「レッドマン」~赤いあいつの熱きバトル!検証、第二次怪獣ブーム~

 ええと、小ネタですいません(笑)
 身辺がにわかに忙しくってですね、なかなか作品も見られないまま、記事を書くこともままなりませんで、今回はちょいと小ネタです。

 ウルトラ怪獣が造成地や不整地を舞台にただバトルする「ウルトラファイト」という作品があったことを、特撮ファンの皆様ならよくご存じのことだろう。これと似たような形態で、かつて朝の番組であった「おはよう!こどもショー」の番組内コーナーとして放送されていたのが「レッドマン」「行け!ゴッドマン」「行け!グリーンマン」などの作品群である。今回は現在CSチャンネルNECOにて、火曜日夜8時から放送中の「レッドマン」を取り上げてみたい。

 「レッドマン」は1972年4月から12月まで、日本テレビ系列の「おはよう!こどもショー」内の1コーナーとして放送されていた円谷プロが製作していた作品だ。長いことそのフィルムは失われ、幻の作品扱いだったが、ひょんなことから本編フィルムが発掘され、現在ではLD-BOXとしてソフト化されている。とはいえDVDではまだ未発売という状態なので、現在ではかえって視聴が難しいかもw

 さて作品であるが、1回5分で基本的に1話完結のスタイルで放送されていた。レッド星雲のレッド星からやってきた平和の戦士・レッドマンが、毎回現れる怪獣を退治するというもので、劇中ナレーションなどはまったくなく、怪獣の咆哮とレッドマンの「レッドファイト!」や「レッドナイフ」といった叫び声が響くだけだ。見ていると実にシュールな作品だ。この作品に当時の子供であった自分が狂喜乱舞しながら見入っていたとはおよそ思えないのだが、実際に見ていると本当にシュールで面白い。レッドマンをして「赤い通り魔」と最初に呼んだのは誰だったのか、いまでは知る由もない。その映像を見ている限り、怪獣が荒野をさすらっていたり、他の怪獣と戦っている状況に、レッドマンは急に襲いかかるのだ。そして肉弾戦を主としたバトルを展開しながら、レッドアローやレッドナイフなどの、見るからに凶悪な武器を用いて怪獣を倒すのだ。
 登場する怪獣は毎回1~3体で、ほとんどが地方でのアトラクションショー用に作られたものが多い一方で、「帰ってきたウルトラマン」や「ミラーマン」などで使用された怪獣の流用だったりする。流用した怪獣はある意味ご新規さんであるから、そのぬいぐるみの出来は問題ないのだが、アトラクション用のスーツのほうは、もはや原形をとどめていないほどのひっどいものが多かったりする。それも味といってしまうこともできるけどね。チャンネルNECOで放送されている中で、本編に入る前に怪獣の解説を行っているコーナーがあるのだが、その説明を聞く限り、個体によるバラツキや個体の個性などで説明していたりするが、この説明を信じるかどうかはあなたの判断にゆだねたい。

 本編前に著名人のインタビューなどが入る場合もあり、当時キャメラマンだった大岡新一氏のインタビューなどは真に貴重な証言といっていいだろう。本編を見るとハンディカメラを使ってアクティブに撮影している様子が手に取るようにわかるのであるが、当時のフィルム撮影のカメラでハンディとしてとりまわすためには、取り扱いの難しいカメラが普通であった中で、大岡キャメラマンの発案でけん銃のグリップとトリガーのような別パーツを特注し、それを使用することでカメラの取り回しを扱いやすくしていた秘話が披露されていた。こうした現場のアイデアと努力によって、レッドマンのアクティブでアングルにこだわりぬいたアクション性の高い映像を収めることに成功していたのだという。据え置きのカメラでの撮影が通常のテレビドラマの世界ではあまり考え付かない方法で、あとは当時の時代劇などでも若干見られる撮影方法だ。

 前日の通り、本作には物語と呼ぶべきものがまったくない。その代わりにあるのは怪獣とレッドマンの肉弾戦だけである。これを通常のウルトラシリーズのフォーマットと比較してみると、およそ30分の放送時間枠の中で、最後の見せ場であるバトルシーンだけを抜き出したことになる。また設定上は巨大な怪獣とレッドマンのバトルであるが、本編では街を構成するビルなどもなく、ただの荒れ地であるから、ミニチュアも必要ない。もちろん特殊な装備を持った特捜隊もなく、航空機による攻撃のシーンもないから、ふと我にかえれば等身大の怪獣とヒーローが荒れ地でじゃれあっているように見えるだろう。だがこれを当時の子供たちは熱狂をもって受け入れたのである。それはなぜか?

