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「スペース・スクワッド」~東映は輝ける遺産を生かせるのか?~

 土曜日に「ウルトラマンジード」が放送され、日曜日に「キュウレンジャー」に「仮面ライダーエグゼイド」が放送される。ウルトラが過去のアーカイブ放送しかなかった時期もあり、こうやって3作品が週末に拝める日常は、なんとも得難い時間なのだと自分に言い聞かせても、なんとなく当たり前の日常になっていく。今のお若い人には信じられない話だとは思うが、「ジャッカー電撃隊」(1977)から「バトルフィーバーJ」(1979)までの時間間隙には戦隊シリーズもライダーもなく、「スパイダーマン」(1978)しか放送してないような時期があったんですわよ。ロボットアニメが激減した時期とか、アニメが深夜に移行し始めた時期とかね。そういうのと似たような時期があったのさ。そういう時期にはビデオデッキがまだ普及してない時代は、自分自身のアーカイブに頼ることもできす、ましてやまだレンタルビデオなんかないとなれば、再放送でしのぐとか、書籍に頼るしか渇きをいやす方法がなかったわけで、ビデオからLDを経由してDVDやらBDの時代になって本当によかったと思うわけですよ。東映さんの作品群だって、今こうして円盤になってくれてるおかげで、昔の知識を補完しながら楽しめるわけでさ。ましてやネットでも楽しめるっていい時代だよねって話。

 さてそうはいってもアーカイブだけで会社がつぶれずにいられると思ったら大間違いで、こういうコンテンツ産業になった現在は、なんとしてもコンテンツを増やして配信を続けること自体が会社に求められるようになる。アイデア不足なんて泣き言は言っていられない。コンテンツはもはやあって当たり前であるし、コンテンツのないところはそれだけで関連商品の売り上げにバックし、実入りもなくなれば会社が危うくなる始末。となれば、これだけ圧倒的多数のコンテンツを持つ東映さんが、これを活用しない手はない。

 「仮面ライダーディケイド」(2009)は、平成のみならず昭和期を含める仮面ライダーのすべてをコンテンツとして再活用するべく生み出された。前提としてゲーム筐体があるとはいえ、この戦略の延長線上にあるのが「海賊戦隊ゴーカイジャー」(2011)である。その一方でウルトラの方も「ウルトラマンメビウス」(2006)の登場によってウルトラファミリーが総登場し、これまでのシリーズが同一世界線上にあるとしてアーカイブ化される。さらには「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル」(2007)で怪獣をアーカイブとしてカード化して見せ、カードはゲーム筐体でも使えることになっている。ただこうやって思考を進めれば、最初に「ウルトラ兄弟」という設定をもちこんだ「帰ってきたウルトラマン」(1971)に登場したウルトラマンとウルトラセブンの登場こそがこういう流れの契機か?といわれると、ラドンやモスラといった単独作が作られた怪獣がゴジラと共闘し、宇宙からやってきたキングギドラを倒すという流れがある「三大怪獣 地球最大の決戦」(1964)という先行作にして大ヒット作があるので、侮れない。現在の「マーベルシネマティックユニバーズ」に負けずとも劣らない手法で、日本はコンテンツをアーカイブ化し、コンテンツの寿命を長らえてきたのである。「宇宙刑事ギャバン」(1982)に端を発するいわゆるメタルヒーローシリーズも、「海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバンTHE MOVIE」(2012)以降、作品を連ねてきた。そして作品を宇宙刑事シリーズに限定することなく、メタルヒーローや戦隊にまで広げた企画が登場した。その第1作が「スペース・スクワッド」である。

<あ、もう書くことないや>
 物語を説明するよりも、現在発売中のソフトを見ていただければいい。できればBDがいいし、できれば前日談となる「ガールズイントラブル」が同梱されているバージョンを買っていただくと、よりお楽しみいただける。んで、ここまで書いたら、あと書くことないやw

