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「ビーストウォーズリターンズ」~その1・機械と有機の生存戦略~

 前回まで「ビーストウォーズ」シリーズ2作品をご紹介した。問題はここからなのだが、この作品の続編を、いったいどのくらいの人が知っているのだろうか?という疑問が頭を離れない。オタク界隈はもちろん、ニコ動やら大手掲示板サイトなど、この作品の話で盛り上がっていた場所もあるにはある。実は筆者が見たのは、CSなのだがこの放送では最終回となるリミックスまではフォローできなかった。結局リミックスまで見たのは、DVD-BOXを購入するまでおあずけだったのだ。CSで観ていた時、そのあまりの吹き替え暴走のはてに、物語を追うことができず、初めて見た時の印象は、キャラクターの不気味さと、それとは裏腹の爆笑アフレコのおかげで、なんだかやけに楽しいものを見た、というものだったが、今回こそは本作の爆笑吹き替えに隠されてしまった重厚な物語をあぶりだしておきたい。以前より申し述べていたように、本作の面白さはおおむね爆笑アフレコによるところが大きいが、底辺に流れる物語、セイバートロン星の存亡をかけたコンボイたちの戦いの帰趨を、改めて鑑賞しておきたい。きっかけは「トランスフォーマー ビースト覚醒」という映画(そろそろ円盤が出ます)ではあったが、この実写作品に至る流れの中で、時代を行き来してまで戦ったビーストウォーズの最後の戦いを、目と記憶に焼き付けたい。

<作品解説>
 本作のアメリカ本国での放送は1999年9月から2000年11月。「メタルス」がアメリカで終了したのが1999年3月だったので、約半年のインターバルがある。一方日本では「メタルス」の終了が2000年3月。ところが日本での「リターンズ」の放送は2004年11月。放送は地上波かと思いきや、なぜかモバイル放送という特殊な形態で放映された。もちろん先述の通り、筆者が見たような後のCSでの放送もあり、一部地域では地上波の放送もあったという。この特殊な形態がこの作品を、これまで以上に吹き替えの暴走に拍車をかけた最大の理由だという。つまり地上波放送の放送形態や放送コードを軽く無視することができたのだ。この爆笑吹き替えの突出は、前作同様に暗く重苦しい作風を危惧しての、監督・岩浪美和氏の配慮だったわけだが、映像に残されている収録風景などを見る限り、単に面白い方を選んだ結果にも見えるが、まあ、それはおいといて。

 今回の視聴に当たっては、一般に販売されているDVD-BOXを使用している。副音声に声優さんたちの座談会やら、収録風景、メガトロン音頭まで収録されているお得盤であるので、シリーズがお好きな方は、ぜひとも購入をお勧めする。少なくても、2023年現在サブスクで容易に視聴できる作品ではない。メタルスまでは視聴可能なのだが、こういう境遇こそ、この作品の立ち位置を、如実に物語っているとは言えまいか。

 物語はセイバートロン星に帰還したコンボイたちの境遇から始まる。なぜか「ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー」での最初の姿に戻り、なぜか戦車型のメカに攻撃を受けている。しかもビーストモードからロボットモードに変身できず、攻撃手段がないコンボイは逃げるしかない逃亡の中、かつての仲間であるラットル、チータス、ブラックウィドーに再会。ラットルによればなんらかのウィルスに感染したためだという。地下に逃れたサイバトロン戦士たち。コンボイはそこで、かつてトランスフォーマーを生み出したコンピュータ・オラクルと接触する。そして啓示にも似た謎の言葉を受け、彼らは新たな姿を手に入れる。ところが敵を前にしても変身することができないコンボイたち。オラクルの言葉「内なる戦士を解き放ち、外なる野獣を手なずけろ」の言葉に従い、精神統合を果たしたコンボイは、新たなロボットモードとなって敵を退ける。だが敵ヴィーコン軍団を操っていたのは、誰あろうメガトロンであった。(1話)