 ことはビデオデッキの普及もまだの状態な70年代初期のことである。テレビ番組を見直す方法などまったくなく、再放送を楽しみにするか周辺書籍を読みあさるぐらいしか記憶を補完する方法などない頃だ。基本的に当時の作品群は1回性の産物なのである。特に毎回ヒーローとして登場するウルトラマンや仮面ライダーならいざしらず、敵である怪獣側はどうしたって1回性のものであるから、その希少性は理解してもらえるはずだ。その1回性の産物である怪獣が、まったく異なるシチュエーションでもう一度別のヒーローと戦うために現れる。このイベント性の高さはなんだろう。これは「ウルトラファイト」でも同じことが言えるのであるが、「レッドマン」がよりそのことを強調させる理由は、ウルトラマンの代替物であるはずのレッドマンが、ウルトラマンのような思い入れを、完全に拒否したようなストイックすぎるキャラ作りにもあると思える。レッドマンに怪獣が倒されるのは通常のフォーマット通り。しかもレッドマンは無個性にもほどがある。とすれば子どもたちが何に熱狂したのかといえば怪獣に他ならない。だとしたら「帰ってきたウルトラマン」の放送を後押しし、第二次怪獣ブームを形成したベースを作りだした当時の子供たちは、間違いなく「怪獣」という異形の存在を心待ちにしていたということになる。「レッドマン」という作品が、いかに第二次怪獣ブームを検証するのに有効な作品であるということが、これでおわかりいただけるかと思う。ま、そんなたいそうなことを言い出しても、今ではそれほど意味はない。ただ「赤い通り魔」レッドマンが怪獣を倒すさまに、何をか感じてもらえるならば、それでいい。現在CSチャンネルNECOで絶賛放送中である。


帰ってきた“おはよう”ヒーロー 行け!行け!ゴッドマン&グリーンマンBOX (DVD3枚組)帰ってきた“おはよう”ヒーロー 行け!行け!ゴッドマン&グリーンマンBOX (DVD3枚組)
(2008/05/23)
特撮(映像)

商品詳細を見る


ウルトラファイト スーパーアルティメットBOX [DVD]ウルトラファイト スーパーアルティメットBOX [DVD]
(2006/06/28)
特撮(映像)

商品詳細を見る

スポンサーサイト

テーマ : 特撮・SF・ファンタジー映画
ジャンル : 映画

コメント

非公開コメント

No title

当時は造成中の土地や空き地が街中にたくさんあって、そこでは子供達の怪獣ごっこが毎日のように行われていました
あるときは泥にまみれながら…
そこではウルトラマンより、レッドマンやグリーンマンの方が人気だったかも
宇宙猿人ゴリとか、自分たちに近しくて、単純で面白いのがその理由だったかもしれません

No title

甘エビさま

 コメントありがとうございます。
 おっしゃるとおり、当時は造成地や空き地がそこかしこにあって、怪獣ごっこがごくごく当たり前に行われていました。まさにぼくらの日常でしたよね。その親近感はまさにレッドマンやウルトラファイトを後押しする要因だったことは間違いないですよね。縄跳びを両手にもって「グドン」とか、シャツを上からかぶって「ジャミラ」とか、小ネタをはさみながら・・・w この番組との距離感の近さと単純さが、レッドマンなどの番組の魅力なのかもしれません。

No title

近所の公園でカクレンジャーごっこやビーファイターごっこなんかはやりましたが、怪獣ごっこは専ら屋内で、積み木のビルやプラレールをぶっ壊したりするような感じでやっていたような記憶があります。
私の世代の幼少期は、造成中の土地や空き地なんかが無くなってしまっていっていた90年代初頭でしたので、空き地不足に加えてゴジラはやってるけどテレビに怪獣が居るかいないかのギリギリの世代でしたから、怪獣そのものになじみが薄かったのかも知れません。

