劇場版「天元突破グレンラガン」紅蓮編と螺巌編を続けて見る

 まんまと制作側に乗せられて見てしまったし、何より泣かされてしまった。現在絶賛公開中の「螺巌編」を見る前に、すでに見ている「紅蓮編」のDVDを購入し、予習のつもりで見たのである。

 「紅蓮編」は、去年の秋に劇場公開された作品で、元々はさらに前年にテレビアニメとして放映していた作品を、2分割して再構成した作品だ。これはその前編に当たる。
 人間が地下に暮らしており、獣人と呼ばれる合成生物が地上を闊歩し、人間を迫害している未来の地球。ある地下の村を飛び出した主人公・シモンは兄貴分のカミナ、隣村のヨーコとともに旅を始め、愛機・グレンラガンを駆り、次々と獣人たちを蹴散らしていく。その行動に賛同し始めた人々が集まり「大グレン団」を結成する。大グレン団は敵の巨大戦艦を奪取することに成功するが、その時カミナが戦死する。軍団の精神的支柱を失った大グレン団であるが、敵四天王による猛攻のさなか、自分を取り戻したシモンの活躍で、敵を蹴散らすことに成功する。そして大グレン団の戦いは続くのであった。ものすごく端折って説明すると、以上のような内容の話だ。
 元になったテレビ版でも全27話中の8話目という、かなり早い段階でカミナは死んでいるのだが、彼の死が本編の中盤の盛り上がりだ。そもそもカミナという男は、威勢がいい上に、行き会ったりばったりに生きている。だが弟分のシモンを心から信じるし、シモンがダメなときは思いっきりぶん殴る。「俺が信じるおまえを信じろ!」などと言いくるめながら、自分のやりたいようにやる男だ。ある意味で8話までの物語を引っ張っていくキャラクターであっただけに、TV版DVDを見たときは、知っていながらも本当に驚いた。そして最期に「誰でもない、おまえが信じるおまえを信じろ」という言葉をはき、シモンを叱咤激励して死んでいくのだ。このシーンが本当にかっこいいし、なんといっても本当に泣ける。
 そして「紅蓮編」のラストシークエンス、四天王との決戦において、カミナを失い、同時に自分の有り様すら失ってしまったシモンの復活劇、そして大グレン団全員の心の通った最終攻撃のシーンで、涙腺はMAXだ。

 「螺巌編」では、テッペリン攻略戦をさーっと流して数年後、アンチスパイラルの侵攻にあらがうシモンたちの活躍と、物語の結末を一気に見せる。
 発表通り、そのラストはテレビ本編を圧倒的に超えるスケールで、これでもかこれでもかと、アイデアの出し惜しみなくつぎ込まれた画面が観客を襲う。だがこれが気持ちいい! アンチスパイラルと螺旋の一族の関係性には、多少の疑問もなくはないが(結局は同族であることや、護りたかったものの本質は同じなのに)、そんな理屈を超えたところにある感動の波は、観客を迷うことなく押し包む。その波は本当に圧倒的だった。

 なにより、本編を盛り上げた岩崎琢の手による楽曲が素晴らしい。楽曲としてオーケストラによる大仰な曲もあれば、ジャズっぽい曲もある。また不安をあおるような現代音楽風の曲もあったり、そのヴァラエティさにはあきれるほどだ。現行で2枚組のサントラが発売されているが、聴き応え十分のCDである。
 
 しかも、いいところで「お前の×××で天を衝け」がかかるし、「螺巌編」では、ここぞというタイミングで中川翔子の「空色デイズ」がかかるにいたり、もう涙腺からあふれる熱い心の汗をとどめることができなかった。いや、ほんとだってば。
 
 「紅蓮編」はDVDで見た後、コメンタリー付きで見直した。1日に同じDVDを2度見るなど、我ながらアホかと思う所業である。しかしカミナが死んだ中盤のシーンで、ヨーコ役の井上麻里奈が涙ぐんで、声を詰まらせていたし、カミナ役の小西克幸が試写を含めて7回見たというコメントをしていた。キャストが思い入れたっぷりに語っているのを聞くのは、やはりファンとしてうれしい限りだ。
 そんな想いがあるからこそ、魂の入った作画に、声優陣の魂の入った演技が完成度を上げているのだと思える。最近こういうテンションの作品を見ていないから、余計に感動をあおっている気もする。ほめすぎかな?

 しかしながら劇場で「螺巌編」を見終わった後、間違いなく私は泣いていたし、目の前に座っているお兄さんも泣いていた。右隣もその隣も、左隣に座ったお姉さんまで、鼻を赤くして、いや目を赤くして泣いていた。右斜め前の女の子なんか、作品がスタートする直前にタオルを出して準備していた。もうみんな泣く気満々だ。

 感動って、この手の作品の場合には一種の「共犯関係」が成立しているのだと思う。「ほ~ら、泣かせてやるぞ、こんな展開が、こんな話が見たいんだろ」と作る制作側と、泣きたい観客との共犯関係である。そこに劇場で見るという、泣き顔を見られて恥ずかしいという羞恥心に、同じ作品を見て泣いても良いと思える同族意識が、これを助長する。冷静に端から見ていると、これはさすがにDS(どうかしてる)と思える。しかしテレビ版を見て、すでに話の内容がわかっている作品を見に来ている時点で、共犯関係+羞恥心+同族意識の公式が成立しているのだから、これは「確信犯」である。
 思えばテレビ版の再編集物の映画って言うのは、「ガンダム?」を公開したときの富野由悠季監督の言によれば、「お祭りである」とのことなので、おれたち、間違ってないと思えるんだ(胸を張ってみる)。

 さて、「螺巌編」のDVD発売はまだ先になりそうだが、いまから楽しみである。何がって? 一人で見ながら、人目を気にせず泣くのがさ。「泣く」ことのメンタルな効果って、実証されてるんですよ!
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テーマ : アニメーションの評論・感想
ジャンル : アニメ・コミック

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