今期アニメ最終回考など(その2)

 またつれづれ書いてみようかと。

 「化物語」は、最終的にもっとも今期のめり込んだ作品だった。原作の小説も読んだし、ブルーレイで予約した。それはもう個々の女性キャラクターの魅力に尽きる。戦場ヶ原ひたぎの、どこまでもうらはらな愛情表現には、阿良々木くんへの深い感情を感じさせる。人が一人の人間の人生を変えることなど、そうはないように思うけど、彼女のエピソードとその後の登場シーンを見ていると、人が他人に干渉することの重さも感じられる。八九寺真宵と阿良々木くんの会話には本当に苦笑させられるし、そのテンポやタイミングの良さが光る。神原駿河に関しては、そうとうきわどい台詞もあったが、それをさらりと言ってのけ、尚かつ扇情的でいて、そのくせ複雑な趣味趣向を持っている。千石撫子にいたっては、あまりにも狙いが過ぎており、OPの歌にはまったくの脱帽だったし、劇中そこかしこに現れる羽川翼は、異常なまでにかわいらしい。
 だがどこまでいっても男性側からの欲望でできている気がして、家内に隠れるように見てました。いやもう一緒に見るなんて心が耐えられないや。たとえば神原の台詞ひとつとっても、中学生の妄想の産物にしか思えないし、千石なんてまさにそうだろう。だからといって非難しているわけではない。これほどいっそ清々しく見せてくれるなら、こういうアニメも楽しいものだ。映像表現やらシャフトやらの説明でごまかす必要もない。
 本作でほめるべきは女性キャストだろう。特に戦場ヶ原ひたぎ役の斎藤千和さんの演技たるや、最終回で完全に結実しているし、神原駿河の沢城みゆきさんには、あのような複雑な役をこなしたものだと思う。また羽川翼役の堀江由衣さんには、はじめて恐れ入ったといっておきたい。それすらも男性側の勝手な思い込みによる評価だろうが、その不遜もわきまえているつもりだ。とりあえず本作を心から楽しんだ。

「GA芸術科アートデザインクラス」
 すでに1度書いているのだが、こちらも視聴途中からがっつり楽しませてもらった。特筆すべきことは何もないけれど、ギャグのテンポも小気味よく、こちらの体内リズムに合わせて進むので、なんの抵抗感もなく楽しめた。これが芸術科という舞台だから、このようなネタにつながるのだろうと思っているが、これが普通校の授業風景であれば、やはりこうはいかないだろう。だいたい先生が教壇に立ち、学生が座学している姿で、どうやってギャグをつくればいいのか。しかもすでに「あずまんが大王」でやってしまっているから、独自性なんてないに等しいし、よく考えたら「サザエさん」ですらやっている。逆に彼女たちのプライベートな話は意外に少ない。これも「部活もの」の定番ではある。「美術」をネタにしているから、その独自性が保たれているわけだ。しかし授業中のノダとトモカネは楽しそうである。脱線すら授業で容認されるなら、それもまた楽しからずや。

「咲」
 部活ものでしかもネタが麻雀。とにかく女子高生が大挙して押し寄せるアニメだった。原作は事前に読んでいたが、未単行本のエピソードについては、実に楽しかった。主人公・咲の逆転具合も楽しかったし、団体戦は非常に充実していた。一方の個人戦は、想像通りに視点があちこちに移動して、なかなか楽しめなかった。勇希がトップに立ってたところは見応えがあったが、そこから咲がどう上がるのか、だれが落ちていくのかがわかりずらいし、何より入れ込みにくかった。まあ最終回はこれまでのキャラ総登場で、スタジオ内もいよいよ華やかだったろう。最終回でやっと顔を出した咲の姉・照の活躍が楽しみだ。何より麻雀程度で家庭不和になる事情が明かされるのだから、きっとたまげた話が飛び出すにちがいない。これ以降はアニメにはならないだろうけど、OVAになる可能性も秘めている。今後も漫画が要注意な作品だ。なるほどこうして漫画の売り上げが伸びるというわけか。

「真マジンガー 衝撃Z編」
 1話で「大団円」になってるからさ。てっきりあそこにつながるのかと思ってたら、戻り損ねちゃった感じだ。これではループできない最終回となっている。
 しかし今川監督お得意の「エネルギー問題」はおいてけぼりだし、今回は人間関係のくさりで押し込んだ話になっている。特に「あしゅら男爵」は、異常なほどフューチャーリングされている。まあ首がすっとんでるブロッケン伯爵よりもインパクトある姿だから、突っ込みたいのはわかるけどね。しかも最後の最後であしゅらがさらに裏切ってたとは、思いもよらなかった。「活劇」の基本である「どんでん返し」ってのは、やればやるほど規模がお聞くなるし、少しでも小さくすればすぐに前のどんでん返しに霞んでしまう欠点がある。どんでん返しの多様は固く禁じられているし、実際繰り返す回数分だけ見ているこちらが萎えてくる。今回も同じような感じだろう。善悪の相対化により人間の根底を揺るがせ、最終的には人間性に根ざしたまとめをすることは、実はけっこうぎりぎりの選択だ。その証拠に、だれもついて行っていない気がした。この作品は真に暴走している感じなのである。だから本作を冷静に見てはいけない。あくまで今川節が好きな人が見る、酔狂のための作品、それが本作の姿であろう。私は大好きでした。酔狂もいいところだ。