 こうして始まったこの物語は、コンボイたちの故国セイバートロン星を舞台に繰り広げられる。1話でオラクルによって改変されたコンボイたちのボディは、機械と有機体のハイブリッドとなっていた。メガトロンはセイバートロン評議会の議会を占拠し、ウィルスを蔓延させてトランスフォーマーたちを駆逐。ビーストウォーズを勝利したはずのコンボイたちは、なぜか敗戦として記憶されており、スパークを持たないヴィーコン軍団とそれを操るメガトロンによってセイバートロン星は事実上支配されていた。メガトロンは議会の中で常にヴィーコンたちを操るマシンと連結しているが、感情の高ぶりによって連結が外れ、ドラゴンメガトロンの姿を現してしまう。メガトロンの目的はセイバートロン星からコンボイたちを含む有機体の駆逐であり、自身にも宿る有機体も排除したと考えているのだ。しかしスパークを持たないヴィーコン軍団は自律的判断ができないために、コンボイたちを追いつめはするが、倒すまでには至らない。そこでメガトロンは一計を案じ、3つのスパークをヴィーコンに組み込んだ。それがスラスト、タンカー、ジェットストームの3体である。

 一方サイバトロン戦士たちは、自身の体の改変によって、変身するために訓練を必要とする状況に陥ってしまう。序盤は地下を転々とし、訓練場所を探して右往左往。しかもラットル一人が出遅れてしまい、変身できない状況で話が進む。コンボイはまずヴィーコン軍団と戦える状況を手に入れた上で、セイバートロン星に起こった事情を突き止めるために、過去の記憶が残っているかと思われる場所を探してはアクセスして情報を集めようとする。その過程でビーストモードの状態ではヴィーコン軍団の探知に引っ掛からないことをラットルが発見したことで、隠密行動が可能になった。だがメガトロンはあちこちに罠を仕掛け、逆にサイバトロン戦士がアクセスしたコンピュータからハッキングを仕掛けて彼らの居場所を特定する。こうしてサイバトロンが行動すれば、メガトロンがハッキングをしてヴィーコン軍団を送り込むことで戦闘が発生する状況となる。

 3話でラットルたちが発見した工場では、物語の原因となった変身抑制ウィルスが作られていた。ワクチンも存在しており、ラットルはこれを使って変身できるようになるのだが、精神統合ができないままの変身は安定しない。一方スパークを与えられた3ヴィーコンは、意志を持ったことで競争意識から仲たがいを始めるが、その中でタンカーはライノックスのスパークが込められており、徐々にライノックスの意思が支配的になる。だが彼は有機体を排除するというメガトロンの思考には同調しており、いっそメガトロンになり替わり、セイバートロン星を支配することを目標に、独自の行動を開始。ブラックウィドーは戦いの中でスラストに込められたスパークが、かつて自分を愛してくれたシルバーボルトのスパークであると勘違いし、なんとかスラストに語り掛けるも、なかなかうまくいかない。

 5話ではセイバートロン星の悲劇を生き残った大コウモリが登場。彼は変身できずにコンボイたちの訓練を盗み見て、自分も変身しようと考えていたのだ。コンボイは彼のフォーマットを書き換え、ナイトスクリームとして仲間とした。その際、地下に生えていた樹木になっていた実を食べて、悲劇後の世界を生き延びていたナイトスクリームだったが、この実を食べたコンボイたちは野性を取り戻して暴れ出す。唯一実を食べなかったチータスは、機転を利かせて彼らを助けるが、これを契機にコンボイはチータスの判断力を認め、臨時のリーダーに任命する。

