たり前なのだが、声だけでも判別できる自信もなく、人物と戦車のリンクが頭の中で付きにくかった。とはいえそれは筆者がロートル故であるから、本質的に本作の評価とは別のお話だ。とにかくいまはこの作品の続編を心から願っている。

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「たまこまーけっと」
 今期、筆者が個人的に最も楽しんだのはこの作品でした。うさぎ山商店街を舞台とするお餅屋さんの娘・たまこが南国からやってきたしゃべる鳥・デラと出会うことで始まる、ほんわかゆるふわなコメディ作品だ。Togetterあたりを見ると、この作品がわからないと仰る向きもあるそうですが、筆者にとってはその昔TBSで放送していたコメディドラマである「ムー一族」とか「寺内貫太郎一家」、「谷口六三商店」、日テレで放送していた「天まであがれ」や「あんちゃん」などのイメージに近く、最近ではとみに少なくなってきているコメディホームドラマというジャンルに最も近しいと感じている。そこにある善意のかたまりが、商店街やたまこの家族を包み込んでおり、悪意の入りこむ隙が無く、入り込んだ悪意すら笑い飛ばしてしまうほどの全方位の善意でできている世界は、近年では信じてもらえないのだろうか。
 例えば物語の核となる王子のためのお后候補探しの件で、チョイちゃんの占いがたとえ行われていなくとも、誰もそのことでチョイちゃんを責める者はいないし、物語の中で問題にさえなっていない。みどりちゃんやもち蔵がどれだけたまこを好きでも、その行為から二人が微妙な雰囲気になることはあっても、それが悪意に変化することはない。しかもそうしたキャラクターの想いがそこはかとない演出で透けて見えるだけで、決して台詞に落ち着いたりしない。そんなささやかさが信条のアニメなのである。だからほんわか見られる。見終わった後でほかほかする。本作はそんなアニメだった。「アニメスタイル003号」における監督・山田尚子のインタビューを読む限り、本人もご自身が見てきたTV番組の雰囲気を取り入れたいという話があって、なんとなくどんな作品を見てきたのか、わかるような気がした。それが先のホームコメディドラマだろうなと雰囲気でわかるのだ。本作は「けいおん!」シリーズのような大ヒットとはいかなかった作品だろうが、山田監督の作品群として一連の流れで抑えておきたいアニメだし、心がささくれだったときに、引っ張り出して見たいアニメだと思う。

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「GJ部」
 この作品のキモは、部活の中の人間関係だけをベースにしていること。別にそれが特殊なわけではない。例えば「生徒会の一存」や「生徒会役員共」なども同じ分類だろうか。その中でこの作品が際立って面白いのは、全力で遊んでいるってところだと思う。先に示した2作品は前提として「生徒会活動」というお題目があって、そこから逸脱することに面白さがある。この作品は登場する女性キャラクター全員が、全力でキョロを使って遊んでいることだ。何より目的があるわけでもなく、あくまでキョロを本気でからかい、キョロで遊んでいる。そしてそんな遊びの時間が何より楽しく想い出の時間として大事なものになっていく。なんとなく透けて見えるキョロへの好意もポイントだ。最終回の卒業というイニシエーションが、それを際立てているのも見逃せない。物語がないだけに、「はがない」と同様の構造の作品でありながら、「はがない」と差別化される点があるとすれば、それは本作が根本的に何もないことの軽やかさであり、その軽やかさこそが視聴するハードルを下げている。でも部活にいてそこで何をするでもなくたむろしているのんびりとした時間の楽しさってあるよね、という感覚があるからその軽やかさが気持ちいいのだ。とはいえ、後に何にも残らない作品ですけど。

