「エヴァンゲリオン新劇場版 破」を見ちゃった

 いろいろいってくれる人もいるもので、先週見に行った「新劇場版 破」。なかなか自分の中で言葉にならなかったもので、少しほったらかしておいたら、直接私に電話してきて、「何で書かないんですか?」と行ってくる友人がいた。こんな零細ブログで、ありがたいことです。いやほんと(見てるか、うめさんよ)。

 正直に告白しますが、これを書く前に、もう一度見ておきたかったというのが、本音であった。ただ前振りだけしておいて、いつまでもほったらかしでは、まずいとも思っており、友人のすすめもあったので、書くことにする。だが公開中はネタバレ禁止であるから、わかりにくいとこはご承知おき下さい。

 さて本作、前作「序」の後を受けて、およそ2年後に公開の運びとなった。原典のテレビ版でいうと、アスカが登場する八話から、興奮必至の拾九話「男の戦い」あたりまで。前作がおよそ6話分を再構成したのに対して、今回は11話分かとおもいきや、めちゃくちゃはしょってる。テレビ版で相当面白かったはずの9話「瞬間、心、重ねて」のアスカとシンジのユニゾンも、七話「人の造りしもの」のジェットアローンも、拾話「マグマダイバー」のなんたらエントリーもありません。

 実際本作でピックアップされている話は、八話「アスカ来日」、拾弐話「奇跡の価値は」、拾六、拾七話「四人目の適格者」「命の選択を」、拾九話「男の戦い」あたりをメインエピソードとし、あとは本作オリジナルのエピソードとしている。そういう意味では、おおまかな話は、だいたいわかってもらえそうなので、通常なら本作のあらすじを書いておくところだが、今回は書きません。そうしないと思いっきりネタバレになってしまう。したがって以下では、いくつか私自身が気になったことだけを列記していく。

 まず気になるところは、新キャラクター「真希波・マリ・イラストリアス」であろう。物語開巻よりいきなり登場し、これまた新登場の「エヴァンゲリオン仮設5号機」を駆り、使徒を迎撃する。この仮設5号機が、本来のテレビ版で未登場の機体であることについては、留意が必要である。しかしここではマリである。マリはアスカとも異なる陽性のキャラクターとして登場する。その陽性の方向は、本作を見ていただければわかるのだが、鼻歌交じりに使徒と戦っちゃうほどだ。その歌については詳細はここでは説明しないが、昭和歌謡であるとだけいっておこう。いわゆる「オヤジキャラ」とも言える。彼女にとって、エヴァに乗って戦うことは、「楽しい」ことらしい。シンジくんを見てきた私たちにとって、それは容認しがたいキャラクター設定となっている。序盤に派手に登場してきた後、後半にシンジと少し絡むシーンがあるが、シンジにまとわりつくLCLの臭いを、敏感に感じ取っている。しかも彼女は、加持と行動を共にしており、なにやらごそごそとネルフをかぎ回っている様子がうかがえる。彼女はそれほどに危険な任務をこなし、シンジいわく「血の臭いのする」LCLがかぎ分けられるほど、血の臭いに接して生きてきた可能性があるということか。

 アスカは中盤のシーンで、いままでひとりぼっち生きていて、さびしいと思うことなどなかったが、人とふれあうとうことも、まんざらでもないというようなことを、ミサトに話すシーンがある。前回の「序」の時にも書いたのだが、根本的に新劇場版におけるシンジやミサト、アスカなどに関しては、人間との絆を確かめながら物語が紡がれている。この話のことだから、いつ破綻してもおかしくないよう、誰もが心に非常線を張っておいてしかるべきであるが、その基本的な事項については、「破」でも貫かれている。
 アスカが登場してからしばらくのシーンは、ややコメディチックであり、この後の惨劇が思い知らされるのをおそれるあまり、正直楽しめなかったのであるが、こういったシーンの連続に、人が他人と絆を結ぶ過程が、きちんと描かれている。またレイが・・・・いかんいかん、これはネタバレになってしまう。それはともかく、それらのシーンから、そういった本作での基本姿勢が、ちゃんと人らしいメンタルをもとに、構成されている証拠であることが見て取れる。
 だからテレビ版の暴走具合を妄信し、人間の絆の薄さを時代の反映だと、論理で割り切っている人間には、テレビ版のようなビビットさやエキセントリックさがないことに対して、本作や新劇場版を否定する人がいることも事実である。