ラットルの独断がヴィーコンの製造工場を破壊(6話)したり、トランスフォーマーからスパークを抜き取る工場を破壊(7話)したりしながら、丁々発止の戦いを繰り広げる両陣営。戦いの中で互いに接触し、セイバートロン星の悲劇の実態が少しずつ明らかになる。タンカーに記憶によれば、トランスワープでセイバートロン星にもどろうとしたサイバトロン戦士たちだが、トランスワープ中にメガトロンが逃亡。セイバートロン星に到達したコンボイたちは、惑星からの攻撃を受け地表に不時着。すぐにタンカーに包囲された後、ウィルスに侵されて最初のビーストモードへと強制的に姿を変えられてしまった。このアクセスによってタンカーに込められたスパークがライノックスのものであることが判明する。(8話)かつての仲間を取り戻そうと、タンカーを囲むチータスとラットル。だが戦いの中でコンボイはタンカーがライノックスのスパークを取り戻しているとし、現状はライノックスの意思による選択であるとして、彼を見逃す。そしてオラクルの宣託によれば、ビーストウォーズとは、有機体の失われたセイバートロン星に、有機体による自然を取り戻すために必要な戦いだったという。(9話)

自らの有機体を取り除きたいメガトロンは、本来有機体などないはずのセイバートロン星でビーストモードを獲得して生き延びたナイトスクリームの能力を評価し、彼の拉致を指示。ナイトスクリームは体内に生体スキャナーを持っている、コンボイたちよりも進化したトランスフォーマーだった。一度は捕まったナイトスクリームだが、自力で脱出。地下へと逃げ延びてコンボイたちと合流すると、地下で数多くの骨格化石を発見。セイバートロン星にはかつて有機生物が存在した証拠が発見されたのである。ナイトスクリームは仲間たちを助けられなかった悔恨を口にする。それはコンボイの思いとも合致した。コンボイはこの地下に種を埋め、有機植物の育成を始める。(10話)

メガトロンの側近であるフライイングコンピュータを抱き込んだタンカーは、ベクターシグマのキーを使って、有機体を機械へと完全に変える力を手に入れる。地下に湧き出した有機エネルギーを秘めた水を使って、植物を育て始めたコンボイたち。そこにタンカーがキーで攻撃を仕掛ける。キーの力で植物が機械化する中、キーのオーバーロードに堪えかねてタンカーは機能停止する。攻撃を食らったナイトスクリームは機械化に苦しむが、有機の水の力で元に戻ることを発見し、有機の泉を探すためにメガトロンのモグラメカを奪うことを思いつく。ナイトスクリームの機械化はブラックウィドーにも感染。メガトロンは都市機能を完全掌握し、地上で行動するコンボイたちを追い詰める。ラットルは都市機能の一部をメガトロンから切り離し、モグラメカを奪ってなんとか逃亡。泉を掘り当てて、ナイトスクリームとブラックウィドーは助かるが、チームを率いるまでに成長したチータスは、オラクルの宣託を当てにして無茶な行動をとるコンボイを糾弾し、二人は反目する。(11話)

 前話で機能停止したタンカーだったが、それは実は偽物で、本物のタンカーは虎視眈々とメガトロンとコンボイの相打ちを狙って暗躍している。有機の水がスパークを目覚めさせることを知ったブラックウィドーは、シルバーボルトを助けるためにチータスから水をもらって戦いに挑む。ラットルは泉の水に電気を流すと、有機体が飛躍的に成長することを知る。この実験の過程であまりに巨大化したツタ植物は、成長して地上へと到達。キーの力でツタを撃ったタンカーによって、ツタを伝って植物が機械化しはじめる。ツタを切ってどうにか防いだのは、コンボイだった。一方ブラックウィドーは、スラストに込められたスパークは、シルバーボルトのものではなく、ワスピーターのものだったことが判明。シルバーボルトのスパークはジェットストームに込められており、二人に泉の水をかけたが、元に戻るまでには至らない。(12話)