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「ささみさん@がんばらない」
 そもそも人気のあるラノベ原作のアニメであるだけでなく、新房昭之監督×シャフト作品なので当然注目度も高い作品だったが、フタを開けてみればやはり堂々とした新房ブランドの作品だったなという感じの作品だった。日本神話をベースとした作品であり、日本神話への理解度もこの作品を楽しむポイントだろう。本作ではそうした設定の部分を台詞に依存しているだけに、台詞を聞き逃すとなんとなく気持ちがつられてしまう。そのくせビジュアルとしての面白さが際立っている作品なだけに、そちらに集中すると台詞が聞き取れない。そのアンビバレンツな感情のまま見ていると、とても疲れる作品ではあった。阿澄佳奈や花澤香菜の耳障りのよいかわいらしい声が聞こえる中で、やっていることはけっこうエグいことやっているのに、設定部分などどうでもよくなったりもする作品だった。
さて、ささみさんのご実家が、神の力を司る一族なのはいい。その力をどう行使するかで世界を破滅に導いたり守ったりという話もわかる。とはいえ、こうまで「神」という存在を擬人化してもいいものなのだろうか?という疑問が常に残るわけだ。しかもその力が一族の血統に連綿と受け継がれていくことが、どれほど個人に対して負担を背負わせるのかということを考えたとき、ささみさんのご実家というのは、それを支えるシステムとしてあまりに脆弱すぎやしないかと思うのだ。世界とはそれほど特定の一族や血統に庇護されているものなのだろうか。もちろん本作はそうした大きな力自体を否定しているわけで、ささみさんががんばらない最大の理由は、本来の世界のあり方をゆだねるべきは誰なのかを、引きこもりのパソコンから考えてもロクなことにはならない気がする。ささみさんがせいぜいがんばれる範囲のがんばりで学校に通い始めたことを考えれば、世界の命運などどうでもよさげなささみさんの日常は、彼女をささえ、ひいては世界を支えるのである。
原作ではさらに広範囲にわたる世界の神々にも触れてくる作品なだけに、第2期も期待してもいいのだろうか。

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「僕たちは友達が少ないNEXT」
 インターバルをおいての登板となった「はがない」の第2シーズン。前シーズンのラストで髪を切った夜空。本シーズンでは隣人部の全員に夜空が小鷹の幼なじみであることがバレたり、小鷹と星奈の父親同士が知り合いで、親が決めた許嫁だったりといった裏事情が話に絡み始める。またマリアの姉も登場し、さらに賑やかだ。ところがその人間関係を崩したくない小鷹によって、人間関係自体は全く動かずにシリーズは進んでいくのである。ところがこの人間関係にそれぞれがそれぞれの想いを持っていらだっている中で、唯一冷静さを装っていたはずの志熊理科が、最終回で大爆発する流れは、見ていて涙があふれてきた。どうやら原作でも裏主人公とされている理科だが、今回は小鷹のチキンぶりにぼそっと文句をいう理科のシーンが散見されただけに、その展開は実にうなずけるものであったから、ただのおっぱいアニメ枠と侮るなかれ。筆者はおかげで理科役の福圓美里さんがまた好きになってしまった。
 もう1点、筆者が本作でとても気になったことを指摘しておきたい。本作でも小鷹は結論を先伸ばしていている。たとえ彼の性格設定がチキンだったとしても、この決断を避けるということ自体が実に面白いと思えたのだ。かつて「ゼロ年代の思想」の中でゼロ年代の作品群を決定づけた「決断主義」は、ポストゼロ年代となるこの年回りになって、完全に否定されているのではないかと思い至ったのだ。翻って今の日本の問題点としてあげられている近隣諸国との領土問題について、とある識者が言うには、実効支配しながらの時間経過こそが、後々の国際社会において領土と認められる根拠になるのだという。そのために性急に事を決断することなく、事態をあいまいにしたまま実効支配を続けることこそが、日本の領土問題を有利に進めるというのである。あいまいさとは日本人特有の気質でもある。とするならば、日本人の気質としての和を重んじる心、争いを拒否したいという願いが決断を拒否するならば、それはアリだと思えるのだ。現に小鷹が聞こえないフリをしてまで決断を先延ばしにする行動そのものは、隣人部という場所を失いたくないためだし、隣人部の和を重んじての話だ。しかも彼は自分の非を自覚している。時間が問題解決を促すだろう事を読み切っているのだ。和を重んじ衝突を回避するための決断の回避。それはかつてのゼロ年代にあった、決断によって事態を無理くり進展させようという事を否定してみせるのではないか。本作はもしかしたら「決断の拒否」を日本人の気質としてではなく、ポストゼロ年代として描いた作品として記憶に残るのではないだろうか・・・というのはきっと言い過ぎだろうな(苦笑)。

