声優「沢城みゆき」に惚れてみる~しあわせソウのオコジョさん~

 先頃「化物語」の「するがモンキー」が最終回を迎え、「なでこスネーク」が始まった。それにしても「するがモンキー」は楽しかった。この物語の主人公である「神原駿河」という少女が、異常なまでに魅力的である。その性格は別として、彼女自身が世の男性諸氏による妄想のかたまり的なキャラクターだとしても、SEXを誘うようなエロい言動を取りながらも、そのあまりにと言えばあまりな言動ゆえに、男の性本能を萎えさせるという特殊な性癖をおもちでいらっしゃる。まあ原作の台詞を見ると、だいぶカットされているようで。友人の話を聞くとどうせならすべてしゃべらせるべきだという主張も納得できるのだが、それは深夜枠のアニメでも自嘲すべきだろう。活字ってすげえな。なにより「ピー」でかぶせればいいってもんでもないだろう。友人よ、それをしゃべる声優さんの身にもなってくれ。だってほら、これを女性の声優さんにしゃべらせるってのは、だれがどう見てもセクハラまがいだ。そんなもん、脚本にかこつけて、音響監督をはじめ録音スタッフが、悦に入っているとしか思えないじゃないか。あ、閑話休題。

 私は神原駿河役の沢城みゆき嬢の大ファンである。演技力、抑揚、表現力、役の咀嚼力、理解力、どれをとっても抜きんでている。なによりその声音が好きだ。「うたわれるもの」という作品では、少女アルルゥの声を演じている。その少女よりもやや幼い声で、必至で世界を追いかけながらも、追いつかないことを切なく思っている彼女の気持ちを代弁するように演技する。いたいけで、少し憎らしく、やはりかわいいアルルゥを、一言二言で見事に演じていた。また「ローゼンメイデン」シリーズでは、人形の「真紅」を演じている。少女人形でありながら、辛辣なもの言いと毅然とした態度が不釣り合いで、そこがまたかわいらしいのであるが、どこか達観した部分が、時に母親のような雰囲気をもって、作品全体を引き締めていたように思う。「レジェンズ」では、英語坊やや秘書役などをやっており、物語に絡む訳ではないものの、幕間のギャグやオチに登場する。つい見逃してしまいがちな役ではあるが、大地丙太郎監督作品なだけに、そのタイミングや場の雰囲気に合わせた抑揚には脱帽させられる。「図書館戦争」では、主人公のルームメイト役で出演されていたが、その彼女が最終回で言った「すっとした!」という台詞に、本当にすっとした覚えがある。そんな彼女に初めて遭遇した作品が、「しあわせソウのオコジョさん」という作品である。

 「しあわせソウのオコジョさん」は、宇野亜由美による漫画を原作としたアニメである。2001年10月から 2002年9月までテレビ東京系列で放送されていた。とある大学生が、ひょんなことから拾ったオコジョを飼うことになり、大学生・槌谷と、しあわせ荘の住人、住人達が飼う動物たちの日常を描いたギャグアニメである。また番外編として、登場キャラクターが田舎の学校の生徒に扮する「オコジョ番長」という作品もある。そして主役のオコジョの声を担当していたのが沢城みゆき嬢である。
 さてこのオコジョさん、いったい何がおかしいのかと言えば、なんといってもオコジョさん自身だろう。その出自は母親とはぐれてしまったオコジョだが、助けられたキツネに弟子入りし、生きる術を学ぶのだ。そして森で母オコジョと再会したのだが、あまりに成長した我が子を認識できなかった母親に愛想を尽かし、オコジョさんはクマにまたがりぐれてしまうのだ。「虎の威を借る狐」ではなく「クマの威を借るオコジョ」である。そのため森では「伝説のオコジョ」と呼ばれている。ひょんなことから槌谷に拾われ、唐揚げで手なずけられて居候をするのだ。性格は短気で怒りっぽく、気に入らないと「しゃー」と鳴きながら爪をきらめかせるが、人間からするととてもかわいらしくほほえましい光景なので、まったく威嚇の効果はない。そのくせ寂しがり屋で泣き虫で、意外に几帳面。オコジョ番長では、欲しくて欲しくてしょうがなかった「ギャオギャオレンジャーの鉛筆」を、槌谷に買ってもらっていたが、その鉛筆も日常で使いこんで、ちびてしまっている様子が後日の話で見られる。
 そうしたオコジョのキャラクターだけでなく、周辺に巧妙に配置されたキャラクター達が織りなすギャグが、非常にハイセンスである。オコジョを見てハイテンションになる動物医・塚原や、あやしい呪文のような台詞を繰り返す田所姉妹、大家の息子で動物コレクターの仙道など。枚挙にいとまがないほどだ。
 これらの内、おすすめをするならば、しあわせ荘で「科学君」と呼ばれる学生発明家の仁科学、そして槌谷に思いを寄せる中学生・森下繭美だろう。科学君の場合は、彼が繰り出す発明品の数々が、騒動を起こすのだが、特筆すべきはやはり「メカオコジョ」だろう。その登場シーンではメカゴジラよろしく登場するが、その性能はオコジョ自身をはるかに凌駕するもので、塚原もめろめろだった。そして繭美ちゃんについては、そのにゅるにゅるとした動きで、1話見せきってしまうその演出だろう。動物アニメで、動物に焦点を当てずに、人間にスポットをあてて1話見せきってしまうなど、「動物のお医者さん」以外では見たことがなかったし、繭美の無口な性格と、友人にしか聞こえない彼女の台詞のおかしさも相まって、シリーズの前半の大きな見所となっている。ましてや最終回ではオコジョさんを森に返すと思いきや、そうは問屋が卸さない展開で、最後まで飽きずに見せきってくれる。