ラットルは種と泉の水を使ってツタ爆弾を作る。キーのデータをダウンロードしたタンカー軍団を準備したタンカーは、メガトロンを焚き付けてサイバトロンとの対決に持ち込もうとする。コンボイはオラクルの啓示を受け、プラズマエネルギーを使いメガトロンとの対決を決意する。だがその啓示はタンカーが仕組んだ罠だった。ラットルの爆弾を使ってタンカー軍団を足止めし、メガトロンの元へと向かうサイバトロン戦士たち。激しい戦いの中で、次々に窮地に陥っていく仲間たちを感じ、心乱れるコンボイ。ついにコンボイはドラゴンの姿のメガトロンと対決し、彼のフォーマットを書き換えようとする。だがそれを阻止したのはタンカーだった。タンカーの企みに気づいていたメガトロンは、その直後にタンカーを拿捕。敗戦必至の状況下でコンボイはついにプラズマエネルギーを発動。キーのエネルギーと相まって、コンボイはエネルギーの波濤の中で消滅してしまう。(13話)

不思議な空間の中でメガトロンと戦い続け、その果てにセイバートロン星は消滅。その責任を感じて自分を責めるコンボイ。マトリクスに繋がったライノックスの助言によって、現実世界に戻ってきたコンボイは、キーとプラズマエネルギーを両方自身の体に引き受ける。キーの力を無効化したため、仲間たちは助けられ、ヴィーコン軍団は活動停止に追い込まれる。救われた仲間たちはメガトロンの居城で、すでに活動停止したメガトロンとタンカー、そしてコンボイの亡骸を発見する。チータスたちはオラクルの宣託を求めて地下へと向かう。そこで彼らが見たのは、オラクルの中に囚われのコンボイの苦しむ姿だった。その中でコンボイはオラクルの言葉を聞いていた。マトリクスが望んだのは、戦いではなく、機械と有機体の共存とバランスだったのだ。そしてここまでの戦いがコンボイに課された試練であったとし、試練を乗り越えて自由意思で未来を選びとったコンボイを、オラクルは讃えた。コンボイは現実世界へと帰還。そしてメガトロンは、飛行する巨大な自ら頭部に自身を移し、コンボイたちを威嚇する。(14話)

<キャラクターの変化と成長>
 ここまで物語の前半を振り返ってみた。実際に見ていただければわかるのだが、前作までのどこか呑気な雰囲気もなく、画面も全体的に暗い。前作までが惑星エネルゴアと呼ばれた大自然あふれる地球を舞台にしていたアースカラーの背景と違い、惑星セイバートロンのメカメカしい背景。林立するビル群に硬質で無機質な雰囲気の背景は、太陽の明るさがないために、本当に暗いのだ。その背景の暗さに匹敵するほどにお話もしんどい。この時点ではまだ判明していないが、なぜか歴史が改変されているようで、先のビーストウォーズはコンボイたちサイバトロンの敗北の歴史が刻まれており、帰還直後に攻撃まで受けて宇宙船は不時着。しかもセイバートロン星にはウィルスが蔓延し、セイバートロン星の住民であるトランスフォーマーたちはほぼ全滅していて、生きてこの星で活動しているのは、コンボイたちサイバトロンとメガトロン、そしてメガトロンが生み出したヴィーコン軍団、5話で登場したナイトスクリームだけなのだ。わかっているのは、帰還時のトランスワープ中にメガトロンが逃げ出している。どうやらここに歴史改変の事情が潜んでいるらしい。

