トランスフォーマー・ザ・ムービー~実はとても大事な作品です(笑)~

 この夏に公開される劇場用映画もそろそろ出そろった感じだ。アメリカ版の「ゴジラ」やらジブリ作品「思い出のマーニー」、続編となる「るろうに剣心」の2作目などの作品も出そろい、先行して公開されて大ヒットとなった「アナと雪の女王」によって加速している感じもあるので、この夏の劇場公開作品はそれなりの興行収入が見込めるのではないかと期待してもいる。そんな中、シリーズ4作目となる「トランスフォーマー・ロストエイジ」がついに公開となる。本ブログでも第1作目と2作目については取り上げており、とても楽しく拝見した。その後3作目だけは未見のままここまできてしまったのだが、この3作目を見たら取り上げようと準備していた作品が、アニメ「トランスフォーマー・ザ・ムービー」である。結局3作目を見ず終いだったので、4作目の公開となるこのタイミングで取り上げてみようかと思う。

トランスフォーマー ザ・ムービー [DVD]トランスフォーマー ザ・ムービー [DVD]
(2001/01/25)
玄田哲章、ピーター・カレン 他

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<作品概要>
 本作がアメリカで公開されたのは1986年。TVシリーズ「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」と次作「~2010」をつなぐ物語として公開されていたのであるが、日本では諸事情で公開されなかったという。後日イベント会場で日本でもやっと公開された上、現在では映像ソフトとして見ることができるようになったのだが、TVシリーズが日本で放送されていた当時は、フィギュアを使った実写のCMで、夕景の中で複数のヘリコプターに吊るされた死せるコンボイ司令官の姿を見せることで、続編「~2010」のつなぎとしたのである。このCMのシーンのオマージュともとれるシーンが映画の2作目にあるのだが、筆者はそのシーンを見て、ちょっと嬉しかった記憶がある。

 さて物語であるが、時は2005年(すでに過去!)。コンボイたちサイバトロン戦士の故郷セイバートロン星は破壊大帝メガトロン率いるデストロン軍団に占拠されており、コンボイたちはセイバートロン星の2つの月に基地を建設し、故郷奪還を志して日々戦いの中にあった。そんな折、ある機械化人の住む惑星に、巨大な惑星サイズの物体が接近し、その惑星を食らいつくしてしまう。その巨大な物体の名はユニクロン。セイバートロン星では伝説として伝わる巨大なトランスフォーマーであり、惑星ごと食らい、それを消化吸収してエネルギーにしているという。そんなユニクロンがセイバートロン星に近付きつつあるのを知らぬまま、コンボイは地球のエネルゴンを求めて宇宙船を派遣する。それを察知したメガトロンはその宇宙船を占拠して地球のサイバトロン基地を強襲する。作戦は成功し、大混乱となるウルトラマグナス率いる地球のサイバトロン戦士達。そこに颯爽と駆け付けたコンボイ司令官によって形勢は逆転する。だがメガトロンと一騎打ちを演じたコンボイは、メガトロンによって致命傷を負わされてしまい、リーダーの証であるマトリクスをウルトラマグナスに受け渡して死んでしまう。一方のメガトロンも瀕死の重傷を負うが、卑怯者スタースクリームによって宇宙へと放り出されてしまう。だがそこに現れたユニクロンによって、メガトロンはガルバトロンとなり、部下たちや戦艦を与えられて再びサイバトロンとの戦いに赴く。ユニクロンの真意は、コンボイからウルトラマグナスに引き継がれたマトリクスの破壊だ。スタースクリームはデストロンの首領となったのもつかの間、復活したガルバトロンによって破壊された。ガルバトロンは再びデストロンの主座に返り咲く。ユニクロンはついにセイバートロン星の2つの月を食らってしまう。それを助けに向かう地球のウルトラマグナスたちの前に、再び現れるガルバトロンが攻撃を仕掛けてくる。デストロンの攻撃をかわして地球を飛び立つ2隻の宇宙船。だがガルバトロンの追跡は続く。そんな中、若き戦士・ホットロディマスとチャー、ダイノボットらが乗るシャトルは撃墜されてしまう。墜落した先はクインテッサ星人とシャークトロンの住処であり、クインテッサ星人によって、裁判ごっこによる処刑が繰り返されていた。一方ウルトラマグナスたちも謎の惑星に不時着するが、そこに現れたガルバトロンに攻撃を受け、ウルトラマグナスはマトリクスを発動できないまま、ガルバトロンにマトリクスを奪われてしまう。クインテッサ星人のもとから逃れたホットロディマスたちは、ウルトラマグナスたちと合流し、ユニクロンを倒すために旅立つ。手に入れたマトリクスでユニクロンを脅して従わせようとしたガルバトロンだったが、ユニクロンは人型にトランスフォームしてセイバートロン星を破壊しようとする。それを止めるためにホットロディマスたちはユニクロンの体内へと侵入し、全員の力でもってユニクロンの内部破壊を目論む。そこでマトリクスを持ったガルバトロンと相対するホットロディマス。その無謀とも思える激しい戦いの中でガルバトロンを宇宙へ放り出す。そしてホットロディマスはマトリクスの力を解放してロディマスコンボイとなり、ついにユニクロンを内部から破壊することに成功する。そして復興に向かって一見平和が訪れたかに見えるセイバートロン星は、まだガルバトロンとの戦いの途上であった。その宇宙にはユニクロンの頭が浮かぶ……。

