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見逃し映画考2019夏~ヒーローたちを生む童話~

 今年、ゴジラ映画も見てないし、「X-MEN」も見てないし、もう映像ソフト購入しか方法なくなって、お財布と相談しながらやっと買ってきた作品を、いまさらのようにお蔵出し。「キャプテン・マーベル」は「アベンジャーズ エンドゲーム」の前日譚であり、アベンジャーズ誕生秘話でもあるので、もうそれだけで楽しいし、「アクアマン」はその出自に関する話なので、ルーツに関するお話は大歓迎な筆者には、とてもうれしい映画でございました。批評批判はどうせあちこちにあるのだから、にわかのファンが楽しさにのたうちまわってる様子をご想像いただきながら、呑気にお読みいただければ幸いです。

<キャプテン・マーベル>
 実質、可愛げのない水樹奈々www
 時系列的にはシールドが成立していながら、アベンジャーズ結成前。アベンジャーズ結成の立役者であるニック・フューリーの若き日の出来事。物語自体は、キャプテン・マーベルことキャロル・ダンヴァースが、失われた記憶を取り戻していく過程に沿っており、その記憶にこそ物語の鍵が眠っている話であるため、なかなかに行ったり来たりするのが煩わしい。キャロルが助けられたクリー人はスクラル人と戦争状態にあるのだが、その見た目からなんとなく正邪が想像できるところがポイントで、のちにこれが裏切られることになる。結局スクラル人はクリー人によって追いつめられている種族で、もはや戦争難民のようになっているにも関わらず、クリー人に服従しないという理由で虐げられている真実が発覚するにおよび、正義ヅラしていた連中がこぞって悪人に見えてくれるから、映画という奴は実に面白い。
 もちろん「戦争」、それも種族間の戦争に正邪などあるはずもなく、物語の最後でキャロルは記憶を取り戻した上で、すべての力を開放し、地球に襲い掛かるクリー人を撃退し、スクラル人に肩入れするために、戦争に武力介入するために宇宙へと旅立つというところで物語は終幕する。さて戦争状態になっている2つの種族間戦争が、キャプテン・マーベル一人の武力介入ぐらいでどうにかできるものなのだろうか? このあたりの呑気さがこの作品の最大の弱点ではあるが、これまでのマーベル映画シリーズとしての積み重ねが、これを許していると考えれば、許容範囲かなと思える。もちろんクリー人のお偉いさんは、キャプテン・マーベル自身を欲しているという件があるだけに、この作品の続編につながる部分もちらりと見せているし、この点でもまたこの1作で評価を下せないポイントがある。善悪一対が物語の過程で逆転して見せる点においては、取り立てて珍しい話ではなく、それでも悪の中から最良の善が生まれたことは、もはや古典である。最初の「仮面ライダー」を思い出せれば、この点においては驚くに値しない物語だが、こうした物語が一向にすたれないのは、物事の観かたには、常に一方向ではなく、あらゆる可能性を考慮して、別の側面も想定しておくことが肝要であるという訓話でもある。一方的な破壊行為によって無辜の市民が殺害されることにより戦争を非難する常識的な見解に対し、経済活動や科学の発展に寄与するという戦争の別側面も確かに存在することは、否定できない事実である。であればこそ、難民を生む、死者を量産するがごとき戦争をきっぱり否定する見解こそが、最善であるといえることこそが至高であると常識的になれる社会環境を維持することが望ましい。

 小難しい話は別として、キャプテン・マーベル役の水樹奈々の硬質な演技を耳にしていると、「Blood-C」「WWW WORKING」あたりを覚えている身としては、決して珍しい組み合わせではないにしても、明るくケラケラと朗らかに笑うラジオの声などと比較すれば、やはり耳なじみの少ない声だろう。だからこそ、スクラル人との共存を求めて翻り、クリー人のスーツのカラーリングを親友の娘といじっているシーンの微笑ましい彼女の演技は、とても希少で大切なものに思える。そして威風堂々とクリー人の上司を吹っ飛ばしてみせるキャプテン・マーベルの、正義のあり方に声が宿り、彼女はこの世界のヒーローとなったのだなと感慨深い。水樹奈々のファンの方々は、ぜひとも日本語音声でご鑑賞ください。

