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宇宙戦艦ヤマト2~その1・「さらば」でも「2202」でもなく~

先の記事にて、「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」について取り上げ、二転三転しながらも怒涛の展開を見せ、その落着もキリモミしながらであったとしても、気持ちの良いものであったから、脚本家・福井晴敏氏を讃える結果となった。あの作品を製作側の意見をいれて成立させるなんて、どだい無理難題なのである。しかも古代と雪を救ってまで、あのような形で物語が落着できたことは、見ているだけのこちらとしては僥倖以外の何物でもないだろう。

んで、思ったわけである。「2202」の最大の特徴は、「さらば」ではなく「2」でもない、というポイントにある。だが多くの人にとって「2202」は「さらば」と「2」のリメイクでありながら、さりとてレンタルでほとんどのお店に常備されている「ヤマト2」まで、視聴するという方も少ないだろう。今回は「さらば」から派生して誕生した「宇宙戦艦ヤマト2」という作品を取り上げてみたい。公開当時ですら多くの称賛と、それに比する批判にさらされた「さらば」という作品は、結果的にシリーズとしての「宇宙戦艦ヤマト」を延命させることになるのだが、単なる「さらば」の語り直しではなく、批判にさらされた「さらば」という作品を全肯定するための企みだったのではないか? まずはそんな筆者の仮説から本記事はスタートしてみる。

<作品解説>
 「宇宙戦艦ヤマト」に関してはすでにシリーズの総括的な記事を書いているし、作品単独でも「ヤマトよ永遠に」と「ヤマトIII」、それに「2199」を取り上げている。その中でシリーズの歴史や松本零士氏のアニメ作品史など、折に触れて書いているので、ご参考いただきたい。ここでは「さらば」と「2」の関係性についてだけ抽出してみる。
 「宇宙戦艦ヤマト2」は1978年10月から79年4月まで、全26話まで放送された。本作の製作経緯について、wikiを参考にすれば、本作の製作は「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」(1978年8月公開)とほぼ同時に開始されたが、メインスタッフは「さらば」にかかりきりになっていたため、「2」の放送開始1か月前の時点で、1話のアフレコ時点で作画が完了していなかったという。製作の西崎義展氏と原案の松本零士氏の間で、「さらば」のラストの展開についてもめたため、松本氏の主張する物語として製作されたとある。また「さらば」の時点で発売に間に合わなかった関連商品をバックアップすることも視野に入れていたという。結果として当時発売されていた大小さまざまなスケールのプラモデルや関連書籍などを、当時子供だった筆者らは買うことになるわけで、ささやかながら買い支えていたんだなあと今になって思う。

 「さらば」ではテレサの通信を受けた古代たちが、地球連邦政府の命令を無視して、反逆者の汚名を着ながらも地球を飛び立つまでを、物語の冒頭であっさりと描いているが、本作では1話から5話まで使ってたっぷりと時間をかけて、ヤマトの2度目の旅立ちを描いている。

この話の中で、序盤から登場するガトランティスのズォーダー大帝が、地球侵略を目論んで、銀河方面に前衛艦隊を配備しており、すでに作戦行動も行われていることが語られている。またデスラーも早々に再登場しており、ガトランティスの首脳陣が地球の軍備状況を軽視している中で、ヤマトの存在をちらつかせて注意喚起を促しながらも、首脳陣からは煙たがられている様子も描かれている。

辺境警備の任についていたヤマトは、館長代理の古代の下で、地球へと帰還しようとしていたところで、ガトランティスの先遣隊に急襲される。そんな中でテレサの通信を傍受する。ヤマトの通信機器のみならず、地球の通信機器にも異常をきたすほどの膨大なエネルギー通信であった。一難去ってまた一難。古代は傷ついた艦隊と共に地球を目指していたが、前方から現れる巨大な艦影。それは地球艦隊旗艦として新たに建造されたアンドロメダであり、その処女航海に出航するところであった。アンドロメダの土方艦長はヤマトに航路を開けるよう通信を送るが、古代は復路優先を主張して一歩も引かない。通信による押し問答の中、ついに両艦が接触するかと思いきや、無事にやり過ごすことに。胸をなでおろす一同であった。

帰還した古代は愛する森雪の出迎えを受ける。帰るごとに勢いを増していく街並みを見て、古代はかつてガミラスに手ひどく痛めつけられた赤い大地の地球からの復興を実感するが、沖田艦長の戦没記念碑「英雄の丘」での酒宴にて、古代はこの復興と機械文明の行きつく先を懸念する。そしてその懸念は現実のものとなる。先のエネルギー通信によって宇宙のどこかで異変が生じていることを察知した古代と真田は、これを地球連邦議会に提出。だが地球の復興とそれに溺れる首脳陣は、そんなことを歯牙にもかけず、古代の議案を跳ね除ける。万が一の可能性を考慮して、ヤマトの緊急改造が実施されることになるが、その命令にはアンドロメダのような自動化システムの組み込みも含まれていた。これに大きく反発する古代だったが、藤堂長官によって一蹴されてしまう。苦悩する古代だったが、ヤマトにてかつて苦楽を共にした仲間たちの声に後押しされ、ついに反逆を決意する。