 順不同で申し訳ないが、本作で登場する海は赤い。これはセカンドインパクトにより赤くなった海には、海生生物が死滅しているという状態らしい。この赤がいやらしいと感じるのは、私だけだろうか。海沿いの研究施設では、赤い海を浄化し、魚類を復活させる研究が進んでおり、加持の案内で、シンジやアスカ、トウジたちが見物に来るくだりが出てくる。
 「赤潮」というのをご存じだろうか? 海の生物プランクトンが、富栄養化により大量発生したものの、海中の酸素が足りなくなることで死滅し、海面にただようプランクトンの死骸であり、その赤い色が海を染めることから、「赤潮」と呼ばれる現象のことだ。セカンドインパクトにより死滅した生物は、もしかしたら赤潮のような状態になって、海を腐らせているのかも知れない。はじめは「血」を想像したのだが、劇中で示される人間の血が、あまりにどす黒い色をしているため、海の赤とは違うのだと思った次第。LCLとも異なる色だ。もしかしたら環境問題でも採り上げているつもりだろうか? んなわけないか。閑話休題。

 中盤のエピソードは、エヴァ3号機が使徒に犯されて暴走し、これをシンジが撃退する話だ。細かい話はここでは伏せる。実態を知って、大いに驚いて貰いたいからだ。だが1つだけ忠告しておく。このシーンは、テレビ版で見た以上に気持ち悪いシーンに仕上がっている。3号機が使徒と認定されるも、中に乗っている人間の存在を気遣い、シンジは攻撃をためらう。ゲンドウの指示によりダミープラグを使用され、初号機の自由は剥奪されてしまう。シンジは必至にコントロールしようと試みるが、その一方できわめて暴力的に、3号機を使徒として責め続ける初号機。当然3号機には人間が乗っている。その凄惨なシーンのバックにかかる曲が、「今日の日はさようなら」である。あろうことか、3号機に乗っている人間の正体を知っている私たち観客にむかって、この曲がかかるのである。もう気持ち悪いったらない。この曲、発売中のサントラCDにも収録されている。歌うのは林原めぐみだ。しかも感情を廃し、ひたすら白痴なまでに純粋に歌い上げたその歌唱は、このシーンをいたずらに気持ち悪いものにしているようにも思えるほどだ。ほんの少しだが、信じて損した気分だ。

 まあ、そんなしんどいシーンがあるにしても、怒濤の展開でラストまで突っ走る本作である。きちんとエンターテイメントとして成立しており、個人的には非常に楽しめた。しかもテレビ版をよく知るものにとっては、驚きの連続だ。そのサービス過剰っぷりは、エンディングの曲が終わり、次回予告が流れるまで全く気が抜けない。「サービス、サービスう」にもほどがある。そのサービスッぷりを、ぜひ劇場にて楽しんで欲しい。
 なおこの劇場版のパンフレットには、仕掛けがある。作品を見る前に開いてはいけないと注意書きがあるシールで、中身がまったく読めない。その上、中身にもまだ仕掛けがある。自宅に帰って怒り半分で開いたら、あまりに汚くなってしまい、少し落ち込んでしまった。私が本作を再度見に行こうと決めた理由でもある。これから見に行こうという方々、お気をつけなさるがよい。

 しかしネタバレしないように書くのは、しんどい作業だ。それでもずいぶんサービスしたつもりで、ネタばらしてます。すまん。

追記
 新劇場版のエヴァには、だれの魂が封じ込められているんだろうと、ふと疑問に思ったシーンがある。注意してみてみてください。
スポンサーサイト

テーマ : 新世紀エヴァンゲリオン
ジャンル : アニメ・コミック

コメント

非公開コメント

プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
43歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
愛する、男オタ。
特撮は主食、
アニメは副菜。
後期必殺を好み、
スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
Twitter再開しました!

カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
namima2のつぶやき
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

FC2カウンター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
リンク(リンクフリーです)
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
FC2 Blog Ranking
フリーエリア
blogram投票ボタン
ブロとも一覧

あにめにゅ~す の あににゅ

分水嶺☆和歌山毒物カレー事件から19年

素足のアイドル達

有名人の珍言・名言集

宮廷アリス

TOY BOX
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

[FC2 Analyzer] http://analyzer.fc2.com/ -->