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「ルパン三世 Part 5」~その2・ルパンが理由を話すワケ~

承前
 言葉にしづらいルパンと不二子の関係性については、前回においてはお話のキモの部分ではなく、あくまで「ルパン三世」という物語を成立させるための要素だと考えていた。第2シリーズでもよく見られた、ルパンを不二子が追いかけるシーンは、「女怪盗」としての峰不二子が、ルパンと並び立つためのアクセントでしかなく、不二子の掌でいいように操られてルパンが泥棒稼業に精を出す物語導入は、ルパンの動機の部分でもあるわけだ。だが本当にルパンは不二子という女性を手に入れるためだけに、艱難辛苦を乗り越えてまで盗むのか?と問われれば、それは否だろう。盗み出す対象そのものに心動かされなければ、ルパンが動くことはないのではないか? ルパンと一緒にいる次元が、その対象の価値を知らずに、不二子の依頼だと知って露骨に嫌な顔をするシーンが散見されるが、そのお宝の奥にある真実こそ、ルパンが真に追い求めるものであるとしたら、ルパンにとっての「泥棒」という稼業の意味は、世界に点在する謎の探究なのか?

 かつてのTV-SPの22作目「ルパン三世 血の刻印~永遠のMermaid~」では、劇中で狙う八百比丘尼の財宝は、ルパン1世がお宝にたどり着きながらも何も盗まなかったたった1度きりの例であったと説明がある。祖父の不可解な行動の謎を解くべく、行動をしていることを吐露するシーンがあるが、そこで「泥棒」という稼業が、一族に課せられた「呪い」だとルパンは評している。このルパンによる客観評が正鵠を射ているとはどうしても思えない。メタな話を許してもらえるならば、この件こそが製作者たちがルパン像を見誤ってキャラクターをブレさせている最大の要因だと思えるのだ。そして新作を作ってはルパンにとっての泥棒稼業の意味を問いただすことになる。ルパンが断続的にではあるがシリーズとして続けてこられた最大の理由は、ルパンが泥棒稼業に精を出す理由を、製作者たちがずっと追い続けた結果だと思うのだ。でも盗むための理由をルパンは欲していない。それを欲しているのは作り手と視聴者だけなのかもしれない。

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「ルパン三世 Part 5」~その1・論理と矛盾とレゾンデートル~

 これまで「ルパン三世」シリーズについては、TVシリーズ3作品と劇場版、そしてTV-SPと書いてきた。その後「峰不二子という女」について書いたっきり、TV-SPを思い出したように書いた以外は、「次元大介の墓標」「血煙の石川五右エ門」「~Part4」と、作品自体はずいぶんと展開していたにもかかわらずほったらかしていた。SP最新作「グッバイ・パートナー」も放送されたことだし、タイミングは熟しきっているのに、どうにも腰が上がらない。大好きなルパンなのになぜか? 単純に怖かったのだ。大好きな故に、新作を見るのが怖い。近年のTV-SPに悔しい思いをしてきた筆者としては、これ以上製作者たちに好きなように蹂躙されていくルパンたちの姿を見るのがつらかった。たとえ「峰不二子という女」で多少の溜飲を下げたとしても、その思いを引きずったまま今日に至る。どれだけハードに作ろうとも、どれだけコミカルによせようとも、製作者たちの思い通りにキャラクターをブレさせるTV-SPは、「ルパンVSコナン」の企画を聞いた段階で気持ちが離れていく。子供の姿とはいえ、高校生ごときが百戦錬磨の怪盗ルパンと知恵比べなど、コナンくんにまったく思い入れのない筆者にとっては、理解も容認もしがたい事実だった。あ、誤解なきように書きますが、「ルパンVSコナン」は、コラボ作品としては良作でしたけどね。それでも気持ちがルパンから遠のいていく。もはや古参のルパンファンを納得させられる作り手など、いないんじゃないかって。だから遠巻きにして、直接見ることも批評することもなしに、新作を手放しで喜び、ついでに旧作に手を伸ばしてくれる若い人々を待つだけだった。そんな筆者の背中を押してくれた作品が本作、「ルパン三世 Part5」である。実に、実に様々に考えることが多かった作品であった。

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映画「ニンジャバットマン」~超ド級の快作!~

 超ド級の「ド」とは、戦艦ドレットノート級の「ド」なんですって。奥さん、ご存知でした?いやまあそんな話はどうでもよくってw
 劇場公開を見逃して、ソフトもぬるっと買い逃していたのを、年末に今更のように買いまして、これでいつでも見られるなぁって、そのままほったらかしてたら、前回の記事でずいぶんと時間がかかっちゃって、なかなか見れずにおりまして。んで、今さらのように見たんですが、これがまた思いのほか、思いのほかで。もうね快作、とりあえず快作ですよ。筆者がこれから何やら書きますが、こんな駄文読むよりも、お願いですから、借りてでもネットでも媒体はなんでもいいですから、とにかく見てください。そもそもの「バットマン」を知らないと入り込みづらいところはありますが、劇場作品の「バットマン」シリーズに少しでもなじんだ方なら、見て楽しめること間違いなし。バットマンの仲間の歴代ロビンや数多くのヴィランが登場しますが、その人物背景なんかは後回しでいいので、このアクション・エンターテインメントに身をゆだねて、楽しんでもらえればそれで十分おつりがくる、そんな作品です。