実直な島航海長の逡巡もありつつ、それでも仲間の元へと駆けつける島の操縦で、ヤマトは祝福されない2度目の旅立ちを迎える。その行く手を阻むのは、敵ではなく味方であるはずの地球連邦政府そのもの。海底でのマグネットミサイルや航空機による威嚇飛行、そしてかつてはガミラスに向けられていたはずの戦闘衛星を差し向けるが、ヤマトはこれを実力をもって排除。さらには土方の指揮するアンドロメダの追跡を、島の操艦技術によって一度はかわすが、ふたたびヤマトの目の前に現れるアンドロメダ。ついには一騎打ちとなるかと思いきや、土方艦長の温情により戦闘は回避、ヤマトは最後の障壁を排除してまだ見ぬ宇宙へと旅立つことになる。(ここまで5話)

ガトランティスの先遣部隊であるナスカによって、第11番惑星襲撃が開始され、壊滅する第11番惑星の守備隊。ここを守護する斉藤始率いる空間騎兵隊は、ガトランティスの陸戦部隊と交戦するも苦戦。時を同じくしてナスカ艦隊の派遣する大戦艦部隊を、改良された主砲の長距離射撃によって粉砕したヤマトの救援によって、事なきを得る。ナスカの敗戦によりデスラーの言葉は現実となる。だがズォーダーは微動だにしない。ことここにいたり、地球は謎の敵による侵略を知ることとなり、ヤマトの反逆は不問とされ、藤堂長官の一任の下、謎の通信源の解明に乗り出すことになるヤマトクルーであった(6話)。

5話以降になると、物語冒頭にガトランティスの地球侵略状況の説明が入る。かつて地球を脅かしたガミラス帝国のある大マゼラン星雲。それよりもはるか後方にあるアンドロメダ銀河からガトランティスは侵攻してきた。その移動距離や大軍団の規模はあきらかにガミラスよりも大きい。映画ですでにネタバレしている彗星都市帝国の偉容すら、冒頭で盛大に正体を明かしておいて、この冒頭の説明は、かつての地球の敵であったガミラスよりも、明らかに規模の大きな軍勢であることを、簡潔に説明していることになる。

救援ついでに乗艦してきた斉藤始たち空間騎兵隊の粗暴さに手を焼きながら、古代とヤマトクルーは果てなき宇宙を進んでいく。そんな折、ヤマトは見えない敵からミサイル攻撃をうける。それはナスカ艦隊の残存兵力である潜宙艦(スペースサブ)の攻撃であった。艦内をうろつく空間騎兵の邪魔によって、幾度も邪魔を受けるヤマトクルーだが、コスモタイガー隊の活躍で事なきを得る。艦体にダメージを受けたヤマトは近隣の小惑星にて修復作業に入ることになる。だが空間騎兵とヤマトクルーの衝突が勃発。衝突は最終的に斉藤と古代の一騎打ちとなり、佐渡先生のとりなしで収束する。ナスカ先遣艦隊の全滅を知ってなお平然と地球へと舵を取るガトランティスのズォーダー大帝。一方ヤマトの艦橋でも小さな小競り合いが起きていた。ヤマトの進路を早く見極めたい航海長の島は、通信担当の相原の制止を振り切ってまで謎の通信波の受信に固執するようになる。修理を終えたヤマトは通信の発せられた空域へと旅立つ。(7話)

通信によって徐々に発信源に近づきつつあるヤマト。発信源であるテレザート星前衛艦隊のゴーランド提督は、ヤマト攻撃のために出撃する。それはテレザート守備の指揮官であるデスラーの制止を無視しての出撃であった。ヤマトは発信源に向けてワープを敢行。だが激しい宇宙気流の中に飛び出してしまう。通信に従って気流の先に到達したヤマトは、宇宙の墓場サルガッソー宙域にはまり込んでしまう。再び通信を受け取ったヤマトは脱出路を求めて次元断層へと向かう。ゴーランド艦隊の攻撃を受けながらも、ヤマトは一縷望みをかけて次元断層へとひた走る。そして次元断層から抜け出したヤマトは、その先で待ち伏せるゴーランド艦隊の攻撃を受けるも、どうにか逃げ切ることになる。謎の通信の発信源はテレザート星であり、テレサの通信はゴーランド艦隊によって妨害されていたのである。それでも徐々にテレザートに近づきつつあるヤマトは宇宙を進んでいく。(8話)

