♪えーがいって、あ・そ・ぼっ!~GA芸術科アートデザインクラス~

 以前「7月期アニメ青田買い」の時には、4コマ漫画原作で、女の子いっぱいのアニメであるため、今期放送中の「かなめも」や前期の「けいおん!」などと一緒にしてくくってしまっていたのだが、最近になってこの「GA芸術科アートデザインクラス」がなんだか面白い。前述のような「くくり」に関しては間違ってはいないと思う。実際そうした流れの中にある作品であることは、放送中の「まんがタイムきらら」のCMでも理解していただけるだろう。では私がこの「GA」にはまった理由はなんだろうか?

 1つ目には、メインキャラクターである5人のパーソナリティが、きちんと見えてきたからだろう。元気で気分屋の「ノダミキ」、なんでも力業で押し込むタイプの「トモカネ」、物静かだがどこかふしぎな雰囲気を漂わす「キョージュ」、みんなのまとめ役にしてツッコミ役の「ナミコさん」、そして頑張り屋でおっとりした主役の「キサラギ」。この5人のキャラクターと顔と名前が、ここにきて一気に一致したのだ。たぶんこれが大きいだろう。それまでキャラと名前が一致せず、声優さんの声だけを頼りにキャラクターを区別していたので、認識がワンテンポ遅れてしまう。そうすると、頭の中では絵で見ているテンポについて行っているつもりでも、キャラクターとネタのすりあわせにタイムラグを起こしてしまう。その結果、どんなに面白いギャグシーンでも、滑り気味に見えてしまうのだ。
 普段こういうことはオリジナルのアニメでは起こりがちな場面である。なかなか乗り越えられない壁の部分だ。普段からアニメを見ない人にとっては、こういったことはよく起こりがちであるから、番組の構成にはよくよく注意が必要だろう。だから初回の話には、キャラクターの出入りを極端に減らしておくと、交通整理ができるのだ。「GA」では、1話でこの5人のみでネタを回しているので、十分配慮したのであろう。それでも私のようなロートルにはいっぱいいっぱいであったが、ここにきてやっと追いついた感じだ。いまではギャグのテンポにも慣れてきている。この作品の本来の持ち味である停滞のないスピーディーなネタの連打に、心地よく載せられている状態だ。

 2つ目に、構成の巧みさであろうか。「GA」では、キサラギたちのいるGA1年のクラスと、彼女たちが通う高校の美術部、先生達の職員室という3つの構成要素がある。第1のキサラギ達がいくら主役としてがんばっていても、この5人だけでは13話を持たせられないのではないかと、ひそかに心配していた。ところが話が進むにつれて異なる2つのステージを、バランスよく取り込むことで、GA1年クラスと職員室、GA1年クラスと美術部、美術部と職員室といったコラボレーションで、さらに物語やネタが展開するようになってきた。そして最近の回では、美術部を舞台に、職員室→GA1年クラスと組み合わせが変化する展開までも見せるようになる。まことに巧みな展開という他はない。よくよく原作漫画を読んでみると、ずいぶんと物語の順番を入れ替えているし、近日発売の3巻に描かれているネタまでやってしまっている。今後のネタ不足に多少なりとも心配を覚えるのだが、それも杞憂になるだろう。

 そして3つ目であるが、4コマ漫画アニメとして、はじめて専門的な世界をネタにしていることだ。主人公達が通うのは、共学で普通科も含まれている学校であるが、彼女たちは芸術科アートデザインクラスに所属する。このためネタの多くが「美術」や「芸術」に関連するネタになる。こうしたネタは、普通なら同じような美大に通った経験のある人々や、アート関連の専門学校に通っていた人々にとっては日常的な光景であり、いわゆる「あるある」ネタとなる。だが普通科しかない普通高校に通っていた人間にとっては、非日常の知識や風景で占められていることになる。これを面白いと見るか、つまらないと見るかは受け取る人間次第である。しかし「漫画」の世界では、特殊な世界を舞台にした漫画は、近年増大していることはお気づきだろう。特に「料理」「スポーツ」「金融」「ゲーム」などの細かい分野に特化した漫画は、枚挙にいとまがないほどだ。そうした流れが、確実にアニメの世界にも押し寄せてきている。それは前期の「けいおん!」でも同じだ。「日常の中の非日常」、それも専門的な偏りこそが、漫画やアニメを面白くするエッセンスとして選択されているということだ。劇中に出てくる「アイドマの法則」やポスターカラーの取り扱いなど、知っていそうで知らない知識。日常的にはすぐそばにあるのに、普段決して意識することにない事柄。そうした事象がこの「GA」という物語の周辺に配置されている。それが中心にある日常的な「あるある」ネタのバックボーンになったり、はたまたネタそのものだったりする多様な構成を見せる。それはアニメではなく原作の持つ魅力なのかも知れないが、アニメ版ではその魅力を損なうことなく表現されているのだ。

 キャラクターがかわいいかと問われれば、それほどのかき分けができているキャラクターだとも思えない。しかも意外にも手が大きく描かれており、一種の萌え絵とはことなる位置にいる。ぱっと見て、萌えアニメにも見えそうな絵ではあるが、その実、萌えとは異なる位置づけだ。これも私にとってはポイントが高い。

 自分の感性に尋ねたら、以上のような答えが返ってきた。これこそが私が今「GA」というアニメや漫画を面白いと感じている理由だ。「好き」でも「楽しい」でもなんでもいいが、その理由を考えてみることは、その作品の自分なりの本質を見ようとする作業な気がする。そうしたことを何度か重ねているうちに、自分なりの判断基準ができてくる。事実「7月期青田買い」の時には、どちらかというと否定的な見解を書いている私である。なにより見続けることがしんどいものは仕方ないのだが、見続けていくうちに、こうしたことを1度は考えてみると、他人とは共有できない自分だけの価値観が生まれてくるだろう。それこそが「アニメ」を楽しむコツだと思う。
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波のまにまに☆

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