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「ウルトラマンUSA」~特撮を描くアニメ~

 更新が遅れましたが、みなさま明けましておめでとうございます。本年も当ブログをよろしくお願いいたします。ぬる~く更新をお待ちいただければ幸いです(てへ)。

昨年末にアニメ・特撮界隈を大変にぎわせた作品「SSSS.GRIDMAN」。巨大さを演出するのは、徹底したローアングルと迫力ある構図であることが明確に示された。比較対象としてのミニチュアセットを立て込むことなく、絵で表現できるアニメの手法で、巨大特撮で表現されるべき絵作りを別のもので置換していく。特撮ファンとしてもアニメファンとしても、その画面作りそのものが痛快で爽快だった本作は、双方の現場で話題になるべくしてなった作品だと思う。

 円谷プロが監督の打診を受けて本作を世に放ったわけだが、円谷プロはアニメと特撮という二つの創作世界の垣根を越えた挑戦を続けてきた経緯がある。70年代の「恐竜探検隊ボーンフリー」(1976)や「恐竜大戦争アイゼンボーグ」(1977)、「プロレスの星アステカイザー」(1976)などの作品におけるアニメと特撮の垣根を取っ払った作品を手掛けている。だが結果的に見れば、アニメで描かれるシーンと特撮で描かれるシーンをそれぞれで製作し、フィルムの上でつなぎ合わせることで作品ができている。そして1979年には「ウルトラマン」をアニメで製作した「ザ・ウルトラマン」が放映されるにいたる。メカも破壊も巨大も怪獣とヒーローの格闘も、すべてアニメで描いたのだ。この作品は80年代初頭に起こるリバイバルブームの先鞭をつけ、かつてのヒーローである「鉄腕アトム」「鉄人28号」は再度アニメ化され、「仮面ライダー」もスカイライダーが誕生し、ウルトラマンも今度は特撮作品として「ウルトラマン80」が放送される運びとなる。そうした意義を思い起こせば、特撮が垣根を越えてアニメへとなだれ込むタイミングというのは、双方の世界にムーブメントを起こすだけのパワーを秘めているのかもしれない。現に平成仮面ライダーのスピンオフ作品が、舞台で上演されると聞くにおよび、「SSSS.GRIDMAN」にもそうしたパワーがあったのかもと、感慨深い。もちろんこうした企画そのものは数年前から準備されたモノであり、それぞれが連動しているとは考えにくいのであるが、それでも同時多発的に発生している事実は看過しえないだろう。

 さてウルトラシリーズが海外で展開をした「ウルトラマンG」(1990)、「ウルトラマンパワード」(1993)に先鞭をつける形で公開されたアニメ作品「ウルトラマンUSA」もまた、そんなパワーを秘めた作品だったのかもしれない。HDリマスターされたBDの発売からはだいぶ遅れてしまったが、今回は改めて本作を取り上げたい。

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「真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ」~たりない尺と原典依存と~

 当ブログでの本作の登場をどれほどお待ちいただいていたかどうかは全く分からないが、お約束通りの登場となります。まあ今回はたった4話分。しかも1話30分ほどのOVAなので、それほどの時間はかからないだろうとタカをくくっていたら、案の定、時間がかかってしまった。理由はわかりきっている。書くことが思いつかないからだw でも巨大ロボットアニメとしては十分面白い。そのあたりの齟齬については、あとで書くことにして、とりあえず筆を進めよう。そうでないと、また遅延に次ぐ遅延となってしまい、いつになっても「新ゲッターロボ」にたどり着かない。

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「真ゲッターロボ 世界最後の日」~この夏に暑苦しい物語をどうぞ~

 筆者ご幼少のみぎり、70年代に花開いたTV特撮作品同様に、男の子の心をつかんで離さなかったのは、カッコいいロボットが活躍するロボットアニメである。その礎たる「マジンガーZ」はおもちゃを含む関連商品の売り上げによっても後押しされて、「グレートマジンガー」「UFOロボ グレンダイザー」へと展開する。「帰ってきたウルトラマン」の放送開始によって、それまでの再放送で飢えを癒してきた子供たちによって「第2次怪獣ブーム」が到来するが、同時期に放送された「仮面ライダー」をはじめとする東映特撮ヒーローをはじめとする変身ヒーローのおかげをもって、「変身ブーム」という側面を持っていた。「マジンガーZ」のヒットの根幹である「合体」とブームによる「変身」。この二つを融合させるべく期待に応えた作品こそが、TVアニメ「ゲッターロボ」であった。