<魅力あるメカニック群>
 そもそも「2」の話は、「さらば」を前提として、「さらば」において描き切れなかった部分を補完する作品でもある。「さらば」は上映時間にして151分。およそ2時間半の、当時としては長丁場の作品を、全26話、1話を25分としても650分、約11時間に引き延ばすわけだから、書き足している部分の余白が多いことは自明の理。序盤、古代たちが謎の通信波を受け取って、その内容に背中を押されるように地球を飛び立つことになるのだが、まず時間を割いているのが、古代たちの逡巡である。「さらば」ではあっさりと地球を飛び出しているように見えるが、地球連邦軍がいくつもの障壁をもってヤマトの前に立ちはだかり、これを退けるヤマトを描き、古代と土方艦長の交流を書きこむことによって、後の伏線としている。

 さらに目を見張るのは、アンドロメダをはじめとする地球の艦船類、あるいはガトランティスの艦船類を魅力的に描いていることだ。こんなことを感じたことはないだろうか? 「さらば」ではパンフレットや設定資料に数多く描かれている数多くのメカニックが、あまり活躍していないのではないか? このあまたデザインされたメカニックの活躍を、もっと映像として見たかった。そんな願いをかなえるべく、数多くの艦船類が画面狭しと活躍するのである。

 まず序盤に登場するのは地球の新造戦艦アンドロメダ。式典などは省略されたものの、1話の顔見せでいきなりヤマトとニアミスし、古代と土方の確執を演出する舞台を整える。また謀反を起こして地球を旅立つヤマトの前に立ちはだかり、古代と土方の和解までも演出して見せる。もちろんアンドロメダに率いられた主力戦艦や護衛艦なども登場し、ガミラスとの戦いを経て準備をし尽くした地球防衛の要を見せつけている。これが後半に登場するガトランティス艦艇との大海戦へとつながっていくのである。

 もちろんガトランティス艦艇類の見せ場も怠らない。「さらば」ではヤマトの都市帝国攻略戦やガトランティスの侵略状況を見せる映像でしか活躍場面のなかった戦闘機デスバテーターは、ナスカ艦隊の旗艦であるナスカ空母からの離発着シーンがあるし、コスモタイガー隊とのドッグファイトも登場する。また「さらば」ではまったくいいところのなかった大戦艦も、ナスカ艦隊の主力として、改造されたヤマトの主砲の前に、盛大なやられっぷりを披露してくれるあたりは心憎い。テレザート前衛艦隊のゴーランド艦は、「さらば」では波動砲の一撃で一層されてしまった感が否めないが、本作ではまるで駆逐艦のごとく速いスピードで、ヤマトにヒットアンドアウェイの攻撃を仕掛ける、アグレッシブな戦い方を見せてくれる。艦首にある大型ミサイルを使うよりも、ハリネズミのように武装した艦体各部に仕込まれた小型ミサイル群を、適宜使ってヤマトを攻撃する感じは、「さらば」との明確な運用の違いを見せつけてくれる。「さらば」当時に販売されていた100円のミニプラモデルシリーズでは、地球艦隊の「護衛艦」に付属していたガトランティスの「潜宙艦」は、「さらば」ではほんの一瞬登場しただけで、ヤマトの攻撃で敗退してしまうのだが、宇宙の潜水艦らしく、漆黒の宇宙空間にあって、黒で彩られた潜宙艦による魚雷攻撃は、後の「III」で登場する次元潜航艇とは異なる運用で見せ場を作っていた。これはこれで忘れがたい戦闘シーンだといえる。こうした戦力の厚みのある魅力あるガトランティスの艦船類もまた、後の地球対ガトランティスにおける、大規模兵力がぶつかり合う大戦闘へとなだれ込んでいく前哨戦として、魅力的なメカニックの活躍シーンとなる。

 本作でガトランティス側に登場する唯一の女性キャラであるサーベラー。「さらば」ではズォーダーの傍らにありながら、最終決戦前に捨てられてしまったかわいそうな女性として登場したが、本作ではよりアクティブに前線指揮を執る女性指揮官としての役目をもって登場する。女性のあざとさを前面に押し出しながら、時に大帝に甘えてみたり、時にデスラーの邪魔をしたり、身内の将帥に厳しく当たってみたりと、その地位と無能さをさらけだしながら、物語に割り込んでくるキャラクターであり、序盤からなかなかいい味を出しているので、要注目である。そういった意味では、森雪や後の登場するテレサとも違った意味合いで、魅力ある女性キャラとして注視していきたい。次回は中盤を取り上げて、物語を追いながら、群像劇としての「ヤマト2」に迫ってみたい。以下次号。
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