 先にも書いた通り、本作は宇宙刑事およびメタルヒーローシリーズ、ならびに一部の宇宙を舞台にした戦隊シリーズのクロスオーバー作品として成立していくことになっているらしい。敵がかつての宇宙刑事シャイダーの敵・フーマを想像させる邪教団・幻魔空界で、フメインを教祖とする謎の宗教団体ってんだから、なかなかにはったりが効いている。正義の味方がクロスオーバーするなら、敵もクロスオーバーするので、本作では「巨獣特捜ジャスピオン」に登場するマッドギャランが、父親にあたるサタンゴーズを復活させようと企む話で、そのためにとある能力を持つ血を大量に必要としていた。時折しも干からびた被害者が多発する事件が続発していた状況下で、相棒シェリーの敵を討ちたい宇宙刑事ギャバンと、既婚者が増えていくデカレンジャーの共同捜査が始まるわけだが、火がついた胸のエンジンのおもむくまま突っ走るギャバンこと十文字撃に、ペースをかき乱されてなかなか調子が上がらない地球署の面々の落差が面白い。とにかくあまり深いことは考えず、突っ走る十文字撃が、この際は気持ちがいい。失敗はしても彼に非はないので、誰も彼を責めないし、どこかで彼の成長を眺めている視線がずーっと根底にあり、その視線を持ち続けたまま最後まで見ていられるのは、撃自身の感情を体感できる感じでライブ感がある。

 撃の物語として見た場合、一番の見せどころは、なんといっても宇宙刑事の魂であるレーザーブレードをマッドギャランに叩き折られ、それでもギャバンがもたらしたあの剣によって、見事マッドギャランを粉砕する件だろう。あの剣とは何か? ちゃ~んと「宇宙刑事ギャバン」を見ていた人なら、あの剣の意味がすぐに分かるお楽しみだ。

 一方デカレンジャーサイドで見る限り、仙ちゃんとウメコの結婚式がギャバンによってぶち壊しになるあたりから、旧作シリーズや「10years after」を見ていた人なら、鼻の奥がツンとするだろう。例によってバンはファイヤースクワッドで出払っているので、地球署の空虚感は否めないが、それでも「特捜戦隊デカレンジャー」という物語は、人が人を欲していた物語だったのだと、改めて感嘆させられた。バンがホージを「相棒」と呼んで欲したように、ホージは自分の欠けた半身をバンの中に見つけ、TVシリーズの最終回でバンを相棒と呼んだように、ウメコが生涯の伴侶を欲しながら、結局は仙ちゃんを欲したように、ジャスミンがドギーをやすらぎの場所と決めたように、そして改めて別の男性と結婚し、子供をもうけたように。こうして人間の欠けたものを補完するには、結局は人に頼るしかなくて、その関係性の確認を1年以上の年月をかけて見せられたような感じで。そしてそれがとても心地よく見ていられるのは、見ている自分の心の隙間が、これらを見ながら、ささやかながら埋められていく感じがするからだろう。そういう意味では間違いなく「特捜戦隊デカレンジャー」のラストエピソードとしても出色の出来であり、満足度が高い。

 アクションシーンの完成度も目を見張る。ギャバン対マッドギャランの剣劇に対し、クローネンとの銃撃戦となるデカレンジャーのスワットモード。アクションでならした坂本浩一監督によるケレン味あふれるアクションの連続は、ワイヤーよりも演者のアクションを重視し、必要な時にはワイヤーを大胆に取り入れて、不可思議なアクションを見せてくれる。終盤のマッドギャランとギャバンとの戦いで、まるで座りながら攻守を入れ替える激闘。真上に巴投げの要領でギャバンを放り投げたと思ったら、豪快な剣の一閃で真横になぐ。一連の流れの気持ちよさに酔っていると、急に別の動きが入って激闘がさらに盛り上がるという繰り返しがインフレーションを起こすように積み重なっていく。台詞を入れるよりアクションをつないで状況を的確に見せていく手腕は、坂本監督ならではの愉悦でもある。

