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物語のすきま、お埋めいたします~仮面ライダーリスペクトコミックス~

 最近になって「仮面ライダーSpirits」の連載が、月刊マガジン誌上で再開された。なんともうれしい限りである。そもそも前掲載誌での連載も知らず、店頭に並んだ単行本1巻を会社帰りに購入したものだ。電車内で読んでいたら、仮面ライダーの代わりに敵怪人と戦う滝和也が、本郷ライダーに助けられる。そして本郷「今夜は俺とお前でダブルライダーだ!」と滝に応えるシーンで、車中でもかかわらず涙を抑えることができなかった。それ以来のおつきあいである。それ以降巻も進み、現在では16巻まで発売中。掲載誌の変更にもめげず、連載も好調である。第2部での「ZX編」が、迷走している感じは否めないが、ZXが自身の悩みを吹っ切ってから、日本各地を転戦する。各ライダー達と共闘する姿には、やはり落涙させられる熱い展開であり、公の場での読書を禁じられた感がある。

 少なくても、ZX以外の9人ライダーは、さまざまな経験から、すでに戦う人生を自ら選んだ人間である。その戦いは基本的に孤独であるのだが、そんな個々の戦いに始終している彼らが共闘する様、そして自分が選んだ戦いの人生に、悔いを感じないことを明言する姿に、心から勇気づけられる。そうしたシーンは、テレビ本編では語られない。そのすきま部分をうまく広げてストーリーを紡ぐのは、作者・村枝賢一氏の手腕である。

 ところがこのストーリーに感動するためには、9人の仮面ライダーについて、ある程度知っている必要がある。そこには一種の作り手と読み手の共犯関係が存在する。2号ライダーが極めて陽性の性格で、「力の2号」と呼ばれたこと、目が見えなくても戦いに行く根性のある若者であることを知らなければ、あの戦場での物語には感動できない。それはとても幸せな共犯関係だろう。だからといって旧作シリーズを知らない人にとって、読むことができない作品かといえば、そうでもない。だからシリーズを知り、漫画を読み込むことで、さらに味わいが広がるという構造を持っている。漫画を読んで、最近DVD化された旧シリーズを見ることも楽しい経験であろう。わたしたちの年代でも、旧シリーズをすべて見ているという人は少ないだろう。当時子供であったのなら、週末に子供と出かける家族もあったろう。完璧に見ているなんてのは、ビデオやDVDになってからだろう。いまさらながら漫画を楽しんでからでも、旧シリーズをご覧になることをおすすめする。きっと新しい発見がある。村枝氏はそれほどに旧作を読み込んでいるし、こまかいネタを仕込んでいるからだ。

 こうしたスピンオフものは、マガジンの十八番だったようで、さとうふみやの「鉄人28号」の「鉄人奪回計画」とか、「ウルトラマン・ストーリー0」などもある。また鉄腕アトムのスピンオフ企画である「プルート」や、OVA「ジャイアントロボ」のスピンオフ企画の漫画も、「チャンピオンRED」で連載されていた。これらのすべてが、原作にあぐらをかいたような作りではなく、作画担当をする漫画化のイマジネーションが、重箱の隅をつっつくようなネタを拾い上げ、面白い展開を見せている。

 さてこれは最近になって知ったのだが、仮面ライダーについては「~Spirits」とは別に、オリジナルの仮面ライダー漫画を掲載しているHPを教えていただいた。それは「鉄のラインバレル」を連載中の「清水栄一+下口智裕」両氏による、「ハイブリッド・インセクター」という漫画だ(http://www.h7.dion.ne.jp/~n_circus/index.html)。
 怪人軍団が復活した日本で、本郷の承諾により、簡易ライダーシステムが開発される。数百人の簡易ライダーとオリジナルの7人ライダーが共闘し、怪人軍団を打倒した。だが日本政府は、驚異の対象としてライダー達の抹殺を実行する。その時のライダー達のコードネームが「ハイブリッド・インセクター」というわけだ。物語は裏の組織に操られた日本を解放するため、日本に対して敢然と戦いを挑む、ライダー達の物語である。
 リファインされたライダーのデザインも衝撃であるし、敵に回っている人間が、変身ベルトで変身してライダーと戦う様は、どうみても改造人間ではない、現行放送中の平成ライダーへのアンチテーゼともとれる表現であり、興味深い。そしてライダー達がすでに年を取り始め、耐用年数を超えたしんどさもちらりと見せる。

 実のところ、「仮面ライダー」というのは、「改造人間の悲しみ」を持つ「復讐者」である。それは不本意に改造された恨みであったり、友や肉親を殺された恨みであったりする。その気持ちが、目的を同じとしながらも、「平和」にすり替えられるのは、言うまでもない。だがこの「復讐者」と「平和」を両立したスタンスで描かれている「ハイブリッドインセクター」の物語は、とても今後が楽しみな状況ではある。惜しむらくは更新が滞りがちであることか。現在8話まで公開中である。ぜひお楽しみあれ。

 さてこれらのスピンオフ作品というのは、常に大変手が込んでいる。それは元ネタの広いかたの大小にもよるのだろうが、できるだけ小さなネタを広い、そこに問題提示をし、そこにドラマが生まれる構造だ。それはストーリーテラーとして力量が問われることになる。キャラクターの作り込みが、既存のものを流用しているから簡単だなどというのは、物語を消費するだけの側の、一方的な思い込みに過ぎない。
 特に「~Spilits」では、各ライダー達が何故戦いの道を選んだのかという問いかけを、きちんと消化していることが大きい。それは未熟な戦士である「ZX」を目の当たりにすることで、自分の原初に戻ろうとする姿である。そのドラマに、テレビ版の旧シリーズのエピソードが絡んでくる。それはでこぼこの多い旧作シリーズのすきまを、漫画のストーリーが埋めていくようだ。そのエピソードを知っているならなおのこと、感動できるに違いない。
 思えば、現在放映中の「仮面ライダーディケイド」ってのも、これと似た感触を持っている。ああ、コンプリートフォームがデザイン的にダメでも、つい見てしまうのはそういうわけか。やっと納得がいった。
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