<トランスフォーマーの面白さの一端とは?>
 アニメ「トランスフォーマー」シリーズは、1985年に放送された「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」を祖として、いくつもの作品を有する一大作品群を形成している。しかもCGで製作された「ビーストウォーズ」シリーズや、実写劇場版のシリーズ、そのスピンオフ的なアニメシリーズを含め、トランスフォーマー・ユニバースともいえる世界観は、現在も広がりを見せている。もとは日本の玩具メーカー・タカラの主導で発売していた、現存する車両や飛行機が人型のロボットに変形するフィギュアから派生し、アメリカで空前の大ヒットを受けて、逆輸入されたアニメ作品ではあるが、最初のテレビシリーズから30年を経て、実写映画を見ることになるなんて思いもよらなかった、というのがその誕生を目の当たりにしてきた筆者の偽らざる感慨である。

 さて「トランスフォーマー」シリーズの面白さの特徴を指摘するならば、ロボットアニメ好きとしては、さまざまな現行車両が変形する意志を持つロボットでありながら、自立したキャラクターとして存在している点だろう。コンボイ司令官率いるサイバトロン戦士(オートボッツ)だけではなく、破壊大帝メガトロン率いるデストロン軍団(ディセプティコン)の、なんとバラエティに富んだキャラクターだろう。例をあげれば、さまざまな書籍を読んでも、トランスフォーマーたちは必ず役職的な二つ名が存在し、それだけでも彼らがそれぞれのグループ内でどんな役割を果たしているかがわかるようになっている。ところが実際のTV画面を見ていると、その役割が発言の端々からなんとなく見えてくるし、さらにはそれぞれのキャラクターが見え出してくると、さらに楽しめる作りになっている。そうした基本的な設定の作りの細やかさは、ビーストウォーズシリーズでも、「~アニメイテッド」や「~プライム」などでもきちんと踏襲されている。実写映画でもほとんど口も利かないバンブルビーが、その働きを持ってファンや劇中の人物にも愛されている事情は、これとまったく同じなのである。ガンダムは受け入れられなくてもトランスフォーマーは受け入れる。アメリカ人のメンタリティの一端が垣間見える気がする話だ。