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木村良平、井上麻里奈 他

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「ジョジョの奇妙な冒険」
 結局第1部「フォントムブラッド」と第2部「戦闘潮流」をアニメ化して約2クールの放送となったわけですが、これ、やっぱり視聴率とかの問題で、第3部までやるつもりがあったんでしょうかね? なお第1部自体は1度劇場用作品として公開されているのだけど、その後どうしたわけかDVDにもならず、お蔵入りしているんですよね(集英社さん、はよう解除してや)。
 最初に目に付いたのがOPの楽曲と原作の絵柄をCGで書き起こして動かした映像そのものだろう。まるで紙に書かれた荒木飛呂彦先生の絵が、むくっと起き出してきて動き出した印象のあるOPは、CGらしいぎこちない動きながらも見るものに与えるインパクトの大きさはハンパない。
 さて本編に目を移すと、かつて第3部のおいしいとこ取りしたOVAシリーズでは試みられなかった、原作にある擬音を映像として文字で表現するという荒技が目を引いた。これって昔アメリカで作られた実写版の「バットマン」にも似た表現があり、その後「忍者戦隊カクレンジャー」初期などにも見られたアイデアだ。カクレンジャーが原作を持たないぶん、バットマンや本作のように原作漫画のテイストを最大限拾い上げる熱意がコレを成し遂げたと思いたい。
 そしてなんといっても第1部はディオ役の子安武人、第2部はジョジョ役の杉田智和、この二人の快演が光る。もちろんその脇を固めるベテラン声優陣の豪華な布陣も魅力的だった。もうこの出演陣だけでもスタッフの本気度が伺えるというもの。ネット上でも情報が公開になった途端にすぐに話題になっていたのが懐かしい。何より第2部の3戦士カーズ、ワムウ、エシディシの3人はもう、この人たちしかいないのではと思わせる納得のキャスティング。そして誰もが楽しみだったあの台詞やこの台詞が、ケンドーコバヤシ以外の声(笑)で聞けるわけだ。これだけでもう耳得だと思う。
 第2部は初めて映像化されたわけだけど、これまで何度もあっただろうアニメ化の話が、どうして成就しなかったのかと思わんばかりの出色の出来だ。特にアクション部分をどう描くかは、ジョジョ好きアニメ好きの面々には注目度が高かったに違いない。これがもう動く動く。それもぬるぬる動くタイプではなく、画面構成や押し引き、アングルで見せていく手法は、やはり原作漫画の表現を意識してのことと思われる。枚数をかけて動かすよりもたった1枚の画が効果的な場合だってある。特に見得を切るように魅せる、いわゆる「ジョジョ立ち」のシーンのかっこよさ圧巻さは筆舌に尽くしがたい。
 実は原作に見られる不可思議な部分が改変されて、辻褄合わせされている部分も見逃しがたい。こうした改変がやはり受け入れられる状況を見れば、改変自体に問題があるわけじゃないってことがよくわかる。
 とりあえずですね、第3部以降のアニメ化を心待ちにしていいのだろうか。EDでは承太郎がでてくるし、CMでは第4部の仗助はすでに登場しているので、是非ともなんとかしてほしい。

