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2018見逃し映画考・その3~彼方の銀河と未来の東京と~

「スターウォーズストーリー ハン・ソロ」
 2018年の6月に公開となったスターウォーズ・シリーズのスピンオフ作品。スピンオフとしては「ローグ・ワン」に続いて2作品目となるが、「ローグ・ワン」がエピソード4の前日談で、直接エピソード4につながるように作られているのに対し、本作はエピソード7にて息子に殺害されたハン・ソロのルーツにふれる物語となっている。

惑星コレリアンを脱走したハン・ソロが、相棒チュー・バッカと出会い、愛機ミレニアム・ファルコン号を手にするまでの物語だ。文章にすればたったこれだけ。だが故郷を脱出して、偶然とはいえ帝国軍の歩兵となり、そこで偶然出会ったチュー・バッカや盗賊たちとさらに脱走し、エネルギー輸送列車を襲って一儲けを企むものの失敗。その失敗を取り返そうと、やはり思い付きのようにエネルギー採掘惑星で精製前のエネルギーを盗むついでに反乱を起こし、持ち帰ってエネルギーを精製した場所で、反乱勢力に遭遇。帝国側への叛意を含まれたハン・ソロは、帝国に連なる雇主への反抗作戦を企てることになる。

 こうやって書き上げてみればわかるように、本作の主人公であるハン・ソロが主体的かつ能動的に行動を示した部分は半分もなく、どう多目に見積もっても最後の反抗作戦以外でソロが主体的に動いているシーンがない。控えめに言って受動的であるし、いやどう見てもその時の流れに逆らわずに流動的に動いているといった風情なのだ。宇宙の運び屋でアウトロー、帝国軍にも一目置かれていながら、対帝国の急先鋒ですらあるハン・ソロは、初登場のエピソード4の時からそうだったといえばそうなのだ。それがカッコよく見えたのは、やはりルーク・スカイウォーカーという主役がいてこその脇役が光る、という典型例でしかない。そんなキャラクターのスピンオフ作品を作ろうと思えば、そんな受けに回った脇役キャラクターを主役に据えるべく改変して、能動的に事態に対応させるしかない。本作は脇とはいえ主役級のキャラクターであるハン・ソロのキャラクターを変えることなくスピンオフを作ったのだ。面白くするには、そもそも無理がある。結局ハン・ソロの流れに乗るノリと勢いが、各々の場面を楽しげにしているが、彼が決断して前に進んでいる感じが醸し出されているだけなのだ。ハン・ソロの人となりを知っていれば納得もできようが、「誰それ、美味しいの?」的なイチゲンさんが、うっすらそのことに気づいてしまえば、これを面白いと思うには難しいだろう。

この物語がやはりにやりとしてしまうのは、旧友ランド・カルリシアンとの出会いとミレニアム・ファルコン号の絡むエピソードだろう。さらにはソロの未来図的な存在感を示すベケットの物言いや、L3という女性ドロイドの存在、エンフィス・ネストたちの反乱軍としての行動動機など、ハン・ソロの人格形成に大きく関与する人物が、時間内にぎゅうぎゅうに配置されている。2時間強の時間枠内に収めるには、それぞれがエピソードを持ちすぎで、やはりというかなんというか、一番大事なキャラクターであるキーラについては、触り方があまりに浅すぎて、そこも不満を覚える点だろう。キャラクターの説明バランスがあまり上手いとは言えないのだ。

物語の最後には惑星タトゥイーンへの道標も出来上がっており、ジャバ・ザ・ハットとの出会いもこれからといったタイミングで物語は幕を閉じるから、これもまたエピソード4への連続を意識させるポイントとなっているのだが、問題はキーラの去就、そしてキーラがかしずいていたダース・モールの存在が気になるところで、「エピソード1 ファントム・メナス」への連続も感じさせるのが気になるところ。これはスピンオフとしての「ハン・ソロ」の2作目があるのかと思わせるあたりがやきもきさせる。

 もちろん筆者は「ローグ・ワン」を楽しんだ口なので、スピンオフ大歓迎なのだが、ハン・ソロを主役に据えた過去話が、嫌いではないにしても、こちらの期待値をしれっと下回ってしまった。実のところこの物語の時間軸の設定が、筆者はよくわかっていない。帝国の歩兵であるソロが、ストーム・トルーパーを着込んでいないとか、帝国の戦闘機TIEシリーズがいつ頃の機体なのかなど、デザイン面から判断できないので、画面からなんとなく感じられる時代背景が見えてこない。このあたりのデザインセンスも問題だ。こうなると新シリーズのエピソード9に期待するしかない。さてこれまでのシリーズを見直そうかな。