 またトランスフォーマーシリーズの作劇上の特徴といったら、見ているものに息もつかせぬほどに目まぐるしく変わる展開であり、それをスムーズに画面から伝えるためのアイコンの挿入だった。あの暗転した画面にサイバトロンとデストロンのマークが回転する、アレである。とにもかくにもその展開の早さ、積み重ねられるエピソードを駆け足とでもいうべきスピードで30分の放送時間を駆け抜けるスピード感は、日本のアニメにはないテンポなのだ。そのテンポの速さ、展開の素早さは、回転するアイコンがないにもかかわらず、この「ザ・ムービー」でも変わらない。
冒頭にいきなり登場して見る者の度肝を抜くユニクロン。機械人間たちが惑星ごとユニクロンに食われていくシーンが続く。ここまでがアバンタイトル。ここで一息をいれたかと思いきや、すぐにセイバートロン星での現状確認に移ったかと思えば、台詞のやり取りだけでデストロンがセイバートロン星を支配している現状なども説明する。この後地球のエネルゴンを手に入れて自軍を強化するために、コンボイは地球へ宇宙船を送るのであるが、それはすぐにメガトロンの知るところとなり、あっというまに宇宙船はデストロンに強奪。地球に到着した宇宙船は地球にいるサイバトロン戦士ホットロディマスによって攻撃を受けるやいなや、あっというまに戦闘になだれ込むのである。
 ことほど左様に見ているこちらは落ち着く間もなく、次々と展開するシーンに飲み込まれるように連続していく。それこそコンボイが死んでマトリクスをウルトラマグナスに受け渡すシーンなどは、物語的に落ち着きを取り戻すシーンであるが、そのあとはもうほぼノンストップ。本当にびっくりするぐらい落ち着きがないまま、最後までなだれ込んでいく。だがこれは正真正銘の、「トランスフォーマー」の見せ方であり、最大の特徴にして、息もつかせぬ展開の早さは最大の魅力でもあるのだ。ぜひともこの雪崩のような物語に飲み込まれるように見てほしい。

<この作品、実は……>
 先にも説明したとおり、この作品は最初のテレビシリーズの2作品をつなぐブリッジ的な物語ではあるものの、実はトランスフォーマーの世界観を大きく広げた最大の立役者でもあるのだ。
 本作の途中で、ホットロディマスたちが不時着した惑星に登場するクインテッサ星人は、直接の続編である「~2010」においてはサイバトロンやデストロンと並ぶ第3勢力として登場する。本作では裁判ごっこにうつつを抜かす謎の機械生命体であるが、「~2010」においてはセイバートロン星の過去の支配者であり、コンボイたちの祖先による叛乱によってセイバートロン星を追われたため、セイバートロン星の奪還を目論んで暗躍し、多くの星に武器を売っている死の商人でもあるという。もっとも「2010」の黒幕的存在でもありながら、どこかユーモラスでコメディリリーフ的な役割でもあった。

 現在ではあまりにも巨大すぎるロボットが登場している(グレンラガンとかもう銀河サイズって、論外だよなあw)ために霞みがちではあったが、この作品が放送された当時、ユニクロンの存在はまさに最大級のロボットだった。その存在感は異常なレベルではあるのだが、その後2003~2005年に放送されている「マイクロン伝説」「スーパーリンク」「ギャラクシーフォース」の3作品をもって「ユニクロン3部作」という。物語の背景にユニクロンの存在が大きな影を落としている。
 さらに太古の地球を舞台に繰り広げられた「ビーストウォーズ」シリーズでも、ユニクロンは(頭だけではあるが)登場している。まるっきりの外伝的な物語かと思っていたら、実はちゃんと最初の1作目につながっていたという驚き。さらに続く「ビーストウォーズ メタルス」では、すでに死せるコンボイを発見し、その体内に遺されていたスパークを使ってメタルスコンボイはパワードコンボイと変化するきっかけとなる。「メタルス」は前作以上に最初の第1作とのつながりを意識されて製作されたらしく、ベテラン声優による熟練の爆笑アフレコばかりが注目されすぎているきらいがあるのだが、知らずに物語を追って行った時に、その真実を知った時の衝撃たるや、放送当時には尋常ではなかったことだけはどうしてもここに伝えておきたい。
何にせよ、この作品に刻まれたキャラクターがベースとなって、その後のシリーズに大きく影響していたことは間違いない。本作は日本人スタッフが多く参加していたことでも有名であるし、劇中で使用されている楽曲の素晴らしさもよく喧伝されていることではあるが、何より最初のシリーズ1作目を承り、次のシリーズへの橋渡しを担った作品でもありながら、「トランスフォーマー・ユニバース」の広がりのターニングポイントとなる重要な作品でもあることを記憶にとどめておきたい。
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波のまにまに☆

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