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「さくら荘のペットな彼女」
 2クールにわたりいろいろと話題を提供してくれたこの作品。原作改変についてここまでネット上で叩かれた作品もそうないんじゃなかろうか。そしてまたその叩かれ方が、どうにも複雑なのが今でも心に引っかかっている。改変の理由の想像と嫌韓がすりかわっているあたりがやっかいだ。個人的にははっきり申し上げてどうでもいい改変で、心残りはあの料理をもう少し美味しそうに描けていれば、また違ったんじゃないかと(そんなことねーか)。
終わってみればやっぱり「椎名ましろ」という巨大な才能でありながら、感情表現すらままならない少女が、一人の男子高校生に恋心を抱くまでの心の成長の物語であり、がんばって前に進もうとする高校生たちの悪戦苦闘を描いた物語だった。それでもそんなましろですら、身の回りで起こっている事態をどうにでもできるわけではなく、他のメンバーと一緒に歩調を合わせることが、物語のより重要なキーなのだと。なんというかシリーズ構成・脚本の「岡田麿里」という人のホンらしく、やはりがんばっている人間がそのがんばりに応じて右往左往する様は、その結果の成否に関わらず、「報われたい」という想いの連なりが説得力を持って語られる。その一方でそう簡単に報われることはないことの現実の重さをもきちんと伝えている気がするのだ。仁の受験、美咲の想い、青山さんのオーディション、空汰のプレゼンテーションなど、それぞれが目指す1点に向かって全力で走っている。ラノベ原作がアニメ化されてよかったなと思えるのは、文字にして感じにくい熱量が、アニメ化によって可視化するインパクトにあると思う。以前「とらドラ!」で見せた5人の高校生の全力さが、当時まぶしく思えたことがちょっと懐かしい。そんな全力さの熱量って、やっぱり見ることでしか味わえないところがある。原作の本のままで手に取ることすらしなかった作品に、どうしようもなく心動かされてしまう瞬間に立ち会える喜びに、また一つ出会えた気がする。きっと筆者が見ていない作品にもそんなパッションがあるんだろうなと思うから、アニメを見ることをやめられそうにない。
恋愛に全力であれることは、「好き」に全力でいられる感性だと思う。それを「恋愛脳」として否定する気持ちになれない。人が持つ感情の「好き」はやはりエネルギー量が膨大で、その表現も過程も結果も様々だろう。あなたも、あなたも、目の前の好きを疑うことなく好きでいつづけてほしいと願います。

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(2013/01/30)
松岡禎丞、茅野愛衣 他

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「ビビッドレッドオペレーション」
 今期一番期待してみていながら、最終回まで気持ちよく完走した作品でした。「ストライクウィッチーズ」シリーズが好きだっただけに、ビジュアルがあり、それをさせる設定があり、注意を分散させないための配慮があり、おしりに対するフェチありと、しかも「スト魔女」からの改変点をあげつらって比較すれば、十分に計算された作りで好感が持てる作品でした。
 設定上の面白さでいえば、あかねに他の3人がおでこにキスすることで、合体するというコンセプト。最初はプロテクトヒーローものっぽいのかなと思っていたら、合体後のキャラが少し大人っぽくなっており、唇にルージュがひかれている演出は、まるで「魔法のプリンセス ミンキーモモ」を思わせて、どこか魔法少女モノの意匠も取り込んでいるのだなあと。ところであかねが合体のための器に見えてしまい、どうして彼女だけが器なんだろうと不思議に感じてしまう。ま、最終回は逆でしたが。彼女たちに零を含めた5人が主人公とはいえ、中心人物のあかねがただの器っていうのが、ちょっと違和感があるんですよね。これってなんの隠喩なんだろ?
 ネウロイでもアロウンでもいいですが、相変わらずその正体も目的も語られないことが、不満と言えば不満。最終回の巨大カラスアロウンは、あの「ワルプルギスの夜」はこえられないなあなんて思ったり。とりあえず人間を超える知性を持つ生命体で、人類が持ち得た示現エンジンという巨大な破壊する存在だけど、あのメビウスの環は時空の監視者ってことなのか。そのわりに零に課せられた使命はひたすら重く、気の毒なほど。対比としてのあかねの明るさがあまりに底抜けすぎる。一色博士にしたところで、彼の発明によって幸も不幸もあることもわかる。10話で互いの正体を知った零とあかねが対峙したとき、「うそつき」と呼ばれて傷つくのがあかねの側っていうあたりが、善悪を超えて相対化させているのだろう。そういう意味では、本作はやはり盛り込みすぎなのだ。一つの事象の両側面を描いてみせるというのは、それだけ情報量が多く、相対化された両極をまるっと救おうとすることは、物語の必然だろうと思える。1クールとしては盛り込みすぎではないか。もっと時間がほしかったし、2クールあったらもっと丁寧にできたかもしれないのだが。でも最終回まで楽しませてくれたし、とても気持ちのいいラストで爽快感がありました。一気見するのに適した作品かもしれませんね。