<アクアマン>
 前作「ジャスティスリーグ」にて初登場したヒーローの一人であるアクアマン。彼の出自に関する物語が本作である。出自とはいえ、アーサーがアクアマンになる、という筋立てではなく、そも力をもっているキャラクターとして存在しながら、社会的、あるいは物語的にヒーローとして認知されるための物語なので、誕生の物語ではないのだけれど。
かつては海と陸を統べ、繁栄を誇っていたアトランティスは、国の崩壊と共に海底へとその舞台を移していく。はるか後、アトランティス帝国の女王は地上に逃げ出し、地上の人間との間に一人の男の子を設ける。それがアーサーことアクアマンである。アーサーが成人するころ、アーサーの弟となるオームが、他の海底国家に働きかけることで地上への侵攻を画策。まずは海底に存在する7つの国を統一するために戦争を始めようとしていた。オームは阻害要因であるアーサーを付け狙うことになる。一方ゼペル王国の王女メラの助力によって、アーサーはオームの追っ手を払いのけながら旅をし、やがて初代アトランティス王の伝説の三又の鉾(トライデント)を手にする。アーサーは死んだと思われていた母親と再会し、やがて海底連合軍と甲殻軍との戦争の最前線へと戻って、戦争を止めるために奮戦する。そして兄弟対決の果てに、アーサーは真なるアトランティス王として認められていくラストを迎える。

同じD.C.の「バットマン」などと違って、海や海底のシーンがふんだんにあるために、どこか神話というよりも童話的な雰囲気が漂う印象の作品で、地上の人間たちによる海洋汚染が原因で海底の国々が地上へと押し寄せてくる話もどこか牧歌的に聞こえるから面白い。また物語序盤で、アーサーが海賊に襲われたロシアの潜水艦を助けるシーンで、ちょっとした気まぐれにも似た狭量から、フライマンタというヴィランを生み出してしまうあたりも、どこか訓話的であり、アーサー自身が自分自身の出自を責める話にもつながっていて、ヒーローとはいえどこか人間臭くって、ついつい感情移入しやすくできてもいる。スーパーマンのような強靭なヒーロー性でもなく、バットマンのような暗さや傲岸不遜さもなく、性格設定的なバランスはとっても見やすくできているヒーロー映画でもある。しかも物語の落としどころが兄弟げんかあたりも、ギリシャ神話的ですらあるから、こういう物語的インターフェイスの面では実に良作といっていい作品だろう。そう考えると最近のD.C.の他のヒーローやマーベル・ヒーローはどれだけひねりが加えられて生まれてきたんだろうかと思えば、この「アクアマン」は同じシリーズの「ワンダーウーマン」やマーベルの「キャプテンアメリカ ザ・ファーストアベンジャー」あたりと同じく好感が持てる。

物語中盤、トライデントを探すためにメラと旅を続けるアーサーが、追っ手と戦いながら冒険を続けるシーンが本作の白眉で、お宝探しの旅の中で少しづつヒントを探し当てながら、トライデントを見つけ出す件はとても興奮したのであるが、見つけたトライデントをアーサーが手にするまでの見せ方は、もう少し長くてもよかったかなと思わないでもない。もう少し傷つき倒れて血を吐きながらでも、トライデントを手にするためにあきらめないアーサーの姿を見たかったような気もするが、他のシーンとのバランスを考えれば致し方なしか。そう思えば、いいシチュエーションでもシーンでも、よくもまあこれだけ必要十分なシーンバランスだかと、編集の腕にも感嘆する。もうちょっと見たいと思わせながらも、バランス的に見て良好だと思えるのだから、これはもう編集の力量だろうなあ。同じことがラストのオームとアーサーとの戦いにも言えるから、間違いなさそうだ。

ありていに言えばありがちで無難な物語運びだし、極彩色の深海の映像や、広い!でかい!と思わせる海のスペクタクル映像などの見どころを外せば、まあどうってことない映画だ。けれどこの映画を強く印象付ける映像といえば、灯台のある海辺の桟橋で、毎日のように海を見つめながらたたずむ、アーサーの父親の姿だろう。このシーンが映画の中で繰り返されるたびに、それぞれのシーンが異なる意味を持つ。この繰り返しも、意味が解れば涙腺が刺激される映像だ。筆者はこの映画が大好きだが、果たしてファンのハートをつかんだかは、どうも怪しい。それにアクアマンの映画として完結しており、どうにも続編が作りにくいかとは思える。とりあえずフライマンタは助けられているので、今後の話もできる可能性はあるが、フライマンタの復讐劇だけで映画1本作るにはあまりに内容が薄い。とはいえD.C.も「ワンダーウーマン2」を準備しているし、「スーサイド・スクワッド」すら「2」が準備中らしいので、アクアマンもどうにも2作目を作っていただきたいものである。
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