 ちょいとだけ心配なのは、ギャバンの相棒シェリーを演じた森田涼花ちゃんだ。2作品共に出演し、ともにキーマンである上、両作で血反吐はかされており、涼花ちゃん自身ならず坂本監督の思い入れもあってか、見せ所も多い。だかしかし、スペース・スクワッドのラストで、ギャバンの立ち位置が変更になったおかげで、シェリーとの関係が解消されてしまったようで、今後の森田涼花の帰趨が心配になってきた。涼花ちゃんにはずーっとギャバンの相棒シェリーとして、足手まとい(いい意味でね)としていてほしかったのだが、今後彼女はどうなるのか? なんかこの活躍ぶりが、女優森田涼花の引き際にならないといいのだが。

 黒幕である宗教組織は健在、原幹恵演じる女忍者も続投の雰囲気。ギャバンを中心にこれから名を連ねるメタルヒーローはいったいだれだろう? ジャスピオンはすでに黒崎輝氏が半ば引退されているようだし、ブーメランとスピルバンは渡さんがまだ現役だからいけるかもしれない。メタルダー、ジバンは人間形態さえなければ可能だとしたらジャンパーソンはいい線だろう。ブルースワットなんてシグ以外ならなんとかいけるんでない? あとはビーファイター、カブト、さらにはレスキューポリス3部作か。夢は尽きない。
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コメント

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コラボの成功例

自分は撃の登場するお話と
デカレンジャーのエピソードはおおむね見ていたので
今回のスペーススクワッドはすんなりと観ることができました。

今回の宇宙警察ヒーロー共演はうまい化学反応を導きましたね。
熱血猛進の撃とプロの地球署メンバー。あたかもバンが地球に赴任した
当初を思わせて懐かしい。それでいて両者の長所も決して損なわず
味が消えていないのがいい。
捜査手法やそのマインドも異なるものの実は撃の突進捜査をSPDがフォローする
という方法は案外悪くないやり方でもある。

そして個人犯罪者アリエナイザーを中心に相手にしてきたSPDにとって
大型犯罪組織はあまり対応しなかった相手です。
今回の敵は邪教団幻魔空界、その先鋒はあのマッドギャラン
ジャスピオンの宿敵にして高い剣術を有する自分が大好きなヴィランが
登場したのは驚きでした。
しかしアブレラはもう何度も出てるしフメインに従う奴じゃない。
それにマクーやマドーはでちゃったしフーマは名前が模倣犯で出しちゃった。
となれば人気もありなおかつギャバンを追い込む敵としてふさわしいでしょう。
だから今回はメタルヒーローの敵をひっぱってくる必要があった。
(ガスドリンカーズあたりにギャバンが負けますか?)
そのぶん烈が駆けつけることに説得力が生まれる。


終盤のスペーススクワッド候補が登場した場面はファンなら喜ばないはずがない
素敵なショットでしたね。宇宙関連のメタルヒーロー、戦隊が再登場なんて
もっとはやくやってよー、な気分におそわれましたね。
個人的に今後はギャバンはメタルヒーローと共演し、デカレンジャーが戦隊と共演する形でコラボさせるといいかもしれません。
(撃と地球署メンバーは別行動)
ただしギャバンのように新世代でもかまわないはず。
例えばギャバンVSビーファイター。
ビーファイターは特に高い人気をほこるシリーズできっと共演するはずです。
デカレンジャーもギンガマンやフラッシュマンと共演できていいはず。

東映ほめたるわw

TTさま
 コメントありがとうございます。ざくっと書いただけの記事ですのに、コメントいただき、感謝に堪えません。
 本当にTTさんがおっしゃる通りで、珍しく東映が上手いことやりましてねw ギャバンの映画をやり直してほしいぐらいには、ほめられるコラボ企画だと思うんですよ。
 これの味を占めて、何作か作ってほしいですし、これだけの前例があれば今後はやりやすくなるとは思うんですよ。とはいえ逆もしかりで、これだけの前例が、今後の首を絞めてしまうことも、可能性としはあるわけで。東映が委縮せずに挑戦的な作品にチャレンジすることをやめないでほしいなと心から思います。上から目線ですけれど、これだけの野心作を見てしまった後では、期待するのも仕方ないですもの。
プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
50歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
愛する、男オタ。
特撮は主食、
アニメは副菜。
後期必殺を好み、
スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
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