 その後も様々な製作会社によって生み出されてきたロボットアニメは、当然のごとくおもちゃとの連動で企画され、作品がおもちゃの売り上げを左右し、あるいはおもちゃの売り上げによって作品が左右されて打ち切られたりして、主従関係もあいまいなまま群雄割拠の状態を呈していた。そんな折も折、70年代末に登場した「機動戦士ガンダム」の登場によって、ロボットアニメは一つの変換点を迎える。それまでロボット同士の戦闘を「ロボットプロレス」と揶揄してきた層に対して、「侵略戦争」であるとの見解を改めて叩き付けた上で、未来の人間同士による戦争を描くことで、ロボットアニメはリアルなSFであるとの解釈が可能になった。これ以降作り手が意図的に戦争を描く作品は「リアルロボット系」、それ以外を「スーパーロボット系」と区別する展開が待ち受ける。

ゲームシリーズ「スーパーロボット大戦」シリーズでのことである。貪欲に過去作を取り入れ、様々な作品世界を渡り歩きながら、プレイヤーの好きなユニット(ロボット)を使って敵を倒し、ゲームオリジナルの強大な敵を倒す、充実のシナリオとやり応え十分なプレイスタイルが功を奏して、人気のコンテンツになっていく。が、その過熱ぶりはついにオリジナルの作品が、己が枠を超え始めてしまう。劇中の機体パワーアップに飽き足らず、作品オリジナルの新型機が登場する。それが「マジンカイザー」と「真ゲッターロボ」である。だが原作であるアニメ作品や漫画作品を持たない機体は、知名度に問題がある。どちらもエース級の活躍が見込める最強機体であるだけに、過去作や原典を知らないプレイヤーにも訴えたい。そんな作り手の希求にOVAという媒体が応えることになる。80年代のアニメ隆盛期が生み出した、作り手の情熱の発露と商売の原理がスクラムを組んだ故に生み出された、奇形とも思える製作体系と商品展開。表現の上でも自由度の高いOVAは、これらの作り手の欲求と視聴側の欲求を満たしていったのである。ロボットアニメの隆盛から20年を経た90年代末にそれは登場した。その作品こそが「真ゲッターロボ 世界最後の日」(1998)である。

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映画「ヴィナス戦記」~青春の残酷と無残~

 どれだけアニメが好きでも、現在放送中の深夜アニメを全て見ている人もなかないないだろう。先だってTwitter上でも、著名なアニメ制作関係者のツイートで、現在の過剰供給状態を憂いているものがあった。さりとて筆者が子供のころでもまったくご同様で、作品数が限られるアニメ映画にしたところで、そのすべてを見ているわけではない。昨今のような過去作の円盤がそれなりに売れていることを考えれば、そうした過去は、その気になりさえすればリカバーできたりするもので、あとは自身の努力とお金の問題だけになる。

 今年の5月に劇場公開された「機動戦士ガンダム ジ・オリジンIV 誕生 赤い彗星」をもって、安彦良和氏のジ・オリジンシリーズも終焉を迎えた。筆者は友人の誘いのおかげで、全6作を劇場で見ることができた。このシリーズに関しては以前にもブログで書いた通り、漫画作品が先行してあり、それが安彦氏の絵柄によって、アニメ化されたことへの感慨はあっても、単独の映画としてもOVAシリーズとしても、取り立てて特徴のある作品群ではなかったため、当ブログではこれまで取り上げてこなかったのだが、最終作である上記作品についてだけは、物語にきちんと決着がつけてあり、原典である「機動戦士ガンダム」への橋渡しとなる盛り上がりも手伝って、1本の映画として十分見ごたえのある作品となっていた。このことがどれだけ驚きかといえば、安彦氏が監督として劇場公開した作品をみれば一目瞭然である。「クラッシャージョウ」しかり「アリオン」しかり。最低限の映画としての体裁が整ってはいるが、どちらの作品も事態に翻弄されて、なすすべない少年が主人公であり、主人公自身の力によって物語が動くこともない作品であり、主人公は目的を再三見失いながらも、物語はなぜか完遂するという作品なのだ。
 さて安彦氏にはもう1本、劇場用作品の監督をしているのであるが、その作品を筆者はこれまで見たことがなかったので、つい口をつぐんできた。だがつい最近になってその作品を見る僥倖に恵まれた。その作品こそ「ヴィナス戦記」である。

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プロフィール

波のまにまに☆

Author:波のまにまに☆
東京都出身
50歳になりました 
妻一人

戦隊シリーズをこよなく
愛する、男オタ。
特撮は主食、
アニメは副菜。
後期必殺を好み、
スタートレックは
ピカード艦長が大好物。
Twitterやってます!

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