 ええと、だいぶ話がズレたが。このオコジョさんを演じていた当時、沢城さんはまだ高校生だったそうだ。DVDに封入されているペーパーにあったので間違いない。それでこの演技か。いやはや恐ろしい声優さんがでてきたなあと、家内とよく話していたのだが、その彼女もいまやはたちを超えたそうで。最近では「声優グランプリ」などの声優誌でも、よくお顔を拝見する。9月号では「GA」と「CANNAN」のインタビューを受けており、写真も掲載されている。高校生だった彼女がいつのまにか大人びた表情をしている。あれ、なんだろう? ちょっと照れくさいや。
 そういや「うたわれるものらじお」でも本編および特別編と2回出演しており、音源がCD化されている。その内容を聞いていると、彼女の役作りの背景が少しだけ見えてくる。歩くこと、無駄に練習したいこと、人の台詞を聞くこと。中学生でデビューした娘さんが、これまで声優として歩んできた道のりも、決して平坦ではなかったろうに。素の声ではしゃいだり、クスクスと笑う彼女の声がまたかわいらしく、ついそんな彼女の苦労など忘れてしまいがちだ。
 そんな沢城さんが、いまもっとも熱中しているのは、舞台なのではないだろうか。舞台女優として役者としての幅を広げ、声優ではない彼女のもう一つの姿と魅力に、あらためてファンとして触れるのも、すてきな経験ではないだろうか。このHPではそうした舞台での彼女の姿を見ることができる。
http://www.gekidango.jp/member/sawashiro.html
 なお、こちらのHPでは劇団の皆さんがもちまわりでブログを更新している。個人ブログなどない沢城さんの近況が読めるのは、実にここだけだ。心して拝読せねば。

 この7月期スタートのアニメでも、彼女は引っ張りだこである。「CANNAN」では主役のカナンを演じ、「GA」のともかねとその兄、「宙のまにまに」では近江さん、そして「化物語」や「絶望先生」(エンディングで見せた絵描き歌がすごかった)と大活躍だ。こうも集中すると、飽きが来るタイプの声優さんもあるだろうが、沢城みゆき嬢にかぎってはそんなこととは無縁である。おそらくしばらくすれば舞台との兼ね合いで声が聞かれなくなる時期もあるかも知れないが、今のところ彼女の全力疾走が、そんなファンにとって寂しい事情にはさせてくれないようだ。そんな彼女の疾走は、まるで神原駿河の走りに似て、気持ちがいい。われわれファンは彼女の背中を、どれだけ後押しすることができるだろう。

 だからさ、そんな大好きな彼女に、放送禁止用語まがいの台詞、言わせるわけにはいかねーんだよ、友人よ。


しあわせソウのオコジョさん(1) [DVD]しあわせソウのオコジョさん(1) [DVD]
(2002/03/25)
沢城みゆき山崎雅美

商品詳細を見る

 
 
スポンサーサイト

テーマ : アニメ
ジャンル : アニメ・コミック

コメント

非公開コメント

No title

「わたしはレズなのだ。(明るく)」のあたりでかなり一線を越えているようですが…。
それに神原さんは用語ではなくシュチュエーションでエロさを発揮するので
「ピー」音は必要ないので大丈夫です、ははは。
エロはさておき、スネイク冒頭の会話や
「阿良々木先輩~♪」あたりのかわいいところが聞きたかったのですが残念です。

No title

追伸:最近、私がファンの小林ゆうさんは銀魂でエラい役をやってますので
むしろそういうことには慣れました。「まりあ†ほりっく」でもそうでしたし。

ありがとうございます

>うめさんさま
 コメントありがとうございます。なるほどシチュエーションですか。
 とはいえ、「化物語」そのものが会話劇である以上、そのシチュエーションも、比較的無味乾燥な背景にたよることなく、役割を果たす必要上、やはりシチュエーションよりも台詞に重点が置かれている感じがします。まあ「ピー」音はいずれ使わないでしょうけど。
プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
43歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
愛する、男オタ。
特撮は主食、
アニメは副菜。
後期必殺を好み、
スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
Twitter再開しました!

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
namima2のつぶやき
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

FC2カウンター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
リンク(リンクフリーです)
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
FC2 Blog Ranking
フリーエリア
blogram投票ボタン
ブロとも一覧

あにめにゅ~す の あににゅ

分水嶺

素足のアイドル達

有名人の珍言・名言集

宮廷アリス

TOY BOX
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

[FC2 Analyzer] http://analyzer.fc2.com/ -->