「パシフィック・リム アップライジング」
 前作「パシフィック・リム」が公開されたのが2013年。何の前評判もなしに、実際に見た観客の口コミで広がりを見せ、大ヒットとなった前作は、次元の裂け目からやってくるKAIJU(怪獣)を倒すために作られたロボット・イェーガーの活躍を描く、思いがけないほどの巨大ロボットアクション映画であった。以前の記事でも書いたが、二人の科学者が科学的な分析と研究を積み重ね、これまでディフェンス一方だった人類に、怪獣への反撃の手立てを立案させ、前線兵士を勝利へと導く様は、科学者のなりそこないの筆者としては、胸のすく思いで本作を称賛したが、前作の10年後となる本作では、その科学者が怪獣を送り込む謎の存在「プリカーサー」に操られて、逆に人類を窮地に追いつめるという展開が待ち受ける。ここにきて悪の科学者・マッドサイエンティストの登場で、いや増す勢いに乗って、本編を見終えることができた。

 率直な感想を言えば、前作が70年代のロボットアニメを下敷きにしている作品だとしたら、本作は90年代のロボットアニメの影響をモロに受けている感触がある。もちろんイェーガーの設定自体はロボットと乗り手の神経接続など、かの「新世紀エヴァンゲリオン」の設定と類似しているから、シリーズ自体が90年から2000年代の日本のアニメや特撮の影響下にある作品なのだけれど、前作で地球を救った科学者が寝返ってみたり、10年の月日が人々に怪獣の驚異を忘れさせてみたり、主人公がかつての英雄の息子でありながら、それを重荷に感じて放蕩してみたり、無人機が寝返ってみたりと、やることが一々面白いほど70年代のロボットアニメのアンチテーゼで彩られており、その意味ではカウンターとなった80年代以降、90年代に突出して登場した作品の印象がとみに強い。もちろん「怪獣」という呼称そのものが、本作をして日本のサブカル作品の影響下にあることを広く喧伝しているのだから、それ自体を否定したりしているんじゃなく、ここまでみごとに作品に取り入れられて昇華されてのであれば、かえって気持ちがいいのだから、苦笑いするしかない。物語についてどうこう言うつもりもなく、むしろ前作との連携の部分を極小のキャスティングで賄っておいて、その上で新たなキャストで構築した物語をこれほどまでに展開できる2作目もなかなかないだろう。前作がどこかまだアメリカ映画的、あるいは「インデペンデンス・デイ」っぽい感じがあったとすれば、本作はアメリカ映画の体裁の日本映画っぽいので、このあたりも監督やプロデューサーの作りたいものを作りきった感慨もある。

 筆者が見てて困っちゃったのが、やはり東京のシーンだろう。まあ間違って伝わっちゃった日本観なら、乾いた笑いで済ませてもいられようが、あんなに富士山がきれいに見える東京なんてどこにあるんだろうかと、目を覆わんばかりの惨状に、あれは静岡ですとか、うどんのおいしい富士吉田市なんですよとか、言い訳ばかりを考えていると、街中に「西東京」とか「高円寺」とか書かれているので、びっくりするほど青梅街道の絵面に、笑いを通り越して本気で困ってしまった。ああいう画面をみて勘違いするのは、海外の方よりも東京に不案内な関東以外にお住まいの方々かもしれない。ましてやいくら未来の日本の姿といっても、富士山のふもとにあんなに近代的な街が広がっているわけもなく、どこか「マジンガーZ インフィニティ」の新光子力研究所建造中の富士の麓に雰囲気が似ているので、おかしな錯誤感もある。お願いですから、どなたさまもあの絵面を探しに来ないでくださいね。

 とにかく巨大な怪獣が登場し、街を破壊し、巨大ロボットが跋扈し、内蔵武器で攻撃し、殴り、蹴る。もうそれだけでいい。ほんといい。科学者もくるってていいし、軍人たちがその任務に忠実に目標を持って在り様を示しているのもいい。無人のイェーガーが暴走するのもいい。こういうのが好きな人もいるだろうから、苦手な人にはごめんなさいwww
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波のまにまに☆

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