そういう意味では、80年代~90年代半ばまでの間に『レッドマン』や『ウルトラファイト』的な番組を放送して欲しかったかなぁ、と思ったり思わなかったりします。
今の子供達もまた似たような環境下にありますから、世代が下るにつれ益々怪獣との親近感が無くなっていっているのかも知れませんね。

No title

飛翔掘削様

 コメントありがとうございます。
 そっか~、掘削さんの子供の頃って、さすがにもう空き地も造成地もほとんどなくなっているんですね。もちろん現在の怪獣離れの理由の一つは、遊ぶ場所が減っていることでしょうし、外で遊ぶよりもゲームが優先されちゃってるからかもですね。同時にこどもにテレビを見せたりする親の側が、「怪獣」をどう扱っているかによって、子供の怪獣への興味は異なるでしょう。ウルトラシリーズなどを本気で見せたがらない親もいると聞いたことがありますので。

 ただね、空き地で自分を怪獣だと思いながら遊ぶのって想像力のたまものじゃないですか。今の子供たちって決定的に想像力が欠如していると思うんですよ。それはこういった「ごっこ遊び」を通過していないからかなって。たとえば掘削さんのようにブロックや積み木を使って想像力をはばたかせて遊ぶ子供ならまだしも、ゲームやテレビで物語を与えられるだけで、自分たちで作ろうとしないのかしら?って、つい思っちゃいます。こうなると怪獣の復活は難しいのかな・・・

No title

私がかすかに覚えているのは、「グリーンマン」の次(?)の「牛若小太郎」ですね。これはリアルタイムで観てました。「おはようこどもショー」の晩年、「モーニングス」という番組側のチームと主に首都圏の小学校の野球部が対戦する番組を毎週日曜日にオンエアしてましたが、私の従兄が対戦チームの一員として出たことがありました。その従兄も五十路間近です。懐かしい話です。

No title

シャオティエンさま

 コメントありがとうございます。ご無沙汰いたしております。
 「牛若小太郎」懐かしいですね。それに番組の野球対決、なんとなくですが覚えておりますよ。そういえば「のど自慢」もありましたっけ?あれに出てくるこまっしゃくれた子供が「戦争を知らない子供たち」をしれっと歌うのが大嫌いでしたwww

 「行け!牛若小太郎」って、時代劇だったかなあと思っていたら、意外にも現代が舞台で、しかも妖怪退治ものなんですよね。私の中では「白獅子仮面」と記憶がごっちゃになっていますw

単独作品30分新作でリメイクしないかな?登場怪獣もオリジナル新キャラで。
余談ながらお願いしたいことあります。僕は以前とらドラの記事でコメントした者です。ヤフーブログの友達にもできるだけ多数の人に呼びかけてますが石ノ森ヒーローオールスター実現させるため東映にハガキ出してもらいたいということです。是非ご協力お願いします。周りの方で石ノ森ヒーローファンの方がいましたら問いかけて下さい。実現したら全ての石ノ森ヒーローファンには最高のプレゼントとなるでしょう。〒104ー8108東京都中央区銀座3ー2ー17キカイダーX石ノ森ヒーローオールスター製作希望係。その次はきらりんレボリューション、極上!めちゃモテ委員長の再アニメ化署名も行いたいです。

No title

アミーゴ今野さま

 コメントありがとうござます。リメイク案、アリだと思います。いっそ「新ウルトラマン列伝」のワンコーナーとか、いかがでしょ?

 今年は「キカイダーREBOOT」の公開もあることですし、スーパーヒーロー大戦などを見るにつけ、どんな形でも石ノ森ヒーローの共演は、心躍りますよね。知り合いの特撮好きにも呼び掛けてみますね。
プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
43歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
愛する、男オタ。
特撮は主食、
アニメは副菜。
後期必殺を好み、
スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
Twitter再開しました!

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
namima2のつぶやき
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

FC2カウンター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
リンク(リンクフリーです)
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
FC2 Blog Ranking
フリーエリア
blogram投票ボタン
ブロとも一覧

あにめにゅ~す の あににゅ

分水嶺

素足のアイドル達

有名人の珍言・名言集

宮廷アリス

TOY BOX
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

[FC2 Analyzer] http://analyzer.fc2.com/ -->