 メガトロンの目的はあくまでセイバートロン星の実質的な掌握で、物語開始時点ではほぼそれが達成されているといっていい。なぜコンボイたちを狙うのかといえば、それはもう勝利を完全なものにしたいからだろう。その理屈付けとして登場したのが「有機」という存在だ。物語が進むにつれ、オラクルが語るビーストウォーズの真実が明らかにされ、セイバートロン星へ有機物を持ち込んで、有機物をこの星に取り戻すことだったという。その有機物とは、コンボイたちが惑星エネルゴアに到着して生体スキャンした地球の生物のデータであり、彼らが取り込んだ有機物だ。そもそもセイバートロン星には、オラクルあるいはベクターシグマと呼ばれるコンピュータが、トランスフォーマーたちを生み出した。だがそれ以前のセイバートロン星では、物語の中で明かされたように、植物や動物が繁栄していた有機生物あふれる世界だった。それを生活環境に対する適者生存を、コンピュータの側で選んだ結果が機械で構成された体を持つ、生きたロボットであるトランスフォーマーたちだったことになる。つまりセイバートロン星の原初の姿には、有機物が存在していたのだ。

 本作でのメガトロンの目的は、実質的な惑星の掌握を経て、コンボイたちを排除する名目で「有機物の排除」に置き換わった。それは自身が持つ「ドラゴンメガトロン」の体内にヒソム有機物すら含まれており、完全な機械による管理された世界を目指しているわけだ。個々人の自由意思のない世界。それをして人々はディストピアという。このメガトロンが目指すディストピアの構想に反旗を翻したのが、コンボイたちサイバトロン戦士だということになる。物語開始当初、物語の目標が見えないままに話が展開するのでわかりにくいのだが、「機械と有機物の生存戦略」にまつわる戦いだと理解すれば少しはすっきりするだろうか。

登場キャラクターのデザインも一新され、登場数も減じたため、全体として見やすくなったことは確かで、物語の複雑さに対して、画面上のキャラクターの出入りが制限されたのは、最大限効果を上げている。その分キャラクターの掘り下げがさらに深くなったと思われる。特に前作から登場したトランスフォーマーの魂である「スパーク」という概念の登場が、物語に深みを与えていることは疑いえない。

 例えば序盤からオラクルのフォーマット書き換えによって、新しいボディを手に入れた。ところがすぐにトランスフォームができない状況は、彼らに訓練を必要としたのだ。これは魂の試練だと考えるとわかりやすいのではないか。これまでコードやプログラムに従いトランスフォームしていた彼らが、新しい体を手に入れて、その体をコントロールするために訓練を必要とするのは、前作でメタルス化して戸惑ったチータスやラットルのエピソードと重なるし、それを乗り越えるための試練としての魂の訓練が、メガトロンが周到に準備した圧倒的不利な戦いに臨むにあたり、必要な過程だったのではないだろうか。
 またヴィーコン3指揮官に、シルバーボルト、ライノックス、ワスピーターのスパークを利用した。その結果、自律的な思考と行動が可能になったのと引き換えに、個性を手に入れたのだが、この個性がそれぞれのスパーク元の人格が大きく反映されている。ところが記憶は消去されているため、元の記憶を思い出すことがないのかといえば、有機の泉の水を受けた時にスラストとジェットストームは記憶の一部を取り戻している。筆者はトランスフォーマーたちの記憶はメモリとしてボディ側にバックアップがあると考えていたが、スパークにもメモリ容量があるようだ。とはいえその容量は決して大きくないため、スパークの授受によって個体の記憶が失われた状況になる。スラスト、ジェットストームの2体については、ブラックウィドーの尽力によって記憶の一部がよみがえることで、地球に残ったはずのワスピーターの帰趨までも判明したが、最終的にはシルバーボルトも記憶を取り戻しまでには至っていない。タンカーについてはコンボイたちとの戦いの中で記憶の一部を取り戻しており、ライノックスの個性を取り戻しているようだ。しかも彼は冷静に状況を見据えた結果、有機体を排除するメガトロンの思想に共鳴したものの、メガトロンの支配をよしとせずに自らがその首座につくために、メガトロンのフライイングコンピュータを抱き込んで独自の活動を始めることになる。