「狼と香辛料 II」
 ホロとロレンスがいちゃいちゃして終わった気もするな。まあ今期についてはそれが見たかったので、文句言う筋合いでもないか。町が大騒ぎになった裏で、もうけを企む商人たち。結果的にロレンスはホロの存在そのものを選び取ったわけで、やはりもうけ至上主義の商人としては、ロレンスは二流ではないかと疑ってしまう。ただし「金儲けのはてに何があるのか」という命題そのものはかなり重い。自由主義経済とはそれを合法であると認めている体制だし、そうでなければ競争は発生しない。そして競争があるからものの値段が上下し、所有するもの、売買するもの、生産するものに富を与える。実に教科書で習うようなことを、当たり前にきちんと教えてくれている。当然そのシステムを逆手にとってもうける方法もあるのだが、そこには当然のように報いが存在する。そうしたバランスの効いたシステムが、この作品にはきちんと組み込まれている。しかも教会や寺院は、きちっと搾取する。だから不平等であることを示してもいる。こうした背景に基づいて、ホロとロレンスのいちゃつきを見せられるのだから、どうしたものか。ただ近年では希有な作品であるのは間違いない。原作のラノベが、ちゃんと売れているのもうなずける。

「大正野球娘」
 まだちゃんと見切れていませんが、意外なほどちゃんと野球をやってまして、好感は持てましたが、時代背景がおざなりなのが気になる。もう少し女性には厳しい時代だったはずだから、主人公の娘が、父親に勘当を言い渡される程度ではすまない気もする。結婚やら身だしなみやらといった話ではなく、戦争がそこまで来ている雰囲気を醸し出したほうがよかったのではないだろうか?


化物語 ひたぎクラブ 【完全生産限定版】 [DVD]化物語 ひたぎクラブ 【完全生産限定版】 [DVD]
(2009/09/30)
神谷浩史斎藤千和

商品詳細を見る

GA 芸術科アートデザインクラス vol.1 初回限定版 [DVD]GA 芸術科アートデザインクラス vol.1 初回限定版 [DVD]
(2009/11/06)
戸松遥徳永愛

商品詳細を見る

咲-Saki- 5 [DVD]咲-Saki- 5 [DVD]
(2009/11/04)
植田佳奈小清水亜美

商品詳細を見る

真マジンガー 衝撃!Z編 1 [DVD]真マジンガー 衝撃!Z編 1 [DVD]
(2009/08/25)
赤羽根健治本多陽子

商品詳細を見る

狼と香辛料II【1】 [DVD]狼と香辛料II【1】 [DVD]
(2009/10/07)
福山 潤小清水亜美

商品詳細を見る

大正野球娘。 第1巻 [DVD]大正野球娘。 第1巻 [DVD]
(2009/10/07)
伊藤かな恵中原麻衣

商品詳細を見る

スポンサーサイト

テーマ : アニメ
ジャンル : アニメ・コミック

コメント

非公開コメント

化は良かったですね。
斎藤さんはケメコでこれが出来るならなんでも出来るんじゃないかと思いました。

大正野球娘見られたんですか?大正14年設定なので日露&日中戦争後ってことになってるみたいです。

自分は時代背景とかは詳しくわからないのですが、一話の東京節にやられました。

No title

とぴろさま
斎藤千和さんは、ケロロ軍曹の夏美しか知りませんでしたので、こういう声を出されると、
たじろいでしまいます。ブルーレイで今し方見直したのですが、オーディオコメンタリーの
すごいこと。一聴の価値ありです。
大正野球娘ですが、普通に女性による野球アニメをするのに、なぜ大正なのか?
参政権すらない?時期の女性にスポットをあてる理由や、この時代特有の世界観が欲しかったと思います。
なんとなく平成の世の中でもいいように感じるし、はかまにバットというビジュアルが大事なら、ユニフォームがいらなくなるんじゃないかと。うーん、なんだか引っかかるんですよね、どうでもいいことばかりですが。
プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
43歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
愛する、男オタ。
特撮は主食、
アニメは副菜。
後期必殺を好み、
スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
Twitter再開しました!

カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
namima2のつぶやき
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

FC2カウンター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
リンク(リンクフリーです)
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
FC2 Blog Ranking
フリーエリア
blogram投票ボタン
ブロとも一覧

あにめにゅ~す の あににゅ

分水嶺☆和歌山毒物カレー事件から19年

素足のアイドル達

有名人の珍言・名言集

宮廷アリス

TOY BOX
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

[FC2 Analyzer] http://analyzer.fc2.com/ -->