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「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」
 ラノベ原作のハーレム系アニメ・・・なんですが、これも「はがない」+「中二病でも」と何が違うんだろうか?という視点で眺めてみると、ちょっと面白かった。この物語、基本に主人公の男の子への恋愛感情があったとしても、そこで表現されている感情のベクトルは、夏川真涼と友達になるというファクターが抑えられていた。高校を舞台とする学園モノで、部活モノ、しかも男性一人のハーレムもので、幼なじみが3人もいて。でもこういう展開ならどう見たって距離の近い3人よりも、もっとも心の距離の遠い真涼がゴールだろうことは、序盤に想像がついた。その上で良家のご息女である真涼の生い立ちが、物語に弾みをつける。そして3人の幼なじみが切ないほどにいじらしければいじらしいほど、どうしてこうもどうにもならないんだろうと、ふと思わせる。おじさんの恋愛脳はこうやってどこまでも腐っていくんだなあと。この作品も結果としては結論の先延ばしであり、「はがない」同様の決断拒否型だったわけだが、この方法論って複数のキャラクターを殺さないことはできても、上手く生かせないのではないかと思い当たった。たとえば秋篠姫香などはバランス的に割を食っている感じだから。それでもできあがった作品を見る限り、この1クールではなんとも清々しいエンドを迎えているだけに、第2期はいらないかなあと。まあ原作はまだ続きがあるようですが。
 ちょっとだけ声優さんの話をしますが、本作では声優「田村ゆかり」の力量に感服しました。冷徹な美少女にいかばかりのデレを混ぜた演技はほんとうに聞き応えがあり、最終回ではほぼ全編にわたって彼女の本気を見た気がした。伊達に人気声優と呼ばれているわけではない。また千和役の赤崎千夏もよかった。端役を演じていることが多かった彼女にはじめて私が注目できたのは「キルミーベイベー」だったのだが、あの演技ラインできちんと喜怒哀楽を演じ別けているのは、私にとっては新鮮な驚きでもあった。

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「大人女子のためのアニメタイム」
 BS-NHKにて日曜夜に放送されていた作品で、直木賞を受賞した女性作家による短編小説をモチーフにアニメ化。しかも中越典子、中谷美紀、木村多江という女優を主役に据えて、大人の女性に向けて作られた作品群だ。自分を省みない夫との夫婦生活から逃げ出し、別の男性との新しい生活を始めた女性の、揺れる想いを描く山田詠美「夕餉」、中学時代の淡い恋の想い出に引きずられている女性の一夜のアバンチュールを描いた角田光代の「人生ベストテン」、そして家族の誰からも自分を否定されてしまった母親が、自分の居場所を再認識する山本文緒「どこかではないここ」という3作品だ。調べてみると2011年に唯川恵原作の「川面を滑る風」という第1回作品があったそうですが、申し訳ないことに未見です。
 キャラクターデザインはあきらかに質素で派手さはない。もちろん声優も派手めな感じの声質の人材をあえて避けているが、かえって主役を演じた3人の女優としてのうまさが光る。特に2本目の中谷美紀さんは本当に上手かった。それこそそんじょそこらの女性声優なら裸足で逃げ出すほどで、3作の中では最もテンション高めな作品だったから、そのテンションの上げ下げが見事にはまって30代女性の本音と建て前が透けてみえる演技は、女優魂すら感じた。
 物語自体はすでに折り紙付けの作品なだけに、ラストシーンまで安心して見ていられた作品群だ。NHKにもかかわらずラブホやベッドシーンがあったとしても、派手な動きのないアニメである。しかししっとりとした落ち着いた作りは、女性たちの心の中に静かにたまっていく澱のようなものをのぞいているようでもあり、触ってはいけない女性のやわらかな部分を触ってしまった感触もある。それだけに見る人を選ぶ作品ではあるかもしれない。でこういう派手さもなく、ちょっとした毒のあるドラマを人間が演じるには、あまりにも生々しいかも知れない。40歳を過ぎたおっさんがいうのも変ですが、こういうアニメ作品もいいものですよ。NHKさんにはどうぞこの作品をシリーズ化していただきたいものです。
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テーマ : アニメ
ジャンル : アニメ・コミック

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プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
43歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
愛する、男オタ。
特撮は主食、
アニメは副菜。
後期必殺を好み、
スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
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