 物語中盤までの物語を先にご紹介したが、13話と14話の連続話では、コンボイたちの目的がセイバートロン星の有機体の復古であることが明確となり、機械vs有機体の戦いの様相がはっきりとしてきた。その中でキャラクターの役割も見えてきた。
 コンボイは持ち前の責任感の強さから、かつてよりもリーダーシップを発揮しているように見えるが、その行動には自身の根拠ではなく、あくまでオラクルのご託宣が前提となっている。コンボイのような強靭なメンタルの持ち主でも、ここまで追い込まれる状況になると、何かに依存したい思いが出てくるのだろうか。そのリーダーシップは時に無茶な選択を仲間に強いるから、その無謀さを敏感に感じ取ったチータスは、かつての関係性を無視してコンボイに反意を示す場面が散見され、場合によってはチータス自身がリーダーを目指すようになる。一度はコンボイが機能不全に陥った際の判断力が買われ、チータスがリーダーになったこともあったが、リーダーとして良き指導者として信頼をおいているコンボイに対し、その判断力の正しさを示してきたチータスは、戦士としてこれまでにないくらいに成長したのである。かつて「メタルス」の時代にサブリーダーだったライノックスが、タンカーになり替わったことで、事実上チームのナンバー2にならざるを得なかったチータスの苦悩と成長譚は、今後も注目のポイントでもある。

 こうしてチータスの成長が描かれる一方、割を食ったのがラットルで、序盤こそトランスフォームできないことで注目されたが、新しいボディには射撃武器などが廃止された体になったため、武装がなくなってしまったラットルは、一度はメガトロンと取引をして、武装を手に入れる話もあるが、ラットルは情報のやり取りをする場面が活躍の主舞台となる。前作でシルバーボルトとのラブラブを見せつけたブラックウィドーは、混迷のセイバートロン星でも冷静に状況を見つめ、シルバーボルトへの思いを貫こうとするのは、女性型キャラならではあるが、スラストとジェットストームに込められたスパークを勘違いする、という失態を演じてもいる。とはいえ日本語吹き替え音声で聞いているこちらとしては、声優さんの声で判断しているだけなので、失態などといえばきっと蜘蛛の巣ではりつけにされた上でケリの一つも飛んでくるくらいはありそうだが。
 
 セイバートロン星の生き残りであったナイトスクリームは、つい見逃しがちではあるが、セイバートロン星で起こった悲劇を目の当たりにした生き残りであるわけで、仲間たちの死を目の前にしながら、何もできずに地下に逃げ込んで命長らえたことに忸怩たる思いをもっている。仲間に対する責任感があるコンボイと、どこか共通する感情を持っている部分があることは、見過ごせないポイントである。

 実は筆者には、オラクルとベクターシグマ、そしてマトリクスの違いがあまりはっきりしておらず、特にこの前半におけるオラクルとベクターシグマを混同してしまいがちになる。Wikiを見るとオラクルはあくまでベクターシグマのインターフェイスポータルであるというから、表面上は直結しているから、この場合には同一存在としてもいいのかもしれない。一応記しておくと「ベクターシグマ」はセイバートロン星のメインフレームに直結した中央処理コンピュータということになっている。これに対して「オラクル」はトランスフォーマーを生み出した巨大コンピュータと説明がある。一見して各々が独立したコンピュータと見ることできるが、あくまでベクターシグマにアクセスするためのインターフェイスなので、オラクルはベクターシグマの下位存在となる。それはさておき、前段のようにオラクルの託宣に大きく左右されたコンボイは、これ以降自由意思で問題解決に当たることが必要となる。ベクターシグマのキーはコンボイたちに敵対する存在だし、オラクルはタンカーによって改変されて罠として使われた経緯を考えれば、今後はコンボイがオラクルの言葉とどう付き合っていくかも問題となる。そして新たなボディになったメガトロンは、惑星の空中に浮かびながら、コンボイたちサイバトロン戦士をさらに追いつめようとしている。さて次回後半はどんな物語が展開するだろうか。以下次回。
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波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
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