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だいたいわかれば、それでよし~TV版「仮面ライダーディケイド」最終回~

 明日の朝から「仮面ライダーW」がスタートする。その前に、前週で最終回を迎えた「ディケイド」について、きちんとまとめておきたい。

 仮面ライダーのデザインとしては、どこまでもともとの仮面ライダーの意匠を取り入れるか、それ自体にこそ新しい仮面ライダーのアイデンティティが発生すると考える。そしてトイ雑誌などでお披露目となったディケイドの姿は、きわめて省略し、アイコン化されたデザインで登場する。見れば丸い目があるだけで、触覚や角もない。デザインがあまりにも簡略化されている。カラーリングもこれまでのライダーが取り入れていなかった色をわざと選択的に取り込んでいる。だが全体的に見るとそのたたずまいは違和感を感じさせない。そう思えたのはたぶんこのライダー自体を無個性化するためにデザインされてるからではないかと思ったからだ。その実、ディケイドはそれ自体に必殺技を持たない。すべては9人の平成ライダーの借り物の技を使うことを、前提としているからだ。ライダーの無個性化、そして極度に簡略化されたアイコン化。その無個性こそが、ディケイドの持ち味になる。

 はじめに断っておくが、私は本作を大変気に入っている。DVDも購入しているほどだ。それはなぜか? 1話で見せた「ライダー大戦」の問答無用の迫力に飲み込まれたわけではない。ましてや旧作のライダー達へのノスタルジーでもない。ディケイドとなる門矢士という青年がよく口にする「だいたいわかった」という言葉が引っかかっていたからだ。この言葉自体に、ディケイドというまるで制御不能とさえ思われる多重世界を統合するというデタラメな物語を、まとめきるだけの秘密が隠されていると考えている。

 ディケイドの物語構造は、門矢士と光夏海、そしてクウガの世界のクウガである小野寺ユウスケ、ディエンドである海東大樹たちが平成ライダーの9つの世界などを旅する物語である。そのどの世界においてもディケイドは世界の破壊者として忌み嫌われている。ディケイド自身が何者なのか、多重世界はなぜほろびに瀕しているのかが、物語最大の謎となっている。門矢士はどの世界においても、その世界の出来事に首を突っ込み、かき回し、それでいてそこでおこなわれるドラマを終結させる。そしてその世界ごとに協力者や仲間を手に入れて、自分の汚名を注ぐことでその世界を去るという構造だ。毎回繰り出されるライダー世界は、もとの物語を非常にうまくトレースしながら再構成され、たった数話でもきちんともとの物語を思い出させるのに十分なドラマを描いている。本作の白倉プロデューサーいわく「リ・イマジネーション」の結果が、ここに結実しているといっていい。

 それは単に「ガンバライド」というカードゲームとの連動だけではない。そもそも終了した作品は、それぞれが独立した作品であり、それが独立した位置で魅力を放っている。それを再構成し、終わってしまった作品に再度命を吹き込む行為に、どれだけ意義があるのだろうと思っていたのだが、時代はすでに「ウルトラマンメビウス」を手に入れていたのだ。下敷きに「ウルトラ兄弟」の設定や「大怪獣バトル」という試金石があってのことだろう。それはノスタルジーにかこつけた、よくいって作品の再利用でしかない行為だろうが、そこに新たなキャストによるツボを押さえたドラマを再構築することで、9つのライダー達は新しい居場所を与えられたことになる。

 だがそれぞれの作品ファンにとっては、これは逆に耐え難いことだったろう。メビウスのラストシークエンスにおける兄弟達の再演に見られる、涙なしには見られない、旧作を彷彿とさせるシーンの数々のような感動は、味わえないと誰しもが思っていたことだろう。私自身も「響鬼」の配役にはあまりに違和感を覚えたし、体を鍛えない響鬼の姿には、まったく入れ込める要素を見いだせなかった。
 だから「だいたいわかった」なのである。リ・イマジネーションをして、再構成するために必要なものは、その作品のすべてではないということだ。再興するための必須要素だけを抜き出し、ドラマの問題部分を構築し、それでももとの作品としてのアイデンティティをエッセンスとして残すことで、ディケイドの物語を構築されているのだ。私たちがディケイドを見るときには、すべてを知っている上で、その知識のほとんどを投げ捨てて視聴すること、「だいたいわかった」ぐらいの知識で見ることこそが、ディケイドの物語を楽しむコツであることを、門矢士は教えてくれていたのだ。

 そして門矢士は、世界の崩壊の実態を、やはりなにも知らない。だいたいにして自分がなぜディケイドとして世界を巡っているか、なぜ世界は自分に撮影されたがらないかを理解してはいないのだ。世界を巡る旅の本当の意味を知るのは、最終回である。大ショッカーのアポロガイストに立ち向かうために、世界の崩壊と旅の仲間を天秤にかけ、それでも門矢士と旅をした共有の記憶と、共に旅をした仲間のために、ディケイドとともに戦う選択をしたユウスケや大樹、アスムとワタル。それは旅の目的ではなく、旅をすること自体が重要であり、その旅で得た仲間こそがもっとも重要な旅の意味であったことを雄弁に物語っている。しかしそれすらも心から信じていない門矢士である。だから「だいたいわかった」なのである。

 結果的に最終回では、いかなる謎もあかされないまま、年末の劇場用映画に引き継いでしまった。まあテレビの前で私も唖然とした方だが、ふしぎと怒りもわいてこなかった。それはこの夏の劇場用映画が実質的な最終回とするには、あまりにも雑すぎたことが原因だ。いちいち謎の答えを用意しておきながら、それがずべて雑な答えであったので、これはテレビでどうにかするのかなと思っていたのだが、さらに劇場版まで引っ張るとは、東映もなかなか商売がうまい。その商売の部分も含めて、むしろこの荒唐無稽な物語を楽しんでいる。たとえ劇場版にどのような答えが用意されているとしても、笑って納得できる気がする。それこそ細かい考証などどうでもいいのだ。「だいたいわかった」程度のことが理解できていれば、「仮面ライダーディケイド」という物語は楽しめる。それは簡略化されたアイコン顔のライダーには、お似合いの物語だと言える。すべては「だいたいわかった」なのだ。

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